軽井沢シンドローム

軽井沢シンドローム

軽井沢の別荘地にある幼馴染の家に移り住むこととなったカメラマンの主人公が、憧れの地であり母方の祖父が住むアメリカへと渡るまでの賑やかな日々を描いた物語。主人公の視点のみに絞らず、友人や恋人、愛人、後輩といった多彩な登場人物たちがその都度メインキャラを務め、主人公を巻き込んで青春グラフィティ的なストーリーを作りあげている。

正式名称
軽井沢シンドローム
ふりがな
かるいざわしんどろーむ
作者
ジャンル
青春
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概要・あらすじ

アメリカに渡ることを夢見るフリーカメラマン相沢耕平と、その幼馴染でイラストレーターを志す松沼純生は、東京で食いっぱぐれ、純生の姉薫の住む軽井沢の別荘に転がりこむ。幼くして両親を亡くした耕平は、遠縁の松沼家で育てられ、純生や薫とは兄弟のように過ごしてきたが、薫にとっての耕平は、いつしか恋愛対象となっており、耕平の軽井沢移住をきっかけに、恋人同士の関係になる。

しかし、間もなく耕平には久遠寺紀子久野縁、吉沢まなみといった愛人が次々と出来、耕平一筋の薫に頭痛の種を蒔くことに。破天荒ながらも筋の通った男気溢れる耕平の周りには、男女を問わず個性的な面々が集まり、複雑に絡み合った恋物語や事件を巻き起こしていく。

登場人物・キャラクター

相沢 耕平 (あいざわ こうへい)

女性のヌードを専門に撮るフリーのカメラマン。掴みどころのない飄々とした性格ながらも義理人情に厚く、事あるごとに周囲の人間から頼られる。無類の女好きの上によくモテて、本命の恋人である薫の他にも数多の女性と深い関係になるが、その誰からも決して恨まれない。DEEPという群馬の暴走族の初代総長を務めた過去があり、腕っぷしは相当強い。 現在の愛車はジープ。

松沼 純生 (まつぬま すみお)

松沼薫の弟で、遠縁に当たる相沢耕平とは幼い頃から一緒に育ち、大学、就職先とも同じというくされ縁。小柄かつ優柔不断な性格でモテないが、案外気が多く、フラれて落ち込んでは次の誰かに恋している。ただし本命は軽井沢に来て最初にフラれた津野田絵里。二流のイラストレーターだが作品終盤で実力が認められ、銀座の画廊に絵を置かせてほしいという話が舞い込む。

松沼 薫 (まつぬま かおる)

相沢耕平の恋人で、松沼純生の姉。軽井沢にあるT美大の研究所に勤め、収入の少ない純生や耕平を支えるしっかり者。メガネがトレードマークの美人で、耕平によると「そこらのモデルよりいい体している」プロポーションの持ち主。後に耕平と結婚して相沢姓となり、一粒種の薫平を授かる。 耕平の愛人たちと友達づきあいできる度量の持ち主。

津野田 絵里 (つのだ えり)

軽井沢の民芸屋うっでぃの一人娘。仕事も店の手伝いもせず、隣にある喫茶店ら・くかで暇つぶししていることが多い。相沢耕平に片思いしているが、叶わぬ恋と知っているため、好きな人を次々と変えていく優柔不断な処女。松沼純生が軽井沢に来て初めて好きになった女性でもある。

久遠寺 紀子 (くおんじ のりこ)

ハーレーダビッドソンFLH80を乗りこなすショートカットの美女で、横浜を拠点に活動していた暴走族蟻(アント)の元頭目。現役中は黒の女王の異名をとっていた。DEEPとの抗争が原因で自殺した親友の仇討ちのために軽井沢を訪れ、相沢耕平と深い仲になる。耕平が結婚してからもその関係は変わらず、2号の立場を貫く。

久野 縁 (くの ゆかり)

相沢耕平の仕事相手のヌードモデルかつ愛人(3号)。モデルをやめて実家のある函館へ帰るが、耕平との関係は途切れず続く。いっとき結婚話が出るが、相手は結婚詐欺師で事件に巻き込まれ死亡。その後は軽井沢にあるVILLA松沼で、妻である薫としばらく過ごす。

吉崎 まなみ (よしざき まなみ)

恋人に先立たれ、後を追うために思い出の地である軽井沢を訪れるが、偶然相沢耕平と松沼純生に出会い、自殺を思い止まる。これをきっかけに耕平を好きになり、紆余曲折の後、耕平の愛人(4号)となることを決意。静岡から軽井沢へと移住し、久遠寺紀子らと同居をはじめる。後に耕平の愛人を卒業し、弁護士の阿川省吾と恋人関係になる。

蓑輪 貴成 (みのわ たかなり)

喫茶店ら・くかのマスターで蓑輪みるくの兄。穏やかな性格の青年で、相沢耕平ら落ち着きのない常連客たちを笑顔で見守る。女性にはほとんど縁がなかったが、見合いで出会った片岡弥子に一目惚れ。恋を成就させ、晴れて結婚に至る。店ではトレードマークのパイプをいつもふかしている。

蓑輪 みるく (みのわ みるく)

T美大の学生で、蓑輪貴成の妹。松沼薫の別荘に下宿している。新宿で恩田二郎と同棲同様の生活をしていたが誤解により破局。大学の夏期講習のため軽井沢を訪れる。二郎が相沢耕平と知りあいだったことから誤解が解けてヨリを戻し、そのまま軽井沢に居着くことに。ポルシェを乗り回す勝ち気な容姿と性格の美女。

恩田 二郎 (おんだ じろう)

暴走族DEEPの二代目総長だったが、対抗グループ蟻(アント)との抗争で死者が出たことからDEEP解散を決める。高崎の自動車修理工場恩田モータースの跡取り息子。蓑輪みるくとは恋人同士で、物語初期から結婚話が出ていたが、結局、作中では結婚にまで至っていない。 一時期久遠寺紀子に惚れていた経緯がある。

場所

COFFEE HOUSEら・くか (こーひーはうすら・くか)

軽井沢新道にある喫茶店で、蓑輪貴成がマスターを務める。隣は津野田絵里の実家である民芸店うっでぃ。松沼薫の別荘からほど近い距離にあり、相沢耕平ら主要登場人物たちの溜まり場になっている。耕平と松沼純生が軽井沢にやってきた際、初めて立ち寄った店でもある。

VILLA松沼 (ゔぃらまつぬま)

松沼薫の父親が所有する軽井沢の別荘。当初は薫が一人で住んでいたが、相沢耕平と松沼純生が居候として転がり込んだのをきっかけに、多くの登場人物が訪れるように。蓑輪みるくの下宿先で、耕平の愛人である久野縁や吉崎まなみが一時逗留したこともある。

VILLA久遠寺 (ゔぃらくおんじ)

資産家である久遠寺家が軽井沢に所有する別荘で、娘の久遠寺紀子と、亡き親友の妹木下久美子が住む。後に津野田絵里や吉崎まなみも同居。愛描ざく、ぐふ、どむも加わり、賑やかな舞台となっている。

CAFÉ TERRACEオルコ・タイタ (かふぇてらすおるこ・たいた)

レイクニュータウンにある喫茶店。川村舞が雇われ店長として働いている。相沢耕平ら登場人物たちが、仲間が集まりがちなら・くかではしづらい内緒話、打ち明け話等をする際に訪れることが多い。

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