ジオラマボーイ パノラマガール

ジオラマボーイ パノラマガール

女子高生ハルコは神奈川健一と出会い、一目惚れをする。どんな人物かも良く知らないまま神奈川健一のことをどんどん好きになるハルコ。思春期の男女の恋と揺れ動く気持ちを描く。

正式名称
ジオラマボーイ パノラマガール
ふりがな
じおらまぼーい ぱのらまがーる
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あらすじ

第1巻

平凡な高校生活を送る津田沼春子は、夜の公園で傷だらけの神奈川健一と出会う。思わず春子は健一に声を掛け、手当てをするために接する中、彼に一目ぼれをしてしまう。初めての経験に春子はとまどうが、実際にこれから何をすればよいのかわからずに悶々とした日々を過ごしていた。一方の健一は、春子から一目ぼれされたことなどまったく知らず、片思いのマユミに振り向いてもらうために奮闘する日々を送っていた。しかし、貞操観念の低いマユミは健一にあっさり体を許し、たびたび体の関係を持つようになる。ある日、何も知らない春子は、健一とマユミがホテルに入っていく場面を目撃し、自暴自棄になっていた。そんな中、平ヒトシまゆ子と共に○金ベーカリーの襲撃計画を立てて、健一への気持ちをリセットしようとする春子だったが、どうしても失恋を受け入れることができなかった。やがて春子の誕生日が近づく中、まゆ子と津田沼春子の妹は、春子を喜ばせようと健一を拉致してプレゼントすることを思いつく。

登場人物・キャラクター

津田沼 春子 (つだぬま はるこ)

毎日をなんとなく生きている女子高校生。年齢は16歳。ある日、偶然通りかかった公園で、傷だらけで倒れていた神奈川健一を助けたことで、彼と知り合う。その際に健一に一目ぼれし、以降恋人になりたいと願うが、どう行動を起こせばよいのかわからずに悶々とした日々を過ごしている。見た目はまじめに見えるが、深夜徘徊や日常的な飲酒など、不良行為を繰り返している。

神奈川 健一 (かながわ けんいち)

津田沼春子とは別の高校に通っていた男子で、現在は中退している。マユミの彼氏に暴行を受けて倒れていた際、偶然通りかかった春子に助けられたことで知り合う。この出来事で春子から好意を抱かれるようになるが、神奈川健一自身はまったく気づいていない。高校在学中はまじめでおとなしい生徒だと思われていたが、突然理由もなく教師を殴って退学した。街で出会ったマユミに一目ぼれしており、なし崩し的に体の関係を持つようになる。退学後はしばらく無職だったが、のちにレコードショップでアルバイトを始める。何をしても満たされることなく、基本的に無気力な状態が続いている。商社マンの父親は愛人宅に住んでおり、さらに母親が入院中のため、一軒家で神奈川健一の姉と二人で暮らしている。

津田沼春子の妹 (つだぬまはるこのいもうと)

センター区立第三小学校に通う女子で、津田沼春子の妹。春子と神奈川健一の恋愛について、あれこれとよけいな口をはさんでいる。憎まれ口を叩くこともあるが、基本的に春子を姉として慕っている。年齢の割にしっかりしており、人生を達観した発言も多い。しかし、クマのぬいぐるみといっしょに学校に行きたがるなど、年相応のかわいらしさを見せるときもある。

津田沼 ウメ (つだぬま うめ)

津田沼春子の祖母で、最近春子たちと同居するようになった。春子の前の部屋を使用しており、春子からは疎まれているが、まったく気にしていない。ある日、心筋梗塞の発作で危篤状態になって入院し、魂の存在だけになってしまう。そのまま春子の肉体に乗り移り、初恋の相手である山田周作に会いに行くなど、戦争で失われた青春を取り戻すために奮闘している。

マユミ

不良っぽい雰囲気を醸し出している女子で、藤山女子高校に通っている。友達と街を歩いていた際に、神奈川健一から声をかけられて知り合う。健一から一目惚れされているが、自分と同じく不良っぽい男性が好みのため、最初は相手にしなかった。しかし、自分に対して誠実に接する健一に次第に興味を抱くようになり、体を許すようになる。貞操観念が低く、アルバイト感覚で売春も行っている。小学生売春の口きき役の平ヒトシともかかわりを持つ。

神奈川健一の姉 (かながわけんいちのあね)

神奈川健一の姉で、年齢は20歳。商社マンの父親は愛人宅に住んでおり、さらに母親が入院中のため、一軒家で健一と二人で暮らしている。家事や食事の支度をすべて引き受けており、健一にとっては母親代わりとなっている。ただし、神奈川健一の姉自身も青春を謳歌しており、男性に誘われて夜中に出かけることも多い。自宅では地味な服装をしているが、デートの際には露出度の高い服を身につけ、派手なメイクで別人のように変貌する。

平 ヒトシ (たいら ひとし)

津田沼春子の妹と同じ、センター区立第三小学校に通う男子。妹を通じて津田沼春子と知り合い、それからは年の離れた春子に片思いしている。見た目はごくふつうのやんちゃな少年だが、近くのショッピングモールで万引きをしたり、小学生売春の口ききをしたりと素行は非常に悪い。神奈川健一が万引きしようとしている場面を目撃したことで、健一とも知り合いになる。健一に好感を抱き、やすこを紹介する。

まゆ子

母親と二人で暮らしている少女。中学時代に転校した先の学校で壮絶ないじめに遭い、それからは引きこもりの生活を送っている。母親から銀行振り込みをするように頼まれて外出した際、津田沼春子と平ヒトシに出会う。そして、自分を特別視しない二人に惹かれ、行動を共にするようになる。春子と神奈川健一の恋も応援している。見た目はごくふつうの少女ながら、マイペースでつかみどころのない性格をしている。春子とヒトシに対して、常識を逸脱した提案をすることも多い。

やすこ

平ヒトシが手引きしている小学生売春グループに在籍している女子小学生。年齢は11歳。グループの中ではトップの人気を誇る。ヒトシから神奈川健一を紹介され、体の関係を持とうとせまるものの、まだ子供過ぎると拒否されてしまう。自分の話をきちんと聞いてくれた健一に対して、好意を抱くようになる。小学生売春グループに在籍しているのは金のためで、若いうちに稼がなければならないと変な焦りを覚えている。

山田 周作 (やまだ しゅうさく)

津田沼ウメの初恋の男性。50年前に女学生だったウメと道ですれ違うことがあり、その際に一目ぼれされている。当時のウメとは交流はなく、恋心を抱かれていたことはもちろん、彼女の存在も認識していなかった。ウメが何も行動を起こさないうちに戦争が起こり、自然と離れ離れになってしまう。のちに出会った女性と結婚し、家庭を持つ。

林田 マリコ (はやしだ まりこ)

神奈川健一が通う高校で教師をしている女性。健一が教師を殴って無期停学になった際、何か悩みがあるのではないかと推測し、彼に心を開いてもらおうと奮闘する。健一から複雑な家庭の事情を聞き出すことはできたものの、自分ではどうすることもできずに戸惑っている。すぐに熱くなる性格で、生徒からは「熱血マリコ先生」と呼ばれている。

津田沼春子の友達 (つだぬまはるこのともだち)

津田沼春子と同じ高校に通う女子。学校内ではつねに春子と行動を共にしている。年齢の割に達観した発言が多く、さらにつかみどころのない性格もあり、春子からはミステリアスな存在だと思われている。実は高校に入学して以来、春子に好意を抱いている同性愛者。春子が神奈川健一に心惹かれていく様子を近くで見ることになり、苦しんでいる。

場所

○金ベーカリー (まるきんべーかりー)

津田沼春子たちが住む街にあるパン屋で、シュークリームが一番人気。シュークリームは一日100個限定で、入手困難なために日々争奪戦が起こっている。これまでに17回も、シュークリームを狙った強盗に押し入られている。そのため、店を経営する夫婦も強盗の扱いに慣れている。春子、平ヒトシ、まゆ子もシュークリームを狙って襲撃事件を起こす。

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