柊様は自分を探している。

柊様は自分を探している。

かわいくてわがままで、ちょっと性悪な小悪魔美少女の柊と、彼女の家来になった無敵の男子高校生の白馬圭二郎の波乱万丈な日々を描くコメディ。「週刊少年サンデー」2016年第10号から2018年第12号にかけて掲載された作品。

正式名称
柊様は自分を探している。
ふりがな
ひいらぎさまはじぶんをさがしている
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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あらすじ

第1巻

これまで女性にいっさい興味を持ったことがないという男子高校生の白馬圭二郎は、ある日、和服姿の美少女と出会う。その少女の足下には、町の不良たちが転がっていた。驚く圭二郎に彼女は履き物を持って来るよう命じ、自分の家来にしてやると言い放つ。なぜか承諾してしまった圭二郎は、彼女が「」という自分の名前以外、なにも覚えていないことを知り、やむなく自分の家で預かることにする。慌てる圭二郎の両親をよそに、柊は白馬家で暮らし始めるが、彼女は本物のお姫様のように誇り高く、一方で性悪なところもある、どこかつかみどころのない少女であった。そんな中、圭二郎が柊の正体を知る手掛かりを探すべく、武道の師匠である飛騨翔彦の道場に彼女を連れていくと、飛騨は柊の気配を察するや、すぐさま逃げ出してしまう。飛騨は柊についてなにかを知っているようであったが、圭二郎にはなにも語らないままだった。圭二郎は当惑しながらも、奔放で感情のままに行動する柊に、家来としてかいがいしく尽くす日々を送る。

第2巻

白馬圭二郎と同じ高校に通い始めるが、相変わらず圭二郎を家来とみなしている柊は、学校に着くやいなや上履きを出すよう彼に命じる。圭二郎を下僕扱いする柊に、彼のファンである女生徒たちは激怒。柊は彼女らにいじめの標的にされ、連日下駄箱に生ゴミを詰め込まれたり、水をかけられたりといった陰湿ないじめを受けるようになる。心配する圭二郎や、彼の幼なじみの沢井千弓をよそに、柊は黙って耐え続けるが、それは彼女の計略だった。柊は自身へのいじめが悪戯ではすまされないレベルになったところで、いじめグループの一人である美倉瀬絵子を脅迫。いじめの件を教師たちに告発しない代わりに、今後自分に仕えることを約束させる。完全に柊に心を折られた瀬絵子は彼女の忠実な下僕になり、柊へのいじめは止むが、今度は寝返った瀬絵子が女生徒たちのいじめの標的になってしまう。そんな中、ついに柊は衆人環視の中で、いじめの首謀者を告発。無実なら反撃しろ、その時は抵抗しないと言い放ち、有無を言わせずにぶっ飛ばすのだった。

第3巻

は以前助けたことがある小学生の武田隼人大河の二人と再会する。柊のことを正義の味方と慕っている二人は、人助けのために力を貸してほしいと彼女に頼むが、やる気のない柊は、人に頼る前に本気で取り組んでみろと言葉巧みに二人を言いくるめ、その場を立ち去ってしまう。見かねた沢井千弓が話を聞くと、二人の依頼は叔父夫婦に虐待されている祐助という兄妹を助けてほしいというもので、子供たちだけでどうにかできるものではなかった。それでも武田と大河は何とかしようとするが、相手は狡猾で、二人が祐助をいじめていると警察や彼らの親が思い込むように仕向けられてしまう。祐助たちを助けるにはもはや刃物を使った強硬手段に出るしかないと思い詰める武田と大河を見て、ついに柊と白馬圭二郎が動く。二人は圧倒的な力で祐助の叔父をビビらせ、精神的にとことん追い詰めていく。恐怖のあまり、祐助の叔父は虐待を止めることを誓うのだった。柊のおかげで問題はすべて解決するが、同じ頃、不老不死の男、上城鴇岡という男を殺害していた。上城は「久遠夜叉」と呼ばれる魔物で、柊のことを狙っているようであった。

第4巻

相も変わらず白馬圭二郎を家来扱いするだったが、周囲の雑音の多さから圭二郎は柊に、学校では家来呼ばわりしないでほしいと言ってしまう。ショックを受けた柊は、自分が何者なのか自問自答しながら街をさまようが、そこに久遠夜叉の一人であるジュニアが現れる。ジュニアはいきなり鉄の棒で柊の身体を貫くが、その時彼女の髪が真っ白になった。柊は側にいた猫をジュニアに投げつけ、その不意を突いて自分に刺さっていた鉄棒で彼の心臓を貫き、深手を負ったジュニアは撤退。柊もまたその場に倒れるが、彼女は駆けつけた圭二郎に何事もなかったと言って強がる。圭二郎はそんな柊の誇り高い態度に感銘を覚え、改めて彼女の家来になると申し出るのだった。安堵した柊は再び倒れ、いつもの黒髪に戻る。目を覚ました時、刺されたはずの傷は完全に治っていた。圭二郎たちから事の顛末を聞いた飛騨翔彦は、自分が天狗の一族であること、そして柊が「不磨美人」と呼ばれる不老不死の存在であることを明かす。

第5巻

不磨美人久遠夜叉の恐ろしさを知る飛騨翔彦は、弟子の白馬圭二郎から離れるよう警告するが、圭二郎はまったく動じていなかった。だが、柊はこれ以上周囲の者に迷惑をかけるわけにはいかないと、密かに荷物をまとめる。柊が去ろうとしていることを沢井千弓から知らされた圭二郎はあとを追うが、彼女は圭二郎のことを待っていた。柊は最初から圭二郎だけは連れていくつもりだったのである。学校を出た二人は、翔彦が話していた魔物の隠れ里を探すことにするが、すでに上城ジュニアは新たに仲間にしたガールという少女と共に柊を追おうとしていた。そんな中、柊と圭二郎は、海辺の町で野口竹中という二人組の不良と出会っていた。柊は敵対する不良たちに刺されて重傷を負った野口を不思議な力で助けるが、その瞬間に柊の中にいる何者かが圭二郎に、これ以上力を使ったら彼女は消えると警告する。焦る圭二郎は、力ずくででも翔彦から魔物の隠れ里の場所を聞き出そうと決意。柊を連れて町に戻るが、里の場所は教えられないと言っていた翔彦は柊の色仕掛けにあっさり口を割るのだった。

第6巻

飛騨翔彦の案内で魔物の隠れ里に向かった白馬圭二郎は、という老人の姿をした天狗に出会う。一は柊たちを試そうとして、わざと悪態をつくが、柊はそんな一をいきなりぶん殴る。実は、柊たちは一と出会う前に偏屈なじいさんと遭遇しており、このじいさんを天狗と思い込み、さんざん尽くしまくるという骨折り損をしていた。この件で堪忍袋の緒が切れていた柊は、一にわがままを言いまくり、あげくの果てには里に入るために彼を人質にすると言い出す。柊の傍若無人ぶりに当惑する一だったが、一方でどこか無邪気な彼女に魅力を覚え始めていた。ところが、そこに一の仲間の武聖が現れる。柊を守ろうとした圭二郎を一方的にぶちのめすと、柊たちを里の長老の屋敷に連れて行く。里には不磨美人を傷つけてはいけないという掟があり、柊はひとまず丁重にもてなされるが、武聖は不磨美人の持つ治癒の力を狙っており、彼女をただで帰すつもりはなかった。柊と圭二郎は里から逃げる方法を探すが、そこに二人を追って来た沢井千弓美倉瀬絵子が現れ、勝手に里に入って来たことにより天狗たちに捕えられてしまう。さらに武聖は瀬絵子たちをいたぶり始め、その様子を見た圭二郎はついに怒りを爆発させる。

第7巻

白馬圭二郎に惨敗した武聖は、一方的に暴行されたと偽って騒ぎを起こす。さらに自分のウソに気づいたをナイフで刺し、柊は治癒の力を使わず一を見捨てたと里の者たちに触れ回る。武聖の策略で圭二郎らは天狗たちと一触即発になるが、その時長い眠りについていた里の長老の静子が目覚めた。静子は武聖をあっさり倒すと、柊はという不磨美人の分身であると彼女に告げる。圭二郎は、自分が分身であるという事実に柊がショックを受けているのではないかと心配するが、そこに柊の本体である楓が姿を現す。楓は柊を装って圭二郎にキスをしようするなど、柊以上に奔放でいたずら好きであった。一方、柊はなぜ自分は圭二郎にだけは特別な感情を抱くのか、不思議に思っていた。そんな中、柊は楓から自分の力を受け継がないかと提案される。柊は不老不死となることに本能的な恐怖を覚え拒絶するが、彼女が楓から与えられた力は尽きようとしており、ついに倒れてしまう。悲しむ圭二郎の姿を見て覚悟を決めた柊は、ついに楓の不磨美人の力を受け継ぐことに同意する。同じ頃、捕えられた武聖は里から脱走し、不老不死になるべく上城久遠夜叉に接近していた。

第8巻

を狙う上城久遠夜叉と、内蔵ら町の天狗たちが一触即発状態になった。事情を聞いた白馬圭二郎は柊を守るため、天狗たちへの加勢を決意する。そして廃ビルを舞台に天狗と夜叉の戦いが始まる。内蔵たちは機関銃や手榴弾で迎え撃つが、上城にはまったく通じず、あっさり全員倒されてしまう。見かねた柊が上城の前に立ちはだかるが、そこに圭二郎が参戦。当初はただの人間とあなどっていた上城だったが、顔色一つ変えずに捨身の攻撃を仕掛けて来る圭二郎に何度も肉体を破壊され、驚きと感嘆を覚える。一方、ビルの内部では、ガールが内蔵の放ったロケット砲の爆発に巻き込まれて倒れていた。ガールを助けるため、ジュニアは上城を裏切って彼の体内から、不老不死の源である「神の回路」を奪おうとする。ジュニアの命懸けの行為を見て、彼が“生きている”と感じた上城は歓喜。自ら神の回路をガールに移して、笑いながら消えていったのであった。久遠夜叉との戦いが終わり、日常が戻って来るが、永遠の存在となった柊はいつか圭二郎を失う日が来ることを恐れていた。そんな柊に圭二郎は、一人で置いていったりはせず、必ず自分が殺してやると約束するのだった。

登場人物・キャラクター

(ひいらぎ)

白馬圭二郎が公園で出会った美少女。過去の記憶をなくしていて、自分の名前が「柊」であること以外はまったく覚えておらず、気がつくと圭二郎たちの住む町にいた。いつも着物姿で、自分のことを「儂」と呼ぶなど、古風で浮世離れしていて、一見すると無垢な少女に見えるが、実は人をからかうのが好きな奔放な性格。平気でウソをついたり、猫をかぶったりと意外と計算高く、出会ったばかりの圭二郎を勝手に家来に指名し、彼の家で居候することになる。無邪気さと性悪さを併せ持っており、敵対する相手はあらゆる手段を使って屈服させるが、実は優しく仲間思いで、いざという時は非常に頼りになる。その正体は不磨美人と呼ばれる究極生命体の分身で、7年前に本体である楓によって生み出された。ビルの屋上から落ちた子供を受けとめたり、飛んで来る無数の鉄パイプをかわしたりするなど超人的な身体能力を誇っており、驚異的な治癒能力も併せ持っているが、あくまで分身であり、本体から与えられた力が尽きると死亡してしまう危うい存在である。

白馬 圭二郎 (はくば けいじろう)

柊の家来になった男子高校生。いつも威風堂々としていて、校内では男子からも女子からも慕われる存在。それまで女の子にいっさい興味を持ったことはなかったが、なぜか出会ったばかりの柊に魅了され、彼女に言われるまま家来として尽くすことになる。めったなことでは動揺しない豪胆さを持ち、柊に家来に指名された際、彼女に言われるまま靴を履かせてあげたり、汚れた足を拭いてあげたりした。もっとも、なぜ柊の言いなりになっているのかについては、白馬圭二郎自身でも不思議に思っている。その結果、実は自分は足フェチのスケベだったのではないかと思い悩むが、さんざん悩んだあげくにその考えを肯定するなど、ちょっと能天気でとぼけたところがある。子供の頃から飛騨翔彦の道場で武道の手ほどきを受けており、凄まじいほどの強さを誇る。その戦闘力は師匠の翔彦も驚くほどで、柊を守るためならば、人間をはるかにしのぐ力を持つ天狗や久遠夜叉とも互角以上に戦う。

飛騨 翔彦 (ひだ とびひこ)

「飛典一翔流道場」という武道の道場を営んでいる男性。白馬圭二郎の師匠でもある。実は天狗の一族で、年齢は40歳だが、天狗の寿命は約200年と長いため、まだ20代くらいの若者の姿をしている。ずっと若者のままだと怪しまれるという考えから、ふだんは天狗の変身能力を使って老人に化けており、その影響で考え方が年寄っぽくなっている。圭二郎が認めるほどの達人で、老人の姿をしていることから、物事に動じない落ち着いた人物に見えるが、実はかなりのお調子者でスケベ。柊が不磨美人であると見抜き、恐怖から当初はかかわり合いを避けていたが、やがて彼女の小悪魔的な魅力にはまっていき、彼女の色仕掛けやおだてに何度もだまされることになる。

沢井 千弓 (さわい ちゆみ)

白馬圭二郎の幼なじみの女子高校生。庭石丈とも幼い頃から仲がよく、彼からは「ちゆ」と呼ばれている。小学生の頃から圭二郎に好意を抱いており、彼を家来扱いする柊に嫉妬している。圭二郎から引き離そうとするなど、柊への対抗心をむき出しにする。また、かなりエキセントリックな性格で、いつも激しい口調で柊にツッコミを入れているが、根は優しく、世間ずれしている柊を放っておけず、なにかと彼女の世話を焼くことになる。

美倉 瀬絵子 (よしくら せえこ)

白馬圭二郎と同じ学校に通う女子高校生。圭二郎を家来として扱う柊に反感を持ち、仲間の女生徒と彼女に陰湿ないじめを繰り返す。しかし柊の復讐の標的となり、彼女の脅迫を交えた巧みな話術の前に陥落。完全に心をへし折られ、以降は彼女の忠実な下僕となった。そのため、かつての仲間たちに敵視され、今度は美倉瀬絵子自身がいじめのターゲットとなるが、柊に助けられ完全に彼女に心酔。いつも柊の側にいたがり、かいがいしく尽くすなど、彼女なしでは生きられないようになる。

庭石 丈 (にわいし じょう)

白馬圭二郎を敵視する男子高校生。典型的なヤンキーで、不良仲間からは「ジョー」と呼ばれている。柊の美しさの虜となり、かねてから敵視していた圭二郎がつねに彼女の側にいることに激怒。悪臭を放つ缶詰を全校生徒の前で圭二郎にぶつけて恥をかかせようとするが、柊に邪魔され失敗に終わった。その際、柊に見逃してもらったことから彼女が心の広い女性だと勘違い。柊を女神と崇め、彼女の家来になろうとするが、柊からはまったく相手にされていない。沢井千弓とは幼い頃から親しく、今も「ちゆ」とあだ名で呼ぶなど彼女のことを憎からず思っている。

山崎 (やまざき)

白馬圭二郎と沢井千弓の友人の男子高校生。いたってふつうの常識人で、圭二郎のよき相談相手になっている。柊の超人的な能力を目のあたりにしてうろたえるが、千弓と柊がそんなことはそっちのけでケンカしていたため、目の錯覚と思い込み、結局うやむやになった。

圭二郎の母 (けいじろうのはは)

白馬圭二郎の母親。自慢の息子である圭二郎に絶対の信頼を置いているが、柊を家に連れて来た時にはさすがに驚愕し、息子が籠絡されたと思い込んで、柊のことを油断ならない娘と警戒していた。しかし、健気な態度を見せる柊にあっさりと心変わりし、以降は我が娘同然にかわいがるようになる。主婦業のかたわら片手間で古物商を営んでおり、店のトラブルを柊が解決した際、あまりに堂々としていたことから、彼女が江戸時代からタイムスリップして来た本物のお姫様と信じ込む。

圭二郎の父 (けいじろうのちち)

白馬圭二郎の父親。自慢の息子である圭二郎に絶対の信頼を置いており、妻と圭二郎に頼まれて柊を自宅に保護する。思い込みの激しいところがあり、圭二郎のちょっとした行動を勝手に深読みして息子が成長したと感心したり、息子が遠いところへ行ってしまったとショックを受けたりしている。

上城 (かみしろ)

いつもスーツを着ている紳士風の男性。久遠夜叉のリーダー的な存在。50年前に鴇岡という男に敗れ、灰にされるが復活。鴇岡に復讐したあと、宿敵である不磨美人と戦うべく、ジュニアや新たに仲間にしたガールと共に柊のあとを追う。冷酷で残忍な男だが、享楽的かつ気まぐれなところがあり、目的の達成よりも楽しむことを優先しがち。また、上城自身が生を実感できないことから、「生きる」ということに強いあこがれと興味を持っており、生きようとする意志を見せる者には敵味方関係なく激しく感動する。

ジュニア

上城の仲間の久遠夜叉。少年の姿をしていて、上城から「ジュニア」と呼ばれているが、本当の名前は不明。上城が灰にされた50年前から彼のことを知っていて、復活した上城に柊の存在を教える。無表情で感情の起伏がほとんどなく、生への執着も薄いが、死に対する恐怖心は持っている。不磨美人の力を試すべく柊を急襲し、彼女の身体を鉄棒で貫くが、逆襲されたため撤退。その際、彼女の血が体内に入り、苦しむこととなった。

ガール

鴇岡の孫娘だった少女。元の名前は小夜子で、上城によって久遠夜叉にされた際、彼に「ガール」と命名された。小夜子としての記憶や意志は完全に失われており、上城に命じられるままかつての母親を殺害。以後、上城やジュニアと行動を共にすることになる。夜叉にされた時、まだ子供だったため、久遠夜叉の意志や記憶を有していない。また、完全な神の回路を与えられていない様子で、そのためかジュニア以上に無感情で、死もまったく恐れていない。パワーや再生能力も上城らに比べて大きく劣っており、人間の生命エネルギーを吸わないと、すぐに飢餓状態に陥るなど、久遠夜叉としては不完全な存在である。

内蔵 (うちくら)

飛騨翔彦の仲間の天狗。右目に傷を持ついかつい男性で、翔彦と同じく町で暮らしている。不磨美人や久遠夜叉のことを異常に恐れていて、ジュニアに脅されて柊の力を試すためにトラックで彼女を襲った。襲撃は失敗に終わるが、不磨美人の力を目のあたりにして、かかわらない方がいいと翔彦に忠告。以降は柊たちと距離を置いていたが、仲間の天狗が久遠夜叉に生命エネルギーを奪われ昏睡状態になったことから、上城らと戦う決意を固める。

武田 隼人 (たけだ はやと)

正義の味方にあこがれる男子小学生。中学生にゲームのカードを脅し取られた友人の大河を励ますため、屋上の手すりの上で宙返りをしようとして失敗。転落したところを柊に助けられた。その際、柊が屋上から落ちた自分を素手で受け止めたと大河から聞かされ、彼女こそが正義のヒーローだと確信する。虐待されている祐助と萌の兄妹を助けてほしいと柊に頼む。

大河 (たいが)

武田隼人の友人の男子小学生。中学生にゲームのカードを脅し取られ、正義の味方などいないとこぼしていたが、ビルの屋上から転落した隼人を柊が超人的な能力で助けたところを目撃する。彼女こそが正義のヒーローと思い込み、虐待されている祐助と萌の兄妹を助けてほしいと頼む。

祐助 (ゆうすけ)

武田隼人や大河の友人の小学生。萌の兄。両親を亡くしたため、妹ともども叔父夫婦に引き取られた。叔父と叔母から激しい虐待を受けており、食事も満足に与えられておらず、公園で野草を取るなどして飢えをしのいでいる。妹を守るため叔父に服従しており、隼人と大河が自分たちを助けようとしていることを知りながら、駆けつけた警官に虐待されていないと証言。警察に通報した隼人たちを窮地に追いやってしまう。

(もえ)

祐助の妹。両親を亡くしたため、兄ともども叔父夫婦に引き取られた。叔父と叔母から激しい虐待を受けており、食事も満足に与えられずガリガリに痩せてしまっている。そのため、兄が採ってくれた野草で飢えをしのぐなど過酷な日々を送っている。

祐助の叔父 (ゆうすけのおじ)

祐助と萌の叔父で、二人の義理の父親。姉夫婦の子である祐助と萌を自分の子として引き取ったが、児童手当を得ることが目的で、二人には虐待の限りを尽くしている。陰湿かつ狡猾な男で、二人に対して直接的な暴力はほとんど振るわず、飢死しない程度には食事も与えているため、周囲の大人たちは虐待の事実に気づいていない。祐助の友人である武田隼人と大河が告発しようとした際にも、巧みに警察を言いくるめ、逆に二人をいじめの加害者と思わせるが、見かねた柊と白馬圭二郎に散々に懲らしめられ、恐怖のあまり改心した。

祐助の叔母 (ゆうすけのおば)

祐助の叔父の妻で、祐助、萌の義理の母親。義姉夫婦の子である祐助と萌を引き取ったが、二人に対する愛情はまったくなく、奴隷さながらにこき使うなど虐待の限りを尽くしている。しかし、夫が柊と白馬圭二郎に懲らしめられて改心したため、祐助の叔母自身も二人への虐待を止めた。

鴇岡 (ときおか)

小夜子(のちのガール)の祖父。人間離れした身体能力を誇っており、50年前に上城と戦い彼を灰にしたが、復活した上城に襲撃され絶命。死の間際に家族も殺すか、久遠夜叉の仲間になるかの二択を上城に迫られ、やむを得ず後者を選んだことから、小夜子を久遠夜叉にされてしまう。

鴇岡の娘 (ときおかのむすめ)

鴇岡の娘。小夜子(のちのガール)の母親。ガールが小夜子を装って近づいて来た際、彼女が久遠夜叉になっていることに気づいて倒そうとした。だが、娘の姿をしたガールをどうしても傷つけられず、自ら彼女に生命エネルギーを与えて絶命した。

竹中 (たけなか)

柊と白馬圭二郎が海辺の町で出会った不良少年。相棒の野口からは「さっつぁん」と呼ばれている。悪党を気取っていて、100万円が入った柊のカバンを奪うが、柊と圭二郎のことをただのビビりと勘違いし、弱い者いじめはしないという気概から、二人に荷物を返した。敵対する不良グループに野口が刺された際、柊が治癒の力を使うところを目撃。彼女を化物呼ばわりしてしまうが、回復した野口にたしなめられて謝罪した。

野口 (のぐち)

竹中とツルんでいる不良少年。竹中のことを慕っているが、柊から盗んだお金を返すよう竹中に促すなど、根っからのワルではない。敵対する不良グループに刺されて倒れた際、柊の治癒の力によって一命を取り留めたことから彼女に感謝。意識を失った柊を白馬圭二郎ともども自宅に泊めた。

偏屈なじいさん (へんくつなじいさん)

柊たちが魔物の隠れ里に向かう途中、山中で出会った人間の老人。山に来る若者のマナーの悪さを苦々しく思っており、柊たちにも悪態をつきまくるが、天狗と勘違いした柊と白馬圭二郎に優しくされ、家まで送ってもらうことになる。その際、間違って腐ったおにぎりを彼らに渡してしまうが、なにも言わずに黙って食べた圭二郎に感激。最後まで悪態をついていたが、内心では彼らに感謝していた。

(はじめ)

魔物の隠れ里に住む天狗。ふだんは老人の姿をしているが、若い娘に化けることも可能。変身した姿に精神が引っ張られるため、変身時は心身とも女の子そのものになる。里にやって来た柊を試そうとして、わざと老人の姿で悪態をつくが、柊が山中で出会った偏屈なじいさんにこき使われて苛立っていたため、彼女にいきなりぶん殴られる羽目になった。不磨美人のことは崇拝していて、なにかと柊の面倒を見るが、不磨美人の治癒の力を狙う武聖に刺されて重傷を負ってしまう。

武聖 (たけまさ)

魔物の隠れ里に住む天狗。若い男性の姿をしている。人間社会の打倒を目論んでおり、そのためには不磨美人の治癒の力が必要という考えから、柊を我が物にすべく策謀を巡らす。人間のことを露骨に見下していて、柊と共に里にやって来た白馬圭二郎を一方的にぶちのめすが、彼が本気を出していないことに気づかず、2度目の戦いでは完敗を喫した。結局、目覚めた長老の静子の妖術にかかって捕えられるが、それでも治癒の力をあきらめきれず、里を抜け出して久遠夜叉に近づこうとする。

静子 (しずこ)

魔物の隠れ里の長老。長い眠りについており、本来ならまだ30年は眠り続けるはずだったが、不磨美人の気配を感じて目覚めた。300年前に不磨美人の楓と出会ったことがあり、柊が楓の分身であると見抜き、彼女にその事実を伝えた。

石瓦 (いしがわら)

魔物の隠れ里に住む天狗。中年の男性の姿をしている。長老である静子の補佐役を務めているが、彼女が長い眠りについているため、里の長としてみんなのまとめ役となっていた。常識的かつ温厚な人物で、武聖の勝手な行動に頭を痛めているが、彼の暴走を止められずにいる。

(こん)

魔物の隠れ里に住む女の子の天狗。藍は双子の姉妹で、まったく同じ外見をしており、姉妹ともども他者の心を読む能力を持っている。武聖に協力しているが、脅されて仕方なく従っているだけで、内心では彼のことを軽蔑している。ただ、同族としての仲間意識は持っており、武聖が自分を倒した白馬圭二郎に恐れを抱いていることを見抜き、同情から彼の悪事を里の者たちに告発しなかった。

(らん)

魔物の隠れ里に住む女の子の天狗。紺は双子の姉妹で、まったく同じ外見をしており、姉妹ともども他者の心を読む能力を持っている。武聖に対しては割と協力的で、柊たちの心を読み、彼女が本当に治癒の力を持っていること、力を使うと倒れてしまうことを武聖に教える。

(かえで)

柊の本体である不磨美人。柊にうりふたつで性格も似ている。小悪魔ぶりも柊以上で、面白そうという理由だけでさまざまなウソをつき、柊や白馬圭二郎たちを惑わす。自身の分身として柊を作り出したのは7年前で、かつては幼かった彼女といっしょに山奥で暮らしていた。遠い昔に人間の子供を生んだことがあり、その血筋の行く末を見守ってきたが、すでに子孫は絶えてしまっている。そのためか生き続けることに飽きていて、不磨美人の力が尽きかけている柊に、自分の力を引き継がないかと提案する。

場所

魔物の隠れ里 (まもののかくれさと)

天狗が隠れ住んでいる里。禁断の地とされていて、たとえ同族でも外部の者が許可なく立ち入ることを禁じている。また、不磨美人には危害を加えてはならない、困っている時には手を差しのべるという掟がある。かつては鬼など天狗以外の魔物もいたが、人を極端に避けて隠れ住むうちに、どの種族も能力が衰えていったため、種族の区別はなくなってしまっている。現在は何の力も持たない人間のような者も少なくないが、今も里の者が外の世界で生きることを禁じているため、一部の者は不満を抱いている。

その他キーワード

不磨美人 (ふまびじん)

究極生命といわれる不老不死の存在。久遠夜叉である上城やジュニアからは「ウルティマーテ」と呼ばれている。一般的には雪女として知られていて、他者の熱や生命力を奪う力を持つ。さらに、自身やほかの者の傷を癒す治癒の力を有しており、ふだんは黒髪だが、不磨美人の能力を発揮すると髪が真っ白になる。女性だけの種族だが、他種族とのあいだに子をなす能力を持ち、人間の子供を産むことも可能。自身の分身を作ることも可能で、生きることに飽きると、その分身に不磨美人としての力を継承。疑似的に生まれ変わり、古い記憶を遠くに追いやることで悠久の時を生きている。魔物の頂点に立つ存在として天狗たちに恐れられると同時に崇め奉られているが、久遠夜叉からは敵とみなされている。

久遠夜叉 (くおんのやしゃ)

不磨美人と同じ不老不死の生命体。不磨美人とは敵対関係にある。いわゆる吸血鬼に近い存在で、他者の血を吸って生命力を奪うことが可能。再生能力も飛び抜けていて、全身を塵にされても復活することができる。ただし、不磨美人の血は毒で、体内に入ると身体の再生が阻害される。神の回路と呼ばれる器官を体内に有しており、この器官を手に入れた者は不老不死の力と太古からの久遠夜叉の意志を得るが、受け継ぐ前の人格や記憶は完全に失われてしまう。ただ、子供が久遠夜叉となった場合、やはり元の人格は消え去ってしまうが、なぜか夜叉の意志には支配されない。

天狗 (てんぐ)

魔物の種族の一つ。かつては鬼などほかの種族も存在していたが、現在では魔物全体の力が薄まっており、種族の違いがほぼなくなっていることから、実質的には魔物の総称となっている。寿命は約200年で、人間をはるかにしのぐ身体能力を誇っており、他者に変身したり相手の心を読むといった特殊な能力を持つ者も存在する。変身できる姿は一つだけで、一度変身するとほかの姿に化けることはできなくなるが、元の姿に戻ることは可能。人間社会に潜む者と魔物の隠れ里で暮らす者がおり、外部に住む者は無許可での里への立ち入りを禁じられている。不磨美人や久遠夜叉を特別な存在として恐れているが、一方で不磨美人のことを崇め奉っている。

神の回路 (しるくーいっと)

久遠夜叉が体内に持つ器官。上城らは「シルクーイット」と呼んでいる。不老不死の力の源で、この器官を得た者は太古からの夜叉としての意志を引き継ぐが、その代わり元の人格を完全に失う。実態のない器官で、物理的に破壊することは不可能。他者に引き継ぐ際には所有者の意志が必要となるため、無理矢理奪うこともできない。

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