海の闇、月の影

海の闇、月の影

小早川流風と小早川流水は双子の姉妹。ある日、古墳にて特殊なウイルスに感染したことから超能力を得、当麻と世界を巡って、戦いを繰り広げる。

正式名称
海の闇、月の影
ふりがな
うみのやみ つきのかげ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

小早川流風小早川流水は双子の姉妹。ある日、古墳にて特殊なウイルスに感染したことから超能力を得た。ウィルスの抗体を持つ流風は、恋人である当麻と世界を守り、ウィルスの感染源となれる流水は、恋を諦めきれずに当麻を追いながら、世界を自分の支配下に置こうと暗躍する。研究者ジーンと出会った二人は、一時手を組み、彼から自分達のウィルスを血清等に出来るアンプルを奪おうとする。

流風の手でジーンは殺されるが、アンプルはなくなり、処方箋はバラバラにされ、伝書鳩によって五人の手に渡った。流風と流水は処方箋を求めて日本を巡り、それぞれ二枚と三枚得た。最後に流風と流水は一騎打ちをし、流風が勝利をおさめ、流水は彼女の手で殺された。

登場人物・キャラクター

小早川 流風 (こばやかわ るか)

流水の双子の妹。当麻に憧れて陸上部に入った。当麻から告白を受けるが、姉の流水に遠慮して逃げてしまった。3年生卒業追い出しハイキングにて、流風達と共に古墳でカビ臭い空気を吸い込み、昏睡。目覚めた後、超能力(空中浮遊や壁ぬけなど)に目覚めた。能力は月齢に比例し、満月では強い力を出せるが、新月はほぼ普通の人と同じ状態になる。 当麻への想いをあきらめきれない流水から、執拗に超能力を使った攻撃を受ける。当麻と自分たちの変化の理由について調べ、古墳から現れた謎の細菌により超能力を生じたのではないかという仮説を立てた。一時、当麻の家族に受け入れてもらい、平穏な時間を過ごすことが出来たが、流水が隆以外を皆殺しにしてしまった。 当麻の父母の葬儀でジーンと出会い、彼が細菌について助力できると言うことを信じたが、ジーンは流水と手を組んだ。城惺学園に転校したことを知り、理事長に直談判に向かうが、すでに流水の支配下に置かれていた。流水を殺すため、彼女と工事中のビルで一騎打ちをし、とがった木の棒で流水を貫いた。 ジーンに傷を手当てしてもらうが、当麻を殺したと思いこみ、彼に殺意を向ける。ジーンが作り出した、治療薬にもなるアンプルを巡って、一時、流水と手を組み、豪華客船でジーンを殺してしまうが、流水に出し抜かれてしまう。その後、ジーンが放ったアンプルの情報をつけた五羽の伝書鳩を追って、当麻と共に、真琴、水凪達の元を巡った。 今日子の元で、これ以上当麻に迷惑をかけないため、彼と別れて残りの処方箋を探すようになる。真由夏の元で犬のシンと出会い、行動を共にするようになる。鳩の持ち主を追っていく中で、ヨハン達と出会い、当麻達と再会する。 ヨハン達と対抗するために、流水と手を組み、彼らを倒した。その後、検察庁に保護されるが、流水が警察関係者を殺し、逃走。厳戒態勢の中、最後の決着をつけるために地元へと向かう。ジーンの血で能力を強化した流水が優勢かに見えたが、月食が始まり、流水が強化した分、先に能力を失ったため、流風が勝利。 銃で流水の頭を打ち抜き、決着をつけた。

当麻 克之 (とうま かつゆき)

陸上部に所属。県下随一のスプリンター。流風のあこがれの人。流風と流水を見分けることが出来、流風を愛している。流水を裏切りたくないと、臆病な様子の流風にアプローチをする。流水が流風を殺そうとするたび、彼女を助けた。知り合いの陸上部員岡部達から、流水がジーンと手を組み、城惺学園に転校したことを知らされ、流風と共に学園へ向かった。 流水の血から抽出したウィルスの注射は阻止できなかったが、流風の血を貯水槽に落とし、数人の感染を防いだ。しかし、それに気づいたジーンが感染しなかった生徒を体育館に集めて爆破。同校の陸上部員岡部・内海に助けられて、間一髪生き延びた。 その後も流風と共に逃避行を繰り広げる。ジーンの死後、流風と共に、彼の放った伝書鳩を追いかけ、真琴、水凪達の元を巡った。今日子と再会した後、流風から別れを切り出され、しばらく単独行動をしながら、今日子の父や検察庁に、流風達の情報を伝えて協力者を増やした。 ヨハンを追って来たところで、流水と流風と再会、彼らを倒した二人を保護した。

小早川 流水 (こばやかわ るみ)

流風の双子の姉で、当麻に思いを寄せていたが、流風へ当麻が告白したのを目撃し、彼女に譲ると言った。3年生卒業追い出しハイキングにて、流風達と共に古墳でカビ臭い空気を吸い込み、昏睡。その後目覚め、超能力(念動力、壁ぬけ、空中浮遊など)を得た。能力は月齢に比例し、満月では強い力を出せるが、新月はほぼ普通の人と同じ状態になる。 当麻を諦めきれず、流風に執拗な嫌がらせを繰り返し、当麻の家族も殺した。当麻の父母の葬儀でジーンと出会った流風により呼び出され、彼が細菌について知っているかもしれないと伝えられる。ジーンと結託し、城惺学園に転校、理事長に感染させて支配下に置いてから、予防注射と称して生徒達にウィルスを接種させた。 流水を殺すために現れた流風と、工事中のビルで一騎打ちをし、メスで流風を貫いた。一時流風と手を組み、ジーンからアンプルとその処方箋を奪おうとするが、失敗。ジーンの死後、彼の放った伝書鳩を追いかけ、真琴、水凪達の元を巡った。 水凪に惹かれるも、自らの手で殺した。真由夏とシン、その他の鳩の持ち主を追っていく中で、ヨハン達と出会い、当麻達と再会する。ヨハン達と対抗するために、流風と手を組み、彼らを倒した。その後、検察庁に保護されるが、流水が警察関係者を殺し、逃走。厳戒態勢の中、最後の決着をつけるために地元へと向かう。 ジーンの血で能力を強化した流水が優勢かに見えたが、月食が始まり、流水が強化した分、先に能力を失ったため、流風が勝利。流水は銃で頭を打ち抜かれ、死亡した。

ジーン・アルバート・ジョンソン (じーんあるばーとじょんそん)

長い金髪の青年で、国籍は英国。当麻の父母の葬儀に現れ、流風を拉致。港で車に乗せたまま彼女を突き落とし、彼女の超能力を確かめた。小説家であった当麻の父の知り合いで、流風達の能力や状況を、彼から聞かされていた。当麻達が参考にした、エジプトのファラオの呪いと細菌についての本を書いた。 流水と手を組み、城惺学園に彼女を転校させ、理事長に感染させて支配下に置いてから、予防注射と称して生徒達にウィルスを接種させた。その後も着実に支配下の人間を増やした。アンプルの精製のために用意した豪華客船で、流風に殺された。最後に、アンプルの情報を五羽の伝書鳩に託して、それぞれ真琴、水凪、今日子、シン、ヨハン達に宛てて放った。 本名は、ジーン・ヨハンセン。生まれはフィンランドとソ連の国境近くのカレリア。家族や親族は皆、一卵性双生児で、ジーンのみ卵子の分割後再統合してしまったため、一人として生まれた。十二歳で亡命した際に、家族全員が銃殺された。IQ270だったジーンは保護され、様々な功績を打ち立て、叙勲もされた。

シン

足が不自由な少女・森尾真由夏の飼い犬。真由夏はジーンから処方箋を託された者の一人で、流水と流風を自ら家に呼び、家に隠した処方箋を探すように言った。二人が犬嫌いだと知って以降は、処方箋を飼い犬のシンの首輪に隠した。動物を操る能力があると思われていたが、実際にジーンからウィルスを与えられ、能力を得ていたのは飼い犬のシンだった。 真由夏が流水に殺された後、彼女の命に従って、流水達を殺そうとした。二人を襲っているところを見咎めた猟友会によって撃たれ、傷ついたこともあり、処方箋は流水の手に渡った。その後、看病してくれた流風に懐き、行動を共にするようになった。 ヨハンとの戦いで、流風達を助けて負傷、その後身を隠してから死亡した。

椎名 今日子 (しいな きょうこ)

医大生で、当麻の先輩であり、元彼女。ジーンから処方箋を託された者の一人。眼球や手など、自分の体の一部分をワープさせたり、操ることが出来る。当麻に怪我をさせ、流風に罪悪感を抱かせて遠ざけ、彼を自分のものにしようとした。流水との戦いの中で傷つき、死亡。その直前に、当麻の写真と処方箋が入ったロケットを、流風に託した。

イアン・ヨハンセン (いあんよはんせん)

ジーンのいとこで、双子の兄弟にクリスチャン・ヨハンセンがいる。海洋の専門で、様々な核を用いて、真珠を作り出す研究をしていた。ジーンから処方箋を託された者。ジーンだけでなく、真琴、水凪、今日子、真由夏の飼い犬シンと同じ超能力を持つ。ジーンの敵をとるため、流水と流風を殺そうと画策。 しかし手を組んだ二人と、シンによって殺害された。真珠の核にしてあった処方箋は、流水の手に落ちた。

当麻 隆 (とうま たかし)

当麻克之の弟。中学生で、男女関係に興味がある年齢。流水と流風が対峙し、共に川の上に浮くのを目撃。その後、流水によって、父母を殺されてしまったため、同じ姿・声である流風におびえるようになってしまった。しばらく後、精神的に落ち着いた後は、当麻と流風を手伝うようになった。

岡部 (おかべ)

城惺学園の陸上部のキャプテン。当麻の友人で、流水が転校してきたことなどを彼に教えた。ジーン達がウィルス注射を画策していた際、当麻を手伝ってそれを阻止しようとした。流風の血液を接種し、感染を防ぐも、他の未感染の生徒達と共に体育館に集められ、爆破されそうになる。 機転で体育館から逃れて当麻と共に生き延び、彼を手伝うようになる。理事長の車を追跡し、屋敷で流風と接触するが、ジーンに殺されてしまった。

内海 (うつみ)

城惺学園の陸上部員。当麻の友人で、城惺学園での爆発の際に、共に逃げ延びた。岡部と共に当麻を助け、感染者の町にとらわれていた流風に、荷物と当麻からの手紙を届けたり、ラブホテルに潜んでいた当麻と流風に変装道具を届けた。伝書鳩の探索でも、二人と行動を共にしていたが、水凪に殺された。

真琴 (まこと)

Y県のペンション・スオミのオーナーの息子。ジーンが伝書鳩に託して放ったアンプルの処方箋を手にした一人。処方箋を追ってきた流風と当麻と出会う。ジーンが作り出した、新しいウィルスの感染者で、空中浮遊の他に、他者を物質に透過させたり、透過途中のまま放置することも出来る。 ジーンの言いつけを守り、ペンションの宿泊客やオーナーを殺しながら、処方箋を守っていたが、流風との交流の中で、彼女に心を開く。流風と入れ替わった流水に殺され、死亡。処方箋を奪われてしまった。

水凪 薫 (みずなぎ かおる)

男子大学生。ジーンが伝書鳩に託して放ったアンプルの処方箋を手にした一人。東京都港区の自宅に住んでいたが、全焼し、六本木のZZIYに移り住んだ。流水と流風を探しており、二人に知らせるために内海を殺し、その背中に「TO TWIN AZABU TWIN BUIL」と刻みつけた。 真琴同様、ジーンから新しいウィルスを与えられており、自分以外の物を空中に浮かしたり、物質を通り抜けることが出来る。ウィルスのために、恋人を殺してしまったことを悔やみ、流水と流風を強く憎んでいた。恋しい人への鬱屈した感情を持つ流水に惹かれ、共にアメリカに行こうと誘うが、拒絶され、地下鉄の線路に誘い込まれて死んだ。 処方箋は、彼が放っていた伝書鳩を見つけた流風の手に渡った。

桐原 卓也 (きりはら たくや)

世田谷区在住の22歳の男性。ジーンに鳩を預かるように言われ、代わりに弟の治療費として、莫大な金を得た。バイクに乗るのが好き。真琴達のように、ウィルスに感染していない。

集団・組織

城惺学園 (じょうせいがくえん)

『海の闇、月の影』に登場する高等学校。ジーンからの援助を受けた流水が転校した。首都圏近郊に位置し、総生徒数は約1350名。初等部から大学部までの少人数一貫教育を売り物にしている。政治家・事業家の子弟が多く集まる有名私立校。流水は理事長を支配下に置き、次いで全校生徒に自分のウィルスを含んだ予防注射をすることで、国家を手中に収めようとしていた。 当麻の妨害にあいつつも、注射は成功。流風の血を接種し、抗体が出来ていたために、感染しなかった生徒達は、ジーンに操られた者の手で体育館に集められ、爆破された。

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