NIGHT HEAD

NIGHT HEAD

強い超能力を持って生まれた霧原直人と直也の兄弟は、15年前に閉じ込められた超能力研究所から、外の世界へ逃げ出した。彼らを待ち受ける様々なことが、謎の組織へとつながっていくサイキックサスペンス。原作:飯田譲治。元はテレビドラマの脚本で、多大な人気を博したため、後に映画、小説、漫画、ゲームなどメディアミックス展開されていった。

正式名称
NIGHT HEAD
ふりがな
ないと へっど
原作者
飯田 譲治
作者
ジャンル
サスペンス
関連商品
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概要・あらすじ

15年前に連れてこられた超能力研究所から、岬老人が死に、結界が消えたことをきっかけに、霧原直人直也の二人の兄弟が逃げ出す。直人はサイコキネシス、直也はリーディングという能力を持ち、研究所とはあまりにも違う外の世界に戸惑いながらも、二人で力を合わせ生きていく。能力を使い、殺人の新たな犠牲者を出すことを阻止したり、高校生の集団自殺の犯人をつきとめたり、ウイルスによる人類滅亡の危機を阻止していくうちに、ARKという謎の組織の影が見えてくる。

登場人物・キャラクター

霧原 直人 (きりはら なおと)

『NIGHT HEAD』の主人公の一人。直也の兄。容姿がとてもいいため、女性によく惚れられる。感情的になりやすい。超能力に怯えた両親により、12歳のときに直也とともに研究所に連れてこられ、27歳で研究所を脱出した。サイコキネシスという能力を持つため、物に手を触れずに動かしたり壊したりすることができる。 幼いころからすぐにオモチャを壊したり、電池のない車を走らせるなどし、両親を不安がらせた。倉橋加奈子と普通の世界で暮らすという選択肢もあったのだが、直人にとって直也のいない普通の世界は苦痛であるため、もう甘い夢は見ないと決意する。研究所の外の世界で暮らすうちに、力自体は強くなってきているが、力の制御ができるようになる。 三雲によって、自分が直也を殺した幻影を見せられ、直人の心が壊れて意識をなくしていたが、三雲に攻撃された直也の、直人を呼ぶ声により、復活する。弟を守るためなら悪魔になれることを自覚し、三雲を殺す。テレポーテーションを新しく会得。

霧原 直也 (きりはら なおや)

『NIGHT HEAD』のもう一人の主人公で、直人の弟。とても心優しい。超能力に怯えた両親により、6歳のときに直人とともに研究所に連れてこられ、21歳で研究所を脱出した。リーディングという能力を持つため、触っただけで人の心がわかってしまうが、自分たちのことは何もわからない。直也が普通に触れられるのは直人だけである。 他人に傷つけられるのが怖く、また、自由を恐れているが、何よりも、兄と離れることを一番恐れている。幼いころ、直也は思ったことをそのまま口に出していたが、人が心に隠していることを暴いてしまうため、直人に他の人の前では言ってはいけないと言われて、人前では無口になった。研究所で訓練した「ロック法」という自分を守る方法があったが、研究所を出て外の世界で暮らすうちに、心構えをしていれば、ショックを受けるようなことは少ないことがわかった。 いっとき、直也は、時間も距離も量もない意識の世界に行き、こちら側の世界とどちらで生きるかを選ぶことが可能だったが、直人と共にこちら側の世界で生きていくことを選ぶ。 後に、人を生き返らせることが出来るようになる、ヒーリングを覚える。

御厨 恭二郎 (みくりや きょうじろう)

森の奥深くに建てられた、超能力研究所の設立者で所長だが、岬老人が死んで結界が破れた時に、霧原兄弟を追わずに逃がした。いつも自信満々で勝手で冷酷。若い頃ソ連に渡り、脳科学を学ぶ。その後、岬老人の指示により、研究所を作る。霧原兄弟の超能力を伸ばす事は出来なかったが、直也には自分の心を守る方法と、直人には感情を制御することを教えた。 岬老人と共に、外の世界から霧原兄弟を守っており、長い間、曽根崎が霧原兄弟に接触するのを恐れていた。研究所の焼失後、ARKにより、岬老人が住んでいた小屋に幽閉されたが、霧原兄弟と共に森を脱出後、ロシアの昔の研究所でもう一度研究をしなおすことを決意。

岬老人 (みさきろうじん)

森と連動しており、森の生命力を使って研究所の結界を張り、守っていた老人。霧原兄弟は、ただの森に住むおじいさんだと思っていたが、リーディングができる直也からも隠せるほどの、とても強い能力の持ち主。没後は樫の木の下に埋めてもらうことを所望し、望みは叶えられたが、亡くなった後も、ちょくちょく存在を感じさせる。 死の直前に、まぶしい緑色の光が窓から大量に流れこんできて、うずまきながら岬老人の人差し指に吸い込まれていき、直也は結界が消えたことを知る。戸籍がないので、本名も年齢もわからなかった。霧原兄弟を守るのが岬老人の役目で、そのために御厨を利用していた。研究所の周りはある種の磁場になっており、そこのエネルギーの特殊な周波数に意識をあわせて「力」を無尽蔵に使い、岬老人は完璧な結界を作っていた。

双海 翔子 (ふたみ しょうこ)

霧原兄弟が研究所から逃げだすことを予言し、未来も過去も同時に存在する時空の「ひずみ」から、霧原兄弟をサポートする、17歳の女子高生。不思議な人で、突然消えたりしていた。はじめて消えたのは1年前で、それから時折消えていたが、10度目に消えた時に戻ってこなかった。古代文字がびっしりと書かれたノートを残しており、のちに直也が読み解く。 大きすぎる力を持っていたため、翔子は肉体を捨てて精神の存在となり、家族や友人を離れ、一人で時のない空間へと旅立った。霧原兄弟には天使のように見えるが、見る人によっては、精神が壊れるほどの怖さを持つものに見える。

曽根崎 道夫 (そねざき みちお)

15年以上前に研究所を逃げ出した、マインドコントロールとテレキネシスを使える超能力者。研究所に来る前は、暗い目をして、関係のない人間同士を操り、殴らせあっていた。研究所に来て、自分の力がコンプレックスから優越感に変わり、曽根崎は変わる。暗証番号をマインドコントロールで聞き出し金を盗んだり、気に入らない奴をケガをさせたりするようになる。 そして、女に興味がないため、その気もない若い所員をコントロールして思いのままにしたりしていた。ARKの坂口から仕事の依頼を受けている。今の自分の欲が満たされればよく、自分の能力に満足し自信満々なタイプだったが、KIRIHARA時計店で翔子を見て、怯えながら逃げ出し、再起不能となる。 ずいぶん怖い思いをしたもよう。

昌幸 (まさゆき)

マインドコントロールで連続殺人をしていた子供。昌幸の飼っていた犬を轢き殺した高校生達や、祖父をいじめた老人たちを自殺に導いた。霧原兄弟の連絡により、母親と共に研究所に引き取られる。研究所の焼失後、曽根崎にマインドコントロールされていたが、その支配と闘い、なんとか霧原兄弟に知らせようとする。

神谷 司 (かみや つかさ)

「平成のノストラダムス」といわれている預言者。普段は普通の会社員として勤め、休日に預言者として多くの人の未来を予知する。その的中率は極めて高く、彼自身を崇拝するものも多い希なる予知能力者。自分の予知を至上のものだと思っているが、会社の部長には予言者としての活動をよく思われていない。 予言を聞き、神谷司を神や教祖と崇めるものが、神谷司に食事や住居を与えている。ウイルス性の病気による人類滅亡のビジョンと、それに霧原兄弟が関わるという暗示が視え、それを狂信的な信者に伝えたため、霧原兄弟は殺されそうになる。ウィルスによる人類滅亡の危機が去った後、曽根崎によって入浴中に毒を飲まされて殺される。

倉橋 加奈子 (くらはし かなこ)

『NIGHT HEAD』第14話「APOCALYPSE・Ⅰ 啓示」から登場する人物。ライブ製薬に勤める科学者で、HIVの特効薬の突然変異で猛毒ウイルスを開発してしまうはずの人。直人を好きに並の男じゃ太刀打ち出来ない頭の良さを持つ。男たちはなぜか倉橋加奈子を征服したがり、側にいると倉橋加奈子を支配しないと男たちのプライドが傷つきだすため、倉橋加奈子はスケールが大きく、心の強い男を求めている。 兄弟も恋人もなく、仕事しかない自分に、研究をやめさせようとする代償として、直人に自分と暮らして欲しいと言うが、断られてしまう。憎しみから直人を殺してしまいたいと思い、コーヒーに毒を入れる想像をすると、曽根崎の超能力により、助手の只野が実行に移してしまう。 直人が、何度もデータを消したと嘘をつく倉橋加奈子を見捨てようとしたときに、倉橋加奈子は本当にデータを消すが、助手の只野がデータのコピーを勝手にとっており、それを消そうとしたため、只野に殴られてしまう。そのため、脳に障害を受けて、自分を12歳の少女だと思っている。 かなり重症な記憶障害になり、回復の見込みは立っていない。

只野 (ただの)

倉橋加奈子の助手。カッコよく優秀で優しく、給料もよくていい車に乗りモテるが、倉橋加奈子には相手にされていない。学生の頃は相対性理論に興味を持っていた。2度目に霧原兄弟がライブ製薬へ倉橋加奈子を尋ねてきたときに只野が応対し、直人のコーヒーに致死量0.1ミリグラムの青酸化合物を盛って殺そうとする。 倉橋加奈子のデータを盗み、他に保管しており、そのデータを消そうとした倉橋加奈子を殴って犯そうとしたところを、背後から神谷司の信者にボウガンで撃たれて殺される。

天元 早紀枝 (あまもと さきえ)

『NIGHT HEAD』最終話「THE TRIAL 審判」に登場する人物。桐華高等学校の一年B組の生徒で、担任の先生を好きだった。ARKの関係者には女神と呼ばれている。学校のプールで集団自殺を起こすが、一人だけ生き残る。暗くて嫌われており、集団自殺をした他の女子生徒にいじめられていた。知美という妹がおり、父親に施設に預けられるところを、妹と絶対離れたくなかった早紀枝は、いじめられてもがんばっていた。 特別な能力を持っており、感情が人に伝染してしまう。「死にたい」と思っただけで周りの人もそう思ってしまうので、いつも感情を押し殺していたが、いじめられたり、好きだった担任の先生がいなくなってしまい、「死にたい」と思ってしまったため、今回の集団自殺が起こってしまった。 両親によってARKに引き渡され、奥原晶子の家に預けられる。自宅に戻ったところ、知美が殺されており、悲しみで力が覚醒し、街中が悲しみにつつまれたが、早紀枝の力は使い果たされた。

奥原 晶子 (おくはら あきこ)

THE ARK CORPORATION通称ARKの社長で予知能力者。最初は小物の輸入会社だったが、能力を生かして会社を大きくし、今では政界とも太いパイプで結ばれている。ARKでは、「ナイトヘッドプロジェクト」という、脳開発の実験をさせ、ナイトヘッドの開発について研究をさせていた。 霧原兄弟を「不確定要素」とし、常に動向を見張らせており、また、早紀枝を女神と呼び、彼女の能力を特に必要としていた。

集団・組織

超能力研究所 (ちょうのうりょくけんきゅうじょ)

『NIGHT HEAD』に登場する組織。設立者は御厨恭二郎だが、岬老人が御厨に指示して作らせた。エネルギースポットに建てられており、周りにはロープで結界が張られている。設立の目的は、超能力を持つためにうまく生きていけない社会不適応者を収容し、研究し、矯正すること。怪しげな予知能力や、低い確率の透視、チャネリングもどき、自意識過剰で超能力者の演技をする者等、いろんな子ども達がいたが、本当に能力があり、苦しんでいる者もいた。 霧原兄弟はここにモルモットのように、隔離されて調べられて監視されていたが、結果的に外の世界からは守られていた。昔、岬老人と対立していたARKが研究所を焼失させ、書類を奪っていった。

場所

KIRIHARA時計店 (きりはらとけいてん)

『NIGHT HEAD』に登場する店。霧原兄弟の両親が経営しているが、直人と直也は事故で死んだことになっている。子供達だけで公園のボートで遊んでいて、小さな女の子が立ち上がってしまい、ボートが転覆した。直人はその女の子を助けたが力尽き、直也とそのまま亡くなった。その頃両親の会社の経営は行き詰まっており、直人の助けた女の子の父親が恩返しにと融資をしてくれ、おかげで両親や他の多くの社員が路頭に迷わなくてすんだ。 その後事情があって、会社は人に任せる事になり、それ以降この店をやっている。

その他キーワード

NIGHT HEAD (ないとへっど)

『NIGHT HEAD』に登場する用語。人間は脳の容量の70%を使用していないと言われており、人間の持つ不思議な力はこの部分に秘められていると考えられている。使用されることのない脳の70%は「NIGHT HEAD」と呼ばれることがある。

クレジット

原作

飯田 譲治

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NIGHT HEAD 2041 (ないと へっど にせんよんじゅういち)

2041年の日本。超能力はもちろん、神仏信仰さえも禁じられた近未来が舞台。超能力者である霧原直人・霧原直也兄弟と、超能力者を追う保安隊隊員の黒木タクヤ・黒木ユウヤ兄弟。対極にいる2組の兄弟を軸に描かれ... 関連ページ:NIGHT HEAD 2041

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