回転銀河

回転銀河

高校生たちの日常生活と恋愛模様をメインに描いたオムニバスストーリー。主に高校が舞台となり、ある話で脇役だった人物が、別の話では主人公となるように、少しずつリンクさせながら物語は紡がれる。友情や日常生活をテーマにした作品や、番外編も収録。揺れ動く高校生達の気持ちを細やかに描いたシリーズ。

正式名称
回転銀河
ふりがな
かいてんぎんが
作者
ジャンル
恋愛
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概要・あらすじ

療養のために家族と離れ、2年ぶりに実家に戻ってきた樫本衿子。そこで見違えるほど成長していた弟の樫本晴明にときめいてしまい、思い悩むように。姉弟の危うい恋愛の行方を描いた作品を皮切りに、多くの高校生達の様々な恋愛が描かれる。

登場人物・キャラクター

樫本 衿子 (かしもと えりこ)

相良第二高校の3年生(初登場時)。療養のために家族と離れ、祖母の家で生活していた。2年ぶりに実家に戻り、成長した弟の樫本晴明を「男の子」として意識するようになってしまう。黒髪でサラサラのセミロングヘア。実の弟への恋愛感情をどうしていいのかわからずに悩む。血の繋がった姉弟でも『赤毛のアン』のマシュウとマニラのように、樫本晴明とずっと一緒にいられたらと願っている。

樫本 晴明 (かしもと はるあき)

相良第二高校の1年生(初登場時)。水泳部に所属し、塩素で髪の毛の色が抜けて茶髪のようになっている。背が高く、目立つ。小学5年生のころ姉である樫本衿子にキスをして胸をさわったことがあり、自分だけの秘密にして苦しんでいる。実姉の樫本衿子のことが好きだが、そのぶん冷たく対応してしまう。 同じクラスの池上征司と仲が良い。

(いずみ)

相良第二高校の3年生(初登場時)。背が低く、ノリの良い三枚目。バスケ部に所属し、後輩からも愛されている。昔樫本衿子と付き合っていた。再会した樫本衿子のことが再び気になりはじめるが弟の樫本晴明への想いを知り、複雑。道徳的な性格で、脇役キャラを自認している。

池上 征司 (いけがみ せいじ)

相良第二高校の1年生(初登場時)。バスケ部所属。バスケが抜群にうまく、先輩からも一目置かれている。背が高く、クール。人にこびることなく、先輩である泉に失礼な発言をしたり、周囲をヒヤヒヤさせている。本当は自分と正反対の存在である泉に好意をもっている。恋愛にのめりこんで、それだけになってしまう人間を嫌っており、自分はそうならないと決めている。

篠田 恭子 (しのだ きょうこ)

相良第二高校の2年生(初登場時)。胸をさわられるチカンにあったこともあり、胸が大きいことや女性らしい一面を隠そうとする。眼鏡をかけ、きっちり細い三つ編みにするなど地味に装っている。男嫌いで潔癖。ハッキリものを言い、嫌いな人間には特にキツい性格。親友の須磨巴が大好き。須磨巴のファンの女の子たちを仕切っている。 同じクラスの守口真悟を嫌っている。

須磨 巴 (すま ともえ)

相良第二高校の2年生(初登場時)。女子バスケ部員。背が高くスレンダー。ショートカットで爽やかなルックスから「王子様」と呼ばれ、女の子のファンも多い。しかし性格は細やかで女性的な優しさをもっている。池上征司のことが好き。篠田恭子の良き理解者。

守口 真悟 (もりぐち しんご)

相良第二高校の2年生(初登場時)。お調子者で下ネタ好き。友達が多く、いつも騒いで盛り上がっている。冷静な篠田恭子とは犬猿の仲だが、教室でひとりで泣いている姿を見かけてから気になってしまう。須磨巴から「気になるのは恋だから」と気付かされ、嫌われながらも篠田恭子に猛アタックを開始。

鈴木 宵子 (すずき よいこ)

相良第二高校の1年生。須磨巴のファン。一緒に下校していた親友に彼氏ができてから、一人で帰るように。寄り道を日課にしていたある日、無邪気な小宮山健二と出会い、惹かれていく。

小宮山 健二 (こみやま けんじ)

相良第二高校の1年生。鈴木宵子のクラスメイトだが、一度も登校していない。尊敬していた優秀な兄が突然海外に行ってしまい、その影響から「自分が何をしたいのか」を真剣に考えるようになる。そして高校を辞め、兄の元へ旅立つことを決めた。鈴木宵子に誘われ、旅立つ当日に最初で最後の登校をする。

市川 環 (いちかわ たまき)

相良第二高校の1年生(初登場時)。天野兄弟を初めて見た時、その美しさに衝撃を受け、悪い噂ばかりを耳にしながらも、気になる存在に。黒髪ロングヘアで、キリッとした雰囲気の美人。女子のベタベタした付き合いが嫌いで、クラスで浮いている。一時期のみ天野兄弟の声にそっくりな先輩と、恋愛ごっこを楽しむ。

天野 優 (あまの すぐる)

相良第二高校の2年生(初登場時)。双子の天野賢の兄。二人はそっくりでモデルのような美しい外見をしており、同じように頭が良く、自信過剰で他人を見下すような利己的な性格をしている。女子にモテるが、いつもヒドい振り方をしている。二人一緒に天野兄弟と語られる、校内の伝説的な存在。和倉千絵を気に入り手芸部に顔を出すなど、なにかとちょっかいを出すようになる。 しかしプライドから和倉千絵が好きな自分を認められない。

天野 賢 (あまの まさる)

相良第二高校の2年生(初登場時)。双子の天野優の弟。二人はそっくりでモデルのような美しい外見をしており、同じように頭が良く、自信過剰で他人を見下すような利己的な性格をしている。女子にモテるが、いつもヒドい振り方をしている。二人一緒に天野兄弟と語られる、校内の伝説的な存在。和倉千絵のクラスメイト。 柴原彬子と出会い、初めて本当の恋を知る。恋愛に本気にならないと決めていた天野優と、初めて価値観が異なってくる。

和倉 千絵 (わくら ちえ)

相良第二高校の3年生。黒髪でワンレンボブ。見た目にはごく普通の地味系な女子高生。帽子作りが趣味で手芸部に入っている。元サッカー部のマネージャー。文化祭で展示した帽子がきっかけで天野兄弟から興味をもたれる。天野兄弟に反発しながらも、存在が気になってしまう。ニュートラルなものの見方ができ天野兄弟に対しても劣等感をもたずに接する。 手芸部にやってくる天野優を好きになり、ファーストキスを奪われる。

柴原 彬子 (しばはら あきこ)

慶安女子の元ミス慶女で、皆の憧れの存在だった。しかし父親の使い込みで会社が倒産し慶安女子を退学。パン屋でバイトをしていている。高校を辞めてから、プライドから解放され、自由になったと感じている。当初天野賢は柴原彬子のことを「墜ちたお嬢様」として興味をもっていたが、徐々にその生き方・彼女自身に惹かれていく。

中原 (なかはら)

就職浪人の末、親戚のコネで慶安女子の教師になり、周囲の男友達から羨ましがられている。女子高で若い男性の先生が少ないため、教師仲間にからかわれたり、一部の女子生徒からファンになられたりと気苦労も。生徒会の副顧問。紺野沙季が気になり、卒業式の日に告白する。

紺野 沙季 (こんの さき)

慶安女子の2年生(初登場時)。成績優秀でクールな一匹狼タイプだが、柴原彬子とは中学時代からの親友。彼女のことを密かに想い続けている。保健室で眠っていた柴原彬子にキスするところを中原に目撃される。カトレアの花のようなオーラをもつ。柴原彬子の退学後、その穴を埋めるように、積極的に人と関わりはじめる。

阿部 貴美 (あべ たかみ)

相良第二高校の1年生(初登場時)。小中高と女子バレー部に所属。ショートカットで背が高く、さっぱりした気質。皆に頼られる姉御肌。クラス委員を任されたり、人の輪の中心になることが多い。1年時市川環のクラスメイトで、クラスが変わった2年生から仲良しに。

和弥 (かずや)

大学院生。樫本衿子と、大学で偶然出会う。葛西武夫の義理の娘。高校時代まで作家の母と二人暮らしだった。葛西武夫は元担任で、初恋の人。母は葛西武夫と入籍後、すぐに事故で亡くなる。血の繋がらない葛西武夫との二人暮らしを親戚が反対するが、突っぱねる。しかし葛西武夫への想いを押さえきれなくなってしまう。

葛西 武夫 (かさい たけお)

和弥の義父で、高校時代の元担任。和弥の九才年上。和弥の母が亡くなったあと、周囲から反対されながらも和弥を家族として支えようとする。しかし日増しに強くなる和弥からのアプローチに困惑し、悩みはじめる。

櫻井 美子 (さくらい よしこ)

相良第二高校の3年生。一人娘として両親に愛されて育つ。目が小さく、おかっぱで大きな眼鏡をかけている。自らを地味でダサいと考えており、周囲に気を遣ってしまう。手芸部の部長。同級生の和倉千絵と、一年生の後輩の計三人で被服室で活動している。レース編みが得意。天野優に、お茶を出すのが密かな楽しみ。

周防 貴大 (すおう たかひろ)

小さい頃、身長が低く体力もなかったことから、人見知りな性格に。仲間から子分キャラにされることも多かった。姉の友達で、背が高く大人っぽいミチルが、自分を対等に扱ってくれたことが嬉しく、慕うように。高校のチャラ男時代を経て、大学時代に姉の友達の結婚式をきっかけにミチルと再開。かつて「アニキ」と慕ったミチルを、女性として意識しはじめる。

ミチル

小さい頃から背が高くすらりとしたスタイル。幼い日の周防貴大のヒーローであり「アニキ」と呼ばれ、尊敬されていた。バッグ作りが趣味。周防貴大がバイト先の出版社に紹介し、雑誌の特集記事としてバッグを紹介してもらう。以後、その道で生活をするように。周防貴大と親しく付き合うなかで告白されるが、恋人として見ることができない。

松崎 純也 (まつざき じゅんや)

相良第二高校の2年生(初登場時)。イケメンで、なにごともソツなくこなすことができる自信家。親の転勤で転校も多かったため、人見知りもしない。サッカー部に所属し、レギュラーで活躍。天野兄弟と出会い、意識しはじめる。やがて髪型や持ち物も真似するように。三年生になって天野優と同じクラスになり、友達になろうと努力するが、無視され続ける。

鷺沢 玲香 (さぎさわ れいか)

慶安女子のミス慶女。正当派の清楚系美人。江梨奈の親友で、お姉さん的な存在。天野賢と付き合っており、デート中に憧れの先輩だった柴原彬子と偶然出会う。

江梨奈 (えりな)

慶安女子のミスナンバー2。ゆるくパーマのかかったロングヘアで、目の大きな美少女。わがままで甘えん坊でもある。天野優と付き合っているが、冷たい態度に愛情を感じられず、不安を抱いている。親友の鷺沢玲香のために、小一で辞めたピアノを轡田に習い始める。厳しい轡田が嫌い。

轡田 (くつわだ)

音大の優秀な生徒。黒髪で、細身の眼鏡をかけている。マジメで丁寧な口調だが、自分にも他人にも厳しい性格。甘えた人間が嫌い。音大の理事である江梨奈の叔母の紹介で、江梨奈に週一度ピアノの個人レッスンを行う。幼稚な江梨奈を嫌っているにもかかわらず、気になってしまう。

集団・組織

相良第二高校 (さがらだいにこうこう)

『回転銀河』に登場する高校。共学の県立高校。制服は男女共にブレザーにネクタイ。守口真悟が、嫌われていた篠田恭子に振り向いてもらったことをきっかけに、成功率の低いことにあえて強気でチャレンジすることを「ミラクルを起こす」と呼ぶブームが起きる。

慶安女子 (けいあんじょし)

『回転銀河』に登場する高校。お嬢さま私立女子校として有名。「慶女」は男性の憧れの代名詞でもある。制服は襟付きのワンピース。毎年「ミス慶女」を決めるコンテストがある。

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