コンプレックス・エイジ

コンプレックス・エイジ

コスプレが趣味の片浦渚が、人間関係の縺れ、理想と現実の差異や自身の加齢で悩み、自身の趣味とどう向き合っていくかを描いた漫画。周囲の人々に趣味がバレた時の反応なども生々しく描いている。作者の佐久間結衣が手掛けた、第63回ちばてつや賞一般部門入選の読み切り作品を元に物語が作られている。またコラボレーションとして、登場人物がゲーム・ダンガンロンパシリーズや初音ミクをはじめとするVOCALOID系列のキャラのコスプレをする姿が描かれている。

正式名称
コンプレックス・エイジ
ふりがな
こんぷれっくす えいじ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
モーニング KC(講談社)
巻数
既刊6巻
関連商品
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概要・あらすじ

家庭教師の斡旋をする会社で派遣社員として勤務している片浦渚は、コスプレを趣味にしている26歳の女性。衣装は細部にまでこだわって手作りし、キャラの成りきりも完璧、コスプレイベントを生きがいとして日々を過ごしていた。だが、コスプレを通じて起きる仲間や周囲の人々との関係や問題を通じて、自身とキャラクターの差異や加齢の悩みに直面し、趣味とどう向き合うかの岐路に立つことになる。

登場人物・キャラクター

片浦 渚 (かたうら なぎさ)

右目の下にホクロがある茶色い短髪の女性。年齢は26歳。174㎝の高身長が特徴。派遣社員として家庭教師の斡旋をする会社に勤務している。趣味はコスプレで、友人である馬場公子とは高校生の頃からのコスプレ仲間。コスプレの衣装は全て手作りで、細部にまでこだわって手作りする完璧主義者。 趣味の事は母親の片浦佐和子や周囲には隠している。高身長である事へのコンプレックスからか、コスプレの傾向は低身長のキャラが多く、作中内作品『マジカルずきんウルル』のキャラであるウルルに関しては特に情熱を傾けている。だがその性格と情熱故に、栗原綾や志保、りうらから尊敬される事もあれば、見解の相違で他者と衝突する事も多い。 コスプレ時の名前は「凪」。

ウルル

赤い頭巾を被った少女。少女達が争う世界を憂えて、みんなと友達になる事を目指している。誰よりもまっすぐな性格で傷つきやすく、すぐに泣いてしまうがそれでも困難に立ち向かう。相棒のフレンダーは豚に似た見た目で翼を持つムクク。武器は巨大なメス。 必殺技は「ダージリンデルタアタック」。片浦渚が好んでコスプレしている。

馬場 公子 (ばば きみこ)

茶色い短髪の女性。年齢は26歳。デザイン会社勤務。職場の同僚である河西春太と付き合っている。趣味はコスプレで、片浦渚とは高校生の頃からのコスプレ仲間。コスプレをする傍らで撮影に回る事も多く、知識も深い。何でもそつ無くこなすが、絵の才能は混沌としている。世話焼きで細かい所に気が利く性格をしており、他人と衝突する事が多い片浦渚の仲介役を担う事も多い。 コスプレの傾向は特に無く色々なキャラをコスプレしており、作中内作品『マジカルずきんウルル』のキャラクターのなかではコケモモのコスプレを好んでしている。コスプレ時の名前は「ハム」。

栗原 綾 (くりはら あや)

短い金髪の女性。黒根子大学に通う大学生。148㎝。活発な性格で多少おっちょこちょい。片浦渚とコスプレに憧れており、自身の友人である志保と、片浦渚の友人である馬場公子を通して交流をもつようになる。基本的には片浦渚に様々な事を教わる立場だが、作中内作品『マジカルずきんウルル』のキャラであるウルルに身体的特徴が似ている事から、片浦渚から羨ましがられている。 コスプレの傾向は高圧的な性格のキャラが多く、『マジカルずきんウルル』のキャラクターのなかではリリィのコスプレを好んでしている。コスプレ時の名前は「アヤ」。

志保 (しほ)

黒髪サイドテールの女性。黒根子大学に通う大学生。ネットで知り合った馬場公子の友人である片浦渚と、コスプレに憧れている自身の友人・栗原綾の仲介役になり交流をもつようになる。友達想いの性格で、栗原綾が悩んでいる際には親身になって相談に乗った。コスプレを楽しむ一方で、馬場公子の撮影技術に憧れている。 コスプレの傾向は特に無く、色々なキャラをコスプレしており、作中内作品『マジカルずきんウルル』のキャラクターのなかではミズリのコスプレを好んでしている。コスプレ時の名前は「SHIO」。

葉山 (はやま)

下まつ毛が特徴的な黒い長髪の女性。年齢は30過ぎ。片浦渚が勤務する家庭教師の斡旋をする会社の営業担当。同会社勤務の課長・長谷誠の教育係をしていた事があり、仲が良い。趣味はコスプレ。趣味の事は周囲には隠している。仕事に厳しい性格で片浦渚から嫌われているが、コスプレ会場で偶然遭遇してからは、共通の趣味を持つ友人として交流をもつようになる。 だがコスプレをしている事を同僚に知られてしまい、周囲から嘲笑われ辞職。片浦渚らコスプレ仲間とは連絡を絶ってしまう。セクシーなキャラのコスプレをする事が多く、作中内作品『マジカルずきんウルル』のキャラクターのなかではルルウのコスプレを好んでしている。 コスプレ時の名前は「葉子」。

片浦 佐和子 (かたうら さわこ)

作者・佐久間結衣が手掛けた読み切り作品の主人公でもある。右目の下に2つのホクロがある眼鏡を掛けた中年女性。年齢は60過ぎ。片浦渚の母親。夫の事は将ちゃんと呼ぶ。34歳まではコスプレが趣味でゴスロリファッションを着ていたが、加齢に悩みやめてしまった。同年代でコスプレ趣味を続けている永瀬典子という友人を持つ。 片浦渚が隠しているつもりでいるコスプレ趣味には気付いており、続けていく事に否定的である。読み切り作品では自身の趣味と向き合っていた若き日の彼女が描かれている。

お父さん (おとうさん)

作者・佐久間結衣が手掛けた読み切り作品の登場人物でもある。フルネームは不詳。眼鏡を掛けた中年男性。片浦渚の父親。妻の事はさわちゃんと呼ぶ。年齢は60過ぎ。片浦渚が隠しているつもりでいるコスプレ趣味に否定的である片浦佐和子と、それに反発する片浦渚の仲介役を担う。 読み切り作品では、自身の趣味と向き合う妻の片浦佐和子を支えた若き日の彼が描かれている。

千田 光汰 (せんだ こうた)

無精髭を生やし眼鏡を掛けた天然パーマの男性。片浦渚とその友人馬場公子とは高校生の頃の同級生で、同窓会にて再会する。ゲーム制作会社に勤務しており、作中内作品『マジカルずきんウルル』のアプリゲームに携わっていた事がきっかけで片浦渚と意気投合し、交際する事になる。 しかし、片浦渚の趣味であるコスプレに対しては難色を示しており、見解の相違による口論に発展してしまう。

りう

長髪ウェーブヘアの女性。名前はコスプレ時のもので、本名は不詳。片浦渚とその友人・馬場公子とは、イベント会場にて一緒に写真を撮る事になる。その際、経験の浅さと元々友人に勧められてコスプレを始めた事が相まって、片浦渚にキャラ作りの粗さを指摘されてしまう。それ以降、彼女の完璧主義な性格に魅かれファンになるのと同時に、病的なまでに固執するようになってしまう。 またその影響かどうかは不明だが、非常に粘着質で攻撃的な性格をしている。片浦渚に可愛がられている栗原綾の事を嫌っており、精神的な嫌がらせを行ってくる。コスプレの傾向は自身に合うキャラで、作中内作品『マジカルずきんウルル』のキャラクターのなかではクスクスのコスプレを好んでしている。

長谷 誠 (はせ まこと)

清潔に整えた短髪の男性。年齢は30過ぎ。趣味は鉄道模型の作成。片浦渚が勤務する家庭教師の斡旋をする会社の課長。同会社勤務の葉山は自身の教育係をしてもらっていた事があり、仲が良い。表情が乏しく心遣いに欠ける面があるが、趣味で人を差別する必要は無いと思っており、人間的に成熟した考えの持ち主である。 また観察眼に優れており、コスプレした葉山の隣に居る片浦渚に同僚が気付かない中、1人だけ感付いていた。辞職してしまった葉山を気に掛けており、彼女と親しかった片浦渚に相談を持ち掛ける。

河西 春太 (かさい はるた)

顔にそばかすがある短髪の男性。デザイン会社勤務。正直な性格。職場の同僚である馬場公子と付き合っている。彼女の趣味であるコスプレに関しては特に思う所は無い模様。片浦渚に対して妻の友達でいて欲しいと語る。

ナツメグ

眼鏡を掛けたオールバックの男性。様々なイベント会場でコスプレ専門のカメラ小僧をしており、片浦渚、馬場公子、栗原綾、志保のファンでもある。ネットの匿名掲示板でコスプレに関する事をチェックしており、情報を伝えてくれる事もある。

永瀬 典子 (ながせ のりこ)

作者・佐久間結衣が手掛けた読み切り作品の登場人物でもある。黒髪の中年女性。年齢は60過ぎ。アンティークショップの店長。片浦渚の母親である片浦佐和子の友人で、若い頃はゴスロリファッションのコスプレ仲間だった。加齢に悩みコスプレ趣味をやめてしまった片浦佐和子とは逆に、試行錯誤しつつコスプレ趣味を続けている。 自身の趣味とどう向き合うか悩む片浦渚に対し、自身の考えと経験を伝える。読み切り作品では若き日の彼女が描かれている。

コケモモ

顔にそばかすがあるツインテールの少女。ウルルが最初の友達で、戦闘後は共に行動するようになる。相棒のフレンダーはスライムのようなプルル。武器は魔法の杖。フレンダーの力を借りずとも、少しだけ魔法を使うことが出来る。 馬場公子が好んでコスプレしている。

リリィ

中分け長髪の少女。『マジカルずきんウルル』のキャラの中では1番背が高い。意地悪な性格のお姉さんキャラ。ウルルを目の敵にしているが、1度は和解した。だが、その後また仲違いをして別行動をとっている。相棒のフレンダーは猫のような見た目のニャワワ。 栗原綾が好んでコスプレしている。

クスクス

眼鏡を掛けた三つ編みの少女。思い込みが激しい性格。ウルルが2クール目にて初めて戦った相手。戦闘後は共に行動するようになる。相棒のフレンダーはペンギンのような見た目のニペペ。武器は大量の文房具。りうが好んでコスプレしている。

ミズリ

眼帯を付けたツインテールの少女。ミステリアスな雰囲気を放ち、登場してはどこかへ去っていく。背後に巨大な組織が見え隠れするが正体は謎に包まれている。相棒のフレンダーは蝶のような見た目のテフフ。武器はラッパ。志保が好んでコスプレしている。

ルルウ

長髪ウェーブヘアの少女。ウルルの姉。かつてはウルルと同じように世界から争いを無くすために旅をしていたが、ある時姿をくらまし、再び姿を現してからは魔法を悪用するようになっていた。相棒のフレンダーは3つの頭と3つの足が付いた烏のような見た目をしており、名前は不詳。 葉山が好んでコスプレしている。

その他キーワード

マジカルずきんウルル

『コンプレックス・エイジ』に登場する作中内作品。片浦渚や千田光汰らを魅了して止まない女児向けアニメ。毎週土曜日朝8時から放映しており、2クール目に突入している。少女達が戦いに明け暮れる世界の中で、主人公ウルルが「この世界のみんなと友達になるため」懸命に戦う様子を描いている。少女達は、フレンドモンスター・通称「フレンダー」と呼ばれる相棒とペアで戦い、フレンダーと心が通じ合った時、魔法の必殺技を使う事が出来る。 女児向けながらアクションシーンに力を入れており、ファンからは「萌え『北斗の拳』」と呼ばれている。

書誌情報

コンプレックス・エイジ 6巻 講談社〈モーニング KC〉

第3巻

(2015-02-23発行、 978-4063884319)

第4巻

(2015-05-22発行、 978-4063884647)

第5巻

(2015-08-21発行、 978-4063884951)

第6巻

(2015-09-23発行、 978-4063885088)

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