ゆうやみ特攻隊

ゆうやみ特攻隊

心霊事件を扱う心霊探偵部に、ある日辻翔平が入部。彼は幼いころ最愛の姉を悪霊に殺され、復讐を誓っていた。ある時、悪霊は残虐なな因習が残る黒首島にいることを知った心霊探偵部は、島へと乗り込んでいく。だがそこは悪霊を崇める鉄一族に支配されていたのだった。残虐で異能の力を持つ鉄一族とそれに歯向かう心霊探偵部らの熾烈な戦いを描く、伝奇ホラーアクション作品。序盤はギャグテイストが強かったが、黒首島に舞台を移してからはシリアスなバトル展開となった。

正式名称
ゆうやみ特攻隊
ふりがな
ゆうやみとっこうたい
作者
ジャンル
アクション
 
怪談・伝奇
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概要・あらすじ

幼いころに姉を悪霊に殺された少年辻翔平は、復讐のため報酬を受けて心霊事件を解決する心霊探偵部に入部。圧倒的暴力で霊に恐怖を植え付け成仏させる力を持つ部長兼隊長の花岡弥依らと部活動を続けていただったが、ある事件をきっかけに姉の仇である悪霊は黒首島にいることが判明する。時を同じくして、心霊探偵部黒首島に住む少女から依頼が舞い込んでくる。

少女は人柱に選ばれており、助けを求めていたのであった。は、両親と黒首島にある因縁を知り、単身島に向かおうとするが、少女からの依頼を受けた花岡部長らと合流。心霊探偵部の面々は黒首島へと乗り込んでいく。しかし、そこは悪霊をミダレガミと呼び崇め祭り、人間を残虐な方法で生贄に捧げている鉄一族に支配されていた。

古くからの因習と狂気に満ちたこの島で、心霊探偵部の面々は、島に囚われたままの姉の魂を解放するため、そしてミダレガミを滅ぼすため、鉄一家に立ち向かっていく。

登場人物・キャラクター

辻 翔平 (つじ しょうへい)

高校一年生。幼いころ最愛の姉晴子を悪霊に殺され、仇を探すため心霊探偵部に入部。悪霊が黒首島にいることを知り、姉の魂を解放するために島へと向かう。霊感体質で霊を見ることができる。極度の怖がりだったが、心霊探偵部でのシゴキと、部長兼隊長である花岡弥依のまっすぐな戦いぶりを見るうちに精神的に成長していく。 母は鉄一族の出身で辻もその血を引いており、鋭い目つきや時折発する殺気といった特徴を受け継いでいる。戦闘力は皆無だったが、鉄一族のみに許されたうつぼ神との契約を行い、生贄にされ無念にも殺された人々の魂を支えに、超人的身体能力を得る。

花岡 弥依 (はなおか やより)

高校二年生の女子で、心霊探偵部部長兼隊長。報酬を受け心霊事件を解決していたが、黒首島の因習で生贄に選ばれた少女三嶋紗由を助けるため、島へと向かう。そこで鉄一族の非道を目の当たりにし、彼らに立ち向かうことを決意する。素手で霊に触れられる能力を持ち、強烈な暴力で霊に恐怖を植え付け除霊を行う。 また、武装した数十人以上の男を単身で蹴散らし、異能者である鉄一族とも対等に渡り合うなど、対人戦でも圧倒的強さを誇る。だが、その強さの由来は不明。金に汚い面もあるが、基本的には仲間思いで筋の通った性格である。

越島 カエデ (こしじま かえで)

高校二年生の女子。霊能力はないが、心霊探偵部では情報収集を担当している。生贄の少女三嶋紗由を助けるため、花岡弥依らと共に黒首島へ向かい、そこで鉄一族の蛮行に巻き込まれてしまう。普段は穏やかだが気丈な性格で、暴れ出した花岡弥依を制止できる数少ない人物である。

2号 (にごう)

『ゆうやみ特攻隊』に登場する犬。殉職した1号に変わって霊感犬として心霊探偵部で飼育されている。霊能力があり、特技は念写。常に眠そうな目つきをしており、目が「3」のように描かれている。

辻 晴子 (つじ はるこ)

辻翔平の姉。翔平が幼いころに悪霊ミダレガミに殺され、魂を黒首島に囚われてしまっている。

辻 正男 (つじ まさお)

辻翔平の父。大学時代は考古学を専攻しており、黒首島の調査中に鉄伸子と出会った。生贄にされかけていた伸子を助けだし、結婚。晴子と翔平の二人の子をもうける。晴子がミダレガミに殺され、伸子も亡くなった後、二人の魂が黒首島に囚われていることを知り、再び島へと舞い戻った。 しかし、鉄一族に捕まり拷問を受け惨殺されてしまう。

辻 伸子 (つじ のぶこ)

辻翔平の母。鉄一族の因習に則って14歳のころ生贄にされかけたが、辻正男の手によって救出され、島を脱出。正男と結婚し、穏やかに暮らしていたが娘晴子がミダレガミに殺され、後を追うように亡くなってしまう。

三嶋 紗由 (みしま さゆ)

黒首島に住む少女。鉄一族の鉄萌と恋人同士であり、それに嫉妬した鉄月の企みで、ミダレガミに捧げる生贄に選ばれてしまう。

鉄 磊誠 (くろがね らいせい)

鉄一族の当主。齢150だが、未だ現役。異常な性欲を持ち、子供の数は数えきれないほどである。明治時代に黒首島に島流しにされていたところ、同じく流刑にされた冴火と出会い、彼女を慰みものにしようとした島の頭を殺害。冴火を餌に島の犯罪者たちを束ねようと目論むも失敗し、島は内紛状態に陥ってしまう。 その後立場を追われ冴火を手放すが、ある日弄ばれ打ち捨てられていた彼女と再会。二人は愛を育んでいくが、敵に追われ湖に突き落とされてしまう。しかし、そこでうつぼ神から力を与えられ磊誠は復活。再び黒首島を支配する。冴火のことを愛し続けており、一年に一度のおおつごもりの日に彼女と対面することを熱望している。 普段は老人の顔を模した面をつけているが、その素顔は若かりしころの姿そのままである。

鉄 龍生 (くろがね りゅうき)

鉄一族の一員で、鉄家当主の長男。情緒不安定な一面があり、一族の者にも恐れられている。ミダレガミへの信仰は一族の中でも最も厚い。うつぼ神との契約で不死身となっており、「不死の龍」、「獄門還り」、「無敵糞オヤジ」と呼ばれている。また、拷問器具を模した技を振るう拷問拳の使い手である。

鉄 利久 (くろがね りく)

鉄一族の一員で、鉄家当主の次男。我の強い鉄一族の面々をいさめる役割を負うことが多い。うつぼ神との契約で、背中から無数の人骨を出し、触手のように自在に伸ばし攻撃する術を持つ。

鉄 至道 (くろがね しどう)

鉄一族の一員で、鉄家当主の三男。かつて辻正男の手引きで島から逃げ出した姉鉄伸子に異常な執着を持ち、伸子と同じ長髪の女性を見つけては姉の役割を演じさせている変態。うつぼ神との契約で、人間離れした俊敏さを持つ。

鉄 要 (くろがね かなめ)

鉄一族の一員で、鉄利久の次男。虚弱体質ゆえに時期後継者候補に選ばれず、身内にも蔑まれていたことにコンプレックスを抱えている。島の混乱に乗じ掟破りの二度目のうつぼ神との契約を行い、下克上を目論んだ。自分の分身の生霊を飛ばす術を持ち、再契約後はさらに黄泉花を操り人間を生きたまま黄泉に送る「神隠しの技」を得る。

鉄 翠 (くろがね すい)

鉄一族の一員で、鉄利久の長女。鉄一族の女としてミダレガミに捧げられる定めだが、同じく生贄となった母に再会できると信じ、その日を待ち望んでいる。人間の恐怖心を増大させる術を持ち、個人の持つ恐怖症を操り怯える姿を楽しむ残忍な癖がある。

鉄 萌 (くろがね はじめ)

鉄一族の一員で、鉄至道の長男。三嶋紗由と恋人同士で、生贄に選ばれた彼女を助けるため心霊探偵部に救援要請の手紙を出した。そして、依頼を受けた花岡弥依らとともに鉄一族に歯向かっていく。心優しい母の血を引いたためか、残虐非道の鉄一族の中で唯一人の心を持っている。うつぼ神との契約は交わしていないが、身体能力は高い。

鉄 月 (くろがね ゆえ)

鉄一族の一員で、鉄至道の次女。兄である鉄萌に執着している重度のブラコン。兄の恋人である三嶋紗由に嫉妬し、彼女をミダレガミに捧げる生贄に選んだ。怨霊を使役する能力と、毒針が武器。

鉄 生良 (くろがね きら)

鉄一族の一員で、鉄至道の四男。幼いが残忍な性格。黒首島に降り立った花岡弥依に襲い掛かったが、返り討ちにあった。

鉄春子・夏子・秋子 (くろがね はるこ・なつこ・あきこ)

鉄一族の一員で、鉄至道の三女・四女・五女の三姉妹。まだ幼いが、三人とも重度のマゾヒスト。うつぼ神との契約で触れた相手を死に至らしめる「呪いのたなごころ」を持つほか、怨霊である冬子を憑依させることで戦闘力を増大させることが出来る。

黒井 宗清 (くろい そうせい)

鉄萌に忠実に仕える執事。鉄一族の恐怖に怯え、暴虐に目をつぶって生きていたが、毅然と立ち向かう花岡弥依の姿を見て奮起。共に戦うこととなる。ある失態の罰で鉄龍生に十指を切断され、チタン製の義指に付け替えており、それを武器としている。

シズル

鉄一族への反抗勢力のリーダー。かつてミダレガミに捧げられ、両親と妹を殺されたが生き残り、鉄一族への復讐を誓った。黒首島に現れた花岡弥依らと共闘していく。

冴火 (さえか)

自分を虐待していた両親を殺した罪で黒首島に島流しにされた。外見は美女だが両性具有のため、男とみなされ黒首島へと送られてしまい、島の支配者に凌辱されかけたところを鉄磊誠に助けられる。島を支配せんとする磊誠の目的のため男たちの慰み者にされ、激しい憎悪を抱いていたが、ボロ雑巾のようになっていたところを磊誠に助けられ彼に愛情を抱いていく。 やがて二人は島の男に追われ湖に突き落とされてしまうが、うつぼ神の力で悪霊ミダレガミへと転じ復活。島を支配する。悪霊と化してからは黒首島で神として崇め祭られているが、憎悪は消えず、毎年おおつごもりの日に生贄を求めている。辻翔平の姉を殺した張本人である。

うつぼ神 (うつぼがみ)

『ゆうやみ特攻隊』に登場する神。黒首島に住まい、人間の魂を捧げると引き換えに異能の力をもたらす存在。鉄一族はうつぼ神と契約を交わすことが習慣となっている。

集団・組織

鉄一族 (くろがねいちぞく)

『ゆうやみ特攻隊』に登場する一族。鉄磊誠を党首とし、黒首島を恐怖で支配している。悪霊ミダレガミを神と崇め、降臨の儀式であるおおつごもりの日に捧げる生贄を島の内外から集めている。「柱」と呼ばれる生贄は過酷な拷問を加え絶望に落とさねばならないため、煉獄部屋と呼ばれる拷問部屋を島に持っている。鉄一族の者は幼少のころから一族の残虐行為を目の当たりしているため、倫理観を完全に失っており、全員が残虐な嗜好を持つ。 また、一族の女は「柱」としてささげられる定めである。

心霊探偵部 (しんれいたんていぶ)

『ゆうやみ特攻隊』に登場する部。花岡弥依が部長兼隊長であり、辻翔平と越島カエデ、霊感犬の2号が所属している。高校の部活であるが、報酬を得て心霊事件を解決している。

イベント・出来事

おおつごもり

『ゆうやみ特攻隊』に登場する祭り。黒首島で祭られている悪霊ミダレガミを召喚する祭典で、毎年の大みそかに行われる。「柱」と呼ばれ捧げられた生贄を、島の十二カ所に連れて行き様々な方法で惨殺する十二の儀式で成り立っている。これを順番通りに行うと、黄泉の門が開き、ミダレガミが降臨する。ミダレガミの要求により「柱」の数は年々増加している。

場所

黒首島 (くろくびとう)

もともとは無人島だったが、罪人を隔離するための流刑地となった島。現在は表向きは観光客も訪れる普通の島だが、鉄一族に恐怖でもって支配されており、島民は一族を恐れひっそりと暮らしている。島ではケシを栽培しており、鉄一族は、戦時中軍にアヘンを売り、巨万の富を得た。

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