新しい上司はど天然

新しい上司はど天然

上司からのパワハラで心と胃を病んでしまった桃瀬は、転職して新たな環境でスタートを切った。新しい上司からもパワハラを受けたらどうしようと不安を抱えながら、びくびくする桃瀬だったが、ふたを開けてみれば、今度の上司の白崎優清は、木の切り株を猫と見まちがえたり、マウスとまちがえて桃瀬の手をクリックしてしまったり、通話しながらスマホを捜したりと、桃瀬の不安も吹っ飛ぶほどのド天然ぶりを発揮する上司だった。仕事はできるが、かわいらくてド天然な上司と、そんな上司に癒される部下の姿を描くお仕事コメディ。元は作者のTwitterにて公開されていた作品。2019年2月から秋田書店「マンガクロス」でも配信され、同年8月に同社より単行本1巻が発売。「全国書店員が選んだおすすめコミック2020」で第4位、第4回「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」で第3位を獲得。

正式名称
新しい上司はど天然
ふりがな
あたらしいじょうしはどてんねん
作者
ジャンル
サラリーマン
 
その他ギャグ・コメディ
レーベル
ヤングチャンピオン・コミックス(秋田書店)
巻数
既刊2巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

パワハラ上司に悩まされ、精神と胃を病んでしまった桃瀬は、広告代理店「株式会社Minette」に転職し、企画営業部で新たな社会生活を再スタートさせた。転職初日、桃瀬は新しく上司になった主任の白崎優清と行動を共にするが、心の中では、この新しい上司もパワハラ上司だったらどうしようという不安でいっぱいだった。それが影響して桃瀬はまた胃の調子を悪くしてしまい、キリキリする胃の痛みに思わずしゃがみ込んでしまう。だが、我に返った桃瀬が急いで立ち上がろうとすると、目の前にいたはずの白崎がいなくなっていた。前の上司だったら暴言を吐かれるところだが、今回は置いていかれてしまったかと肩を落とす桃瀬だったが、次の瞬間、息を切らして走ってくる白崎の姿が目に入る。白崎は、桃瀬の腹痛を察し、慌てて近所のドラッグストアへ走り、薬と水を買って戻ってきたのだ。上司の優しさに感動し、涙しそうになる桃瀬だったが、袋を開けてみるとそこに入っていた薬には、大きく「生理痛」の文字が書かれていた。白崎は部下の急変にパニックになり、自分の彼女が腹痛の時に買った薬を買ってしまったと焦って釈明する。そんな上司の姿に、思わず吹き出した桃瀬は、その後も連発する上司のかわいらしい言動に、顔をほころばせるのだった。

登場人物・キャラクター

桃瀬 (ももせ)

北海道出身の男性で、年齢は26歳。広告代理店「株式会社Minette」に転職し、企画営業部で主任の白崎優清のもと、社会生活を再スタートさせた。もともとは人の心に残る広告を作りたいという思いから上京したが、上京して最初に勤めていた会社では、上司の黒野からのパワハラに悩まされ、精神を病んで胃腸を壊した。上司に怯え、辞めたいと言い出すこともできない中で、偶然プラネタリウムの広告に出合って心を動かされ、その広告を作った会社を自力で探した結果、今の会社に再就職することになった。パワハラによる後遺症はまだ残っており、白崎の言動一つ一つに過敏に反応しては、黒野を思い出して何かとびくびく怯えていた。しかし会社になじむにつれ、白崎の優しさとかわいらしさに癒され、変化を見せ始める。優しい性格で、思ったことをうまく伝えられないところもあるが、それはパワハラの後遺症によるもの。白崎の魅力に取りつかれ、仕事への姿勢も人への優しさも、ついやらかしがちなド天然なところもすべてリスペクトしている。のちに入社してきた金城とは、パワハラ上司に悩まされ、辛い社会生活を送ってきたという共通点から意気投合する。かつて北海道に付き合っている彼女がいたが、東京との遠距離と黒野のパワハラへの対応で精いっぱいで連絡できなくなり、ふられてしまった。猫が大好きで、猫に癒しを求めがち。

白崎 優清 (しろさき ゆうせい)

広告代理店「株式会社Minette」の企画営業部に主任として勤務している男性。桃瀬の直属の上司にあたる。年齢は34歳で、かなりのイケメン。仕事への集中力は人並みはずれており、つねに企画のアイデアを考えている。周りの人を思いやることに一生懸命で、できる上司ながらも、かなりド天然なところがあり、仕事以外では失態を演じることが多い。いじらしく素直な性格で、同性にすらもかわいいと思わせてしまうほどの魅力を持つ。直属の上司である課長の青山とは長い付き合いで、入社したての頃から教育、指導してもらっていたため、今でも良好な関係を築いている。実は桃瀬が面接に訪れた時、面接官として対応していた。その際、桃瀬が影響を受けたと話したプラネタリウムの広告は、自分が手掛けたものだったため、静かに感動して涙をこらえた。面接を終えたあと、まだ合否も定まらない桃瀬の教育係になりたいと、自ら志願したという経緯があった。秋田県出身で、小さい頃になまはげにさらわれたことがあり、それがトラウマとなり、お化け屋敷などの得体の知れないものが苦手。なぜか昔から猫によく威嚇されているが、本当は猫が大好きなため、猫に嫌われると本気で3日くらい凹んでしまう。付き合っている彼女がいたが、耳元でほかの男性の名前で呼ばれたことで浮気が発覚した挙句、ふられてしまう。

白桃 (はくとう)

箱に入れて捨てられていた子猫。桃瀬と白崎優清が会社帰りに偶然見つけ、白崎の自宅で暮らすことになった。ツンデレな性格で、飼い主に捨てられたのではなく、自分から飼い主を捨てたと強気な主張を繰り返す。実はもともとは若い女性に飼われていたが、30万円の高級ソファで何度も爪をといだため、大嫌いと言われて捨てられてしまった。本当は寂しがり屋で、白崎が家を出た直後にまだ温かいスリッパに入り込んで、飼い主の温もりを感じつつ寂しさをまぎらわせようとするいじらしいところもある。桃瀬と二人で見つけたということから、白崎の白と桃瀬の桃で「白桃」という名前にしようと白崎が決めた。

金城 (きんじょう)

カフェでパワハラ系上司からの電話を受け、激しく罵られていた男性。日々パワハラに悩まされ、もはや目は死んでいる状態。となりに座っていた桃瀬と白崎優清の会話をなんとなく聞いていて、パワハラを受けた経験がある桃瀬の心理に、一人静かに同調していた。同時に白崎の上司としての優しさ、かわいらしさにも感動し、転職を決意。カフェからの帰り際には、まったく面識のない白崎に名刺を要求し、自分もあなたの部下になりたいと発言して去っていった。その後、本当に会社を辞めて白崎の勤める広告代理店「株式会社Minette」に入社。企画営業部で青山からの指導を受けることとなった。基本的には桃瀬や白崎と行動を共にすることが多いが、かまってちゃんな上司の青山をかわいがることも忘れない。もともとパワハラを受けてきたため、苦労の多い社会生活を送ってきた点と白崎をリスペクトしている点から、特に桃瀬と気が合う。付き合っている彼女がいたが、何と構いすぎていたことが逆に仇となり、うっとうしがられて交際1週間で別れた。

青山 (あおやま)

広告代理店「株式会社Minette」に勤める男性。年齢は39歳。企画営業部で課長を務めており、転職してきた金城の教育係として指導にあたっている。眼鏡を掛けたイケメンだが、最近離婚したばかりで寂しい気持ちを抱えている。もともと何かとかまってちゃんなところがあり、女子社員たちからは面倒くさく扱いにくいと思われている。マイホームを購入した直後に妻が出て行ったため、立派なマイホームで一人暮らし中。寂しさのあまり、巨大なクマのぬいぐるみをインターネットで購入し、家族のように扱うことで寂しさをまぎらわせている。10年ほど前、テーマパークの広告を担当した際、白崎優清と現地取材を行った。見た目に反しておちゃめなところがあり、その時には広告する対象を本気で使用したり体験したりすることで、ウソのないよい広告が作れると、スーツ姿で猫耳をつけてポップコーン片手にジェットコースターを堪能していた。

黒野 (くろの)

東京の広告代理店に勤める男性。桃瀬の元上司で、パワハラによって桃瀬が会社を辞めるに至る原因となった張本人。部下にはつねに罵声を浴びせ、状況によっては殴る蹴るなどの暴力行為も伴った指導という名のハラスメントを行っている。言ってないことを伝えたと言い張ったり、部下から質問を受けると「なんでこんなのもわかんねぇの?」とキレ気味にマウスやペン立てを投げつけることもあった。また、火災が起きた際には我先にと逃げ出し、その際に桃瀬を突き飛ばして両足にケガを負わせたこともある。また休憩時間には、特に急ぎの要件でもないのに訳もなく電話をかけまくり、相手が出ないと出るまで発信を続けることもあった。そのために黒野の匂いや言動は、桃瀬のトラウマとなっている。

書誌情報

新しい上司はど天然 2巻 秋田書店〈ヤングチャンピオン・コミックス〉

第1巻

(2019-08-20発行、 978-4253142311)

第2巻

(2020-05-20発行、 978-4253142328)

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