高台家の人々

高台家の人々

妄想癖のOLと、人の心が読める「テレパス」の男性。2人と男性の家族たちが織り成す抱腹絶倒のラブ・コメディ。「YOU」平成24年12月号から連載中。

正式名称
高台家の人々
ふりがな
こうだいけのひとびと
作者
ジャンル
ラブコメ
 
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あらすじ

OLの平野木絵は、愉快な物語の創作を得意とする「妄想癖」の持ち主。そんな彼女はある日突然、社内の女性たちの憧れの的である高台光正に交際を持ちかけられる。光正に選ばれた理由が分からず木絵は驚くが、光正は人の心が読める「テレパス」で、木絵の妄想に興味を持ったというのがその真相であった。木絵は光正の能力に薄々勘付きつつも、次第に彼を深く愛するようになっていく。

表現上の特徴

表現上の特徴として、平野木絵の「妄想」があげられる。些細なきっかけからスケールの大きな物語を創作する木絵の妄想趣味は、社会生活を送るうえでは無意味に見える。しかし、木絵の心が読める高台3兄弟にとっては非常に大切なもの。高台光正高台茂子高台和正の3人は彼女の妄想に心和まされたり、創作された物語にヒントを得て行動することも多い。

タイアップ

2016年4月から6月にかけて、映画版の公開に合わせた『高台家の人々』と渋谷マークシティのタイアップ企画「渋谷マークシティと高台家の人々 Family Gift キャンペーン」が行われた。このキャンペーンは原作のキャラクターイラストと共に家族に向けたお勧めギフトを紹介するという内容になっており、母の日と父の日に向けて実施された。館内には映画のビジュアルを用いたポスターやパネルが設置されたほか、1000円以上の購入者を対象に当たり付きのスクラッチカードも配布された。

メディアミックス

映画

2016年6月、土方政人監督、金子ありさ脚本による映画版が公開された。主人公の平野木絵役を綾瀬はるか、高台光正役を斎藤工が演じる。

ドラマ

2016年6月、映画版の公開に合わせて、dTV制作のwebドラマが制作された。高台光正たち3兄弟の両親である、高台由布子高台茂正(父)の物語が描かれ、高台由布子役を小松菜奈、高台茂正(父)役を間宮祥太朗が演じる。間宮は、映画では次男の高台和正役を演じている。

評価・受賞歴

本作『高台家の人々』は、多数の賞を受賞している。「NEXTブレイク漫画RANKING BEST50 」では1位を、「このマンガがすごい!2015 オンナ編」では6位、「第6回ananマンガ大賞」では準大賞を受賞した。

登場人物・キャラクター

平野 木絵 (ひらの きえ)

29歳のOL。前髪を目の高さで切り、肩のあたりまで伸ばした茶髪を外にはねさせている。非常におとなしく人と話すのも苦手だが、根は明るく心優しい性格の持ち主。また、極度の妄想癖の持ち主で、頭の中は常に愉快な空想に溢れている。高台光正とは、彼のテレパス能力で心を読まれてその妄想癖を知られたことから急接近し、ユーモアに富んだ暖かい人柄を慕われて交際へと至る。 光正をはじめとする高台3兄弟の能力には薄々勘付きつつも、一家全員と親しくなっていく。辛い事があった際は、ネガティヴな感情が湧き出る前に、事態を面白おかしい妄想に変換して耐えるという、独自の処世術を持っている。

高台 光正 (こうだい みつまさ)

平野木絵の勤める会社に、ニューヨーク支社から転勤してきた27歳の男性。イギリス人祖母の血を引くクォーターで、前髪を左寄りの位置で分けた黒髪ストレートヘアに、青い瞳を持つ端麗な容姿の人物。元華族と噂される名門、高台家の人間で、穏やかで上品な雰囲気の持ち主。容姿と家柄に加え、あらゆる方面に優秀な能力を持つことから異性に非常にもてる。 しかし、人の心が読める「テレパス」能力があるために、なかなか他人に心を開けずにいた。落ち着いた雰囲気だが実はジョークや面白い話が大好きで、木絵の豊かな妄想力に惹かれ彼女に交際を持ちかける。趣味はスポーツ観戦で、身長180センチ。「光正」という名前は、祖父の「高台茂正(祖父)」から1文字もらう形で名付けられた。

高台 茂子 (こうだい しげこ)

高台光正の妹で、高台和正の姉。兄と弟同様テレパス能力を持ち、年齢は25歳。イギリス人祖母の血を引くクォーターで、胸のあたりまで伸ばしたストレートロングヘアに青い瞳の、非常に美しい容姿の持ち主。男勝りでさっぱりとした性格だが、やや臆病な面も持ち、長年の友人である岸本浩平との関係にも一歩踏み出せないところがある。 平野木絵のことは当初地味でパッとしない女性と捉えていたが、木絵の愉快な妄想と暖かな人柄を知り、親しくなる。「茂子」という名前は、祖父の「高台茂正(祖父)」から1文字もらう形で名づけられた。

高台 和正 (こうだい かずまさ)

高台光正と高台茂子の弟。兄と姉同様、テレパス能力を持つ。イギリス人祖母の血を引くクォーターで、前髪を真ん中で分け、ふんわりとした黒髪を肩のあたりまで伸ばしている。イギリスに留学中だったが日本での就職先が決まったのを機に帰国し、実家に戻ってきた。斉藤純を気にかけているが、かつて光正と間違えられたことがきっかけで、純と会うと素直になれず、意地悪ばかりを言ってしまう。 テレパスであることから、重い愛情を注いでくるタイプの女性よりも、気楽に付き合える女性の方が好み。

高台 由布子 (こうだい ゆうこ)

高台光正、高台茂子、高台和正の母親。前髪を真ん中で分け、肩の下あたりまで伸ばしたセミロングヘアを外にはねさせている。義父である高台茂正(祖父)が体調を崩したのを機に渡英し、茂正の死後も義母の高台アンを案じてイギリスで過ごしていた。しかし帰国した途端、光正に恋人がいると知り、光正と平野木絵の交際に強く反対する。 アンとは血のつながりがないためテレパス能力を持たないが、正直な性格ゆえに本心と言動がほぼ一致している稀有な人物。気が強く誰にでも厳しく、木絵にも容赦ない言動をする。しかし決して悪意はなく、本心から相手を想って言っているのがかえって困りもの。旧姓は「深丸」で、独身時代はテニス一筋のスポーツ少女だった。

高台 茂正Jr. (こうだい しげまさ じゅにあ)

高台光正、高台茂子、高台和正の父。高台由布子の夫。母・高台アンや子ども達のように他人の心を読む能力は無い。父・高台茂正と同じ名前を付けられたが、ややこしいので高台アンからは「マサオ」と呼ばれている。空気を読まず、いつもニコニコとしている楽天家。妻・高台由布子とは大学生の時に知り合った。

高台 アン (こうだい あん)

高台光正、高台茂子、高台和正の祖母。テレパス能力を持つイギリス人で、3兄弟のテレパス能力と青い瞳はアン譲りのもの。また、サー・ローレンス・ぺドラー伯爵の一人娘でもある。腰のあたりまで伸ばした金髪ロングウェーブヘアに、青い瞳の美女。夫の高台茂正(祖父)とは22歳の頃パーティで知り合い、すぐさま茂正の真面目な人柄に惹かれる。 茂正と出会う前はテレパスゆえの冷めた部分があり、恋愛にも無関心だった。しかし茂正と結ばれるため情熱的なアプローチを繰り返し、日本まで追いかけて結婚した。茂正とは彼が亡くなるまで非常に仲が良く、寒い日でも一緒に庭でお茶を飲むのが習慣だった。

高台 茂正 (こうだい しげまさ)

既に死亡しており、回想に登場する。(1958年)、留学先のロンドンではサー・ローレンス・ペドラー伯爵 邸の離れに下宿していたが、同家の一人娘・レディ・アン・ペドラーに猛アタックされる。

岸本 浩平 (きしもと こうへい)

高台茂子の友人。大学卒業後も学校に残って研究を続ける男性。前髪を目の高さで切り、ふんわりとした癖っ毛をしている。茂子とは大学時代からの付き合いで、卒業後2年が経過した現在でも頻繁に会うほどの仲。明るく親しみやすい性格で、その人柄は茂子にも太鼓判を押されるほど。茂子のことは友人としか捉えていなかったが、三浦知紗に告白されたことからその関係が変化し始める。 温かな人柄から、密かに異性に人気がある。

斉藤 純 (さいとう じゅん)

高台茂子の友人で、「さいとう動物病院」で獣医師を務める25歳の女性。前髪を目の高さで切ったショートカットヘアをしている。「さいとう動物病院」は父親の病院でもあり、高校入学前、病院で知り合った高台光正に一目ぼれ。直後に出会った茂子とも意気投合し、高校時代は高台家によく出入りしていた。しかし光正に告白しようとした際、弟の高台和正と間違えてしまった事件から寄りつかなくなってしまった。 現在でも光正に憧れているが、何かと自分にちょっかいをかける和正とも親しくなっていく。

浅野 (あさの)

平野木絵と同じ会社に勤める女性社員。入社1年目の新人で、企画部に所属している。前髪を右寄りの位置で分け、肩につくほどの長さの内巻きボブヘアをしている。自分の容姿に強い自信を持っており、男性社員たちからも「今年度のナンバーワン」と評される美貌の持ち主。高台光正に想いを寄せており、木絵相手であれば勝てると踏み積極的にアプローチする。 そのため、木絵の妄想にも、しばしばライバル的立ち位置で登場する。

阿部 (あべ)

平野木絵と同じ会社に勤める先輩OL。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、肩につかない長さのボブヘアをしている。木絵とは席も隣で、一緒に食事に行くほどの仲。非常に面倒見の良い性格で、くよくよしがちな木絵にアドバイスすることも多い。既婚者。

大垣 弥生 (おおがき やよい)

高台由布子の大学時代の後輩。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、胸のあたりまで伸ばしたロングヘアをハーフアップにしている。地味で目立たない容姿の無口な人物だが、非常に腹黒く、高台茂正(父)と結婚するのは自分だと思い込んでいた。そのため由布子と茂正を引き離そうと画策したが、それが意外な結果を招くことになった。

三浦 知紗 (みうら ちさ)

岸本浩平と同じ大学に通う女子大生。年齢は浩平と高台茂子の2歳下にあたる。前髪を目の高さで切って左寄りの位置で斜めに分け、段をつけて肩のあたりまで伸ばしたセミロングヘアをしている。浩平に想いを寄せており、4年間ずっと思い続けていたと告白。浩平と茂子の関係に大きな変化を与える。浩平と茂子の関係を訝しんでおり、茂子に強いライバル心を抱いている。

高台 茂正(祖父) (こうだい しげまさ)

高台アンの亡くなった夫で、高台光正、高台茂子、高台和正の祖父。前髪を左寄りの入りで七三分けにし、眼鏡をかけている。無口で不器用だが真面目で誠実な性格で、若い頃に渡英。下宿先をアンの家に選んだのがきっかけで彼女と出会う。出会った当初は婚約者である西条茗子を気にし、また高貴な身分のアンに悪い噂が立たないよう、アンにはそっけなく接していた。 しかし本心ではアンに強く惹かれており、彼女と深く愛しあうようになる。2年前に病に倒れ、半年前亡くなった。

高台 茂正(父) (こうだい しげまさ)

高台光正、高台茂子、高台和正の父親。日本人とイギリス人のハーフで、金髪に茶色い瞳を持つ。自身の父親である高台茂正(祖父)と同じ名前をしているが、ややこしいため母親の高台アンや友人からは「マサオ」と呼ばれている。アンの息子であるにもかかわらずテレパス能力はなく、むしろ普通の人間よりも人の気持ちには鈍い。 笑顔を絶やさぬ穏やかな性格で、自己主張するよりも他人に合わせているのが楽な性分。しかしその流されがちな一面が高台由布子の怒りを買い、彼女に叱られたのをきっかけに親しくなった。

管野 (かんの)

斉藤純の知り合いの男性。純とは、純の友人である亜紀を介して出会った。純の学生時代の写真を見たことから彼女を非常に気に入っており、交際したいあまりに激しいアピールをする。鈍感かつしつこい性格で、突然病院に押し掛けたり、交際を断られても迫ってくるなどの振る舞いで純を困惑させる。あまり容姿には優れず、高台和正には「ブサイク」と評されている。

アーサー・ダヴォンリー (あーさーだゔぉんりー)

高台アンの叔母が、アンの縁談相手に勧めた男性。癖のある髪を左寄りの位置で8対2に分けている。高い鼻が特徴。一見ちゃらちゃらした性格だがアンの幸せを真摯に願っており、悩めるアンに秘策を与えた。高台茂正(祖父)亡き後もアンとは交友があり、茂正の死に気落ちするアンを案じている。姉が2人いる。

西条 茗子 (さいじょう めいこ)

高台茂正(祖父)の元婚約者。前髪を上げて額を全開にし、ストレートロングヘアを胸のあたりまで伸ばしている。のっぺりとした平坦な顔に加え、極端に無表情。そのため冷たそうに見えるが、実際は物静かで心優しい性格。茂正とは2度ほどしか直接会ったことがなかったが、その人柄を高く評価されていた。

菜緒 (なお)

高台由布子の大学時代の友人で、高台茂正(父)の元交際相手。前髪を真ん中で分け、段をつけたストレートロングヘアである「姫カット」をしている。色白で華奢な外見に加え、心優しくおっとりとした性格の、可愛らしい人物。学生時代、茂正に想いを寄せて、菜緒から告白したことで交際を開始。しかしすぐさま茂正に二股をかけられてしまう。 菜緒の悲しむ姿に激怒した由布子は、高台家に乗り込むことになった。

渡辺 なつひ (わたなべ なつひ)

高台由布子の知り合い、松笠洋一郎の婚約者。「四ツ葉製薬」の社長令嬢。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、胸につくほどの長さの黒髪ストレートロングヘアをしている。洋一郎や義母の前ではおしとやかに振る舞っているが、実は遊び歩いており、洋一郎にも特に愛情はない。そのため、結婚後は夜遊びを控えるどころか、洋一郎の目を盗んでもっと自由に振る舞おうと考えている。

沼田 (ぬまた)

高台光正の所属する部の、部長を務める中年の男性。垂れ眉と細い目、眼鏡とたるんだ二重あごが特徴。目上の人間にはぺこぺこし、目下の人間はこき使うことで知られており、社内での評判は芳しくない。光正が社長に評価されていることに目をつけ、光正に激務を強いて、彼の手柄を奪おうとしている。一方で光正の容姿は気に入っているのか、心の中で顔立ちや肌の質感を褒めている。 髪型が怪しく、社内ではカツラ疑惑がささやかれている。

春田 佳穂 (はるた かほ)

高台光正が中学2年生の時、高台茂子、高台和正と共に知り合った29歳の女性。前髪を左寄りの位置で斜めに分けてゴムで留め、後ろの髪はまとめてポニーテールにしている。高台家別荘付近にある森の管理小屋で一人で暮らしていたが、3人が道に迷ったと知り、一晩泊めることになる。テレパス能力があり、3人にも同じ能力が備わっていることに驚く。 能力のせいで失恋したのがきっかけで、現在の仕事を選び森に籠るようになってしまった。

中谷 亮 (なかたに りょう)

春田佳穂の元恋人。佳穂とは同じ会社に勤めていたことで知り合い、彼女の2年先輩にあたる。前髪を左寄りの位置で七三分けにし、眼鏡と細面な「キツネ顔」が特徴。無表情なために意地悪そうに見えるが、内面は単純でお人好し。佳穂がテレパスではと薄々勘づきつつ交際を始めるが、テレパスであると確信した途端彼女を恐れ、別れを告げた。 しかしその後も佳穂を想っているのか、時折佳穂の住む管理小屋にお菓子や花を置いていく。

ホリー・ジョーンズ (ほりーじょーんず)

高台光正の元上司で、ニューヨーク支社から平野木絵たちの勤める本社へやってきたアメリカ人女性社員。年齢は38歳。前髪を右寄りの位置で分けて額を全開にし、ウェーブがかった肩までのセミロングヘアをしている。ニューヨーク支社での実績が認められ、本社初の女性役員として招かれた。「ハリウッド女優のよう」と評されるほどの華やかな外見の持ち主で、日本語が堪能なうえにフランス語、ドイツ語、スペイン語も話せるキャリアウーマン。 光正とはニューヨーク支社時代の直属の上司と部下の関係で、当時から非常に親しかった。バツイチ。

スタンリー・ジョーンズ (すたんりーじょーんず)

ホリー・ジョーンズと別れた夫の間に生まれた息子。前髪を左寄りの位置で斜めに分けたストレートヘアをしており、ホリーとはあまり似ていない。親権は父親にあり、ホリーとは別々に暮らしていたが、突如失踪。ホリーを心配させている。

西尾 (にしお)

高台光正の元恋人。前髪を左寄りの位置で斜めに分け、胸のあたりまで伸ばしたストレートロングヘアをしている。思ったことをはっきりと言う正直な人物で、周囲にはきつい性格と誤解されがちだが、面倒見がよく心優しい。光正とは高校の同級生で、2年生の頃に交際していたが、光正にテレパスであると打ち明けられ困惑。光正と別れてしまった。

ヨシマサ

高台家で飼っている猫。種類はブリティッシュショートヘア。生まれはロンドンで、高台和正が帰国する際連れ帰ってきた。非常に大柄で目つきが悪く、強面。その容姿から、斉藤純に「実はヨシマサは猫ではなく、寸胴な虎の赤ちゃん」と冗談を言われた平野木絵は、真に受けてしまった。

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