ちび☆デビ!

ちび☆デビ!

気弱な少女・沢田ほのかと、不思議な力を持った悪魔の赤ん坊・まおちゃんの賑やかな生活を描いたコメディ作品。漫画雑誌「ちゃお」(小学館刊)にて、2008年6月号から2014年12月号まで連載された。

正式名称
ちび☆デビ!
ふりがな
ちび でび
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
ちゃおコミックス(小学館)
巻数
既刊11巻
関連商品
Amazon 楽天 小学館eコミックストア

概要・あらすじ

いつもいじめられてばかりの沢田ほのかは、引っ込み思案で泣き虫な中学生の女の子。家族も友達もおらず、いつも1人で寂しい日々を過ごしていた。ある朝、目が覚めるとなぜかベッドに赤ん坊が。戸惑うほのかだったが、高校生の杉崎真と共に世話をすることになる。赤ん坊は、付けていたよだれかけに「MAO」と書かれていたため、まおちゃんと呼ばれるようになる。まおちゃんは実は悪魔の子で、ちびデビ保育園に通わせながらほのかはママ役を引き受けることになる。真も行きがかり上、パパ役を引き受け、3人の奇妙な共同生活が始まった。引っ込み思案な自分の性格では、ママ役は務まらないと思ったほのかは、とりあえず1カ月の約束でママ役を引き受ける。

ちびデビ保育園にはまおちゃんの他に、かりんちゃんライちゃんという悪魔の子が通っていた。おゆうぎ会が近いということで、ほのかはかりんちゃんのママ役の高山夏季と、ライちゃんのママ役の中川しおりと協力して練習に励む。夏季としおりの対立などもあったが、真に勇気づけられたほのかの作戦で、なんとか練習を続けることができ、おゆうぎ会は成功に終わった。そうこうしている間に、約束の1カ月を迎える。一度はまおちゃんと別れたほのかだが、真の助言もありママ役を続けることを決心する。真もパパ役の継続を快く引き受けてくれたが、ほのかは、そんな真に恋心を抱いていることに気がつく。

「赤ちゃん魔力検定試験」があることを知り、ママ役のほのかたちは悪魔の子たちを受験させることにする。しかし、まおちゃんとかりんちゃんは、試験の課題である、着ぐるみを着て魔法を出し、制御することがうまくできないため、夏季の家で合同練習をすることになる。しおりは、かりんちゃんのパパ役で夏季の弟である高山樹と顔を合わせる。何でも思ったことを口にする樹の言葉に傷つくほのかだったが、真が庇ってくれたことに喜びを感じる。

真が何気なく口にした、「着ぐるみの顔が怖い」という言葉にヒントを得て、ほのかは着ぐるみの顔を優しい表情に作り直す。それによってまおちゃんとかりんちゃんは、魔力の制御ができるようになり、「赤ちゃん魔力検定試験」に無事合格することができた。その後の「お泊まり保育」も、多少の混乱はありつつもクリアし、順調に事が進んでいるかに思われた。しかしそんな中、しおりが突然、ママ役をやめると宣言する。

しおりがいなくなったため、ライちゃんの面倒も見ることになったほのかと真は大変だったが、なんとかパパ・ママ役をこなしていく。ほのかはしおりを説得するために、ライちゃんの写真を持ってしおりの家に通い詰めるが、しおりは会ってはくれない。実は、しおりがママ役をやめようと思ったのは、ライちゃんがマイペースなのは自分のせいだと思っているためだとわかり、ほのかはしおりを説得することに成功する。

その後、ちびデビの3人はつかまり立ちができるようになり、クリスマスを迎える頃には少しずつ喋ることもできるまで成長する。ある日、まおちゃんが喋った言葉から、ほのかが真のことを好きだということがバレてしまい、ほのかは恥ずかしさのあまり真を避けるようになってしまう。

ある日突然、ちびデビ保育園に、悪魔の世界の生き物・ペペがペットとしてやってきた。きゅうりが大好きなペペときゅうりが大嫌いなまおちゃんは、初めは仲良くなれなかったが、真の助言で、まおちゃんとペペは仲良くなる。そして、かりんちゃんとライちゃんの協力もあり、まおちゃんは苦手なきゅうりを食べられるようになった。

夏祭りやクリスマスなど色々なイベントを経て、ついに「赤ちゃん魔力検定試験」の2級試験が始まった。この試験の目的は、魔法で飛べるようになること。まおちゃんたちは難なくクリアすることができた。次に控えているのは1級の試験で、着ぐるみを着ずに魔法を出すこと。これに合格すると卒園になり、悪魔の赤ちゃんたちはママ役・パパ役と別れて悪魔界に帰る。この事実を知ったほのかと夏季としおりは、赤ちゃんたちと別れることに困惑し、呆然とするのだった。

メディアミックス

アニメ

NHK Eテレ「大!天才てれびくん」内で、2011年10月10日から2014年2月17日まで、毎週月曜日に1話5分ほどの短編アニメとして放送されていた。DVDは全部で5巻製作されており、「ちゃお」本誌と公式サイト「ちゃおランド」で期間限定で通販された。

小説

小説としては、以下の5冊のノベライズがある。2012年7月11日に「ちび☆デビ!~天界からの使者とチョコル島の謎×2!~」(蜜家ビィ著、小学館ジュニア文庫刊)、2013年2月20日に「ちび☆デビ!~まおちゃんと夢と魔法とウサギの国~」(蜜家ビィ著、小学館ジュニア文庫刊)、2013年6月27日に「ちび☆デビ!~まおちゃんとミラクルクイズ・あど&べん&ちゃー~」(蜜家ビィ著、ちゃおノベルズ刊)、2013年12月11日に「ちび☆デビ!~スーパーまおちゃんとひみつの赤い実~」(蜜家ビィ著、小学館ジュニア文庫刊)、2014年9月10日に「ちび☆デビ!~まおちゃんとちびザウルスと氷の王国~」(福田裕子著、小学館ジュニア文庫刊)。

ゲーム

2012年9月27日に着ぐるみアクションアドベンチャーとして、ニンテンドー3DSソフト「ちび☆デビ!」(アルケミスト)が発売。続編として、2013年7月25日にニンテンドー3DSソフト「ちび☆デビ! 2 ~魔法のゆめえほん~」(アルケミスト)も発売された。

登場人物・キャラクター

沢田 ほのか (さわだ ほのか)

『ちび☆デビ!』の主人公の1人。短めの髪を三つ編みにした少女。初回登場時は14歳で中学2年生。両親は幼い頃に亡くなり、親戚の理香子おばさんに引き取られた。気が弱く泣き虫で、クラスではいじめられており友達はいない。また理香子も家に帰ってくることが少ないため、家でも1人でいることが多い。唯一話せるのは幼なじみの遠野京のみだったが、彼の友人・杉崎真が怖くて、京とも一緒にいることができない。 ある朝、突然ベッドに赤ん坊・まおちゃんが現れる。戸惑うほのかだったが、パパ役を買って出た真と同居しながら、ママとして世話をし始めた。まおちゃんは、火を吐くなど不思議な力を持っている。ちびデビ保育園に通わせると、他にもかりんちゃんやライちゃんなど不思議な赤ん坊達が通っていた。 同じようにママ役をしている高山夏季や中川しおりと交流し、どうにかまおちゃんの面倒を見ているうちに、真に対して恋をしていることに気づく。

まおちゃん

『ちび☆デビ!』の主人公の1人。男の子の赤ん坊。頭に小さな黒い羽があり、尻尾が生えている。ある朝突然、沢田ほのかのベッドに現れた。よだれかけに「MAO」と書かれていたことから、「まおちゃん」と呼ばれるようになった。ほのかを「まんま」、杉崎真を「ぱぁぱ」と呼ぶ。ほのかが作った怪獣の着ぐるみを着ている。 口から火を吐くなど、不思議な力を持っている。ちびデビ保育園に通い、次第に言葉を話すようになる。

杉崎 真 (すぎさき しん)

初回登場時は高校2年生。髪の肩まで伸びた男子。沢田ほのかの幼なじみ・遠野京の友人。いつも怒鳴っているように見えるため、当初ほのかは真が苦手だった。ほのかの元に突然現れた不思議な赤ん坊・まおちゃんのパパ役を買って出て、ほのか達と同居するようになる。 いつも怒っているようだが、根は真面目で熱血型の性格。

遠野 京 (とおの きょう)

長髪の男子。沢田ほのかの幼なじみ。アニメおたくで、穏やかな話し方をする。家でも学校でも1人でいるほのかの相談相手。ほのかを「ほのちゃん」と呼ぶ。杉崎真とは同級生。いつも平和な雰囲気だが、どこか謎めいた部分がある。ほのかの元に突然現れた不思議な赤ん坊・まおちゃんのためにちびデビ保育園を紹介する。 しかし日常のまおちゃんの世話にはタッチしない。

高山 夏季 (たかやま なつき)

かりんちゃんのママ役の少女。高校2年生で高山樹の姉。かりんちゃんのことを可愛がるあまり、ついつい甘やかしがち。かりんちゃんがちびデビ保育園に通い始めた頃は我が強く、ライちゃんのママ役である中川しおりと対立していた。まおちゃんのママ役である沢田ほのかと交流するうち、しだいにしおりとも仲良くなる。

高山 樹 (たかやま いつき)

高山夏季の弟で、かりんちゃんのパパ役の男子。沢田ほのかとは同じ中学校で、しかも同学年だった。何でも思ったことをすぐ口にするため、きつい性格と思われがちだが、ほのかのことを叱咤激励する優しさも持ち合わせている。

かりんちゃん

まおちゃんと一緒にちびデビ保育園に通う、悪魔の赤ちゃんの女の子。わがままで乱暴なため、女の子でありながら一番男らしい。一人称は「かりん」。ペンギンの着ぐるみを着ており、吹雪を出すことができる。

中川 しおり (なかがわ しおり)

ライちゃんのママ役の少女で中学1年生。マイペースで奔放な性格をしているため、ライちゃんがちびデビ保育園に通い始めた頃、かりんちゃんのママ役である高山夏季と対立していた。まおちゃんのママ役である沢田ほのかと交流するうち、しだいに夏季とも仲良くなる。

ライちゃん

まおちゃんと一緒にちびデビ保育園に通う、悪魔の赤ちゃんの男の子。マイペースな性格で、言葉を喋るようになると、なぜか関西弁で話した。雷様の着ぐるみを着ており、雷を出すことができる。実はいたずら好き。

園長先生 (えんちょうせんせい)

ちびデビ保育園の園長先生。悪魔の赤ちゃんに詳しく、何人もの赤ちゃんを指導してきたベテランである。しかし、普段はおっちょこちょいで赤ちゃんたちの魔法をよく食らっている。保育園での仕事のほとんどは伊藤先生がこなすため、園長先生はほとんどすることがない。

伊藤先生 (いとうせんせい)

ちびデビ保育園の保育士の女性。園長先生を「バカ園長」と呼ぶだけあって、保育園の仕事のほとんどをこなしている。まおちゃん、かりんちゃん、ライちゃんの3人の赤ちゃんたちからも慕われている。

理香子おばさん (りかこおばさん)

両親を失った沢田ほのかを引き取った親戚のおばさん。仕事が忙しいため、ほとんど家には帰ってこないので、実質的にほのかにひとり暮らしのような生活をさせてしまっている。まおちゃんのママ役になったほのかが杉崎真と同居することを許可し、自分もなるべく家に帰ってくることを約束する。

ペペ

ちびデビ保育園で飼うことになった悪魔界の動物。犬のようだが二足歩行が可能で、人間の言葉を理解することができる。きゅうりが大好物で、きゅうりが苦手なまおちゃんと対立するが、しだいに心を通わせるようになる。

場所

ちびデビ保育園 (ちびでびほいくえん)

まおちゃん、かりんちゃん、ライちゃんら悪魔の赤ちゃんが通う保育園。園長先生と伊藤先生の2人が切り盛りしている。赤ちゃんたちの育成だけでなく、ママ役・パパ役の人間たちへのケアや助言も行っている。「赤ちゃん魔力検定試験」も実施しており、1級試験に合格すると晴れて卒園となる。

書誌情報

ちび☆デビ! 11巻 小学館〈ちゃおコミックス〉

第1巻

(2008-10-30発行、 978-4091320834)

第2巻

(2009-04-01発行、 978-4091323385)

第3巻

(2009-08-28発行、 978-4091326478)

第4巻

(2010-07-30発行、 978-4091333766)

第5巻

(2011-03-01発行、 978-4091336422)

第6巻

(2011-09-30発行、 978-4091340863)

第7巻

(2012-06-01発行、 978-4091344564)

第8巻

(2013-01-31発行、 978-4091351401)

第9巻

(2013-10-01発行、 978-4091355973)

第10巻

(2014-05-30発行、 978-4091361509)

第11巻

(2015-01-30発行、 978-4091367150)

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