恋の罪-エルネスティナ-

恋の罪-エルネスティナ-

18世紀のスウェーデンを舞台に、貴族たちの退廃的な恋愛模様を描いた作品。原典は、マルキ・ド・サドの作品集『恋の罪』に収録されている短編小説『エルネスティナ』。「アフタヌーン」2017年12月号より連載開始。

正式名称
恋の罪-エルネスティナ-
ふりがな
こいのつみ えるねすてぃな
作者
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概要・あらすじ

18世紀のスウェーデン中東部の商業都市ノルチェピングが舞台。ノルチェピング屈指の問屋商店、ショルツ商店で会計係として働いていたヘルマンは、軍人の娘エルネスティナと結婚の約束をしていた。しかし、その頃ヘルマンは、ショルツ商店を取り仕切るショルツ夫人から再婚を申し込まれていた。ヘルマンは、土地の有力者であるショルツ夫人の不興を買わぬよう、上手く再婚の申し出を断ろうとする。

同時期、ショルツ商店に多額の投資をしていたストックホルムの元老院議員オクスチエンヌ伯爵が、ノルチェピングを訪れる。オクスチエンヌ伯爵を歓迎するために執り行われた舞踏会の席で、エルネスティナはオクスチエンヌ伯爵に見初められてしまう。

それは、ヘルマンとエルネスティナの仲を引き裂くためにショルツ夫人が画策した罠だったが、絶大な権力を持つオクスチエンヌ伯爵は、ショルツ夫人の思惑を外れて行動し始める。

登場人物・キャラクター

ヘルマン

ショルツ商店で会計係を務める青年。ノルチェピング屈指の問屋商人、ショルツ氏の養子。サンダーシュ大佐の一人娘、エルネスティナとは相思相愛の仲であり、結婚の約束をしている。しかし、自身の雇い主であり、養母でもあるショルツ夫人から再婚を申し込まれている。ショルツ夫人の申し出を断り、エルネスティナと結婚しようとするが、そのことにより、絶大な権力を持つショルツ夫人の機嫌を損ねつつある。

エルネスティナ

ノルチェピングに住む軍人、サンダーシュ大佐の一人娘。ヘルマンとは相思相愛の仲。町一番の美人と評判。貴族だが質素に暮らしており、天真爛漫な性格の持ち主。舞踏会の席で強引なアプローチを仕掛けてきたオクスチエンヌ伯爵を殴ってしまう。

ショルツ夫人 (しょるつふじん)

ノルチェピング屈指の問屋商店、ショルツ商店を取り仕切る未亡人。街では絶大な権力を持つ。養子であるヘルマンに固執しており、再婚を申し入れる。ヘルマンがエルネスティナと恋仲であることを知っており、二人の仲を引き裂こうと画策。舞踏会の席でエルネスティナとオクスチエンヌ伯爵を引き合わせ、オクスチエンヌ伯爵とエルネスティナを結婚させようとする。

オクスチエンヌ伯爵 (おくすちえんぬはくしゃく)

ストックホルムの元老院議員の男性。父親がショルツ商店に多大な投資を行っていた。銀行が破綻したことをきっかけに、ショルツ商店に逃していた資産を引き上げるため、ノルチェピングを訪れてショルツ商店に滞在する。歓迎のために執り行われた舞踏会の席でエルネスティナを見初め、強引に求婚する。一方で、それを画策したショルツ夫人とも関係を持ち、自分の支配下に置こうとする。 性に奔放な人物であり、また元老院議員という絶対的な立場を活かし、気に入った女性を次々と毒牙にかけている。

サンダーシュ大佐 (さんだーしゅたいさ)

エルネスティナの父親。スウェーデン王立軍で数々の戦果を挙げた軍人だったが、妻を亡くしたことをきっかけに退役。現在はノルチェピングで一人娘のエルネスティナと慎ましく暮らしている。ヘルマンとエルネスティナの結婚には賛成している。その一方でショルツ商店との取引も長く、エルネスティナとヘルマンが結婚することにより、ショルツ夫人の機嫌を損ねることを恐れてもいる。

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