竜の結晶

竜の結晶

普通の女の子が、進学をきっかけに格闘家四兄弟の家で暮らすことになってしまう。彼ら兄弟と格闘技に魅せられ、格闘技の世界に身を投じていく少女を描いたバトル&ラブストーリー。コミックスには、主人公以外にスポットを当てた読み切りの番外編も多数収録されている。集英社「コーラス」1995年5月号から1999年4月号にかけて連載された作品。

正式名称
竜の結晶
ふりがな
りゅうのけっしょう
作者
ジャンル
格闘技・武道
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概要・あらすじ

新田巴は短大進学を機に、東京の親戚にあたる千堂寺家で暮らすことになった。千堂寺には千堂寺黒竜千堂寺紅竜千堂寺蒼竜千堂寺白竜の兄弟がいる。彼らはそれぞれ宗武流空手の使い手であり、「竜拳会」の一員であった。ともに生活をしていくうちに、巴は幼なじみでもあった紅竜と急接近。さらに巴には生まれつき格闘技のセンスがあり、始めたばかりの空手にのめり込んでいく。

登場人物・キャラクター

新田 巴 (にった ともえ)

明るく前向きな女子学生。北海道から東京の短大に進学し、保母を目指している。長い黒髪をその時々でアレンジした髪型をしている。親戚の千堂寺家に下宿することになり、幼なじみだった千堂寺紅竜と、武者修行から帰った来たばかりの千堂寺白竜の両方に惹かれ始める。ルーズ・ジョイントという格闘技に向いている体質の持ち主。 自身も宗武流空手を始め、空手にのめりこんでいく。昭和51(1976)年5月2日生まれで、血液型はO型。身長は163センチ、体重は58キロ、スリーサイズはB88(Dカップ)・W63・H89。

千堂寺 黒竜 (せんどうじ こくりゅう)

千堂寺四兄弟の長男で、千堂寺家17代目当主。まだ20代だが、無愛想で常に不機嫌な顔をしているため、実年齢よりずっと老けて見える。千堂寺一族経営の「サウザー不動産」の跡取りとして営業職に就いている。黒髪を後ろに撫でつけたかっちりとした髪型に、スーツでいることが多い。仕事の関係で知り合ったイラストレーターの高柳千帆に心惹かれている。 昭和42(1967)年1月3日生まれで、血液型はA型。

千堂寺 紅竜 (せんどうじ こうりゅう)

千堂寺四兄弟の次男で、宗武流空手6段。ややウェーブがかった長い髪を、すべて後ろに流して結んでいる。プロレス団体「Gプロレス」にも籍を置き、異種格闘技戦に出場するカリスマ的存在。子供の頃は身体が弱かったため北海道の親戚宅に療養に預けられていた。新田巴とはその頃の幼なじみである。巴より4歳年上だが、子供の頃は巴の方が健康で元気だった。 東京に戻ってからも体が弱く、小学生の頃から高校にかけては、江田島浩介の家に内弟子として預けられていた。東京で再会した巴を見た瞬間から、心惹かれ始める。井上リカに好意を持たれ、「師匠」と呼ばれている。昭和47(1972)年8月13日生まれで、血液型はB型。

千堂寺 蒼竜 (せんどうじ そうりゅう)

千堂寺四兄弟の三男であり、K大の医大生。ふわっとした長めの髪に眼鏡をかけたクールな美貌で、学内でも人気がある。宗武流空手の段持ちではあるが、他の兄弟に比べて格闘技の才能はない、と父親の千堂寺正高に切り捨てられた過去がある。体の弱かった紅竜の面倒を小さい頃から見ていたため、医者を志した。同じ学部の八神まことに告白され、付き合うことになる。 昭和49(1974)年2月8日生まれで、血液型はAB型。

千堂寺 白竜 (せんどうじ はくりゅう)

千堂寺四兄弟の四男。武者修行に出たまま行方不明になっていたが、3年ぶりに子連れで突然帰って来た。無愛想な兄弟の中では飛びぬけて人当たりがよく、優しい性格。黒髪短髪で、見た目にも明るく元気な雰囲気の青年。武者修行に行っていた宗武流空手金沢支部道場で、経理をしていた女性のさやかと知り合って結ばれる。彼女が亡くなり、息子の千堂寺銀竜を連れて千堂寺家へ戻って来た。 昭和50(1975)年7月12日生まれで、血液型はA型。

千堂寺 美春 (せんどうじ みはる)

常に和装の、しとやかで古風な壮年女性。「竜拳会」初代館長である千堂寺竜拳の直系で長女だったため、20才の時に、宗武流空手のエースだった江田島正高(千堂寺正高)を婿に取った。千堂寺黒竜、千堂寺蒼竜、千堂寺紅竜、千堂寺白竜の母親で、新田節とはいとこ同士。ずっと娘を欲しがっていたため、遠縁の新田巴が下宿することを歓迎する。

千堂寺 正高 (せんどうじ まさたか)

江田島浩介の息子で、千堂寺黒竜、千堂寺蒼竜、千堂寺紅竜、千堂寺白竜の父親。厳格な性格で、後継者を育てるために四兄弟にはつらくあたっていた。子供の頃に父親が戦死し、空襲で母親を亡くし、父親の友人だった千堂寺竜馬とともに戦争を乗り越えた、という過酷な過去を持つ。ガンにより既に亡くなっているが、過去の回想や番外編などに登場する。

千堂寺 銀竜 (せんどうじ ぎんりゅう)

千堂寺白竜のとさやかの子供。白竜とともに千堂寺家にやって来た時は、まだ10か月の赤ちゃんだった。最終回の頃には3歳程度に成長し、番外編では、16歳になってからのエピソードも語られる。

さやか

千堂寺白竜の7歳年上の彼女で、千堂寺銀竜の母親。もともと体が弱く、銀竜を出産して7か月後に亡くなった。両親を亡くしており、母親のいとこである蓮二が館長を務める宗武流空手金沢支部道場に引き取られた。生まれつき体が弱いが明るい性格で、生まれ変わったら健康な体になって、空手をやりたいと思っていた。

江田島 浩介 (えだじま こうすけ)

宗武流空手9段の使い手。見た目は痩せた老人だが、格闘家としての腕は衰えておらず、新田巴の資質にもいち早く気づいた。千堂寺の家に、一人息子の千堂寺正高を養子に出しているので、千堂寺黒竜、千堂寺蒼竜、千堂寺紅竜、千堂寺白竜の祖父にあたる。最初の妻は戦争で亡くしているが、かなり年下の江田島満と押し切られる形で再婚した。 非常に温厚な性格で、紅竜や巴の心の拠り所となっている。「関節技の最後の使い手」と評され、真田真理子も浩介の指導を希望してきたほど。大正11(1922)年12月20日生まれで、血液型はAB型。

江田島 満 (えだじま みつる)

江田島浩介の妻。39歳だが、少女っぽい外見で、かなり若く見える。浩介が既に老人なので、娘や孫に間違われることもある。浩介に惚れ抜き、10年かかって口説き落として、ようやく結婚した。優しげな外見とは裏腹に、芯はかなりしっかりした女性。もともとは月刊誌「格闘王」のライターをしていたところ、浩介と知り合った。ライター時代は仕事欲しさに、当時のデスクであった桜井公彦と不倫関係にあった。 昭和33(1958)年4月2日生まれで、血液型はA型。

草加部 貞子 (くさかべ さだこ)

中学生の頃からの「竜拳会」のベテラン門下生で、実力のある美人。昔から千堂寺紅竜に好意を寄せていた。しかし、強さばかりにこだわり、自分自身の闘う理由を見つけられなかったため、師範になれなかった。「竜拳会」に入会した新田巴に、紅竜が惹かれていくのに耐えられなくなり、「竜拳会」を辞めて「ブランカ・アーツ」に入り、エリアス・ブランカの秘書兼恋人になる。 昭和49(1974)年11月7日生まれで、血液型はB型。

森崎 美久 (もりさき みく)

新田巴の短大の同級生の女子学生。丸い眼鏡をかけて、前髪を持ち上げるようにしたヘアバンドをしている。巴の良き理解者。格闘技にのめり込みすぎたり、恋愛に翻弄されすぎている時は、そっと支えたり、アドバイスを送ったりする。

土居 敬介 (どい けいすけ)

プロレス団体「Gプロレス」の社長で、トップレスラーの男性。立てた髪に口髭の強面だが、明るく親しみやすいフランクな性格。人情家で、選手一人ひとりに親身になるため、人望が厚い。千堂寺紅竜の無茶なやり方に対して、愛情から苦言を呈すが、聞き入れられずにいる。紅竜と組んで「Gプロレス」のリングにも上がったことがあり、アメリカではエアリス・ブランカとタッグを組んで戦ったこともあるなど、経験も豊富。 妻子持ち。身長は193センチ、体重は115キロ。

エリアス・ブランカ (えりあすぶらんか)

国際的なバーリ・トゥード大会の仕掛け人。世界最強を誇るブランカ・アーツの会長を務める男性。涼やかでインテリジェンスに溢れた美貌の持ち主。草加部貞子の鍛え抜かれた体と美貌を気に入り、「竜拳会」から移籍して来た彼女を側近にして肉体関係も持つ。新田巴に亡くなった姉の面影と、格闘技の才能を見出して惹かれていく。 本当の両親は亡くなっており、アキオ・ブランカの養子になった。養子になる前の名前は「エリアス・サンモレノ」。1962年9月10日生まれ、血液型はO型。

シド・ブランカ (しどぶらんか)

世界各地で開かれているバーリ・トゥード大会で無敗を誇るブランカ一門の末弟。長い縮れた髪を後ろでまとめ、額にはバンダナを巻いた彫りの深いワイルドな風貌。尊大な性格で、プロレスをただのショーだとバカにしており、どんな卑怯な手を使ってでも、相手を力で倒せばいいと考えている。新田巴の素質には多少の興味を持つが、兄のエリアス・ブランカの秘書をしている草加部貞子のクールな美貌に、より惹かれている。 1972年8月1日生まれで、血液型はO型。

真田 真理子 (さなだ まりこ)

プロレス団体「Gプロレス」の女子トップレスラー。さらりとしたショートカットに、ほとんど表情を変えないクールな風貌。もともとメキシコでルチャ・リブレをやっていたが、楽しいプロレスに自分の強さを見出せなくなり、日本に帰国して「Gプロレス」に加入した。プロレス以外にも、女子キック・ボクシングのベルトも持っているマルチプレーヤー。 新田巴の潜在能力に期待し、本気で闘うことを楽しみにしており、巴のセコンドを務めたりスパーリングの相手をしたりと協力する。しかし巴に一方的に協力するのではなく、巴を介して江田島浩介の指導を仰ぐなど、しっかりした一面もある。人気覆面プロレスラー「マッド・マリード」としての顔も持つ。

新田 節 (にった せつ)

新田巴の母親で、千堂寺美春とはいとこ同士の中年女性。美春とは年の近いいとことして子供の頃から仲が良く、遠慮のない関係だった。美春には、節の家に縛られない自由な生き方や、女子を授かったことを羨ましがられていた。一方の新田節も、美春の美しさや名門の生まれであること、男子を4人も授かったことを羨ましく思っていた。

高柳 千帆 (たかやなぎ ちほ)

駆け出しの女性イラストレーターで、25歳。明るく前向きな性格で、やや気が強い。都市計画のせいで、安いアパートからの立ち退きを「サウザー不動産」に迫られる。しかし、千堂寺黒竜の斡旋により、前より条件のいい物件に格安で入ることとなった。母一人子一人で育っており、自分たちを捨てた父親のせいで男性を信用していなかったが、黒竜の誠実な態度に好意を持ち始める。

井上 リカ (いのうえ りか)

宗武流空手2段で「竜拳会」の門下生。浅黒く日焼けした肌にショートカットの、元気いっぱいの女の子。千堂寺紅竜に片想いをしており、新田巴にライバル心を燃やしている。「竜拳会」大阪支部から、紅竜目当てに東京支部に移籍してきた。紅竜のことを「師匠」と呼んで尊敬もしている。簿記の専門学校を出ているため、「竜拳会」に経理として自分を雇うよう自薦する。

水島 (みずしま)

「竜拳会」東京支部の門下生。眼鏡をかけてサイドを刈り上げた髪型の男性。会の古参門下生で、しばしば館長代理を務めることもあるほどに周囲からの信頼が厚く、温厚な性格。また細かな雑用も引き受けており、試合では千堂寺紅竜のセコンドに入って、身の回りのことやアイシング、マッサージなどを担当する。新田巴のセコンドに入ったこともある。

後藤 (ごとう)

宗武流空手総本部の総帥で、温厚な中年男性。一度現役から引退した千堂寺紅竜を、バーリ・トゥード大会に推薦するためには、彼の一筆が必要だった。しかし、バーリ・トゥードへの参加を良しとしない後藤は、それを断った。これが遺恨となり、紅竜と戦った結果、大怪我をして選手生命を失った。後藤自身は新旧交代の時期だったと納得しているが、熱心な門下生の三条武史は、この件で紅竜を憎むようになった。

三条 武史 (さんじょう たけし)

宗武流総本部道場の門下生の男性。宗武流空手道選手権大会の前回優勝者。逆立った髪と鋭い目つき、厚い唇が特徴。本部道場の後藤が、千堂寺紅竜に大怪我を負わされて選手生命を断たれたため、紅竜に敵愾心を抱いている。実は中学生の頃から紅竜とは知り合い。しかし、空手至上主義の三条武史にとって、色々な格闘技に手を出している紅竜は異端であり、許せない存在。

千葉 美幸 (ちば みゆき)

宗武流総本部道場の門下生の女性。宗武流空手道選手権大会の優勝候補。決勝戦で新田巴と対決する。黒髪を後ろで1つに束ね、額には大きめのバンダナを巻いている。10年空手をやっているベテラン選手で、宗武流空手4段の使い手。バーリ・トゥードなどの異種格闘技には興味がない。

八神 まこと (やがみ まこと)

K大医学部4年の女子学生。黒いストレートヘアをボブスタイルにしている、才色兼備の女性。常に成績が主席なのに加えて美人なため、学校でも有名人。千堂寺蒼竜に以前から好意を寄せており、彼に告白をする。父親が心理学者で、本人もセラピスト志望のため、他人の話を聞くのが上手い。蒼竜の心の拠り所になりたいと考えている。

アキオ・ブランカ (あきおぶらんか)

ブランカ一門の父親。シド・ブランカをはじめ、格闘に恵まれた息子たちを持ちながらも、エリアス・ブランカのカリスマ的格闘センスと行動力に目をつけて養子にした。のちに「ブランカ・アーツ」の経営をエリアスに任せる。

桜井 公彦 (さくらい きみひこ)

格闘技のスキャンダラスな側面ばかりを捉えるB級雑誌「週刊ゲリラスポーツ」の編集長を務める男性。もともとはS出版スポーツ部のデスクを務め、月刊誌「格闘王」を担当していたため、格闘技界の人間とは既知。結婚前の江田島満と不倫関係にある。そのコネでに満に「格闘王」の記事を担当させ、江田島浩介と引き合わた。若い頃は中肉中背に口ひげ、といういかにも業界人といった風体だったが、現在はすっかり太って前髪も後退している。

木原 サトシ (きはら さとし)

「週刊ゲリラスポーツ」の専属カメラマンの男性。痩身で目が小さく、頭全体をおおうような帽子をいつもかぶっている。軽薄な性格で、スキャンダラスな内容をメインとした「週刊ゲリラスポーツ」のために、千堂寺紅竜と新田巴の熱愛写真を撮ろうと、追い掛け回す。

沢口 帝夫 (さわぐち ていお)

「サンモレノ・ジム」の専属スポーツ整体師の青年。やや小柄で、黒髪で眉が太く、目が大きい、少年めいた風貌をしている。声帯に障害があって話すことはできない。耳は聞こえているので、人の言っていることは理解できる。意思の疎通は手話や筆談で行い、エリアス・ブランカを心から心配して、面倒を見ている。

蓮二 (れんじ)

宗武流空手金沢支部道場の館長を務める壮年男性。長身痩躯で、右の頬に大きな傷跡があるかなりの強面。さやかの母親である真奈美のいとこにあたり、また真奈美に想いを寄せていたので、火事で両親を亡くしたさやかを引き取った。千堂寺白竜を金沢支部の道場に住まわせるが、さやかと白竜が関わることを、最初は苦々しく思っていた。

ティン・マヨーク (てぃんまよーく)

アフリカのインナサ共和国国立病院の内科医で、若く元気な女性。褐色の肌にウェーブのかかった明るい色の髪を短めに切りそろえている。父親はアイルランド人、母親はインナサの多数民族サラ族の出身のハーフ。医療派遣員として訪れた千堂寺蒼竜と知り合う。いつも十字架のペンダントをしている敬虔なクリスチャン。

アル・ジャマー (あるじゃまー)

アフリカのインナサ共和国のインナサ警察軍の軍曹の男性。ティン・マヨークの幼なじみで、子供の頃から目立つ髪をしたティンがイジメに合うのを守っていた。千堂寺蒼竜たち巡回医療の護衛を務める。

ピトー

アフリカのインナサ共和国の少数民族・マイシャ族の子供。母親とともに車にはねられ、母親は死亡。彼だけは通りかかった千堂寺蒼竜とティン・マヨークによって救われた。額にマイシャ族の象徴である刺青をしている。

集団・組織

竜拳会 (りゅうけんかい)

幕末の混乱期に発足した空手の流派。宗武流空手をもとに、柔術の動きを加えてより実践的に使うことを目的とする。初代館長は千堂寺竜拳で、そこからずっと直系の一族が道場を守っている。千堂寺家17代目当主は千堂寺黒竜だが、「竜拳会」と道場は次男の千堂寺紅竜が館長を務めている。

Gプロレス

土居敬介を社長とするプロレス団体。キック・ボクシング、ルチャ・リブレなどの異種格闘技も行っている。空手家である千堂寺紅竜も所属しており、「Gプロレス」のリングに上がっている。真田真理子も女子レスラーとして所属し、のちに新田巴も女子レスラーとして加入する。

ブランカ・アーツ (ぶらんかあーつ)

格闘技集団。メンバーは、ブランカ一族のエリアス・ブランカ、シド・ブランカの兄弟が中心。ブランカ体術を使う最強集団と評されている。東京にも支部があり、バーリ・トゥード大会に向けて、エリアスやシドなどは日本に滞在している。草加部貞子は「竜拳会」から移籍し、このブランカ・アーツ所属になる。

サンモレノ・ジム (さんもれのじむ)

「ブランカ・アーツ」を辞めたエリアス・ブランカが新しく設立したジム。練習場は奥多摩のコテージで、トレーナーは沢口帝夫ただ1人。「サンモレノ」はエリアスの養子に入る前の旧姓であり、基本的に自分のために設立したジムである。エリアスはサンモレノ・ジムに、新田巴も誘う。

イベント・出来事

バーリ・トゥード大会 (ばーりとぅーどたいかい)

バーリ・トゥードの国際大会。「ブランカ・アーツ」主催の大会は指名制で、格闘界の公式な大会である程度の成績を残した者だけが、エントリーを認められている。真田真理子は、女子キック・ボクシングのベルトを持っているため問題なかったが、公式なタイトルを持っていなかった新田巴は、エントリーのために宗武流空手道選手権大会での決勝進出を条件として課された。

宗武流空手道選手権大会 (そうぶりゅうからてとーなめんと)

3年に一度の宗武流空手全国大会。男子部、女子部に別れ、2日間にわたって行われる大きな大会。新田巴は真田真理子をセコンドにつけて臨んだ。決勝戦まで進出すれば、「ブランカ・アーツ」主催のバーリ・トゥード大会にエントリーする権利が与えられる。

その他キーワード

バーリ・トゥード (ばーりとぅーど)

ルール無用のストリートファイト。「なんでもアリ」という意味で、「喧嘩のようなもの」と評する者もいる。「ブランカ・アーツ」は、この競技の大会を国際的に開催している。バーリ・トゥードを好むファンたちは、タオルや判定での勝利に満足せず、相手を再起不能になるまで叩きのめす勝ち方を支持する者が多い。

ブランカ体術 (ぶらんかあーつ)

シド・ブランカらブランカ一門が使う武術。基本は柔道に近く、組技を得意としている。相手をタックルで押し倒し、馬乗り(フロントポジション)から顔面をめった打ちにする戦法が定石。この攻撃から逃れられた者はいないとされる。体格差がものをいう戦闘スタイルのため、千堂寺蒼竜は、千堂寺紅竜の立ち技(打撃)ではブランカ体術には敵わないと分析していた。

試割り (しわり)

正拳で板を叩き割る技術を争う競技。江田島浩介は、高齢で細い身体をしているのにもかかわらず、板8枚を割って見せた。また千堂寺紅竜も、宗武流空手道選手権大会の試割り競技で8枚を割って、大会新記録を作る。通常なら5枚で失敗する者もおり、手刀より正拳で行う方がより難易度が高いとされる。ちなみに新田巴の記録は正拳で2枚、手刀で3枚。

ルーズ・ジョイント (るーずじょいんと)

体の筋肉や関節が先天的に柔らかい体質のこと。この体質の持ち主は、関節技や締め技を防御しやすい。相手の攻撃のポイントが少しでもずれていれば、ほぼダメージを受けず、逆に関節を熟知しているだけに、攻撃時には相手の弱点をピンポイントで、確実に突くことができる。新田巴がこの体質の持ち主。

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