挑戦者

挑戦者

ボクシング嫌いだった青年が、傲慢なチャンピオンをねじ伏せるために自らを鍛え上げ、1人の挑戦者として挑む姿を描いたボクシング漫画。

正式名称
挑戦者
ふりがな
ちゃれんじゃー
作者
ジャンル
ボクシング
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概要・あらすじ

中本拳は、自らを苦しめることになり、また、長兄である中本栄をパンチドランカーにしたボクシングと、ボクシングを強要した中本を憎んでいた。中本は次兄である中本勝利に覇者としての夢を託そうとするが、勝利はナポレオン大和との試合によって負った傷がもとで命を落としてしまう。すっかり家に嫌気がさした拳は、そのまま出奔。

それから1年ほど経ったある日、強力な新人ボクサー「ダイナマイト剣」が出現。彼こそ、これまでの自分に決別し、ボクシングへの挑戦を目論む拳の新たなる姿だった。

登場人物・キャラクター

中本 拳 (けん)

中本家の三男。兄妹想いの少年で、中本栄とは仲が良く、中本熱子からは慕われている。父親の中本は、ボクシングジムのトレーナー。拳自らはボクシングを憎んでおり、ボクサーにだけはなりなくないと公言している。さらに兄の中本勝利を喪(うしな)ったことにより、とうとう家を飛び出してしまう。しかし偶然出会ったおっさんの助言により、今までの自分を捨てることを決意。 兄を奪った張本人のナポレオン大和に対し、挑戦者として挑むこととなる。

松下 里美 (まつした さとみ)

大手財閥である松下家の末女。中本拳の恋人。ナポレオン大和に見初められている。拳が家を出たことをきっかけに、拳との恋人関係が自然消滅の形になったため、大和と付き合うことになってしまう。大和の前では従順に振る舞うが、内心では拳を愛し続けている。「ダイナマイト剣」のことも、一目で拳であると見破っている。

ナポレオン大和 (なぽれおんやまと)

強力なボクサーの男性。フェザー級で世界ランキング5位の座を持つ。カウンター戦術を得意としており、速攻で勝負をつけようとする相手とは特に相性がいい、と言われている。エリート故の仕草が鼻につくような傲慢な男。自分には明るい未来が開かれていると心底信じ切っており、恋人関係となった松下里美もその未来図に組み込んでいる。

野村 (のむら)

ナポレオン大和の付き人。軽薄な性格の青年だが、大和に対しては全幅の信頼を寄せている。松下里美とは知り合いで、才色兼備であるうえに大手財閥の令嬢であることを、大和に告げる。大和の攻撃に耐え切れる相手を探すことに苦心しており、やがて中本勝利に目をつけ、彼と大和の試合を中本に打診している。

中本 栄 (えい)

中本家の長男。穏やかな性格をしており、中本拳に慕われている。かつて中本にボクサーになるよう求められ、数々の試合に出場した。その際に負った怪我がもとで引退し、今では食堂で働いている。記憶に若干の障害を持っている。食堂の主人は、栄がボクサーとしての生活を楽しんでいたはずだと言うが、拳はそうは思えない、と反論している。

中本 勝利 (なかもと かつとし)

中本家の次男。中本家の中で唯一、自分から進んでボクサーになりたいと志願した男性。しかしボクシングの才能があるとはいえず、減量中にこっそりつまみ食いをしているなど、怠惰な面が見られる。とはいえ、中本の夢のためにチャンピオンになりたいという想いは本物で、才能こそないもののスタミナはかなりのもの。しかし、ナポレオン大和との試合で負った傷がもとで死去。 中本勝利の死は、中本拳と中本に強いショックを与えた。

中本 熱子 (なかもと あつこ)

中本家の末女。家事をすべて担当しており、それを強要して高校にも通わせなかった中本を快く思っていない。一方で、父親に言いなりである自分のことも嫌っているが、中本拳のことは慕っている。ロバート・レッドフォードの大ファンで、彼が出演する映画のチケットを拳から譲られたときは、久々に明るい笑顔を見せた。

中本 (なかもと)

中本拳の父親。トレーナーとして、3人の息子にボクシングを仕込んできた。しかし、三男の中本拳とはそりが合わず、長男の中本栄は満足な結果をあげられず引退。さらに次男の中本勝利を喪った。そのため、ボクシングには一切関わらないことを決める。拳からは、無理やりボクシングをさせる酷い親だと憎まれているが、かつては日本3位のボクサーで、当時は息子たちにも強く慕われていた。

食堂の主人 (しょくどうのしゅじん)

中本の弟。中本栄が働く食堂の主人。栄が負っている障害を理解しており、それに応じた仕事を任せたりするなど、気遣いを怠らない男性。しかし、栄はボクサーとして満足していたと語っており、これに関しては中本拳と意見を異にしている。

アントニオ・ゴメス (あんとにおごめす)

フェザー級の世界王者。パーマヘアーの黒人男性。タイトルマッチでナポレオン大和と対決する。しかし、大和のカウンター戦術に見事に翻弄されてしまい、強烈な右ストレートを浴びてリングの外に転落。わずか1ラウンドで敗北を喫してしまう。

おっさん

ひげ面の中年男性。家出をして、行くあてもなくさまよっていた中本拳に声をかけ、仕事を斡旋した。拳が過去の自分と決別していることに気づいており、その姿にかつての自分自身を重ね合わせている。拳が自分を捨て、「ダイナマイト剣」として生まれ変わるきっかけとなった。

マルカス

体格に恵まれた金髪のボクサーの男性。「ダイナマイト剣」となった中本拳が、フェザー転向第1戦で対決した。その体格差から、マルカスの圧勝という予想が大半を占めていた。しかし、いざ試合が始まると、たった2発のパンチでマットに沈み、1ラウンド26秒KO負けという大敗を喫してしまう。

その他キーワード

パンチドランカー

パンチを受けて、脳や神経に障害を負った人のこと。中本栄は時折、記憶が飛んだようなそぶりを見せている。中本拳は、これをパンチドランカーであると疑っている。しかし一方で、食堂の主人はそれを否定している。

かませ

負けるとわかっていながら、殴られ役として試合をすること。また、その役割を担う選手のこと。野村が中本に対し、中本勝利とナポレオン大和の試合を申し出た際に、中本は勝利をかませとして使うつもりでないか、と疑いを持っていた。

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