望まぬ不死の冒険者

望まぬ不死の冒険者

丘野優の小説『望まぬ不死の冒険者』のコミカライズ作品。剣と魔法のファンタジー世界を舞台にしており、冒険者たちは富と名声を求めて迷宮を探索している。冒険者のレント・ファイナは探索の最中に命を落とすものの、死体となって復活する。死んで骨だけの魔物となったレントが、人間に戻るために戦う姿を描いたダンジョンアドベンチャー。魔物を倒して迷宮を探索するごとに少しずつ姿が人間へと近づいていくものの、魔物としての本能も強くなっていく葛藤を描いている。オーバーラップ「コミックガルド」で2017年11月25日より連載。2024年1月8日からテレビアニメ化され、レント・ファイナを鈴木崚汰、ロレーヌ・ヴィヴィエを小松未可子が演じている。

正式名称
望まぬ不死の冒険者
ふりがな
のぞまぬふしのぼうけんしゃ
原作者
丘野 優
漫画
ジャンル
アドベンチャー
 
ファンタジー
レーベル
ガルドコミックス(オーバーラップ)
巻数
既刊12巻
関連商品
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冒険者たちが活躍するファンタジー世界

本作は冒険者たちがさまざまな依頼をこなして報酬を得るため、ダンジョンを探索しながら魔物と戦うファンタジー世界を舞台にしている。冒険者組合(ギルド)が認定する冒険者たちのランクは、鉱物にちなんで「ミスリル級」「プラチナ級」「金級」「銅級」などの階級に分けられている。また、戦闘や魔法に使えるための力は「魔力」「気力」「聖気」の三つがある。魔物には「存在進化」という特殊な進化が存在し、倒した相手の力を吸収することでより上位の魔物に進化することができる。

スケルトンから人生をやり直す人外転生ファンタジー

レント・ファイナは、神銀(ミスリル)級を目指して冒険者になり、10年の歳月が過ぎていた。レントは地道に剣の腕を磨いているものの、いまだに銅級下位の冒険者のままで小さな依頼をこなしていた。いつものようにダンジョンを探索していたレントは、未踏破領域を発見するものの龍に襲われてしまう。そして意識を取り戻すと、自らの体が最弱の骨人(スケルトン)になっていることを知り絶望するが、存在進化によってグールに進化する。冒険者の少女の協力でなんとか街に戻ったレントは、ミスリル級を目指して冒険を続ける。こうして落ちこぼれのレントの人外から人生をやり直す第2の冒険者ライフが、バトルアクションを交えながら展開されるダークファンタジーとなっている。

存在進化を目指す中で生まれる困難や葛藤

巨大スケルトンを倒したレント・ファイナはグールから別の魔物に進化するが、同時に人の血肉を求め、友達で学者のロレーヌ・ヴィヴィエに嚙みついてケガをさせてしまう。レントは吸血鬼の眷属(けんぞく)、屍鬼に存在進化していることが判明し、ロレーヌの勧めで新人冒険者として登録し直したうえで、冒険者活動もやり直すことにする。そんなレントの新たな冒険と共に彼の存在進化の秘密や、進化のたびに精神が魔物のようになる悩みや葛藤も描かれる。

登場人物・キャラクター

レント・ファイナ

万年銅級冒険者の男性。冒険者としての最高位「神銀(ミスリル)級」になるのを夢見ているが、冒険者となって10年間、未だに下位冒険者である「銅級」で自分の才能のなさを痛感している。しかし、冒険者としての経験はベテランの域に達しており、生来の慎重な性格も相まってその働きぶりは冒険者組合も認めている。冒険者組合への貢献を考えて、初心者の面倒も積極的に見たため、同業者からの信頼も厚い。変わり映えのない訓練と探索を続ける日々を送っていたが、ある日、初心者用の迷宮「水月の迷宮」に見慣れぬ通路を発見。大発見に興奮しつつも、名声を得たいという欲望に負けてそのまま探索を開始する。しかしその直後、迷宮の未踏破領域で世界最強の魔物「龍」と遭遇し、なすすべもなく龍に食われて死亡した。死亡後、「骨人(スケルトン)」として目覚め、魔物となったために人の街に戻ることもできないと絶望するが、ロレーヌ・ヴィヴィエから聞いた「存在進化」の話を思い出し、魔物を倒して存在進化し、人に近しい姿を目指すことを決意する。迷宮で魔物を倒し続けたことで「屍食鬼(グール)」となり、皮膚のないゾンビのような姿となる。そのままでは怪物然とした見た目なため、服や仮面を身につけて人に成りすまし、辛うじて正体を隠すことに成功する。その後、ロレーヌの助けを借りて再び冒険者登録を済ませ、新人冒険者となる。もともとベテラン冒険者として技術は高いため、戦えば戦うほど強くなる魔物の体とは相性がよく、破竹の勢いで成長し、「骨巨人」を倒したことで「屍鬼」へと存在進化した。

ロレーヌ・ヴィヴィエ

博識な学者の女性。色素の薄いロングヘアの美女で、蠱惑的な雰囲気を漂わせている。レント・ファイナとは10年来の腐れ縁で、私生活でも付き合いがある。14歳にして「大博士号」を得た天才で、現在は主に魔物を研究している。研究素材を自ら採取するために冒険者の資格も持っている。魔法の扱いがうまいため、冒険者としての等級も「銀級」で、高位冒険者の一人に数えられている。かつては神童ともてはやされ、世界のすべてが自分の思いどおりになるとうぬぼれ、冒険者になったのも戯れの部分が大きかった。しかし最初の冒険でレントと出会い、彼の熟練した技術に大いに助けられる。この経験によっていかに自分が頭でっかちで、世の中を知った気になっていたかを痛感し、大きく成長する。今もレントのことは大切な友人と思っており、望めば王都で働くことができる身分でありながら、あえてレントにとって身近なマルトの町を拠点にして研究を続けている。レントが行方不明となったあとも、彼を心配していたが、レントが魔物の姿となりつつも戻ってきたことに安堵する。その後は学者の知識と身分を使ってレントのサポートをしている。レントにはわざと悪びれた態度を取り、彼の体を研究に使うとうそぶいて、サポートの口実にしている。

クレジット

原作

丘野 優

キャラクター原案

じゃいあん

書誌情報

望まぬ不死の冒険者 12巻 オーバーラップ〈ガルドコミックス〉

第1巻

(2018-05-25発行、 978-4865543551)

第3巻

(2019-05-25発行、 978-4865545036)

第4巻

(2019-11-25発行、 978-4865545784)

第5巻

(2020-05-25発行、 978-4865546729)

第7巻

(2021-06-25発行、 978-4865549515)

第8巻

(2021-11-25発行、 978-4824000569)

第9巻

(2022-04-25発行、 978-4824001757)

第10巻

(2022-10-25発行、 978-4824003225)

第11巻

(2023-05-25発行、 978-4824005137)

第12巻

(2023-12-25発行、 978-4824006981)

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