宇宙船製造法

宇宙船製造法

藤子・F・不二雄によるSF短編の1作。極限状況で次第にクルーたちの対立が大きくなっていくサスペンスと、意外な方法での地球への帰還を描く。

正式名称
宇宙船製造法
ふりがな
うちゅうせんせいぞうほう
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

ワープ中の事故によって、小山たちの乗る宇宙船は、地球から20万光年も離れた辺境の惑星に不時着。男女8人のクルーたちは幸い無事で、惑星も地球に近い環境ではあったが、居住区の防壁と通信装置が破壊されたために、地球への帰還は絶望的となってしまう。そして力ずくで勝手に振る舞う堂毛を他の7人が協力して押さえこみ、志貴杜をリーダーにサバイバル生活が始まるが、やがては志貴杜に独裁的な面が目立ち始める。

そんな中、小山だけは地球へ帰還する方法を模索し続ける。

登場人物・キャラクター

小山 (こやま)

ワープ中に起きた「次元震」によって宇宙船が遠く離れた惑星に不時着したときの当直。操縦などに不備があったわけではないが、責任を感じている。そして当面のサバイバルのために食糧の確保などが問題となる中、航行装置自体は無事である宇宙船を使って、どうにか地球へ帰還できないかという考えが頭から離れない。

志貴杜 (しきもり)

遭難した宇宙船に残された8人のクルーのリーダー格。当初は堂毛の勝手な振る舞いに立ち向かい、全体の和を保っていたが、やがて食糧が不足してくると規律を重んじるあまり、仲間に対する懲罰的な行為が目立ち始める。現実的な判断から遭難した惑星で生き残ることを主張し、宇宙船の修理にこだわる小山の考えには否定的。

堂毛 (どうもう)

遭難した宇宙船の8人のクルーの中で、最も腕っぷしの強い男。射撃の腕も自信を持つ。仲間と協調しようとせず、リーダー的に振る舞う志貴杜に反発。やがて対立は決定的となり、自らを「陛下」や「王さま」と呼ばせて食糧を盗み始める。しかし、他のクルー全員に取り押さえられて勝手な行動は沈静化。 小山の考える帰還計画を、辺境の星で暮らし続けるよりはいいと後押しする。

甲森 (こうもり)

堂毛の命令通りに行動する男。しかし堂毛の勝手な振る舞いが他のクルーの我慢の限界を超えたため分が悪くなり、あっさりと多数派に転ぶ。

ユカ

不時着した宇宙船の女性クルーのひとり。小山と行動することが多く、ふとしたことで小山に地球帰還の大きなヒントを与える。そして宇宙船を離陸させた小山を射殺しようとする志貴杜に反抗し、小山の計画を遂行させる。

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