あすなろ坂

あすなろ坂

会津藩士の有馬武史の元へ嫁いだ有馬芙美は、帯刀新吾への思いを断ち切れずにいた。その息子有馬新之介から、曽孫たちの代まで、明治、大正、昭和と有馬家の波瀾万丈な人間模様を描く大河ドラマ。

正式名称
あすなろ坂
ふりがな
あすなろざか
作者
ジャンル
時代劇
 
幕末
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概要・あらすじ

有馬芙美は夫である有馬武史に大切にされながらも、幼なじみである帯刀新吾との不義の子を産んだ。有馬武史もまた有馬芙美を愛していながら、一夜の間違いを犯し、女中に有馬史織を産ませる。二人は子供を慈しみ育てながら、有馬家を築いていく。明治、大正、昭和と激動の時代を過ごした有馬家の人々の人間模様を描く。

登場人物・キャラクター

有馬 芙美 (ありま ふみ)

旧姓岡村。会津藩の武家の娘で、剣や馬に明け暮れて育つ。1度も面識のない有馬武史と結婚が決まっているが、幼なじみの帯刀新吾への恋心に気付く。有馬武史との夫婦生活を拒んでいながら帯刀新吾と1夜を共にしたことで妊娠。帯刀新吾を忘れられずにいたが、すべてを許し受け入れてくれた有馬武史と愛し合うようになる。 終戦後、92歳で亡くなるまで有馬家を見守っていた。

帯刀 新吾 (たてわき しんご)

会津藩の武士で有馬芙美とは幼なじみ。身分違いのため有馬芙美に想いを寄せていたが、1度だけ1晩を共にする。会津戦争を生き延び、橋本新吾と名前を変えて車屋から身を起こし、一財を築いた。有馬新之介が自分の息子だということを知っており、有馬家を陰から見守っている。

有馬 武史 (ありま たけふみ)

江戸詰めの会津藩の武士。有馬芙美の夫で、夫婦関係を拒まれているにもかかわらず有馬芙美に心を寄せており、帯刀新吾との不義の息子と知りながら有馬新之介をかわいがって育てた。教養人で先見の明があり、幕末にはいち早く藩を捨てて新しい時代が来ることを予言した。

(たえ)

有馬家に奉公していた女中。有馬芙美が帯刀新吾の元へ行くと思い傷心の有馬武史に迫られ、妊娠。有馬史織を生むと、大金を得て馬番をしていた男性と引っ越しし、死ぬ直前まで有馬史織とは会わなかった。

有馬 新之介 (ありま しんのすけ)

有馬芙美と帯刀新吾の息子。有馬武史の息子として大切に育てられる。妹の有馬史織が母の娘ではないことを知っており、心を寄せていたが、後に有馬珠絵と結婚。有馬武史の死後、有馬家を支えようと奮闘するが上手くいっていない。小説家になろうとするが才能がなく、妻の有馬珠絵が華々しく文壇に迎えられることを情けなく思っている。 国語の教師となり、満州へ渡った。

有馬 史織 (ありま しおり)

有馬武史が手を出した女中の妙との娘。死を目前にした有馬武史のために後藤光太郎と婚約するが、園田医院での看護婦の仕事を快く思わないなど意見が合わず破棄。甲野昌平に心惹かれるが、綾小路秀に犯されてしまう。その後甲野の出所を待って結婚。その間に医師となった。

有馬 珠絵 (ありま たまえ)

後藤財閥の娘で、有馬新之介の学友だった後藤光太郎の妹。家出同然で有馬家に転がり込み、以前より心を寄せていた有馬新之介と結婚。有馬武雄、有馬詩絵、有馬忍の母。文学の才能があり、戦争時は戦記物を書くなど、長く第一線で活躍した。有馬武雄が死んだことなどで夫婦仲が冷えたが有馬新之介を追って満州へ赴き、和解した。

有馬 武雄 (ありま たけお)

有馬新之介と有馬珠絵の長男。大人しい性格で妹の有馬詩絵からバカにされていた。川で溺れた有馬忍と助けに行った有馬詩絵を助けるため、溺死。享年12歳。

有馬 詩絵 (ありま うたえ)

有馬新之介と有馬珠絵の長女。勝ち気な性格。両親の反対を押し切って女優になり、成功する。秋月精一郎を慕っていたが破局し、かねてから自分に好意を抱いていた源宣匠と結婚する。

有馬 忍 (ありま しのぶ)

有馬新之介と有馬珠絵の次女。大人しい性格。有馬詩絵が秋月精一郎を慕っていることに気付き、身を引こうとするが、2人が別れたことで秋月精一郎と結婚、彼の政治的活動のため憲兵に追われ、ロシアに逃げる最中に秋月精一郎と共に殺害される。有馬みどりの母。

秋月 精一郎 (あきづき せいいちろう)

劇団文藝協会に所属していたが脱会し、源宣匠が設立した20世紀劇場の作家になる。有馬詩絵と付き合っていたが、性格の不一致により別れ、大人しい有馬忍と結婚する。政治的活動のため憲兵に追われ、ロシアに逃げる最中に有馬忍と共に殺害される。有馬みどりの父。

源 宣匠 (うぉん そんじょん)

橋本新吾の部下で、やり手の朝鮮人。有馬詩絵に惹かれ、好意を表し続ける。秋月精一郎に振られた有馬詩絵が彼を受け入れ、結婚。

有馬 みどり (ありま みどり)

秋月精一郎と秋月忍の娘。中国で生まれ、赤ん坊の頃に両親が憲兵に殺害され、孤児となる。以来サーシャと共に有馬さくらの実家でいじめに耐えながら暮らしていた。遊郭でサーシャ、有馬さくらと共に生活していたが、客を取るのを嫌がり、サーシャと共に脱走。サーシャは川に落ちて生死が不明になる。 有馬さくらと共に有馬家に引き取られ、秋月精一郎と秋月忍の娘だということが発覚する。

サーシャ

秋月精一郎と秋月忍が中国で世話になっていた家で育てられていたロシア人。有馬みどりと将来を誓い、深く想い合っていたが、遊郭を脱走した際に追われて有馬みどりとはぐれてしまう。彼女と再会したときは加納樹一郎との結婚式当日だった。

有馬 さくら (ありま さくら)

秋月精一郎と秋月忍が中国で世話になっていた家の一人娘。有馬みどりとサーシャと一緒に育つ。秋月精一郎と秋月忍の子供だと勘違いされ、有馬家に引き取られる。有馬みどりに対してライバル心が強く、意地悪を繰り返すが、結婚して幸せになると、ポジティブで豪快な性格になった。

加納 樹一郎 (かのう きいちろう)

妹と同級生の有馬みどりに惹かれ、結婚。誠実で思いやりがあり、有馬みどりの幸せを願っている。軍人であり、第2次世界大戦中に自分の身になにかあったらサーシャに有馬みどりを任せようと決めていた。

甲野 昌平 (こうの しょうへい)

園田あけみの弟子で医師の卵。看護婦として通っていた有馬史織に惹かれていたが、言い出せず、彼女を無理矢理犯した綾小路秀を思わず刺してしまい、服役することになる。出所後、有馬史織と結婚。

園田 あけみ (そのだ あけみ)

幕末から開業している園田医院の娘。有馬武史を慕っていたが、彼の有馬芙美への思いを知って諦め、医師として邁進する。

綾小路 秀 (あやのこうじ すぐる)

男爵家の子息で軍人。園田医院で婦長として働く有馬史織を見初め、無理矢理犯してしまう。勝ち気で強引な性格。

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