拡散的エモーション

拡散的エモーション

ぱげらったがWEB公開した漫画作品と描き下ろしを含む短編集。「幽霊と青年の一風変わった交流」や「突然監禁をされ、SNS上で助けを求める話」など、多彩なテーマを持つ全8話が収録されている。すべての作品の総いいね数は200万を超えており、本書のタイトルは「(SNS上で多くの人に)拡散されたこと」が由来になっている。

正式名称
拡散的エモーション
ふりがな
かくさんてきえもーしょん
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
関連商品
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あらすじ

第1巻

一人暮らしを開始した虎井だが、予算の少なさから幽霊が出るという事故物件を借りることになる。幽霊の類を完全には信じていない虎井だったが、ある日の深夜に幽霊が現れる。虎井は「つけて」と苦しそうに訴える幽霊に対し、テレビのスイッチをつけてみると、幽霊は美少女アニメをハイテンションで鑑賞し始める。実は幽霊はオタクで、自分の好きな作品がアニメ化することを知り、どうしても見たくて部屋に現れたと打ち明ける。その後、幽霊は生前から発売を楽しみにしていたギャルゲーをプレイしたいと訴えたり、秋葉原に遊びに行きたいと言ったり、虎井を自分のペースに巻き込んでいく。(Chapter 1「オタク幽霊との同居生活」。ほか、7話収録)

登場人物・キャラクター

虎井 (とらい)

エピソード「オタク幽霊との同居生活」に登場する。最近一人暮らしを始めた青年で、お金がないために幽霊が出ると噂される事故物件を格安で借りている。噂どおり部屋に幽霊が現れたものの、なぜか幽霊からアニメ鑑賞やギャルゲーに付き合わされることになってしまう。目つきが鋭く険しい顔つきながら、内面は情深い性格の持ち主。オタク趣味はなく、アニメやゲームの話には疎い。

内田 優紀 (うちだ ゆうき)

エピソード「監禁されたからTwitterで助けを求める」に登場する。自室で寝ていたところ、目が覚めた時には古びた倉庫のような場所に監禁されていた青年。手元に置かれたTwitterと、カメラ機能しか使用できないスマートフォンを駆使して、部屋を脱出することになる。性格は内向的な皮肉屋で、人とコミュニケーションを取ることが苦手なため、昔から親しい友達がいなかった。故に周囲を見下して否定することで内田優紀自身のプライドを保っている。高校中退して以来、主に家でインターネットをして過ごしていた。周囲から浮いていた高校時代に、相馬が気軽に声を掛けてくれたことも否定的にとらえている。Twitterアカウントの名前は「うちだ」。

橋下 (はしもと)

エピソード「レンタル妹を借りてみた件」に登場する。アニメを好む典型的なオタクの男性。疑似的な妹を派遣するサービス「レンタル妹」で、好みのタイプの住田を指名する。妹という存在に彼なりのこだわりがあり、住田に対してもいろいろとリクエストをする。

男子高校生 (だんしこうこうせい)

エピソード「コンビニでデスゲーム」に登場する。コンビニエンスストアを利用していたところ、突然死神のような風貌のデスゲームの首謀者が出現し、店内で五人で殺し合いをすることになった男子高校生。デスゲームの首謀者から与えられた武器は「スプーン」。デスゲームの参加者の中では最年少だが、周囲とうまくコミュニケーションを取り、殺し合いをせずに脱出しようと試みる。

山田 敏夫 (やまだ としお)

エピソード「雪だるまちゃん」に登場する。会社員の独身男性で、年齢は42歳。現在はアパートで一人暮らしをしている。帰宅途中に溶けかけていた雪だるまちゃんを助け、以降自宅でいっしょに暮らすことになり、次第に心を許すようになる。

紗夜 (さよ)

エピソード「何の変哲もない友達百合」に登場する。中学時代に真昼と同じ茶道部に所属していた女性。仲間といっしょに真昼と親しくしていたものの、高校生になってからは疎遠になった。しばらくぶりに、真昼から連絡を受けたことで自宅に招いたところ、突然アプローチらしきものを受けて動揺する。これまで恋愛対象は男性だったが、真昼のかわいらしさに心を奪われてしまう。

田中 ヒロキ (たなか ひろき)

エピソード「ウチの妻は忘れっぽい」に登場する。田中燈子の夫。燈子とは小学生時代からの友達で、のちに恋愛関係になって結婚した。結婚後に燈子が記憶障害を患い、これまでの生活や思い出だけでなく、ついには自分の存在まで忘れ去られてしまう。しかしそれでも燈子を愛し、寄り添っている。

堂嶋 玄武 (どうじま げんぶ)

エピソード「闇金取り立ての恐ろしい実態」に登場する。闇金の取り立て屋を生業としている男性。16歳で非行に走り、そのままヤクザと関係を深めている。強面の容姿ながら非情になりきれない一面があり、組織の中では出世できずにいる。茉莉の母への借金の取り立てを行っているが、自宅の部屋に一人でいる宇佐美茉莉を気にかけ、友達として接するようになる。

幽霊 (ゆうれい)

エピソード「オタク幽霊との同居生活」に登場する。生前、虎井の部屋に住んでいた幽霊で、性別は女性。大好きな美少女漫画「妹ヘブン!」の新刊を購入するために出かけた際、不慮の事故によってこの世を去る。死後に「妹ヘブン!」がアニメ化すると聞き、どうしても見たい気持ちが高まり、虎井の住む部屋に幽霊として出現するようになる。ギャルゲーやフィギュアを好む典型的なオタクで、幼い雰囲気を漂わせた美少女好き。幽霊ではあるものの物に触れることもできるが、激しく体力を消耗するために長い時間は触ることができない。

相馬 (そうま)

エピソード「監禁されたからTwitterで助けを求める」に登場する。内田優紀とは高校生のクラスメートで、孤立しがちな内田に積極的に声を掛けていた。しかし、サッカー部でキャプテンを務める人気者だったため、内田から一方的に距離を置かれている。さらに内田が高校を中退したことにより、以降疎遠になっている。内田が監禁場所から顔写真など個人情報をTwitter上に投稿した際にすぐに気づき、必死に内田の居場所を捜し始める。Twitterアカウントの名前は「ソーマ」。

住田 (すみた)

エピソード「レンタル妹を借りてみた件」に登場する。疑似的な妹を派遣するサービス「レンタル妹」でアルバイトをしている女性。橋下から指名されたことにより、彼の部屋で理想の妹を演じることになる。レンタル妹として働くことにやりがいを感じていたが、相手がほとんどオタク男性ばかりであることに嫌気が差し始めている。

女性 (じょせい)

エピソード「コンビニでデスゲーム」に登場する。コンビニエンスストアを利用していたところ、突然死神のような風貌のデスゲームの首謀者が出現し、店内で五人で殺し合いをすることになった女性。清楚な雰囲気を漂わせているが、デスゲームの首謀者から与えられた武器がスプーンの男子高校生ならば倒せるだろうと、内心見下している。

コンビニ店員 (こんびにてんいん)

エピソード「コンビニでデスゲーム」に登場する。コンビニエンスストアを利用していたところ、突然死神のような風貌のデスゲームの首謀者が出現し、店内で五人で殺し合いをすることになった男性。鋭い目つきで、五人の中では一番屈強な体格をしている。デスゲームの首謀者から与えられた武器は「スタンガン」だが、使い方をよくわかっていない。

老人 (ろうじん)

エピソード「コンビニでデスゲーム」に登場する。コンビニエンスストアを利用していたところ、突然死神のような風貌のデスゲームの首謀者が出現し、店内で五人で殺し合いをすることになった高齢の男性。四人を相手に腕力では勝てないと判断して、男子高校生とコンビニ店員が揉めている最中に奇襲攻撃をかける。デスゲームの首謀者から与えられた武器は「ハンマー」。

男性 (だんせい)

エピソード「コンビニでデスゲーム」に登場する。コンビニエンスストアを利用していたところ、突然死神のような風貌のデスゲームの首謀者が出現し、店内で五人で殺し合いをすることになった紳士然とした男性。デスゲームの首謀者によってトイレを封鎖され、危機に直面する。

雪だるまちゃん (ゆきだるまちゃん)

エピソード「雪だるまちゃん」に登場する。手のひらに乗るサイズの小さな雪だるまで、言葉を話すことはできないが自由に動くことができる。性別は不明。人間と変わらない感情や知識を持っており、料理を作ることもできる。しかし熱に弱く、調理中に溶けてしまうので、かき氷など冷たいものしか作ることができない。道で溶けかかっていたところを山田敏夫に助けられ、以降山田の家でいっしょに暮し始める。自分を助けてくれただけでなく、親しくしてくれる山田に対して恩を感じて懐いている。

真昼 (まひる)

エピソード「何の変哲もない友達百合」に登場する。ロングヘアの美女で、上品で清楚な雰囲気を漂わせている。中学時代は紗夜と同じ茶道部に所属していた。仲間といっしょに紗夜と親しくしていたものの、高校生になってからは疎遠になった。しかし、このまま紗夜と縁が切れるのが嫌だと感じ、自分から話がしたいと連絡を取る。中学時代から現在に至るまで紗夜に友情以上の感情を抱いており、両思いになるべくアプローチを開始する。

田中 燈子 (たなか とうこ)

エピソード「ウチの妻は忘れっぽい」に登場する。田中ヒロキの妻。ヒロキとは小学生時代からの友達で、のちに恋愛関係になって結婚をした。結婚後に記憶障害を患い、これまでの生活や自分の名前、夫のヒロキの存在も忘れてしまう。記憶障害を患う前はしっかりした性格で、ヒロキを忘れっぽい性格だと注意をすることもあった。

宇佐美 茉莉 (うさみ まつり)

エピソード「闇金取り立ての恐ろしい実態」に登場する。幼稚園生か小学校低学年生くらいの年頃の少女だが、学校には通っていない。シングルマザーの茉莉の母と二人暮らしだが、ほとんど外出もさせてもらえずに留守番ばかりで、育児放棄を受けている。茉莉の母への借金の取り立てにやって来た堂嶋玄武と知り合い、相手にしてもらえた喜びから懐くようになる。宝物はウサギとカメのぬいぐるみ。

茉莉の母 (まつりのはは)

エピソード「闇金取り立ての恐ろしい実態」に登場する。宇佐美茉莉を育てるシングルマザー。しかし茉莉をかわいいと思っておらず、外出を禁止して育児放棄をしている。堂嶋玄武が取り立てを行っている闇金に借金があるが、返済するどころか日夜ギャンブルに明け暮れている。

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