乱と灰色の世界

乱と灰色の世界

魔法使いの一家に生まれた小学生の少女漆間乱は、大人に変身する魔法を使って様々な騒動を起こしながら成長していく。並行して、人間社会に迫る脅威と魔法使いたちの暗闘というシビアな世界も描かれる。

正式名称
乱と灰色の世界
ふりがな
らんとはいいろのせかい
作者
ジャンル
ファンタジー
レーベル
ハルタコミックス(KADOKAWA)
巻数
既刊7巻
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

漆間乱は魔法使い一家に生まれた小学生の少女。母の漆間静は強大な力を持つ最強の魔女だが、遠い地で「扉」を封じる役目のため家へは滅多に帰れない。は唯一自由に使える「スニーカーを履いて大人になる魔法」を使い、さまざまな騒動を起こす。そんな日常の中、静から夫の全に知らせが入る。人間には爪ひとかけでも毒となる「骸虫」が、人間社会に漏れ出たのだった。

登場人物・キャラクター

漆間 乱 (うるま らん)

古びた大人用スニーカーを履くと大人に変身できる能力を持つ、10歳の少女。他の魔法は自由に使えないが、いざ発動すると町一帯に効果を発揮するほどの力を秘めている。灰町の小学校に通っているがクラスからは浮いており、いじめを受けている。

漆間 陣 (うるま じん)

乱の兄で高校生。ぶっきらぼうだが妹思いで、しばしば乱がおこす騒動の尻ぬぐいに追われる。毛皮をまとうことで狼の姿に変身し、人間の姿でも強靭な体力と鋭い嗅覚を備える。学校では文系の成績トップ。

漆間 静 (うるま しずか)

乱と陣の母親で、最強とされる魔女。魔法使いたちが住む村で「扉」を封じる役目のため家庭を離れている。家族への愛情は深く性格は天真爛漫で、漆間家に戻ってきては騒動を起こす。

漆間 全 (うるま ぜん)

乱と陣の父親で、子煩悩。カラスに変身する魔法使い黒羽衆の長であり、他の魔法使いたちからは強く慕われている。戦いの際には小槌を巨大化させ強大な破壊力を振るう。

骸虫 (むし)

『乱と灰色の世界』に登場する虫のようなもの。地に開いた穴から無数に地上に湧き出て、人間には毒となり、羽音は建物や岩を崩してあらゆる物の腐敗と風化を急速に進める。魔法使いたちの村はその穴に、封じの魔法を幾重にもかけた「扉」を置き、その地を守っていた。強い繁殖力を持ち、人間の頭に棲みつく事もある。

三門 凰太郎 (みかど おうたろう)

大企業の青年社長で享楽的なプレイボーイ。高層マンションの最上階で悠々自適に暮らすが、迷い込んできた大人の姿の乱と出会い、彼女に惹かれていく。乱に対しては一線を越えない紳士的な面を持つが、骸虫に寄生され徐々に人格が変容していく。

日比 誠 (ひび まこと)

乱のクラスメイトでいじめの中心人物だったが、実は乱に片思いしていた。謝るきっかけを探して漆間家で身を潜めているうちに、乱が大人から子供の姿に戻るところを目撃してしまう。家は花屋。

橘 たま緒 (たちばな たまお)

漆間静に乱の教育係を依頼された魔女。ぶっきらぼうな態度ながら乱を指導する。魔力を持たずに生まれた魔法を使えない魔女だが、魔法研究の第一人者とされている。

月光院 仁央 (げっこういん にお)

乱のクラスに転校してきた少女で、獅子型の香炉「雷轟」を巨大化させ使役する魔法使い。たま緒に憧れ、弟子入りを望んでいたが叶わないままとなっており、乱に嫉妬して転校初日にクラス一同を巻き込んだ攻撃を仕掛けた。その優秀さはたま緒にも認められている。

別珍先生 (べっちんせんせい)

魔法使いの老医師。三門凰太郎に植えつけられた骸虫を発見し、凰太郎を生かそうと尽力した。灰町病院にも、人間の手に負えない奇病を治す奇跡の医者として伝説が伝わっている。休日には若い看護師を侍らせドライブを楽しんでいる。

皇珊瑚 (すめらぎさんご)

いずれも魔法使いである皇四姉妹の三女。裁縫と結界を得意とし、自ら紡いだ糸は自在に操ることができる。陣を長年慕っており、後に相思相愛となる。

皇瑪瑙 (すめらぎめのう)

いずれも魔法使いである皇四姉妹の長女。ボーイッシュな風貌で、若い魔女達からの人気が高い。黒羽衆に混じって戦いほどの実力者で、冷気を操る。

皇瑠璃 (すめらぎるり)

いずれも魔法使いである皇四姉妹の次女。髪を刃に変化させて操り、刃物を使わせたら魔女の中で一番との評判を得ている。別珍先生に惚れ込んでおり、傍にいることが多い。

皇琥珀 (すめらぎこはく)

いずれも魔法使いである皇四姉妹の四女。優秀な姉たちにコンプレックスを抱いている。「炭火焼きの魔法」しか使えなかったが、後に「人体心からポカポカ温まる魔法」を覚えた。

集団・組織

黒羽衆 (くろばねしゅう)

『乱と灰色の世界』に登場する集団。漆間全を長とする魔法使いの一団で、カラスに変身して灰町で様々な活動をする。骸虫の発見と駆除に尽力したが、多くの者が重傷を負った。

白狗衆 (しらこましゅう)

『乱と灰色の世界』に登場する、キツネに変身する魔法使いの集団。骸虫を食らい、その毒は体内の結界で無効化して食べるごとに巨大化していく。戦いを好みすぎる流浪の戦闘集団として魔法使いの村でも嫌われていたが、骸虫との戦いを経て和解の兆しを見せた。風呂を面倒臭がり、身なりは汚い。

場所

灰町 (はいまち)

『乱と灰色の世界』の舞台となる都市。日本の普通の都市だが、北東90kmに魔法使いたちが数百年暮らしてきた村がある。一般の市民は魔法使いの存在を知らないが、代々の市長には有事に備え魔法使いの存在を伝えられていた。市名の由来は、過去に1度すべてが灰になったから、とされている。

書誌情報

乱と灰色の世界 7巻 KADOKAWA〈ハルタコミックス〉

第1巻

(2009-11-16発行、 978-4047261457)

第4巻

(2012-07-14発行、 978-4047281165)

第6巻

(2014-04-14発行、 978-4047295766)

第7巻

(2015-06-15発行、 978-4047305823)

SHARE
EC
Amazon
logo