機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles

機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles

テレビゲーム「機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles」をコミカライズした作品。この作品が夏元雅人にとって初となる「ガンダム」シリーズ作品で、以後同シリーズ作品を多数手掛けるようになった。夏元雅人の別作品『機動戦士ガンダム外伝 宇宙、閃光の果てに…』のキャラクターも少しだけ登場している。原作は矢立肇と富野由悠季、シナリオは基となったゲーム制作にも関わったスタジオオルフェの千葉智宏が担当。「ガンダムエース」No.005~009、特別号、'03年6月号、'04年3月号で連載された。

正式名称
機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles
ふりがな
きどうせんしがんだむせんき ろすと うぉー くろにくる
原作者
矢立 肇
原作者
富野 由悠季
作者
シナリオ
ジャンル
ロボット
レーベル
カドカワコミックス・エース(KADOKAWA)
巻数
既刊2巻
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概要・あらすじ

宇宙世紀0079、地球連邦軍とジオン公国軍との間に起こった戦争は、巨大人型ロボット「モビルスーツ」(MS)による戦闘が主軸となっていた。開戦当初からMSを運用していたジオン公国軍と違って地球連邦軍にはMS運用のノウハウが圧倒的に不足していた。そこで地球連邦軍は実戦でデータ収集を行う特殊部隊を設立を決定。その特殊部隊の隊長となったマット・ヒーリィは、世界各地で敵部隊の排除や味方戦艦の護衛など厳しい実戦をこなしていく。

登場人物・キャラクター

マット・ヒーリィ (まっとひーりぃ)

地球連邦軍のMS特殊部隊第三小隊に所属する男性軍人。階級は中尉で、部隊の隊長を務める。コールサインは「デルタ・Ⅰ」。高い判断力と柔軟な発想力、優れたモビルスーツ操作技術を持ち、常に仲間のことを考えながら戦う。また「今の戦争は長くは続かないので、流さなくていい血なら流さないほうがいい」という考えを持っており、敵であっても不要な戦闘や破壊工作はしない。

ラリー・ラドリー (らりーらどりー)

地球連邦軍のMS特殊部隊第三小隊に所属する男性軍人。階級は少尉で、コールサインは「デルタ・Ⅱ」。開戦当初は戦闘機「セイバーフィッシュ」に乗って多大な戦果を挙げたエースパイロット。モビルスーツに乗っても射撃の腕は変わらず、長射程の武器で敵を撃墜し続ける。クールで落ち着いた性格だが、根はけっこういい加減。また仲間思いの頼れる兄貴分的な面を見せることもある。

アニッシュ・ロフマン (あにっしゅろふまん)

地球連邦軍のMS特殊部隊第三小隊に所属する男性軍人。階級は曹長で、コールサインは「デルタ・Ⅲ」。以前の戦闘でモビルスーツ(MS)の脅威を目の当たりにし、その後にMSパイロットに志願。MSの操作技術だけでなく、状況判断も高くて戦略家としても優秀。また明るく陽気な性格をしており、部隊のムードメーカーでもある。

ノエル・アンダーソン (のえるあんだーそん)

地球連邦軍のMS特殊部隊第三小隊に所属する女性軍人。階級は伍長で、マット・ヒーリィたちをサポートする戦闘オペレーター。元士官候補生であり、宇宙戦艦の艦長を務める父親を戦争で亡くしている。モビルスーツ戦術論に長け、士官学校時代に提出した論文がジョン・コーウェン准将の目に止まり、さらにノエル・アンダーソンが実戦参加を熱望したためMS特殊部隊第三小隊に配属となった。

アニー・ブレビッグ (あにーぶれびっぐ)

地球連邦軍のMS特殊部隊第三小隊に所属する女性軍人。階級は上級兵で、マット・ヒーリィたちが乗るモビルスーツ(MS)を整備するメカニック。思ったことをそのまま口にするはっきりとした性格で、機械いじりが生き甲斐。地球連邦軍がMSを導入することを予見して、コロニー公社への内定を蹴って軍属となる。さらに敵側の新鋭機が見られるかもしれないという好奇心から前線で戦うMS特殊部隊第三小隊に志願した。

レーチェル・ミルスティーン (れーちぇるみるすてぃーん)

地球連邦軍の女性軍人。階級は中尉。ジョン・コーウェン准将の部下としてマット・ヒーリィたちMS特殊部隊第三小隊へ送る補給物資の指揮を執る。少々おっとりとした性格だが、才色兼備の優秀な軍人。

ケン・ビーダーシュタット (けんびーだーしゅたっと)

ジオン公国軍のMS特務遊撃隊に所属する男性軍人。階級は少尉で、コールサインは「レッド・Ⅰ」。仲間のことを考えながら戦い、常に部隊の生還を心がけている。物静かで近寄りがたい雰囲気があるが、軍規と理想の狭間で悩む人間味溢れる一面もある。しかし地球連邦軍の攻撃でユウキ・ナサカトが死亡すると、地球連邦軍に復讐を誓う鬼となる。

ガースキー・ジノビエフ (がーすきーじのびえふ)

ジオン公国軍のMS特務遊撃隊に所属する男性軍人。階級は曹長で、コールサインは「レッド・Ⅱ」。ケン・ビーダーシュタットをあらゆる面でサポートする縁の下の力持ち的存在。開戦当初からさまざまな戦場を渡り歩き、危険な任務をこなしてきた猛者でもある。

ジェイク・ガンス (じぇいくがんす)

ジオン公国軍のMS特務遊撃隊に所属する男性軍人。階級は軍曹で、コールサインは「レッド・Ⅲ」。地球に嫌悪感を持ち、常にノーマルスーツを着用している。ガースキー・ジノビエフとは数々の戦場を一緒に戦い抜いた相棒同士。軽めな性格をしており、自分の半分の年齢であるメイ・カーウィンと口喧嘩することが多い。

ユウキ・ナカサト (ゆうきなかさと)

ジオン公国軍のMS特務遊撃隊に所属する女性軍人。階級は伍長で、オペレーターとしてケン・ビーダーシュタットたちをサポートする。ケンとガースキー・ジノビエフがいない時に地球連邦軍に野営地を襲撃され、メイ・カーウィンを守って命を落とす。

メイ・カーウィン (めいかーうぃん)

ジオン公国の名家出身の少女。14歳の若さでソフトウェア系のエンジニアとして一流の腕を持つ。ジオン公国内の派閥争いに巻き込まれ、民間人でありながら強制的に軍に編入させられることとなり、地球上でジオン公国軍の新型モビルスーツ「ドム」の整備に協力。その部隊が戦闘で壊滅したことで、MS特務遊撃隊へ転属となった。

ダグラス・ローデン (だぐらすろーでん)

ジオン公国軍のMS特務遊撃隊司令を務める男性軍人。階級は大佐で、数々の作戦を成功に導いた優秀な司令官。ケン・ビーダーシュタットをMS特務遊撃隊にスカウトした人物でもある。

ジェーン・コンティ (じぇーんこんてぃ)

ダグラス・ローデンの秘書官を務める女性軍人。階級は大尉。軍からはダグラスを監視する命令を受けているが、ジェーン・コンティはダグラスに肩入れする。頭脳明晰で秘書官としては非常に優秀。

デュシャン・ロートン (でゅしゃんろーとん)

戦争が始まる2か月前に、マット・ヒーリィが休暇中に訪れたオーストラリアのシドニー郊外で出会った地質学者の男性。ジオン公国から地球に地質調査のために来ていたところ、ジオン公国のスパイと勘違いされ現地の人間に暴行を受ける。そこへ通りかかったマットに保護され、監視役となったマットと行動をともにする。

集団・組織

MS特殊部隊第三小隊 (えむえすとくしゅぶたいだいさんしょうたい)

モビルスーツで実戦を行い、データを収集することを目的に設立された部隊。活動範囲は世界全域で危険な任務に就くことも多かったため、「実験部隊」とも呼ばれている。

MS特務遊撃隊

ジオン公国軍の特殊部隊の1つ。派閥争いで劣勢側に所属するダグラス・ローデンが司令を務めることや、ジオン公国の国籍を持たないケン・ビーダーシュタットが隊長なため周囲から不当な扱いを受けることが多い。

その他キーワード

ガンタンク

地球連邦軍が「V作戦」で試作したモビルスーツ。両肩に長射程の大砲を備え、下半身はキャタピラを履いている。MS特殊部隊第三小隊に1機配備され、ラリー・ラドリーが搭乗して敵を何機か撃墜する。

陸戦型ガンダム (りくせんがたがんだむ)

MS特殊部隊第三小隊に配備された地球連邦軍の新型モビルスーツ。マット・ヒーリィが搭乗して、オデッサやジャブローなど数々の激戦を戦い抜く。

ドム

ジオン公国軍の新型モビルスーツ。熱核ジェットによるホバー移動が可能で、それまで運用されてきた通常歩行形式のMSを大きく上回る機動性を誇る。

ゲルググ

戦争末期に開発されたジオン公国の新型モビルスーツ(MS)。メイ・カーウィンの実家がメイのために地球に送り、メイと同じ部隊のケン・ビーダーシュタットが搭乗。ビームを撃てる銃器を装備した高性能機で、ケンのMS操作技術もあって地球連邦軍に多大な損害を与えた。

クレジット

書誌情報

機動戦士ガンダム戦記 Lost War Chronicles(完全版) 2巻 KADOKAWA〈カドカワコミックス・エース〉

第1巻

(2005-09-20発行、 978-4047137608)

第2巻

(2005-09-20発行、 978-4047137615)

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