恋にならないシェアハウス

恋にならないシェアハウス

アラサーOLの斎木真奈は、仕事では責任ある立場を任され、同棲中の彼氏とは結婚目前という、忙しいながらも充実した日々を送っていた。しかしある夜、彼の浮気が発覚したことで状況は一転する。彼と別れた真奈は、何もかも変えたい思いでシェアハウスへの入居を決断。そこで新たに各々問題を抱える男女と出会い、共同生活を送ることになる。大人の男女四人の共同生活を描くシェアハウスストーリー。「エレガンスイブ」2019年7月号から連載の作品。

正式名称
恋にならないシェアハウス
ふりがな
こいにならないしぇあはうす
作者
ジャンル
キャリアウーマン
 
その他生活・家族・エッセイ
レーベル
A.L.C.DX(秋田書店)
巻数
全3巻完結
関連商品
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あらすじ

第1巻

31歳で管理職を務める斎木真奈は、忙しいながらも、仕事に恋愛に充実した日々を送っていた。同棲して2年になる彼氏の成一との結婚も秒読み段階と思っていた矢先、成一が自宅マンションに女性を連れ込み、浮気している現場に遭遇。成一が自己保身の言い訳を繰り返し、真奈の努力すらも否定したために、真奈は成一との別れを決断する。そんな中、ウェブサイト上で目に付いたのは、シェアハウスの入居者募集の広告だった。心身共に傷いて疲弊していた真奈は、何か変えられるものがあるならと、失恋の勢いで入居に応募し、マンションを出ることになる。心機一転、都内郊外の一戸建てで共同生活を送ることになった真奈は、シェアハウスを訪れて驚愕する。そこには、女性だけでなく男性二人の姿があった。動揺を隠せない真奈だったが、腹をくくり、吉岡瞳子藍沢裕樹西川浩と、男女四人での共同生活を開始。すると、家事全般をはじめ会社に持って行く弁当まで作ってくれる浩、人当たりのいい裕樹のおかげで、新生活は上々の滑り出しを見せる。しかし、唯一の女性、瞳子の存在だけが真奈にとって悩みのタネで、話しかけても会話が続かず、何かと冷たい態度の瞳子に、苦手意識が芽生えていた。そんな中、突然元彼氏の成一が真奈に復縁を迫るためシェアハウスを訪れる。

登場人物・キャラクター

斎木 真奈 (さいき まな)

ウェブ関係の会社に勤める女性。小さな部署のマネージャーを務めている。年齢は31歳。初めての管理職で周囲への気遣い、責任の重さとタスクの多さにやりがいは感じているものの、残業続きで肉体的にも精神的にもギリギリの状態が続いている。成一とは付き合って3年目で、互いの親にも紹介し合っており、自分が無理して購入したマンションで2年間同棲生活を送っていたが、彼の浮気が判明したため、別れを決意した。どん底まで落ち込んでいた時、ウェブ上で偶然にもシェアハウスの入居者募集を発見。失恋の痛手を負った勢いもあり、何かを変えられるならと、吉岡瞳子、藍沢裕樹、西川浩の男女四人で共同生活を送ることになる。当初、瞳子に対しては、その冷たい印象から苦手意識を持っていたが、突然シェアハウスにやってきた成一を、毅然とした態度で追い返してくれたことをきっかけになかよくなり、信頼関係を築いていく。自分本位な真奈の母に対しては、かなり苦手意識を持っており、なるべく距離を取ろうとしている。のちに、会社の部下から妊娠の報告を受けたことがきっかけとなり、再び婚活に勤しもうと思い立つ。しかし、マッチングアプリに登録してみるも、知り合った男性は、学歴重視の男性や東海林など、ことごとく相性が合わない男性ばかりで、自分の男運のなさを痛感。これをきっかけに、浩に興味を持つようになり、彼について知りたいと思うようになる。

成一 (せいいち)

斎木真奈の元恋人。真奈とは付き合って3年目で、真奈の所有するマンションで同棲生活を送っていた。しかし、真奈が日々仕事に忙しく、帰宅時間が遅いことを利用して勤め先の後輩女性をマンションに連れ込んで浮気をしていた。その現場を偶然早く帰宅した真奈に見られ、最初は謝って許しを得ようとした。しかし、次第に真奈に対する不満を口にし始め、真奈を傷つける発言を連発。その挙句に、真奈から別れを切り出されると拒絶し、言い訳を繰り返して加えて浮気を正当化しようとした。最終的には真奈のマンションからは出て行き、実家へと戻ることになった。その後、マンションからいなくなった真奈を探すため、会社から帰宅する真奈のあとを付けて居場所を確認。シェアハウスを訪れ、真奈に復縁を持ち掛ける。拒絶し続ける真奈に、再び浮気の言い訳を始めた時、シェアハウスの住人である吉岡瞳子から諭されたことに腹を立て、関係ない人間は黙ってろと怒鳴り散らすが、瞳子から警察への連絡を示唆され、しぶしぶ帰宅することになった。

吉岡 瞳子 (よしおか とうこ)

シェアハウスに住む女性。会社では研究職に就いている。年齢は33歳。眼鏡をかけており、周囲にどことなく冷たい印象を与える。新たに共同生活の仲間に加わった斎木真奈が、彼氏と別れることになったいきさつを聞き、男を見る目がないなどと、胸をえぐられるような発言を連発した。あまりに辛辣な言葉を放つ吉岡瞳子に、藍沢裕樹から止められる一幕もあった。実は、自閉症スペクトラム症のアスペルガー症候群と呼ばれる発達障害があり、人とのコミュニケーションが苦手。場の空気を読まずに自分の思ったことを口にするため、人間関係がうまくいかないことが多い。特に女子力が高い女性に苦手意識があり、バッチリメイクで綺麗な服を着ている女性に対しては恐怖心すら抱くことがある。その後、真奈の元彼氏の成一がシェアハウスを訪れた際、毅然とした態度で帰宅をうながしたことをきっかけに、真奈に発達障害を告白し、信頼関係を築いていく。家庭環境には恵まれており、夏には毎日のように家族や親せきで集まって花火をしたり、キャンピングカーで毎週キャンプに行ったりと、充実した子供時代を過ごしていた。だが、人付き合いがうまくできないことを、今も母親から心配されている。

藍沢 裕樹 (あいざわ ゆうき)

シェアハウスに住む男性。会社では営業職に就いている。海外出張も頻繁にある忙しい日々を送っている。人当たりはいいが、実はかなりガチなオタク気質。それを周囲にはひた隠しにしてきたが、シェアハウスで共同生活を送る斎木真奈、吉岡瞳子、西川浩にはカミングアウトしている。アニメキャラクターの描かれたシーツや服、グッズなどを持っているため、女性を自宅に呼んだり、自分の持ち物に触ってほしくないと考えている。そんな要因もあってか、女性と交際してもすぐに別れてしまうことが多い。同じ趣味なら大丈夫かと、かつてオタクの女性と付き合ったこともあったが、宗教戦争のような劣悪な状況になり結局破局した。仕事の関係で中国やアジアに何年か住んでいたことがあり、その際は会社側が用意してくれたメイドに家事全般を託していた。そのため、日本では家事に対する評価が低いことを嘆いており、すべてを請け負ってくれている浩に非常に感謝している。

西川 浩 (にしかわ ひろ)

シェアハウスに住む男性。シェアハウスの管理も務めている。月3万円で家事全般を請け負っており、この二つの収入で生活している。掃除や洗濯、アイロンがけなどのほか、日常的な食事の世話をすべて行っており、三人が勤務先に持って行く弁当も用意している。実は離婚歴があり、元妻からは料理を作れば私をバカにしてるのかと責められ、結婚記念日に手の込んだ料理を出せば、レストランの予約もできない甲斐性なしと罵られ、記念日に花束をプレゼントしようとすれば、稼ぎが少ないのに節約もできないのかと嘆かれた。その頃のことが心の傷となり、今でも悪夢を見ることがある。シェアハウスで共同生活を送る斎木真奈、吉岡瞳子、藍沢裕樹からは、これまでに経験したことがないくらいの優しさで、料理を褒められたり、何事にも感謝されることから、日々に幸せを感じている。実は養護施設で育った過去があり、家族に強いあこがれを抱いている。

真奈の母 (まなのはは)

斎木真奈の母親。20歳の時に真奈を産んだため、非常に若く見える。シングルマザーで、女手一つで真奈を育て上げた自負がある。その影響なのか過干渉なところがあり、真奈に対して異常なほどの執着心を見せる。真奈が成一と別れたことを聞きつけ、自分が話をつけようかと申し出たり、勝手に結婚相談所に登録しようとしたりと、娘のプライベートなことに首を突っ込むことも多い。真奈がシェアハウスで、男性いっしょに暮らしていることを知った時には突然逆上し、真奈を大学まで進学させて、あとは花嫁姿を見るだけだったのにと泣き始め、自分を失望させるなと詰め寄った。その後、シェアハウスを訪れた際には、西川浩が家事をメインに生活していることを知るや否や、自分が働きながら子育てしたことを引き合いに出し、無職であることを蔑んだ。男癖が悪く、イケメンと見るやすぐに手を出そうとする。現在は彼氏といっしょに住んでいるが、何かにつけて家族であることを主張し、真奈といっしょに暮らしたがっている。真奈にとってはいわゆる毒親的な存在。

学歴重視の男性 (がくれきじゅうしのだんせい)

大企業に勤めるサラリーマン。年齢は35歳。斎木真奈がマッチングアプリを通じて知り合った最初の男性。東大出身で、男は学歴と会社の大きさが大事という少々偏った考えを持っている。最低でもGMARCHレベルの大学を出ていない男はクズだと発言。特に学歴に関しては譲らず、自分の学歴に対しては非常に自信を持っており、女性に対しては横柄な態度を取りがち。結婚したら、二世帯住宅を建設する予定で、結婚相手には両親との同居を求めるつもりでいる。

東海林 (しょうじ)

斎木真奈がマッチングアプリを通じて知り合った2番目の男性。真奈と似た業界で働いており、話が合う。31歳で管理職を務める真奈に、尊敬のまなざしを向け、その努力を称えた。人当たりはよく、清潔感があり外見も申し分ない。また、食事をした店での支払いはすべて東海林が行うなど気遣いを見せた。綺麗な女性と二人きりで食事するのは久しぶりで緊張すると、初々しい様子で真奈を2件目のバーに誘うが、席を離れた際、置きっぱなしのスマートフォンに着信があり、画面に女性と赤ん坊の写真が表示されたため、ふられることとなった。

場所

シェアハウス

西川浩が管理人を務める定員四人の共同生活用住宅。吉岡瞳子、藍沢裕樹、浩の三人に斎木真奈が加わり、四人での共同生活を始めることになった。都内郊外にある一戸建てで、築年数は古いながらもよく手入れされており、綺麗な状態を保っている。家賃は5万円で、光熱費は四人均等割りというルールになっている。家事全般は浩が月3万円で請け負っており、掃除洗濯のほか、日常的な食事の世話をすべて行っており、三人が勤務先に持って行く弁当も用意している。

書誌情報

恋にならないシェアハウス 全3巻 秋田書店〈A.L.C.DX〉

第1巻

(2020-01-16発行、 978-4253160124)

第2巻

(2020-08-17発行、 978-4253160131)

第3巻

(2021-04-16発行、 978-4253160148)

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