あたしンち

あたしンち

タチバナ家を構成するのは、強烈なキャラクターの母と父、一見普通に見えるが独特な個性を持つ娘と息子の4人。彼らの楽しくおかしなやり取りを中心に、それぞれに関わる人々の生活もイキイキと描いた長編。第42回「文藝春秋漫画賞」受賞。

正式名称
あたしンち
ふりがな
あたしんち
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
レーベル
KADOKAWA
巻数
既刊18巻
関連商品
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概要・あらすじ

高校1年生のみかんは、恋に友情に多感なお年頃。しかし、個性的すぎるを前に夢見る乙女でいる余裕はなく、家ではツッコミ役に回る方が多い。弟のユズヒコは思春期まっただ中で扱いがちょっぴり面倒くさい。何気ない日常の中でも、そこにはタチバナ家オリジナルのルールやこだわりが溢れており、友人家とのギャップにみかんのショックは増すばかり。

タチバナ家のメンバーが織りなす日常の日々を、みかんの視点から映し出す。

登場人物・キャラクター

(はは)

主人公みかんの母親。本名不詳、出身は大分県。頭がかなりでかく、本人も気にしている。父とはお見合い結婚であり、二人で九州から上京してきた。掃除は表面だけ、物の名前もいい加減に覚えるなど、家族全員が認める大雑把。自信に満ち溢れ、基本自分のことには甘めだが、内弁慶である。子どもたちに贅沢を許さず、貧乏性に育て上げようとする。 ユズヒコには割りと甘めだが、みかんには厳しく接っしがちで言い争いが絶えない。家族をとにかく愛しており、子供たちの昔の話をよく聞かせてあげたり、口数の少ない父のこともただ一人完璧に理解する。父とは、二人で頻繁に温泉や登山に出かけるほどの仲。普段は騒々しいが、家を空けると家族全員を寂しくさせるほど、タチバナ家にとっては大きな存在。

立花 みかん (たちばな みかん)

高校2年生(連載開始時は高校1年生)。家では強烈なキャラクターの両親を前に割りとまともに見えるが、学校ではかなりユニークなキャラで通っている。一つの事を考え出すと、様々な事が気になり出し長いこと妄想の世界にふける事が多い。他人が冗談で言った事も真剣に受けめ、一日中振り回される純粋さもあり、女子からとくに可愛がられる。 親友のしみちゃんと常に一緒。片思いの相手はクラスメイトの岩木君。節約家で古い考えの母とは口論が絶えず、特に弁当のオカズについての文句が多い。しかし、よく二人でショッピングに出かけたり、肝の据わった母の言動に支えられたりと信頼は厚い。高校ではテディベア研究会というクラブに所属しており、裁縫が趣味。 自他ともに認める裁縫の腕前で、将来はその道のプロを目指している。

立花 ユズヒコ (たちばな ゆずひこ)

主人公みかんの弟。中学2年生(連載開始時は中学1年生)。クールでマイペースだが、騙されやすいのが欠点で、小さい時から父のオモチャになることが多い。やたらとくじ運があり、ユズヒコの名前で抽選に応募したり、福引を引いてもらうとほぼ100%当たる。クラスの女子から人気があるが、かなり鈍感なので本人は気づいていない。 アイドルや飲み物の趣味が他人とズレており、後ろめたさを感じている。割りと要領よく生きていくタイプで、個性的な家族と生活する上での、楽なやり過ごし方をたくさん編み出している。

(ちち)

主人公みかんの父親。九州男児。普段の口数が少なすぎて、みかんからは暗いとか心がないと思われがち。大雑把な母を影で支える一家の大黒柱で、たまに汚れた部分を見つけると、黙々と一人大掃除を始めたりする。家では子供のような面をたくさん持っており、母が皮を剥いてあげないと果物を食べなかったり、トイレを開けっ放しでした上、便器の水で手を洗ったりなど通常考えられないような事も平気でやってのける。 家族に対する愛情表現はしないものの、可笑しな母の行動を観察しては笑ったり、子どもたちの成長をみてほのぼのしたりと、無表情の裏で色んな事を考えている。

藤野 (ふじの)

ユズヒコのクラスメイトで親友。クールなユズヒコとは対照的に、常に面白い話題を探したり、馬鹿な発言で女子の気を引こうとするお調子者。思った事を全て口に出す事が自分の芸風だと言い切っているが、片想いの須藤に対する気持ちだけは隠そうとする。ムードメーカーだが家では忙しい両親の代わりに弟たちの世話をする優しいお兄ちゃん。

清水 (しみず)

主人公みかんの親友。やたらと落ち着いており、達観した言動が特徴。みかんの相談に乗るときは、タバコをふかす真似をしたり、タロット占いを持ち出したりとシュールな面も多い。みかんとは気が合い、他人がくだらないと思う事でも共感して笑い合える中。カリスマ性があり周囲の女子から憧れられているが、本人は一貫してみかんと一緒にいたがる。 みかんの純粋で抜けたところが可愛くて仕方なく、自分の子供のように扱う事も多い。胸が大きくスタイルがいい。

吉岡 (よしおか)

主人公みかんの幼馴染。みかんとは同じ南中出身で、同じ高校に通う。小学校の頃は額が狭いことでイジメられていたが、現在は髪の毛が禿げ上がり、ほぼおでこであるとことを自虐ネタとしている。かなりのロマンチストで、好きな人と同じ香水を付けたり、一人で海を見に行ったりする。みかんに対して男友達同然に接したり、他の女子にもデリカシーに欠ける発言をしたりするが、基本はしっかり者で優しい性格。

岩木 (いわき)

主人公みかんの好きな人。みかんのクラスメイト。バスでシャーペンを拾ったのをきっかけに、みかんに好意を抱かれている。しかし本人は女子という生き物が苦手と公言するほど、女子との付き合いが下手。みかんの想いもつゆ知らず、何気ない言動でみかんを激しく動揺させたりショックを与えたりしている。 吉岡とよく一緒にいる。

水島さん (みずしまさん)

母の親友。母と一緒にデパートに行っては買わずに逃げる練習をしたり、くだらない冗談を言い合っては爆笑するいいコンビ。母をスイミングプールやエアロビに誘ったりと、何かと新しいことに積極的。何を聞いても「まあー!」と大げさに相槌を打つので、話す相手を気持ちよくさせる。

戸山さん (とやまさん)

水島と共に母の親友。上品でおっとりしたタイプだが、無神経なことをサラッと言ってのける図太さもある。上品な見た目から想像できないほど母や水島とは気が合い、くだらない冗談にもついていける。話の内容に関わらず、とりあえず「あら、いーじゃなーい!」というリアクションをする。

ホホエミさん

水島の友人。母たちともたまにお茶会をするが、独特なキャラでいつも母たちを混乱させる。いきなり帰ったかと思えばあとでコーヒーが苦手だからと言い、お茶の途中で、これから夫の手術があると驚かせるなど、基本大事なことは最初に言わない。40歳には見えない若々しさで、公園の奥さん仲間には30歳で通している。

山田 (やまだ)

みかんのクラスメイト。しみちゃんに憧れており、いつも横にいるみかんの子供っぽい言動が許せない。しみちゃんと仲良くなるためにわざとみかんを仲間はずれにしようとした事もあった。最後はしみちゃんのみかんにたいする熱い友情を理解し、しみちゃんを独占しようとはしなくなった。

理央 (りお)

主人公みかんの友人。テディベア研究会のメンバー。家はかなりの金持ち。母親からは最高級のものに触れるよう教育され、普段から高級な物を持たされている。本人は威張ったりせず、あくまで一般人の感覚を持っている。細い目が特徴。

春山 ふぶき (はるやま ふぶき)

主人公みかんのクラスメイト。クラス一の美少女だが、他人の好意をつくづく無駄にしてしまう傾向がある。あまり周りを気にせず、自分の思ったようにしか動かない。性格は優しく、みかんのことを「きれいな顔」などと褒めることが多い。

新田 (にった)

主人公みかんの後輩。みかんの所属するテディベア研究会に入部してきた1年生。最初は思ったことを口に出さないタイプだったが、後に毒舌キャラであることが判明。クラブの先輩たちのやる気のなさに、「貧民クラブ」「犬でも買いますか」など厳しい突っ込みを入れている。これらは新田語録と呼ばれ、みかんたち面白がられて毎回メモられている。

石田 ゆり (いしだ ゆり)

ユズヒコのクラスメイト。食べ物を口にする前必ず犬のように匂いを嗅ぐので、心ない女子からは「ケン」というあだ名で呼ばれている。カーテンで手を拭いたり、トイレの音をごまかすため大声を出したりと奇妙な癖が多いため、クラスでは浮いた存在。須藤やユズヒコからは逆に興味を持たれ、大物なんじゃないかと思われている。 特にユズヒコとは変な所で共感しあうことが多く、笑いのツボも同じ。ユズヒコファンからはちょっぴり疎まれている。

川島 (かわしま)

ユズヒコのクラスメイト。ユズヒコが大好きで、親友の山下とは二人でユズヒコファンクラブを結成している。ユズヒコと仲のいい石田に度々嫉妬するも、石田の特異すぎるキャラに太刀打ちできず虚しくなることが多い。

須藤 (すどう)

ユズヒコのクラスメイト。クラスで孤立する石田の面白さにいち早くきづき、「変」な子ではなく「個性的な」子なのだと理解する。女子の中では唯一石田と仲がよく、常に一緒にいる。同じく石田と気が合うユズヒコや、親友の藤野も混じって4人で絡むことが多い。藤野を密かに意識している。

山下 (やました)

ユズヒコのクラスメイト。川島と二人でユズヒコのファンクラブを作っている。暴走気味の川島を抑えながら、自分もちゃっかりユズヒコの追っかけをしている。

村上チャン (むらかみちゃん)

みかんの担任の先生。新婚のためよく妻の話を生徒にのろける。しかし、弁当箱を洗っているのをみかんたちに目撃されてからは、妻から厳しくしつけられているのでは?という疑いをかけられている。

ばーちゃん

母の母親。大分に住むみかんの祖母。母と同じく大きな頭が特徴。性格も強気で大雑把なところは同じ。母の料理下手はばーちゃん譲り。昔は田舎で逞しく子どもを育てていたが、現在はハイテクな生活を好み流行りにも敏感。

宮嶋先生 (みやじませんせい)

主人公みかんの古文の教師。白髪頭に眼鏡をかけており、一人称は「ボカァ」。みかんをはじめ、生徒たちかなり親しまれていが、授業には関係のない自分の経験談を長々と語り、その度に教室をしらけさせる癖がある。

ひとみ先生 (ひとみせんせい)

主人公みかんの数学の教師。あだ名は牛鬼(ぎゅうき)。牛に似た顔と、「雀鬼」であることからその名がついた。朝早い職員室でヒゲを剃っている、怒ると大きな鼻の穴からミサイルが出る、など本人にまつわる都市伝説が数多く存在する。しかし本人はいたって女性らしく、授業の前は教室のガラスを鏡代わりとして口紅を塗ることもある。

坂田 (さかた)

タチバナ家の昔のご近所さん。なぜか母のことを病弱だと思い、年賀状にも体を労う言葉がぎっしり書かれている。母に会えばいつも心配そうに体調を聞いてくるので、訳の分からない母はいつも混乱する事になる。娘の愛はみかんの友人。

越野 あん (こしのあん)

主人公みかんのお隣さん。マンガ家でいつも二人のアシスタントと締め切りに追われている。徹夜続きでもコーヒーを飲むと元気になるが、量を少しでも間違えると説教を始めるほどエネルギッシュになってしまう。マンガのネタ集めのため、何かにつけてみかんに取材を試み最近の流行りを知ろうとする。

ナスオ

ユズヒコのクラスメイト。ナスのように細長い顔をしている。優しい性格だが、その表現方法を間違えており、マイペースで自分勝手に思われることが多い。藤野と同じくらいお調子者。話のネタは大抵アイドルかクラスの女子の事で、勝手に女子のランキングを作って楽しむことが多い。

里奈 (りな)

ユズヒコのクラスメイト。学年一モテる。彼女の愛用するリップグロスや化粧品は女子の注目の的。ナスオの母のキャラ弁に感動し、自分の分もお願いしたことがある。

理央ママ (りおまま)

裕福であり、服を買ってはすぐにリサイクルショップに売ってしまうなど、少々贅沢な面を持つ。娘の理央にも常に高級なものを与えようとするが、迷惑がられる一方。家でも外でもおしゃれを欠かさないが、冬だけはこだわりがゼロになり、暖かければいいだけのダサい母親に変貌する。

父の飲み友達 (ちちののみともだち)

名前は不詳。父と行きつけの居酒屋が同じでよく同席している。その方言から同じ九州出身であるとことが予想される。俳句を読むのが趣味で、いつも新作を作っては父に感想を求めている。

高田 (たかだ)

新田の恋人。見た目も冴えなく性格も個性的な新田の彼氏にしては、かっこよくデキた彼氏であり、みかんにショックを与えた。ベア研の中ではみかんが一番の美人だと公言している。彼氏として細かい気遣いを心掛けているが、自分のやり方にこだわりが強い新田の前では、うまく発揮できず悩んでいる。

マコちゃん

父が通う居酒屋の看板娘。29歳。父や父の飲み仲間と仲がいい。二人の遠慮のない発言を横から突っ込む今どきの女子。彼女が会話に入ることで、父たちの常識のなさが露骨に表れている。

集団・組織

テディベア研究会

『あたしンち』に登場するクラブ。主人公みかんが所属するクラブ。テディベアを作るのが主な活動内容だが、普段はほぼトランプをするか、お喋りで終わる事が多い。作ったテディベアは定期的に展示会にだしたり文化祭でお披露目したりしている。

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あたしンち SUPER (あたしんち すーぱー)

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書誌情報

あたしンち 18巻 KADOKAWA

第1巻

(1995-04-26発行、 978-4040666938)

第2巻

(1996-05-20発行、 978-4040670966)

第3巻

(1997-05-10発行、 978-4040670973)

第4巻

(1998-06-24発行、 978-4040670980)

第5巻

(1999-08-25発行、 978-4040670997)

第6巻

(2000-07-07発行、 978-4040671000)

第7巻

(2001-07-13発行、 978-4040679839)

第8巻

(2002-10-04発行、 978-4040679846)

第9巻

(2003-10-31発行、 978-4040670492)

第10巻

(2004-10-22発行、 978-4040670508)

第11巻

(2005-11-04発行、 978-4040679853)

第12巻

(2006-11-02発行、 978-4040670515)

第13巻

(2007-11-16発行、 978-4040670522)

第14巻

(2008-10-31発行、 978-4040666532)

第15巻

(2009-09-18発行、 978-4040666549)

第16巻

(2010-10-29発行、 978-4040664200)

第17巻

(2011-09-22発行、 978-4040679860)

第18巻

(2012-12-14発行、 978-4040679877)

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