日本三國

日本三國

核大戦、天災、悪政などから革命が起こり、文明が崩壊した近未来の日本。「大和」「武凰」「聖夷」の三つの国が覇権を争う三国時代を舞台に、日本の再統一を目指す青年、三角青輝(みすみあおてる)の活躍を描く。小学館「裏サンデー」にて、2021年12月1日より連載を開始。「マンガ大賞2023」で第5位に選出。

正式名称
日本三國
ふりがな
にっぽんさんごく
作者
ジャンル
その他軍事・戦争
 
その他SF・ファンタジー
レーベル
裏少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊4巻
関連商品
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概要・あらすじ

令和末期の第4次産業革命時代。日本は米国、中国、インドなどの諸外国に大敗を喫し、少子高齢化もあいまって衰退の一途を辿(たど)る。その後勃発した世界大戦に続き、外国からの大量の難民、感染症のまん延、大地震などで日本は社会不安に覆い尽くされた。一方、政治・経済は腐敗を極め、貧富の差はますます拡大していく。そんな現状に耐えきれず、ついに民衆は蜂起し暴力大革命が起きた。その結果、国家は壊滅し、わずか数年で人口は10分の1以下にまで減少。文化、インフラ、テクノロジーは失われ、文明は明治初期レベルまで後退。軍閥が割拠する戦国時代に突入した。そして数十年後、日本は「大和」「武凰」「聖夷」の三つの国が覇権を争う三国時代を迎えていた。大和暦56年の冬。大和愛媛郡で生まれ育った三角青輝(みすみあおてる)は、東町小紀(ひがしまちさき)と結婚。司農官として農業に携わり、充実した日々を送っていた。そんなある日、大和の首都、阪郡から内務卿の平殿器(たいらでんき)が愛媛郡を訪問し、住民を虫けらのように殺し、重税を課した。平家の税吏の行いを見かねた小紀は、税吏を暴力で追い払うが、殿器の怒りを買い、処刑されてしまった。小紀の首を届けに来た殿器と税吏を前にした青輝は、彼らを殺すことを考える。しかし青輝は、すんでのところで落ち着きを取り戻す。彼らを殺しても、国賊の汚名を着せられて処刑されるだけである。そして平家の別の誰かが、同じように権勢を振るうのだ。根本的なことは何も変わらない。そのことに気づいた青輝は、妻の首を静かに受け取った。そして、妻の死の直接の原因となった税吏を、得意の弁舌で陥れ、殿器に処刑させるように仕向けた。己の嫁の仇(かたき)を目の前にしながら、憤激しない様子に感心した殿器は、青輝がその場を去ることを許した。それから3か月後の大和暦57年春。青輝は、首都・大阪郡を目指して旅立つ。とりあえずの目的は、辺境を管轄する将軍、龍門光英(りゅうもんみつひで)への仕官である。生前、小紀は「龍門光英のもとでなら、青輝の智謀を存分に活かすことができる」「青輝に勇気さえあれば、日本の再統一も夢ではない」と言っていた。小紀を失った今、青輝は本気で世の中を変えようと決意したのだ。

登場人物・キャラクター

三角 青輝 (みすみ あおてる)

大和暦41年、愛媛郡生まれの男性。初登場時は15歳。七三分けが特徴。豊富な知識に裏付けされた理屈と弁舌に長(た)ける。生まれてまもなく父親が死亡。母親も青輝が3歳のときに亡くなり、父親の友人だった図書館長の東町信人(ひがしまちのぶひと)の手厚い援助を得て育つ。幼い頃から図書館で文字を習得。読書や地図設計に明け暮れる。三国時代以前である日本時代の広範な知識を身につけ、14歳で農業を司(つかさど)る司農官となる。大和暦56年、15歳のときに東町小紀(ひがしまちさき)と結婚。大和の全権を掌握する内務卿、平殿器(たいらでんき)により、小紀が処刑されたことで、世の中を根本から帰ることを決意。首都、大阪郡に行き、辺境を管轄する将軍、龍門光英(りゅうもんみつひで)への仕官を果たす。

東町 小紀 (ひがしまち さき)

大和暦40年、愛媛郡生まれの女性。図書館長の東町信人(ひがしまちのぶひと)の娘。左目下の大きなホクロが特徴。自由奔放、感情を優先するタイプで、喧嘩(けんか)っぱやい。6歳の頃、地図設計に勤(いそ)しむ三角青輝(みすみあおてる)をからかう少年たちを撃退。その後二人は恋仲となり、大和暦56年、16歳のときに結婚。同年、平家の税吏の徴税に苦しむ愛媛郡の民を救うが、大和の全権を掌握する内務卿、平殿器(たいらでんき)の怒りに触れ、処刑されてしまう。生前は、青輝の知識と弁舌を非常に高く評価しており、青輝なら日本再統一が可能だと考え、辺境を管轄する将軍、龍門光英(りゅうもんみつひで)への仕官を勧めていた。

平 殿器 (たいら でんき)

大和暦5年、大阪郡生まれの中年男性。背が低く太っている。大和の内務卿で、大和建国前から豪族として活躍していた名門、平家の子孫。近畿州司を経て、妹が先帝、藤2世の皇后になった際、32歳で内務卿に就任。その後、藤2世を毒殺。妹を皇太后、娘を皇后とし、第3代大和帝、藤3世を擁立。大和の全権を掌握した。少しでも嫌な思いをすると、相手をあっさり処刑してしまう、横暴極まりない独裁者。愛媛郡を訪れた際、部下である税吏に反抗した東町小紀(ひがしまちさき)を処刑。その首を三角青輝(みすみあおてる)に引き渡す。

龍門 光英 (りゅうもん みつひで)

大和暦8年、兵庫郡生まれの中年男性。辺境を管轄する辺境将軍で、農民出身で、禿(はげ)頭と口ひげ・あごひげ、左目の黒い眼帯が特徴。17歳の頃、故郷の兵庫郡生野県が100余人の賊に襲撃された際、左目を失うも、わずか数人の農民を率いて賊を撃退。この功績を買われ、生野県司に就任。24歳の頃、光英の能力を認めた大和の先帝、藤2世により、辺境将軍に就任した。高潔で文武に秀で、堅物ながら誰もが尊敬の念を抱く人物。首都、大阪郡の通天閣にある光英の家には、1000余人の仕官を望む者が毎日訪れるという。

阿佐馬 芳経 (あさま よしつね)

大和暦39年、和歌山郡生まれの男性。初登場時は17歳。大和を建国から支えてきた名門、阿佐馬家宗家の嫡子だが、平家の台頭により現在はその勢力を削(そ)がれている。母親を「ママ」と呼ぶマザコン。プライドが高く、承認欲求が人一倍強い。幼い頃から母親に英才教育を施されており、卓越した戦闘技術、才略、度胸を併せ持つ。日本を再統一し、全国民から尊敬される存在になるという夢を持ち、その足がかりとして、辺境を管轄する将軍、龍門光英(りゅうもんみつひで)への仕官を果たす。おかっぱ頭が特徴で、周囲からは「ツネちゃんさん」ともてはやされている。

場所

大和 (やまと)

日本崩壊後、戦国時代を経て数十年後に成立した3国のひとつ。国家領域は、旧愛知県以西の旧西日本で、首都は大阪郡。政体は君主制であり、最高統治者は大和帝。農業は耕種・畜産で、人口は約460万人(うち将36万・官6万)。

武凰 (ぶおう)

日本崩壊後、戦国時代を経て数十年後に成立した3国のひとつ。国家領域は、旧岐阜県以東、旧宮城県までの太平洋側で、首都は小田原郡(旧神奈川)。政体は君主制であり、最高統治者は武凰帝。農業は耕種・畜産で、人口は約317万人(うち将20万・官4万)。

聖夷 (せいい)

日本崩壊後、戦国時代を経て数十年後に成立した3国のひとつ。国家領域は、旧石川県以北の日本海側と旧岩手県、旧北海道で、首都は聖籠郡(旧新潟)。政体は共和制であり、農業は狩猟・牧畜・耕種。人口は約194万人(うち将18万・官6千)。

書誌情報

日本三國 4巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2022-03-10発行、 978-4098510306)

第2巻

(2022-07-19発行、 978-4098512065)

第3巻

(2022-12-12発行、 978-4098514489)

第4巻

(2023-06-12発行、 978-4098520169)

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