DINO

DINO

菱井ディーノ(杉野ディーノ)は、丸菱デパートの樽井吾郎会長らが、重役時代に追放した七代目社長菱井丈一郎の息子である。その事実を隠し、新入社員として入社したディーノが、秘かに復讐と正体を隠すための犯行を続けていくピカレスクロマン。

正式名称
DINO
ふりがな
でぃーの
作者
ジャンル
裏社会・アングラ
関連商品
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概要・あらすじ

菱井ディーノ(杉野ディーノ)の父、菱井丈一郎丸菱デパート七代目社長の座を樽井吾郎ら重役達の反逆によって解任され、全てを失い失意のまま死亡していた。菱井ディーノは、首謀者である樽井家とその腹心に対しての復讐を目標に成長し、身元を隠して丸菱デパートに入社し、秘かに復讐と正体を隠すための犯罪行為を繰り返す。

次々と起きる事件に社内では丸菱の怪人の噂があがる。

登場人物・キャラクター

菱井 ディーノ (ひしい でぃーの)

丸菱デパート社長の座を追われた菱井丈一郎の息子。身元を隠し、杉野ディーノと名前を変えて丸菱デパートに新入社員として入社し、裏切り者の幹部達に復讐をしていく。東大を首席で卒業。血液型AB型。普段はメガネを掛けている。空手を使う。

菱井 丈一郎 (ひしい じょういちろう)

菱井ディーノの父。丸菱デパート七代目社長であったが樽谷吾郎らの重役達の反逆によって解任され、すべてを失い酒に溺れて、幼いディーノを残して死亡する。

樽屋 吾郎 (たるや ごろう)

菱井ディーノの復讐の対象の一人。ディーノの父で丸菱デパート七代目社長であった菱井丈一郎を解任し丸菱デパートを乗っ取り、弟樽谷文雄を社長とし、自身は会長として君臨している。息子はディーノと同期入社の樽谷英雄。

樽屋 英雄 (たるや ひでお)

菱井ディーノの父で丸菱デパート七代目社長の菱井丈一郎を解任し丸菱デパートを乗っ取り会長として君臨している樽屋吾郎の息子。ディーノとは丸菱デパートに同期入社し、将来の社長として野心に燃えている。

清家 明美

丸菱デパートの日本橋本店、外国ブランドフロアーショップ・モードイタリアのフロア主任。菱井ディーノは幹部への復讐のために清家明美と肉体関係を持ち、社内のゴシップを聞き出す。

藤野 (ふじの)

丸菱デパートの秘書課社員。菱井ディーノは藤野の恋人になり社内のゴシップを聞き出す。

杉野 あや (すぎの あや)

幼い菱井ディーノが、父の菱井丈一郎を亡くしてから世話になった遠縁の杉野家の娘。ディーノの2歳年上。不幸な生い立ちのディーノに対し、姉であり母であると自覚しながらも、ディーノと肉体関係を続ける。三友銀行の融資課の行員。

曾根崎専務 (そねざきせんむ)

菱井ディーノの復讐の対象の一人で丸菱デパートの専務。息子の不祥事で流通センターに左遷される。ディーノが倉庫に放火し、在庫がスプリンクラーでダメになったショックで心筋梗塞を起こしてしまう。

登戸副社長 (のぼりとふくしゃちょう)

菱井ディーノの復讐の対象の一人で丸菱デパートの副社長。ディーノの策略で、溺愛する娘の登戸恵が、男と外泊して朝帰りをしたことで、錯乱して首を絞めて殺してしまう。

堂本 (どうもと)

菱井ディーノの復讐の対象の一人で丸菱デパートの所川専務が株主総会対策で繋がりのある右翼全土憂民連合会から雇ったボディーガード。

田丸刑事 (たまるけいじ)

千駄ヶ谷警察署の刑事。丸菱デパートの登戸副社長が娘の登戸恵を絞殺した事件を調べてる中で、恵と接触があった男、松野春男(菱野ディーノ)が丸菱デパートの一連の事件の犯人ではないかと疑いを持ち、独自に調査を始める。

亜里沙 (ありさ)

銀座の一流クラブのNo.1ホステス。23歳。菱井ディーノの復讐対象である丸菱デパートの専務、樽屋八郎の愛人。ディーノは樽谷八郎の資金源を探るために亜里沙と肉体関係を持ち利用するが、亜里沙はディーノに好意を持つようになる。

榊 一平 (さかき いっぺい)

菱井ディーノ(杉野ディーノ)が勤める丸菱デパートのライバル店、西急デパートの榊社長の息子。ディーノと同じくフェラーリを所有する。

榊社長 (さかきしゃちょう)

菱井ディーノ(杉野ディーノ)が勤める丸菱デパートのライバルの西急デパートの社長。ディーノの素性を調査して丸菱デパートの7代目社長菱井丈一郎の息子であり丸菱の怪人であることを突き止める。

達雄 (たつお)

菱井ディーノ(杉野ディーノ)が勤める丸菱デパートのフロア長清家明美の婚約者で、ディーノと清家明美の関係を知りディーノを刺し、清家明美と心中する。

針山 シズ子 (はりやま しずこ)

菱井ディーノの復讐対象である丸菱デパート専務、樽屋八郎の愛人。暴力団神保町興産への麻薬密売ルートのトンネル会社、(有)ネオ・アート・ファニチャーの事務員。ディーノは樽屋八郎から麻薬密売ルートの利権を乗っ取るために針山と肉体関係を持つ。

片桐 (かたぎり)

神保町興産の社長の息子で、暴力団2代目。菱井ディーノは丸菱デパート専務、樽屋八郎の裏金ルートを調べ、丸菱デパートからトンネル会社の(有)ネオ・アート・ファニチャーを通じて、コロンビアからの麻薬密輸ルートが暴力団神保町興産へ繋がっていることを突きとめる。 そしてディーノは片桐に麻薬密輸ルートの利権を引き継ぐ代わりに樽谷八郎専務を殺すよう取引きを持ちかける。

瀬山課長 (せやまかちょう)

丸菱デパートの人事部課長。杉野ディーノが追放された七代目社長菱井丈一郎の息子菱井ディーノである素性を知るが、菱井丈一郎を信奉していたため周囲に知られないように協力する。

樽谷 文雄

菱井ディーノの復讐対象である丸菱デパートの現社長。樽谷吾郎会長の弟。樽谷瞳の父。

樽谷 瞳

菱井ディーノの復讐対象である丸菱デパートの樽谷文雄社長の娘。会長秘書岡村と同性愛の関係であることがディーノに知られ、樽谷文雄社長への脅迫の協力をさせられる。

岡村 (おかむら)

菱井ディーノの復讐対象である丸菱デパートの樽谷吾郎の会長秘書。樽谷文雄社長の娘、樽谷瞳の英語の家庭教師であり、同性愛の関係。

須貝 大二郎 (すがい だいじろう)

菱井ディーノが高校生になったときに、彼の父、菱井丈一郎から預かっていた家とDINO206GTを渡しに来た。またディーノに心身鍛練のために空手を教えた師匠でもある。丸菱デパートの一連の事件がディーノによるものと気づき体を張って止めさせようとする。

阿部 ケンジ (あべ けんじ)

28歳、身長183cm、体重90kg。日本最高の要人警護員(SP)を勤めている。その中でも、日本では8人しかいないスーパーライセンスを持つひとり。左目に切り傷があり、特殊警棒を使う。丸菱デパートの樽谷吾郎会長に雇われて警護の指揮を担当する。丸菱の怪人(菱井ディーノ)]が樽谷瞳と接触したところを取り押さえようとするが失敗して取り逃がす。

二階堂 タクマ (にかいどう たくま)

27歳、身長186cm、体重86kg。日本最高の要人警護員(SP)を勤めている。その中でも、日本では8人しかいないスーパーライセンスを持つひとり。丸菱デパートの樽谷吾郎会長に雇われて、丸菱の怪人(菱井ディーノ)]が狙う幹部を警護する。

熊塚 サブロー (くまづか さぶろー)

31歳、身長175cm、体重98kg。日本最高の要人警護員(SP)を勤めている。日本では8人しかいないスーパーライセンスを持つひとり。丸菱デパートの樽谷吾郎会長に雇われて丸菱の怪人(菱井ディーノ)]が狙う幹部を警護する。「熊塚流」と独自に名付ける陸上競技のスタートのような構えの空手で丸菱の怪人(菱井ディーノ)]を追い詰めるが最後の反撃で両目を潰された。

三田村 里子 (みたむら さとこ)

菱井ディーノの実の母。銀座のクラブ・リズのママで、丸菱デパートの樽井吾郎会長と愛人関係にある。彼女のクラブには、菱井ディーノの復讐対象である樽屋八郎の愛人、亜里沙が勤めている。

木暮 敦子 (こぐれ あつこ)

丸菱デパートのメインバンク、住吉銀行頭取の娘。女子大学生。丸菱デパートの樽谷吾郎会長の息子、樽谷英雄が、彼女に憧れている。

柄沢 伸夫 (からさわ のぶお)

菱井ディーノが復讐のために入社した丸菱デパート秘書課の課長代理。会長と社長の樽谷家とは親類関係である。34歳。東大卒。

集団・組織

西急デパート (せいきゅうでぱーと)

『DINO(ディーノ)』の組織。菱井ディーノが、復讐のために入社した丸菱デパートのライバル店。西急デパートの榊社長は、杉野ディーノの素性を調査して丸菱デパートの7代目社長菱井丈一郎の息子であり、丸菱の怪人であることを突き止める。

平三会

『DINO(ディーノ)』のグループ。菱井ディーノが復讐のために入社した丸菱デパートの樽谷吾郎会長の息子、樽谷英雄を中心に、同期入社から将来の幹部候補として集められたグループ。

神保町興産 (じんぼうちょうこうさん)

『DINO(ディーノ)』の暴力団組織。丸菱デパートの専務樽屋八郎の裏金ルートに関わっており、丸菱デパートのトンネル会社、(有)ネオ・アート・ファニチャーを通じてコロンビアからの麻薬密輸ルートを確保している。

場所

丸菱デパート

江戸時代の木綿問屋・丸菱屋から続く老舗の大手デパート。創業時から家主は菱井家、番頭は樽井家が受け継いできた。しかし菱井ディーノの父、7代目社長菱井丈一郎が、役員会議において、当時副社長であった樽谷吾郎らによる緊急動議により社長を解任され、現在は樽谷吾郎が会長となっている。

その他キーワード

DINO206GT (でぃーのににゃくろくじーてぃ)

『DINO(ディーノ)』に登場するスポーツカー。フェラーリ社製で、世界で150台しかない。フェラーリの祖、エンツォ・フェラーリの一人息子で、わずか23歳で白血病により亡くなったディーノの名前が、車名になっている。丸菱デパート7代目社長菱井丈一郎は息子の生まれた年に発売されたこの車の車名のいきさつに感銘を受け、息子を菱井ディーノと名づけた。

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