明日のエサ キミだから

明日のエサ キミだから

謎の人食い巨大生物に襲撃され、学園に立てこもっている学生たちが、毎日一人を化け物のエサとしながらも生き延びていく姿を描く、サバイバル・ギャグ漫画。「月刊ヤングマガジン」2018年第5号から掲載の作品。

正式名称
明日のエサ キミだから
ふりがな
あすのえさ きみだから
作者
ジャンル
サバイバル
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
既刊10巻
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あらすじ

第1巻

冴えない男子高校生の笹塚宗太は、謎の人食い巨大生物に襲撃され、学園内に籠城している。毎日一人の人間をエサとして差し出すことで化け物の腹を満たし、化け物が学園内に侵入して来るのをかろうじて防いでいた。教室には宗太のほかに六人の生徒がおり、リーダー格の酒井亮平が、毎日誰をエサにするかを指定していた。パシリにされている宗太もついに明日のエサに指定され、翌日、唯一の仲間である万田満宏と共に決死の覚悟で化け物に立ち向かうが、戦闘中に万田は宗太を見捨てて一人で逃亡してしまう。しかし、化け物は万田を食らい、宗太は今日も生き延びることに成功する。安心したのもつかの間、亮平は明日のエサに再び宗太を指名するのだった。(第1話。ほか、5エピソード収録)

第2巻

次々と生徒が化け物の餌食となる中、生き残ったのは笹塚宗太を含めた三人。そこに新たなエサ候補である六人の人間が加わり、宗太は彼らに毎日一人を化け物のエサにすることで、今日まで生き延びてきたことを説明する。翌日、ジャンケンで負けた者がエサになることに決めるが、おばあちゃんは自分がエサになることを志願し、ジャンケンでグーを出すと宣言する。そんなおばあちゃんを諭すように、お年寄りでも子供でも命の価値は同じだと綺麗ごとを並べる卓也だったが、ジャンケンでみんながグーを出す中、卓也だけがパーを出し、一人勝ち抜けするのだった。おばあちゃんはそんな卓也を責めることもせず、未来をみんなに託すと言い残して化け物の口の中に飛び込む。そんな中、街では化け物の卵から、新たな化け物、ミケの子供たちが生まれようとしていた。(第7話。ほか、5エピソード収録)

第3巻

笹塚宗太山吹光が力を合わせて化け物を倒したものの、多数のミケの子供が学園内に侵入して来る。数人の仲間が犠牲になったものの、宗太ら五人は無事に脱出し、車で街へと逃げ延びる。宗太は光と、化け物と戦うのに協力すればセックスさせてくれると約束しており、宗太の頭の中はそのことでいっぱいだった。銭湯を見つけた宗太は、そこで童貞を捨てようと、仲間に銭湯で休んでいこうと提案する。光は宗太との約束を果たすため、バスタオル1枚で男湯へとやって来る。童貞と処女の二人がいよいよ結ばれるかと思ったのも束の間、二人が腰かけていたのは化け物の頭の上だった。新たな化け物から逃げる宗太たちの前に一人の男、たっちゃんが現れ、ナイフ1本で化け物を退治する。(第12話。ほか、5エピソード収録)

第4巻

街中で複数の化け物から襲われていた笹塚宗太たちは、バスに乗った謎の集団に救われる。そのバスは、生存者を捜索して救出しながら、避難所へと向かっていた。しかし、山吹光が下水道に取り残されていることに気づいた宗太は、光を助けるためにバスから飛び降りる。バスに残っていた政井崇おっさんの三人は、そのままバスで避難所に到着。遊園地を利用して作られた避難所では、90人以上の人が平和に暮らしており、食料も豊富に備蓄されていた。しかし、そこは化け物を手なずけたキングタオ大将軍の恐怖統治による独裁国家「I.M.L」だった。(第18話。ほか、4エピソード収録)

登場人物・キャラクター

笹塚 宗太 (ささづか そうた)

東京都立清見高等学校のサッカー部に所属する1年生の男子。走るのが速い以外になんの取り柄もなく、サッカー部ではパシリにされていた。化け物の襲撃を受けて学園に籠城してからは、化け物のエサに指名されないよう、炊事や洗濯をこなして、自分が役に立つ人間であることをリーダー格の酒井亮平にアピールしている。何度も化け物に食われそうになりながらもなんとか生き延びている。

化け物 (ばけもの)

突如現れ、人間を襲って食べ始めた謎の巨大生物。体長は尻尾を含めず3メートルほどで、同じぐらいの長さの尻尾を持つ。四つ足で全身は黒く、頭部は10本ほどの牙がつぼみのように閉じた形となっている。その牙が花が咲くように開くと、中に小さな歯を持つ口がある。また、頭部のまわりに四つの目を持つ。1体だけではなく複数が存在し、ほかの場所でも人を襲って食べているらしい。前足の爪を舐めて掃除したり、木で爪を研ぐなど、猫のような仕草をする。おっさんからは「ミケ」と呼ばれている。

政井 崇 (まさい たかし)

笹塚宗太たちと共に学園内に籠城している男性。いつもビデオカメラを構えて、生き残っている人々や化け物を撮影し、記録を残している。撮影しているだけでなんの役にも立っていないのに、酒井亮平からはエサに指名されない謎の多い人物。清見高等学校の生徒ではなく、部外者らしい。

酒井 亮平 (さかい りょうへい)

東京都立清見高等学校に在籍する3年生の男子。成績優秀で春からは慶応大学に進学する予定だったが、化け物の襲撃を受けて学園に籠城している。頭の回転が速く、化け物の襲撃をいち早く生徒に伝えて避難の指示を出し、多くの命を救った。化け物が1日に一人の人間を食えば満足することも見抜いており、毎日必要のない人間を一人エサにするルールを作った。冷めた性格で、ほかの生徒に平然と化け物のエサになるよう指名する。

大久保 悠斗 (おおくぼ ゆうと)

東京都立清見高等学校に在籍する3年生の男子。金髪の粗暴なヤンキーだが、酒井亮平には従順に従っている。粗暴な性格で、笹塚宗太や万田満宏をイジメたり、江藤あやにセクハラしたりとやりたい放題している。

江藤 あや (えとう あや)

東京都立清見高等学校に在籍する1年生の女子。笹塚宗太とはクラスメイト。明るくて優しい性格ながら、学園での籠城生活の中で生き残るために大久保悠斗の女になることを選び、毎晩抱かれている。

山吹 光 (やまぶき ひかる)

笹塚宗太たちと共に学園内に籠城している女子。化け物と戦うために、いつもプロテインを摂取し、毎日、格闘技のトレーニングを欠かさない。喧嘩がめっぽう強く、自分を暴行しようとした大久保悠斗を徹底的に叩きのめした。プロレスラーの仁田脇進を倒すほどの強者。

万田 満宏 (まんだ みつひろ)

太った体型の1年生の男子。笹塚宗太たちと共に学園内に籠城している。宗太と同じく、雑用係としてみんなに尽くすことで、酒井亮平からエサに指名されずに生き延びてきた。誰かが残した使い古しのTENGAをこよなく愛する童貞。宗太からは「まんちゃん」と呼ばれている。

池田 (いけだ)

東京都立清見高等学校の教師を務める男性。化け物が学園を襲撃した際、自衛隊のヘリに乗っていち早く逃げようとした。その後も生徒を犠牲にしてでも自分だけ生き延びようとしたが、酒井亮平の指示を受けた大久保悠斗に倒され、化け物のエサにされた。

仁田脇 進 (にたわき すすむ)

筋肉隆々のプロレスラーの男性。プロレス団体「パーフェクトプロレス」に所属する。自衛隊のヘリコプターで、池袋から清見高等学校に避難してきた六人のうちの一人。得意技は「ローリングジェットエルボー」。格闘トレーニングをしていた山吹光を見下し、稽古をつけてやると申し出るが、あっさり倒されてしまう。

卓也 (たくや)

見た目だけは、さわやかな青年。自衛隊のヘリコプターで、池袋から清見高等学校に避難してきた六人のうちの一人。人の命は平等だとか、全員で絶対生き残ろうなどと、やたらと綺麗ごとを叫ぶ熱血漢だが、化け物のエサを決めるジャンケンでは一人だけ抜け駆けで勝ち残った。のちに、それがもとで精神がおかしくなってしまう。

(ひじり)

パンクファッションを身につけた強気な性格の少女。自衛隊のヘリコプターで、池袋から清見高等学校に避難してきた六人のうちの一人。いじめられっ子の親友、ナオを守るため、槍を手放さない。

ナオ

ゴスロリファッションを身につけた少年。自衛隊のヘリコプターで、池袋から清見高等学校に避難してきた六人のうちの一人。女装している時が一番落ち着くといういじめられっ子で、いつも聖にくっついている。

おばあちゃん

小太りの体型で、優しい性格の老婆。自衛隊のヘリコプターで、池袋から清見高等学校に避難してきた六人のうちの一人。私が死んでも悲しむ家族はもういないからと、自ら化け物のエサになると申し出る。

おっさん

ホームレスのような見た目の中年男性。自衛隊のヘリコプターで、池袋から清見高等学校に避難してきた六人のうちの一人。化け物について何かを知っているようで、化け物のことを「ミケ」と呼んでいる。しかし精神がおかしくなっているのか、ブツブツと独り言を言うばかりで、まともにコミュニケーションを取ることができない。額に三又の謎の模様がある。

ミケの子供 (みけのこども)

「ミケ」と呼ばれる化け物の卵から孵化したばかりの怪物。体長30センチほどで、水牛のような2本の短い角を持つ。数多くのミケの子供が孵化し、「ミキー」と鳴きながら、清見高等学校に立てこもっている人間を襲う。

丸尾 (まるお)

いじめられっ子の男子生徒。まだ小さい化け物を見つけ、「ミケ」と名づけてかわいがり、学校の体育倉庫でこっそり世話をしている。同じクラスの女子生徒、宮前に好意を抱いている。

宮前 (みやまえ)

丸尾と同じクラスの女子生徒。丸尾から「ミケ」と呼ばれる珍獣の話を聞き、興味を持っている。丸尾に連れられてミケ(化け物)がいる体育倉庫へ行くが、不良たちに襲われる。

たっちゃん

たくましい体型をした大学生の男性。山吹光が幼い頃から知っている兄のような存在。2か月前、通っていた大学を化け物が襲撃し、それ以来化け物と戦いながら生き延びてきた。これまでの戦いの経験で、化け物の倒し方を習得しており、ナイフ1本で大きな化け物を仕留めることができる。化け物に襲われている笹塚宗太たちを救出し、偶然光とも再会した。自分の妹だと公言する光に、宗太が手を出さないよう目を光らせている。バイクのCBR250Rを乗りこなす。

原田 孝広 (はらだ たかひろ)

口ひげを生やした中年の男性。I.M.Lの調達班に所属し、生存者や物資を見つけて、I.M.Lに持ち帰る役目を担っている。街で化け物に襲われていた笹塚宗太たちをバスに乗せ、聖、政井崇、おっさんの三人をI.M.Lに連れて戻る。

川越 健 (かわごえ けん)

I.M.Lの調達班に所属する男性。眼鏡をかけている。口ひげと顎ひげを生やし、太った体型をしている。調達班として街へ繰り出す際は、バスの運転手を担当する。街で化け物に襲われていた聖、政井崇、おっさんの三人をI.M.Lに連れて戻る。

中井 恵美 (なかい えみ)

若くてかわいらしい女性。I.M.Lの調達班に所属し、I.M.Lに保護された聖たちにも親切に接していた。自分たちを化け物から守ってくれるキングタオ大将軍のことは「タオ様」と呼んで崇拝しており、忠誠を誓っている。

戸高 欣治 (とだか きんじ)

イケメンの若い男性。I.M.Lの調達班に所属する。元警察官で、以前はキングタオ大将軍こと「田尾進一」と同じ交番に勤務していた。キングタオ大将軍に従うそぶりを見せながらも、独裁者として暴走する元同僚の真意を探ろうとしている。

キングタオ大将軍 (きんぐたおだいしょうぐん)

I.M.Lを統治している独裁者の男性。赤色の鎧と兜を身につけた太った体型で、本名は「田尾進一」。化け物をペットのように手なずけており、化け物を従えることでI.M.Lの外にいる化け物を倒したり、I.M.Lを統治している。以前は警察官として、戸高欣治と同じ交番に勤務していた。当時は万引き犯の女性に、犯罪を隠蔽する代わりに暴行を繰り返していた性欲モンスターのクズ警官だった。不祥事が発覚して逃走中に化け物に飲み込まれ、全身に化け物の匂いが付着したことで、化け物に襲われないことに気づいた。I.M.Lの民衆の前では威厳のある統治者として振る舞っているが、閻魔の間と呼ばれる自分の部屋では、鎧を脱いで禿げて太った醜い体をさらして、語尾に「たお」と付けてしゃべる。若い女性を秘書班という名ではべらせ、性欲の赴くままにやりたい放題している。

飯田 健人 (いいだ たけと)

I.M.Lの演習班に所属する男性。恋人が秘書班に入れられることに抵抗したため、キングタオ大将軍によって危険な演習班に配属された。秘書班に入ることを拒んだため、演習班に送られてきた聖と共に、化け物と戦う。聖には仲間のように振る舞っているが、実は聖が秘書班に入るようにキングタオ大将軍によって差し向けられたスパイである。

木村 (きむら)

キングタオ大将軍の付き人を務める老齢の男性。鎧兜をつけたキングタオ大将軍に合わせるように、大名行列の従者のような恰好をしている。キングタオ大将軍の忠実な下僕で、I.M.LのNo.2とも呼ばれる存在。

カメラマン2号 (かめらまんにごう)

I.M.Lに避難している男性。つねに片手にビデオカメラを携え、撮影をしている。同じようにいつもビデオカメラを離さない政井崇と出会う。謎の多い政井と同様、カメラマン2号も行動目的など、すべてが謎に包まれている。

集団・組織

I.M.L

キングタオ大将軍が恐怖統治する独裁国家。遊園地に90人以上の人が暮らしている。「インビンジブル・マッド・ランド」を略して「I.M.L」と呼ばれている。キングタオ大将軍が手懐(てなず)けた多数の化け物が遊園地を囲むように配置されており、外部の化け物からI.M.Lを守っている。キングタオ大将軍に認められてI.M.Lのメンバーになると、「I.M.L」と記された丸いバッジが支給され、このバッジを付けているとキングタオ大将軍が手懐けている化け物からは襲われない。メンバーは調達班、監視班、医療班、調理班、清掃班、演習班に所属し、班に応じた仕事を与えられる。活躍に応じて通貨の役割を果たすタオポイントが与えられ、タオポイントが多いほど快適な暮らしを送れる。キングタオ大将軍に逆らうと、危険な演習班に配属されて演習の名のもと、みんなの見ている前で見世物として化け物と戦わせられ、命を落とす者も多い。

書誌情報

明日のエサ キミだから 10巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2019-02-06発行、 978-4065138373)

第2巻

(2019-05-07発行、 978-4065154625)

第3巻

(2019-11-06発行、 978-4065177402)

第4巻

(2020-04-06発行、 978-4065192429)

第5巻

(2020-11-06発行、 978-4065213469)

第6巻

(2021-04-06発行、 978-4065229248)

第7巻

(2021-09-17発行、 978-4065247433)

第8巻

(2022-03-18発行、 978-4065270622)

第9巻

(2022-11-18発行、 978-4065298114)

第10巻

(2023-06-20発行、 978-4065320624)

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