ももたろう

ももたろう

相撲界に突如現れた大型新人・百田桃太郎が、伝統やしきたりをぶち壊して突き進み、一躍スターに駆け上がるまでを描いた長編。相撲と並行して、百田が出会う美しい女性たちとの関係性にも焦点が当てられている。

正式名称
ももたろう
ふりがな
ももたろう
作者
ジャンル
相撲
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概要・あらすじ

古賀大作村田猛亀乃川長男の三人は、学生横綱からの華麗なる角界入りを夢みて大学の相撲部に所属してるが、4年間で勝ち星はゼロ、就職先のコネさえも皆無という状況。そんななか古賀の後輩である百田桃太郎が、相撲取りになるべく尾仁乃島から上京してくる。島の大自然の中で鍛え上げたという百田の肉体は、高校生のものとは思えないほど強靭なものだった。

見た目からして差が歴然の4人は、早速一番近い巌流部屋を訪れ入門希望を申し出ることに。親方の目に留まった百田はひとりだけ合格してしまうのだが、先輩たちも一緒じゃないと嫌だとだだをこね始めてしまう。

登場人物・キャラクター

百田 桃太郎 (ももた ももたろう)

相撲取りになるため、尾仁乃島から単身上京してきた18歳の青年。小さい頃、同郷の先輩である古賀大作に相撲を教わり、古賀が上京した後は相撲を取れる仲間がいなかったため、島の自然の中でひとり体を鍛えてきた。高校生に見えないほどの高身長で筋肉質の肉体を持つ。相撲雑誌で適当に見つけた巌流部屋に入門希望を出し、横綱になる素質を見いだされてあっさり合格。 衝撃的なデビュー戦のあと、わずか1年の間に負けなしの超スピード出世で幕下まで上がってしまう。観客が興奮するような試合にするため、余裕で勝てる相手でもわざと試合を長引かせハラハラしたやりとりを演出する。派手で多彩なキメ技やおちゃらけたキャラで、老若男女から大人気のスター選手。 本能でしか動かず、キレイな女性を見かけたら甘い言葉で攻め殺し、すぐにラブホテルに連れて行ってしまう。また、格式と伝統を重んじる相撲の世界にも関わらず、破天荒な騒動をたびたび起こすため、協会からは常に目をつけられている。

日下 桃太郎 (くさか ももたろう)

主人公百田桃太郎のライバル。東京都出身。幼い頃を孤児院で育ち、長いこと少年院に入っていた。暴力的な性格のため普通の就職は無理だと思った保護観察官である滝の勧めで、実力だけで食べていける相撲部屋に入門させられる。はじめは相撲に対してまったく関心を抱いていなかったが、丸腰でぶつかってくる真田親方の強さに悔しさを覚え、真剣に相撲に取り組むようになる。 デビュー戦から負けなしの注目力士だったが、百田によってはじめて敗れてしまう。入院先の女医・篠可南子に惚れるが、百田も同じく可南子にアタックしており、相撲だけでなく恋のライバルとしても意識するようになる。

古賀 大作 (こが だいさく)

主人公百田桃太郎の同郷の先輩。昔、百田に相撲を教えたことがあり一番弟子と呼んでいる。学生横綱になり幕下付出しでのデビューを狙うため、四流大学の相撲部に所属している。上京してきた百田と共に巌流部屋の入門試験を受けるが不合格になる。しかし、百田の親方へのたっての願いで、運よく入門を許可された。

村田 猛 (むらた たけし)

主人公百田桃太郎の先輩。学生横綱になり幕下付出しでのデビューを狙うため、四流大学の相撲部に所属している。古賀大作の後輩である百田と共に巌流部屋の入門試験を受けるがあっさり不合格。しかし、「みんな一緒じゃなきゃ嫌だ」という、百田の親方へのたっての願いで、運よく入門を許可された。

亀乃川 長男 (かめのがわ ながお)

主人公百田桃太郎の先輩。古賀大作の後輩である百田と共に巌流部屋の入門試験を受けるがあっさり不合格。しかし、「みんな一緒じゃなきゃ嫌だ」という、百田の親方へのたっての願いで、運よく入門を許可された。胴が異常に長く、百田からは相撲向きの体系と絶賛されるが、その実力は皆無に等しい。

巌流親方 (がんりゅうおやかた)

主人公百田桃太郎が入門した相撲部屋の親方。元横綱大海山。部屋を持ってから12年の間一人も横綱を出していなかったが、入門希望してきた百田の才能をすぐに見抜き入門を許可する。稽古は厳しいが、優しくて涙もろいお人好しな人物。騒動ばかり起こす百田にいつも頭を抱えている。

篠 良介 (しの りょうすけ)

主人公百田桃太郎を慕う後輩力士。篠可南子の実弟。巌流親方に勧誘されたとことがあると嘘をつき、高校中退した後入門を希望。父と姉が医師、母が教師、兄は弁護士というエリート一家の中で唯一の落ちこぼれであり、いつか相撲で家族を見返したいと思っている。百田に出会ったことでその想いは強くなり、百田がやることにすべて意味を見出そうとしている。

亜美 (あみ)

巌流親方の実娘。花千里の恋人。登場時高校2年。明るくて可愛い素直な少女。ホテルの祝賀パーティーで偶然ぶつかったアイドル力士・花千里に一目惚れされ、交際をスタートさせる。部屋の力士である百田のことも花千里と同じくらい大好きで、兄のように懐いている。

相川先生 (あいかわせんせい)

主人公百田桃太郎が惚れた女性。尾仁乃島在住の高校教師で百田の恩師。かなり美人で色気のある女性で、まだ学生だった百田にせがまれ体の関係を持ってしまう。百田の上京後も頻繁に東京に訪れ、ホテルに誘い出すなど積極的に体の関係を持っている。

真田親方 (さなだおやかた)

日下桃太郎の親方。過去にいろいろ問題を起こし、相撲協会からは疎んじられている存在。つまはじき部屋と呼ばれ、来るもの拒まず、ワケアリの入門希望者でも受け入れてしまうことで知られている。少年院上がりで暴力沙汰ばかり起こしている日下をあっさり入門させるが、日下の類まれない才能に気づき、5年以内に横綱になれると宣言する。

百田 潔 (ももた きよし)

主人公百田桃太郎の実父。尾仁乃島で漁業と民宿をしている。息子とは正反対に小柄な体型だが、能天気で本能に従っているという点はそっくり。島には体の関係をもった女性が大勢おり、妻の前でもそのことを堂々と話す。いつも息子の桃太郎と綺麗な女性を奪い合っている。

浜嵐 (はまあらし)

主人公百田桃太郎をライバル視する力士。花垣部屋の出世頭。親方の娘である夏穂に惚れており、親方からも嫁にもらって欲しいといわれているが、奥手で真面目すぎるため一切相手にされていない。夏穂が自分のプロポーズを断り百田に夢中になってしまったため、失意のあまり部屋から失踪してしまう。

夏穂 (かほ)

主人公百田桃太郎が惚れた女性。花垣親方の実娘。名門慶城大学に通う大学生。花垣部屋に出稽古に来ていた百田に惚れられ、猛アタックを受ける。はじめは相手にしていなかったが、情熱的なアプローチと相撲の強さに興味を抱き体の関係を持つようになる。その一方で部屋の出世頭である浜嵐のことも気になっている。

神無月理事長 (かんなづきりじちょう)

相撲協会の頂点に立つ人物。現役時代から鬼神といわれた元名横綱。伝統と格式をぶち壊す百田の度重なる騒動のせいで、持病の痔が日に日に悪化し悩まされている。最初は百田の将来性に期待して処分を甘くしていたが、次第に見過ごせなくなっていく。

篠 可南子 (しの かなこ)

主人公百田桃太郎が惚れた女性。篠良介の実姉。岩下総合病院の女医。美人でサバサバしていることから、男性患者たちの憧れの的。良介つながりで出会った百田から激しくアプローチを受けるが、入院してきた日下桃太郎の方に興味を持つ。しかし、寡黙でなかなか手を出してこない日下に物足りなさを感じ、とうとう百田に体を許してしまうことになる。

大段丸 (だいだんまる)

主人公百田桃太郎をライバル視する力士。花垣部屋の出世頭。ハワイ出身。突き押しの威力が強く、花千里、金太山とともに三羽烏とされている。日本に来て間もない頃、言葉の壁と稽古の厳しさにぶつかる度に浜嵐から励まされていたことから、尊敬し慕っている。浜嵐が惚れている夏穂を力づくで奪ってしまった百田に仇討ちをしようとするも、初試合であっけなく負けてしまった。

三倉山 (みくらやま)

かつては関脇までいった有名ベテラン力士。恩師・神無月の悩みの種である百田を破り、21年間の土俵人生に幕を閉じる決意をする。百田の圧倒的強さに決着はすぐにつき、生まれ持った才能の違いを思い知らされる。引退後も百田とは戦友としていい関係を続けている。

花千里 (はなちさと)

主人公百田桃太郎をライバル視する桑島部屋の力士。百田と同じ年齢。二枚目力士として女性ファンを中心にアイドル的に人気が爆発した。自身の祝賀パーティーをしていたホテルで偶然、亜美に出会い一目惚れし、交際をスタートさせる。誠実で真面目、どんなに上へ行ってもうぬぼれることがないことから、力士の鑑といわれている。

金太山 (きんたやま)

登場時23歳。学生横綱から角界入りした注目力士。大段丸、花千里と共に若手三羽烏のひとりとされる。

花垣親方 (はながきおやかた)

元横綱貫桜。夏穂の実父。巌流親方とはかつてライバル関係だったが、現在は親友。相撲協会の理事を務める。娘の夏穂が出世頭浜嵐と結婚し、おかみとして部屋を守ってほしいと願っているが、夏穂に猛アタックする百田桃太郎のせいでなかなか思い通りにことが進まず悩んでいる。

大関駒綿 (おおぜきこまにしき)

主人公百田桃太郎に敗れた神無月部屋の力士。角界実力ナンバーワンといわれていたが、出稽古にきた百田に太刀打ちできず、リベンジを望んだ試合本番でもあっけなく負けてしまう。このことで横綱昇進を阻まれてしまった。

(たちばな)

主人公百田桃太郎が惚れた女性。美人ニュースキャスター。相撲界のしきたりを打ち破る破天荒な百田の言動に興味を持ち、長いこと密着取材を行っている。百田が処分で活動停止している時も、つねにその奇天烈な行動を追いかけ、人気復活に貢献した。酒好きで酔っぱらうと手に負えなくなり、自分から積極的に百田に迫っていく。

今日子 (きょうこ)

主人公百田桃太郎が惚れた女性。志摩の実娘。看護婦をしている。百田の大ファンで、以前から母親の経営する小料理店の常連だった神無月に紹介してもらう。百田に招待された尾仁乃島でロマンチックな夜を過ごし、本気で惚れてしまう。

志摩 (しま)

小料理屋「志摩」のママ。今日子の実母。長年常連だった神無月理事長の好意に気づいていたが、百田の父の計らいによってようやく本人から気持ちを聞くことができ、迷わず交際をスタートさせた。

美里 (みさと)

主人公百田桃太郎の恋の相手。喫茶店のウェイトレス。上京したての百田に強引で情熱的な告白をされ、その見た目のギャップに魅了され体の関係をもつようになる。百田が有名になった後、自ら連絡を寄こし、かなり頻繁に会うようになった。

(たき)

日下桃太郎の保護観察官。両親のいない日下の親代わり。性格に問題のある日下が生きていく場所は、実力のみが評価される相撲界しかないと思い真田部屋に入門させた。つねに日下を気にかけ尽力する。

(てつ)

真田部屋の力士。日下が入門するまでは、部屋で唯一の力士だった。後輩である日下の世話を焼けば焼くほど、理不尽な暴力を受けているが、次第に心を開いてもらえるようになった。

川島 由紀 (かわしま ゆき)

主人公百田桃太郎が惚れた女性。フラワーショップで働く21歳。将来は自分の店を出すのが夢という真面目な女性。古賀大作にもアプローチを受けているが、百田にしか興味がない。

下呂 (げろ)

主人公百田桃太郎の出身地・尾仁乃島の町長。百田桃太郎の活躍に便乗して、島に「ももたろうランド」というレジャー施設を作ろうとしている。酒の席で、無駄に長い演説が多い。

集団・組織

巌流部屋 (がんりゅうべや)

『ももたろう』に登場する組織。主人公百田桃太郎が所属する相撲部屋。12年間一度も関取を出していなかったが、百田の思いがけない入門により一気に世間から注目されるようになった。

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