疾風伝説 特攻の拓

疾風伝説 特攻の拓

原作:佐木飛朗斗、作画:所十三の代表作。いじめられっこの少年・浅川拓が暴走族・外道のメンバー・鳴神秀人と出会ったことで不良デビュー、やがて暴走族・爆音小僧に入り様々な人たちとの出会いや抗争などを通して成長していく姿を描いた暴走族漫画。タイトルの「特攻」を「ぶっこみ」や「不運」を「ハードラック」と読ませたりと独特なルビの振り方とセリフ回しが特徴。続編や外伝として、小説版も何冊か刊行されている。また、佐木飛朗斗が原作、東直輝が作画を担当する『爆音伝説カブラギ』は本作の実質的な続編であり、主人公鏑木阿丸が爆音小僧の十六代目総長を務めている。講談社「週刊少年マガジン」1991年10号から1997年32号まで連載。

正式名称
疾風伝説 特攻の拓
ふりがな
かぜでんせつ ぶっこみのたく
原作者
佐木 飛朗斗
漫画
ジャンル
バイク
レーベル
KCデラックス(講談社)
巻数
既刊27巻
関連商品
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概要・あらすじ

いじめられっ子の少年・浅川拓は、ある日鳴神秀人という転校生と出会う。横浜の暴走族・外道のメンバーであり、喧嘩も強い秀人に対しては憧れを抱くようになっていく。は不良デビューを目指すも問題を起こし転校。その転校先は県内随一の不良高校として有名な私立聖蘭高校だった。初日から気弱なは同級生からの嫌がらせにあうも、ハッタリと幸運で危機を乗り越えていく。

その後、聖蘭高校の一角暴走小僧の頭鮎川真里に気に入られたは暴走族デビューを果たす。は多くの仲間たちと触れ合う中で少しずつ男として成長していくのだった。

登場人物・キャラクター

浅川 拓 (あさかわ たく)

能天気で楽観的な性格をした聖蘭高校一年。気が弱いところがあり、聖蘭高校に転校前はいじめられっ子だった。暴走族外道のメンバー鳴神秀人に出会い、不良デビューする。元はストレートヘアーだったのを、リーゼントにしている。横浜の暴走族・爆音小僧の一員だが、他の暴走族からも一目置かれることが多く、付き合いは広い。 喧嘩は弱いが単車乗りとしての才能に優れており、数々の幸運と秀人に貰った秀人メモから得たケンカ知識を活用して多くの不良達に認めれられていく。当初はケニー・ロバーツ号と名付けたFZR250Rを愛用していたが、鬼雷党の広瀬敬司との勝負で海に沈めてしまった後はエディ・ローソン号と名付けたゼファー400に乗る。 後に天羽時貞の形見として悪魔の鉄槌(ルシファーズ・ハンマー)を受け継ぐことになる。

鳴神 秀人 (なるがみ ひでと)

横浜の暴走族『外道』のリーダー格。喧嘩が強く、単車の腕にも優れる。転校をきっかけに浅川拓と出会い、彼が強くなる手助けをする。拓に渡したメモ書き、通称・秀人メモは勢力図や喧嘩の勝ち方などが丁寧に解説されている。愛車はパールホワイトのカワサキ・Z400FX-E4。

鮎川 真里 (あゆかわ まさと)

聖蘭高校一年。横浜の暴走族爆音小僧の七代目頭。浅川拓に今は亡き半村誠の面影を見ている。人懐っこい性格で甘いもの好きなど少女っぽい所があるが、女の子呼ばわりされると激昂し歯止めが利かなくなる。細腕ながら未開封のビール瓶が詰まったケースを片腕で振り回すほどの怪力の持ち主。 愛車は真紅のホンダ・CB400FOUR(フォア)。

真嶋 秋生 (まじま あきお)

聖蘭高校一年。横浜の暴走族爆音小僧の特攻隊長。実家は自動車解体業の真嶋商会を営んでおり、メカに強くメンバーの単車のメンテナンスなども行っている。聖蘭高校に転校してきた浅川拓を初日でリンチし、一番初めに彼の根性を見抜いた。兄は元爆音小僧六代目頭の真嶋夏生。 愛車はカワサキ・KH400 A7レインボースペシャル。

姫小路 良 (ひめのこうじ りょう)

聖蘭高校一年。横浜の暴走族爆音小僧のメンバー。はじめは特別扱いされる浅川拓を嫌っていたが後に和解、親友となる。直情的で喧嘩っ早いが、明るい性格。自称地獄のリョー。愛車はスズキ・GS400Eリーゼントスペシャル。

カズ

聖蘭高校一年。横浜の暴走族爆音小僧の旗持ち 。眼鏡をかけており喧嘩はさほど強くないが、誇りの為に格上に対しても向かっていく勇気を持つ。愛車はFZR400RRで、同じFZRシリーズに乗る浅川拓と仲良くなる。

ミツオ

聖蘭高校一年。横浜の暴走族爆音小僧のメンバー。爆音小僧では禁じられていたシンナーに手を出したために鮎川真里に制裁された。情報通という意外な一面も持つ。姫小路良とは中学時代からの友人。愛車はホンダ・CB400TホークⅡ。

真嶋 夏生 (まじま なつお)

真嶋秋生の兄であり、元爆音小僧六代目頭。現在は自動車解体業真嶋商会で働いている。かつて音速四天王の一人と呼ばれたこともあるバイク。愛車はホンダ・CB1100R。

半村 誠 (はんむら まこと)

故人。爆音小僧とよく行動を共にしていたが、争いを好まない心優しい青年で、走り屋として名を馳せていた。しかし、交通事故で死亡。その影響力は強く、一時爆音小僧が解散してしまったほど。浅川拓とどこか似た雰囲気がある。CB350Fを愛用していたが、後に真嶋夏生から譲られたCB400FOURを愛車としている。

半村 晶 (はんむら あきら)

聖蘭高校一年。半村誠の妹で気の強い美人。誠の面影がある浅川拓を気にかけている。誠の死後、彼がCB400FOURに乗る前に愛用していたCB350Fを愛車としている。

榊 龍也 (さかき りゅうや)

聖蘭高校二年。横浜の暴走族朧童幽霊(ロードスペクター)の初代総長。元特攻隊長を務めていた爆音小僧を敵視しており、特に頭の鮎川真里と因縁を持つ。魍魎の一条武丸とも敵対している。愛車はヒョウ柄3段シートにフレアーラインのカワサキ・GPZ900R A-6 NINJA。

一条 武丸 (いちじょう たけまる)

聖蘭高校二年。横浜の暴走族魍魎の九代目統領。圧倒的強さと凶暴さを持ち、不良たちでさえ恐怖する存在。「バス停」の標識を振り回し武器にするほどの怪力の持ち主でもある。しかし、中村雛子には心を開いている節がある。自分の鼻を砕いた鮎川真里を目の仇にしている。愛車は日章カラーにロケットカウルのスズキ・GSX400FSインパルス。

中村 雛子 (なかむら ひなこ)

恋愛を遊びと捉えており、「小悪魔」とも形容される女子中学生。浅川拓の追っかけや、一色大珠への片思いなどを通して一条武丸を気に掛けるようになる。

鰐淵 春樹 (わにぶち はるき)

聖蘭高校三年。左耳に三連ピアスを付け、サングラスを常に着用。構成員1000人を超え、横浜各地に支部を持つ夜叉神をまとめ上げる総長。喧嘩、走りの腕も高い実力者である。今まで補導や逮捕されたことがなく、少年課のベテラン・上村からも一目置かれている。愛車はカワサキ・Z1000J(ジェイソン)とブルーメタリックにシャコタンのフェアレディ280Z。

鎖島 直 (さじま なお)

横浜の暴走族夜叉神の本郷支部の頭で、親衛隊狂音烈士隊の一員。鰐淵春樹と久須美萌子に忠実で、自称夜叉神の踊るフランケン。モヒカン頭の大男だが、見かけによらず人当りはいい。愛車はホンダ・CBR400F。

久須美 萌子 (くすみ もえこ)

聖蘭高校三年。鰐淵春樹の女で、左耳に揃いの三連ピアスを空けている。唇付近にある黒子が魅惑的な美少女。浅川拓のことを気にかけている。

沢渡 弘志 (さわたり ひろし)

横浜の暴走族獏羅天の元メンバー。稲楽キヨシとの「風神雷神」コンビの風神で、韋駄天ヒロシの異名を持つ。浅川拓とは小学校時代の同級生で親友であり、偶然にも拓と再会した後、何かと彼を手助けしている。愛車はパープルメタリックのカワサキ・Z750F D2(ZⅡ)。

稲楽 キヨシ (いならく きよし)

横浜の暴走族獏羅天の元メンバー。沢渡弘志との「風神雷神」コンビの雷神で、鬼のキヨシの異名を持つ。友情にあつい性格であり、沢渡弘志の親友であるということから浅川拓とも友人になる。ヤマハ・パッソルⅡが愛車。

天羽 時貞 (あもう ときさだ)

横浜の暴走族・獏羅天の元メンバー。日本人の父とハーフの母を持つクォーター。ジミ・ヘンドリックスを敬愛しており、ギターの腕は一流。精神が不安定だったが、浅川拓との交流により穏やかになっていく。ヤマハ・SRをベースにハーレーダビットソンにも使われるピストン・ルシファーズ・ハンマーを組み込んだ悪魔の鉄槌(ルシファーズ・ハンマー)を愛車としている。

那森 須王 (なもり すおう)

元は横浜の暴走族獏羅天のメンバーだったが、六代目爆音小僧に移籍。音速の四天王の一人でもある。半村誠の死後、海外を放浪。帰国してからは、獏羅天を再興する。ホンダ・CB750K2を愛車としている。

上村 (かみむら)

横浜署の少年課に勤務する老年の刑事。通称「仏のガミさん」。人柄は良いが、柔道の達人であり、暴走族達からも一目置かれている存在。

慈統 享介 (じとう きょうすけ)

湘南の暴走族・極悪蝶の二代目総長。ゴリラのと形容される怪力と肉体を持つ。極悪蝶の二代目に就任する際に来栖奈緒巳とタイマン勝負をして引き分けている。ホンダ・CB750Fを愛車としている。

柾 那智 (まさき なち)

暴走族・極悪蝶のメンバー。学校に通っておらず、特に働いてもいない。木刀を常に持ち歩いていることから木刀那智との異名を持つ。愛車はホンダ・CBX400F。

緋咲 薫 (ひざき かおる)

横浜の暴走族・麓沙亜鵺(ロクサーヌ)の11代目総長。かつて外道の鳴神秀人に砕かれた左拳には、鉄のプレートとボルトが入っており、強烈な威力を持つ。天羽時貞とは仲が良く、心を許しあった友人。愛車はチェリーピンクのカワサキ・Z400FX。

一色 大珠 (いっしき たいじゅ)

横須賀の暴走族・美麗のリーダー。風神雷神コンビに潰された黒魔術師(ブラックマジシャン)の幹部をまとめ上げたカリスマ性を持つ。両腕と背中に大きな入れ墨があり薬物の常習犯で、魔神や悪霊などの異名を取る危険な人物。しかし、死に対しては敏感に反応する繊細な一面も持っている。 ヤマハ・RD400に乗るほか、恋仲の那森倫子の愛車・カワサキ・Z400GPに乗っていることも多い。

来栖 奈緒巳 (くるす なおみ)

初代極悪蝶リーダー。後に蝿王(ヴェルゼブブ)を立ち上げる。少女と見紛うような中性的な顔立ちと細見の体をしているが、その実は凶悪小僧とも呼ばれる腕っぷしの強さを持ち、性格も非常に凶暴。アイスピックを武器としている。愛車はカナリアイエローのカワサキ・500SSマッハIII。

集団・組織

爆音小僧 (ばくおんこぞう)

『疾風伝説 特攻の拓』に登場する集団。鮎川真里を七代目総長に置く、横浜の暴走族。卓越した運転技術を持ち、単車の速さ有名。半村誠の死によって一時解散していたが、真里と真嶋秋生を中心に再結成。事故を起こしかねない薬物の使用は規律で禁じられている。

外道 (げどう)

『疾風伝説 特攻の拓』に登場する集団。鳴神秀人が所属する横浜の暴走族。正式には横浜外道だが、外道と呼ばれることが多い。横浜最古の暴走族であり、過去には数千人規模のメンバーがいたとされる。現在では総員が減りこそすれ、優れた走りの技術を持つ者が多い。

夜叉神 (やしゃがみ)

『疾風伝説 特攻の拓』に登場する集団。横浜で最大勢力を誇る暴走族。鰐淵春樹が総長を務める。いくつかの支部を持っているが、本部と支部の間はそれほど友好的ではない。

朧童幽霊 (ろーどすぺくたー)

『疾風伝説 特攻の拓』に登場する集団。元爆音小僧の特攻隊長・榊龍也が結成した新興の暴走族。龍也が爆音小僧の総長・鮎川真里と因縁を持つ事から爆音小僧と折り合いが悪く、その他にも敵対する勢力が多い。

魍魎 (もうりょう)

『疾風伝説 特攻の拓』に登場する集団。聖蘭高校の二年・一条武丸が九代目総長を務める横浜の暴走族。喧嘩好きな面子が多い。強大な勢力を誇るものの、敵対するグループも多い。

極悪蝶 (ごくあくちょう)

『疾風伝説 特攻の拓』に登場する集団。湘南を拠点とする暴走族。慈統京介を総長に仰ぐ。湘南の暴走族が聖龍連という一つのグループに統一された時に、それを良しとしない者達で構成されており、少数ながらも精鋭が集う。

獏羅天 (ばくらてん)

『疾風伝説 特攻の拓』に登場する集団。背中に「喧嘩上等」の文句を入れ、「喧嘩族」として名を馳せる暴走族。石動富夫、天羽時貞、那森須王などが歴代の総長を務める。過去に沢渡弘志や稲楽キヨシなどが所属していたが、内部分裂が続き一度は解散してしまう。

その他キーワード

スピードの向こう側 (すぴーどのむこうがわ)

『疾風伝説 特攻の拓』に登場する用語。かつて半村誠が見たとされる、限界を超えたスピードの先にあるとされる世界。多くのバイク乗りたちが目指している。

クレジット

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疾風伝説 特攻の拓 外伝 ~Early Day's~ (かぜでんせつ ぶっこみのたく がいでん あーりーでいず)

作画を所十三、原作を佐木飛朗斗が務める『疾風伝説 特攻の拓』の前日譚。主人公の天羽時貞は幼いころニューヨークのハーレムで暮らしていたが、ハーレムで発生した暴動で両親を失い、祖父に引き取られて日本へ。不... 関連ページ:疾風伝説 特攻の拓 外伝 ~Early Day's~

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佐木飛朗斗原作の『疾風伝説 特攻の拓』の続編。作画は桑原真也が担当。前作から10年後を舞台に、地元警察署に刑事として配属された浅川拓と仲間達による、新たな物語を描く。前作に登場したキャラクターも多数登... 関連ページ:疾風伝説特攻の拓~AfterDecade~

書誌情報

復刻版 疾風伝説 特攻の拓 27巻 講談社〈KCデラックス〉

第1巻

(2023-02-20発行、 978-4065307465)

第2巻

(2023-02-20発行、 978-4065307472)

第3巻

(2023-03-20発行、 978-4065310854)

第4巻

(2023-03-20発行、 978-4065310786)

第5巻

(2023-04-20発行、 978-4065313893)

第6巻

(2023-04-20発行、 978-4065313886)

第7巻

(2023-05-18発行、 978-4065317266)

第8巻

(2023-05-18発行、 978-4065317228)

第9巻

(2023-06-20発行、 978-4065320242)

第10巻

(2023-06-20発行、 978-4065320259)

第11巻

(2023-07-20発行、 978-4065322468)

第12巻

(2023-07-20発行、 978-4065324578)

第13巻

(2023-08-18発行、 978-4065327524)

第14巻

(2023-08-18発行、 978-4065327531)

第15巻

(2023-09-20発行、 978-4065330272)

第16巻

(2023-09-20発行、 978-4065330289)

第17巻

(2023-10-19発行、 978-4065334072)

第18巻

(2023-10-19発行、 978-4065334089)

第19巻

(2023-11-20発行、 978-4065336595)

第20巻

(2023-11-20発行、 978-4065336571)

第21巻

(2023-12-20発行、 978-4065340820)

第22巻

(2023-12-20発行、 978-4065342121)

第23巻

(2024-01-18発行、 978-4065343159)

第24巻

(2024-01-18発行、 978-4065343180)

第25巻

(2024-02-20発行、 978-4065346679)

第26巻

(2024-02-20発行、 978-4065346662)

第27巻

(2024-03-18発行、 978-4065350010)

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