ZOMBIE-LOAN

ZOMBIE-LOAN

人の首に浮き出る黒い輪を見ることでその人間の死期がわかる少女紀多みちるはゾンビをめぐる事件に巻き込まれ瀕死の重傷を負うが、その能力を見込んだゾンビを狩ることを生業とする赤月千佳と橘思徒に見込まれ生還、以後彼らが働くZローンで活動することになる。2人の美少年のスタイリッシュな活躍と葛藤を、臆病な少女の目を通して描くアクション作品となっている。

正式名称
ZOMBIE-LOAN
ふりがな
ぞんびろーん
作者
ジャンル
オカルト
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概要・あらすじ

紀多みちるは、幼少のころから死期の近づいた人間の人の首筋に浮かぶ黒い輪が見える体質だった。そのことと両親の死をきっかけにふさぎがちな学校生活を送っていた彼女はある時、町で起こったゾンビ事件によって瀕死の重傷を負うが、同級生の赤月千佳橘思徒によって一命を取りとめる。彼らはゾンビを狩ることで報酬を得て、生を取り戻そうとするゾンビだった。

彼らに導かれ、金銭で生命を取り扱う組織Zローンに加わったみちるは、千佳と思徒をはじめとするZローンの面々とともにゾンビを狩る生活を送るようになる。ゾンビ狩りを続けるなか、対抗組織Aローンとの抗争もはじまり、ゾンビをめぐる戦いは混迷をきわめていく。

登場人物・キャラクター

紀多 みちる (きた みちる)

生まれつき、死期の近づいた人間の首筋に浮かび上がる黒い輪が見える体質の少女。ゾンビによって瀕死の重傷を負うが、その能力をゾンビの追跡、あぶり出しに有用と考えた赤月千佳、橘思徒らによって救護される。幼少時に両親を亡くし、遺産目当ての親戚に育てられ、友人には使い走りにされるなど、周囲に流されやすく自分の命にもあまり執着していなかったがこの一件で“生きていたい”という気持ちを認識した。 その後は非常識な人物の多いZローンの良心として活動を始める。ごく普通の一般人であるはずだが、前述の能力のほかにも超常の力を発現することがある。

赤月 千佳 (あかつき ちか)

物語の始まるしばらく前に大事故にあい、奇跡的な生還を果たしたとして話題になっていた少年。直情的でわがままな性格だが、女子生徒にはそれもワイルドさと映り、報道で“少年B”と呼ばれたため“Bくん”とあだ名されている。実際は生還したわけではなくZローンとの契約でゾンビになっており、社会に害をなすゾンビを狩ることで対価を得て、いずれ生を取り戻すことを目的としている。 肉体を復活させる際に手違いで橘思徒の右手をつけられており、彼と近くにいないと右手首が腐り落ちるようになってしまっている。ゾンビを狩る際、お互いの手首を交換することで真の力を発揮し、エクトプラズムから日本刀を生み出して武器とする。

橘 思徒 (たちばな しと)

赤月千佳同様、物語の始まるしばらく前に大事故にあい、奇跡的な生還を果たしたとして話題になっていた少年で、千佳が“Bくん”と呼ばれるのに対して彼は“Aくん”と呼ばれる。千佳に比べると冷静だが、計算高く腹黒い性格をしている。知的な容貌だがパソコンやインターネットのことを何も知らなかったりと、抜けている一面を見せることもある。 ゾンビになる際、千佳の右手首を誤ってつけられており、自分のものと交換することでエクトプラズムで拳銃を作り出して使用する。

由詩 (ゆうた)

Zローンに所属している少年。事務所でさまざまな業務についており、よく電話で何者かに恫喝的な借金返済を迫っているほか、お茶くみなどの雑務もこなしている。本人もゾンビであり、エクトプラズムの包帯を作り出し、それで他者の傷をいやすことができる。グロテスクなものが大好き、両手をそれぞれ狐のかたちにして、それを友達だと言い張るなど、見た目は美少年ながらエキセントリックなところの多い人物。

鼈甲 (べっこう)

Zローンの経営者。長く髪を伸ばし、やつれた表情を浮かべた不健康そうな見た目の青年。金と引き換えに死者をゾンビとして復活させることができる。ローン経営者だけに金にうるさく、金があれば何でもできるというような言動が多く見られる。あの世にある人の運命をつかさどる組織WFOに所属しており、ゾンビである赤月千佳たちからは彼岸人とも呼ばれる。

久世 霜月 (くぜ しもつき)

紀多みちるらが通う黒羽学園の理事長。地位に見合わずゴスロリ服に身を包んだ幼い少女で年齢は不詳。死の淵から蘇り、生きる意志を見出して家出したみちるのためにゾンビ関係者だけが入れる寮を紹介するなど、陰に日向にZローンをサポートしている。レトロゲームが趣味で、みちると初めて顔を合わせた時は「ポートピア連続殺人事件」で遊んでいた。

宵町 暦 (よいまち こよみ)

紀多みちるよりも先に黒羽学園の寮生となっていた女子生徒。人懐こい性格で、すぐにみちるとも友達になる。炭酸飲料で酔っぱらう体質をしており、意識がなくなっている間は彼女に封じられた別人格のヨミが顕現することがある。元々巫女の血筋にあったがヨミを宿したことで幽閉されていた過去を持つ。

ヨミ

宵町暦のなかに封じられているもう1つの人格。女好きの男性であり紀多みちるの前で初めて顕現した際は、酔った暦のふりをして彼女に迫った。ヨミが現れている時だけ暦は(本人は意識のないうちに)“死者の舌”という力を使うことができ、予言やいわゆる“イタコの口寄せ”のような行為ができるため赤月千佳らは情報収集のため、みちるを使ってヨミを呼び出すことも多い。

芝 怜一朗 (しば れいいちろう)

赤月千佳の友人。非常に聡明かつ好奇心の強い人物でゾンビに遭遇しても動じない。そこを鼈甲に見込まれZローンでアルバイトを始める。実際は、聡明がゆえにこの世に退屈して自殺しゾンビとして復活していた存在で、Zローンに属しつつ、その裏では“蝶”のコードネームでゾンビを生み出していた。

薄荷 (はっか)

人の運命をつかさどる組織WFO内で発生したアカシックレコード改革委員会のリーダーで紀多みちるたちの町にゾンビを生み出している首謀者の1人で、いわゆる“彼岸人”でもある。オネエ言葉でしゃべるオカマで、持って回った言い回しで腹を読ませない。鼈甲と対立してAローンを設立した。

葬儀屋 (そうぎや)

Zローンと契約しているゾンビ。葬儀屋は彼の職業であり、本名などは不明。生活に困窮しているらしく、返済期日が迫るとZローンにやってきて土下座をして許しを請うている姿が見られる。以前はゾンビ狩りをすることを拒んでいたがAローンとの抗争などを機に、エクトプラズムで作った数珠を武器に戦うようになる。 男手ひとつで娘を育てているシングルファーザーでもある。

老爺 (らおいえ)

中国の裏社会に君臨する非合法組織徐福の頭領。かつて橘思徒の母千鶴に恋心を抱くが拒絶されたため、彼女の一族を惨殺し、そのことを悲しんだ千鶴が自害すると、禁忌の術を持って彼女を蘇らせる。以後、200年にわたって思徒の血を取り入れることで生き長らえている。鼈甲に反感を抱いた思徒が紀多みちると共に香港を訪れた際、思徒の肉体を乗っ取ろうとしたが失敗し、消滅する。

集団・組織

Zローン (ぜっとろーん/ぞんびろーん)

『ZOMBIE-LOAN』に登場する企業。金銭などの対価と引き換えに死者に生命を与えてゾンビと復活させている。ゾンビとしての復活には、人の命運をつかさどる力をもった“彼岸人”の存在が不可欠でZローンでは鼈甲がその力を持っている。後に同じく彼岸人の薄荷が作ったAローンと対立するが勝利し、Aローンの人員を仲間にすることに成功する。

Aローン (えーろーん/あらいぶろーん)

『ZOMBIE-LOAN』に登場する企業。“彼岸人”である薄荷が鼈甲に対抗して作り上げた。Zローンよりも契約しやすい代わりに、契約したゾンビは相応のリスクを背負うになる。作中には犬走全、当麻兎子、鶫修司の3名がAローンと契約してゾンビとなりZローンと戦った後、全員がZローンに加入した。

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