神の雫

神の雫

世界的ワイン評論家である父を持ちながらもワインに興味を持たずに生きてきた青年・神咲雫が、父の死をきっかけにワインの魅力に目覚め、父が遺言として残した13本のワインの謎に迫るグルメ漫画。日本、韓国でのワインブームの火付け役となった。2009年、フランスのグルマン世界料理本大賞の最高位を受賞。また2010年、フランスのワイン専門誌「ラ・ルビュー・ド・バン・ド・フランス」が、作者のオキモト・シュウと亜樹直をワインの宣伝に貢献したとして最高賞に選出した。講談社「モーニング」2004年51号から2014年28号まで連載。

正式名称
神の雫
ふりがな
かみのしずく
原作者
亜樹 直
漫画
ジャンル
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

フランス料理店でソムリエ見習いとして働く紫野原みやびは、ある日店に来た太陽ビール社長の間違ったワイン知識をうまく指摘できず、クレーム騒ぎを起こされそうになってしまう。しかしその社長が連れていた社員の神咲雫が、プロのソムリエ顔負けの見事なデキャンタージュで騒ぎを解決する。雫は世界的ワイン評論家の神咲豊多香の息子で、幼い頃から一流ソムリエになるための修業を積まされていたが、本人は父親への反発心からワインに興味を持たないまま過ごしていた。

しかし父・豊多香が膵臓癌で死去。雫が家に行くと、弁護士の霧生涼子から、父が死の間際にワイン評論家の青年・遠峰一青を養子にしていたことと、20億円以上もの価値を持つワインコレクションをはじめとした財産は、豊多香が選んだ『十二使徒』と『神の雫』と呼ばれる計13本のワインの銘柄を、イメージキーワードのみが書かれた文章から当てることができた人間だけが相続できるということを告げられる。

反発しながらも父の真意を知りたいと思う雫は、ワインに詳しそうな知り合いとしてみやびの元を訪れ、知識面での協力を依頼するのだった。

登場人物・キャラクター

神咲 雫 (かんざき しずく)

ビール会社「太陽ビール」の営業一課に勤める青年。世界的ワイン評論家・神咲豊多香の息子で、幼い頃から世界中を周り、嗅覚や感性を磨くソムリエとしての修業を受けてきたが、ワイン自体は一滴も飲んだことがなかった。父の遺言により、『十二使徒』と『神の雫』の探求をはじめ、ワインの魅力を知る。前後して太陽ビールに新設された「ワイン事業部」に異動となり、契約社員となったソムリエ見習いの紫野原みやびとコンビを組んでワインの世界へと踏み込んでいく。 鋭い嗅覚と感性に優れているが、銘柄等の知識自体は無く、みやびを始めとした周囲の人々に頼ることが多い。

紫野原 みやび (しのはら みやび)

フランス料理店でソムリエ見習いとして働く女性。店に来た神咲雫と知り合ったことをきっかけに、彼と共に『十二使徒』と『神の雫』の探求を手伝うこととなる。その後、太陽ビールに新設された「ワイン事業部」の契約社員となった。豊富なワイン知識とテイスティングの才能を持っているが、ソムリエの資格試験にはなかなか合格できないでいる。 雫に淡い好意を持っているが、女性関係に疎い雫にはあまり意識されていない。

神咲 豊多香 (かんざき ゆたか)

神咲雫の父親。世界的なワイン評論家で、その能力と影響力は名ソムリエのロバート・M・パーカー・Jr.に匹敵するとも言われている。67歳で膵臓癌により死去。弁護士の霧生涼子とともに作成した遺言状で、20億円以上もの価値を持つワインコレクションをはじめとした遺産は、豊多香が選んだ『十二使徒』と『神の雫』と呼ばれる計13本のワインの銘柄を、イメージキーワードのみが書かれた文章から当てることができた人間が相続権を持つと取り決めた。 また、死の直前に遠峰一青を養子としている。

遠峰 一青 (とおみね いっせい)

若き天才ワイン評論家として知られる青年。「ワイン界のプリンス」と呼ばれ、彼のワインセミナーは常に大勢のファンでにぎわっている。死を目前とした神咲豊多香と縁組みし養子となった。実の息子である神咲雫とは、豊多香の残したワインコレクションを巡り、『十二使徒』と『神の雫』の探索におけるライバルとなる。ワインの輸入販売などを手がけるSAIONトレーディング社長の西園寺マキとは愛人関係にある。 「第二使徒」の探索時に訪れたタクラマカン砂漠でキルギス・ローランと出会い、彼女のソムリエールとしての素養を見出し、パートナーとした。

霧生 涼子 (きりゅう りょうこ)

女性弁護士。神咲豊多香の遺言状作成を手伝ったことから、『十二使徒』と『神の雫』について書かれた遺言状と相続手続きの管理を行っている。ワインの素養は少しだけあるが、専門的な知識は持たない。

藤枝 史郎 (ふじえだ しろう)

ワインバー「モノ・ポール」を経営するソムリエ。紫野原みやびの師匠的な存在であり、みやびや彼女に連れてこられた神咲雫の相談に乗ることが多い。高級なワインを惜しげもなく雫たちに飲ませるが、払えない代金分として、バイト代わりに使うこともある。

美島 壮一郎 (みしま そういちろう)

紫野原みやびが勤めていたフランス料理レストランチェーンのオーナー。過去付き合ったフランス人の恋人との行き違いから利潤を追求する経営者となっていたが、神咲雫の機転により誤解が解け、以降は落ち着いた性格となる。

土肥 ロベール (どい ろべーる)

日仏ハーフの老人。公園にダンボールハウスを建てて住んでいるため、一見ホームレスにしか見えないが、その正体は資産家で、買い取った公園に高級ワインを何本も埋めて保存しているワイン道楽者。神咲豊多香の親友で最も信頼されていた。『十二使徒』と『神の雫』の解明における立会い人となる。

セーラ

日仏ハーフの人気モデル。遠峰一青の異父妹。ワインの知識も豊富で、紫野原みやびからはマダム・ルロワのようだと評される。太陽ビールのCMに出演したことから神咲雫とも知り合うが、一青の妹だということは隠している。

河原毛 (かわらげ)

太陽ビールに新設されたワイン事業部の部長。穏やかな性格だが、ワインに関する知識は確かで、また人を見る目も鋭い。

本間 長介 (ほんま ちょうすけ)

太陽ビールに新設されたワイン事業部の一員。イタリアワインに並々ならぬ情熱を傾けるあまり、フランスやその他の産出国に敵意を振りまくことから「イタリア長介」と呼ばれている。

木戸 竜介 (きど りゅうすけ)

太陽ビールに新設されたワイン事業部に配属された若手社員。ワインには悪酔いした記憶しかなく、また宣伝部志望であったためやる気は無かったが、神咲雫と紫野原みやびの働きかけをきっかけにワインの魅力にとりつかれる。

キルギス・ローラン (きるぎすろーらん)

タクラマカン砂漠で観光客の案内などをして暮らしていた女性。日本人とのハーフで、日本語が喋れる。「第二使徒」を探すためタクラマカン砂漠に来た遠峰一青と出会い、彼にワインソムリエとしての素養を見出され、日本に招かれる。

集団・組織

太陽ビール (たいようびーる)

神咲雫が勤める大手ビール会社。社長が一代でチェーンを起こした。ワイン事業部を新たに起こし、更なる事業展開を狙っている。

クレジット

原作

続編

マリアージュ~神の雫 最終章~ (まりあーじゅ かみのしずく さいしゅうしょう)

オキモト・シュウと亜樹直の代表作『神の雫』の続編。世界のグルメ界を舞台に、世界的なワイン評論家を父親に持つ神咲雫の活躍と、天上のワイン「神の雫」を探求する旅を描いたグルメミステリー。前作『神の雫』では... 関連ページ:マリアージュ~神の雫 最終章~

SHARE
EC
Amazon
logo