掌の歌

掌の歌

形意拳の使い手である峪生は、武術試合の末に相手を殺してしまったことから3年間投獄されていたが、ついに許される日が来た。釈放された峪生だが、かつて殺した相手の一番弟子である馬に試合を挑まれる。

正式名称
掌の歌
ふりがな
てのひらのうた
作者
ジャンル
格闘技・武道
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概要・あらすじ

形意拳の使い手である峪生は、武術試合の末に相手を殺してしまったことから3年間投獄されていた。自分の拳は拳法のために握られるばかりで、何の名誉も、愛する人の手も掴めなかったと、これまでの人生を悔いる峪生。3年の懲役を終えて釈放された峪生だが、かつて殺した相手の一番弟子であるに試合を挑まれる。

登場人物・キャラクター

峪生 (よくせい)

拳法の達人。「どんな相手も一発で倒す」と賞され、荒くれ共を倒す警察官のような仕事をしていたが、武術試合で相手を殺してしまい、入獄する。幼少時は、貧しさゆえに欲しい物は何でも奪い取るという無頼の暮らしをしており、周囲の人々から蔑まれていた。そんな中、乱暴を働く自分に臆さず正義を貫くお嬢さんに惹かれ、彼女の後をつけたことから拳法に出会う。 貧困から脱する手段として拳法家を志すも、これまでの行状ゆえに門前払いされる。だが、練習を盗み見て技を鍛錬し、その甲斐あってやっと入門を許された。獄中で手枷足枷をつけられた不自由な中でも新たな技を開発する熱意の持ち主。試合の相手が死ぬまで戦ってしまう、妥協のできない性格。 後に郭と名を改める。中国の武術家・郭雲深がモデル。

(かく)

『掌の歌』の主人公、峪生が後に名乗った名前。郭雲深、諱を峪生という形意拳の達人が実在し、獄中で虎撲手を開発したという逸話が伝わっている。

お嬢さん (おじょうさん)

村で拳法道場を開く李師の娘。本名は不明。兄がいる。村で乱暴を働く峪生に臆せず被害者を庇う、強い正義感の持ち主。拳法道場に入門してきた峪生に惹かれる。無理矢理馬と結婚させられそうになっていた。

(あに)

村で拳法道場を開く李師の息子。本名は不明。妹のお嬢さんがいる。乱暴者の峪生を蔑み、入門を乞う彼を門前払いにし、妹のお嬢さんを頭ごなしに叱りつけるなど、高圧的なところがある。後に父の後を継いで道場主になり、試合と称して峪生を袋叩きにするが、峪生に殺される。

李師 (りし)

村で拳法道場を開き形意拳を教える。お嬢さんと兄の父。練習を盗み見て技を鍛錬した峪生のひたむきさに打たれ、入門を許す。

(ま)

李師の拳法道場の一番弟子だったが、兄が峪生に殺された後、道場主になった。強さをかさにきて村で暴れ回るなど、評判は良くない。お嬢さんと結婚して道場を完全に手に入れようとするが、彼女からは拒否されていた。名を上げて周囲に結婚を認めさせるため、出獄したばかりの峪生に戦いを挑むが、彼が獄中で開発した虎撲手に敗れる。

その他キーワード

形意拳 (けいいけん)

『掌の歌』に登場する、実在の拳法。個々の技はシンプルだが、一撃必殺の威力を秘めるとされる。動物の姿を模した一二形拳が広く知られる。

虎撲手 (ほうぼうしゅ)

『掌の歌』に登場する、実在の拳法技。作中では、牢獄で峪生が生み出した。小さな動作から両掌を突き出し、相手に打撃を与える。一二形拳の一つ、虎の動作を模した虎形の変化技。

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