王様ゲーム 終極

王様ゲーム 終極

同名のケータイ小説をコミカライズしたシリーズ作品で、『王様ゲーム』に続くシリーズ第2作目。原作小説はエブリスタでの総閲覧数4000万を突破。小説は双葉社によって書籍化されている。コミカライズに加え、2011年12月には実写映画化、2017年10月にはテレビアニメ化された。

正式名称
王様ゲーム 終極
ふりがな
おうさまげーむ しゅうきょく
原作者
金沢 伸明
作画
ジャンル
デスゲーム
関連商品
Amazon 楽天

世界観

前作から7ヶ月後、現代日本に存在する高校の1クラスを舞台に、正体不明の「王様」からのメールによって、死のゲームを強要される生徒たちの物語。王様の命令は絶対で、どんなに理不尽なことであっても期限以内に達成しなければならない。達成できない場合は死の罰が待っている。ゲームを途中で抜けることは許されない。

あらすじ

第1巻

物語は、主人公の金沢伸明県立呉広高等学校の2年1組に転校してくるところから幕を開ける。前作で起った惨劇の唯一の生き残りである伸明は、かつての事件で受けたトラウマから立ち直れず、周囲から距離を置き、新たな環境になじめずにいた。だが、そんな伸明に対してクラスメイトたちは気さくに手を差し伸べてくる。彼らの暖かさに触れるうち、伸明の心は少しずつ開き始める。そして体育祭でのリレー参加をきっかけに、伸明は完全にクラスに溶け込んだ。このまま平穏な生活が続いてくれれば。そんな伸明の想いは、深夜12時に受信した王様メールによって打ち砕かれる。「送信者:王様」「件名:王様ゲーム」「これはあなたのクラス全員で行ってもらう王様ゲームです。王様の命令は絶対なので24時間以内に従って下さい」。やはり運命からは逃れられない。ならば、今度こそ誰一人殺させない。伸明は決意を固めて新たなゲームに挑む。

第2巻

絶対に誰も殺させない。そんな金沢伸明の決意をあざわうかのように、8人ものクラスメイトが「王様罰メール」によって非業の死を遂げる。かつての惨劇を唯一生き延びた伸明は、クラスメイトたちに事情を説明し、必死に結束を呼びかけるが、パニック状態の彼らは聞く耳を持たない。それどころか、伸明こそがこの事態を引き起こした元凶だと断じ、一方的に彼を責め立てる。特に伸明に好意を寄せていたかに見えた本多奈津子は、以前とは正反対の態度を見せ、伸明に敵対するようクラスを煽動する。その豹変ぶりは、狂気を感じさせる程だった。しかも奈津子は、何故か初体験のはずの王様ゲームの内実を知っているかのような態度すら見せる。孤立無援の状態に陥ったかに見えた伸明だが、そんな彼に手を差し伸べる者がいた。男気溢れる熱血漢・赤松健太である。健太のお陰で窮地を脱した伸明は、王様ゲームを終わらせる方法を探るため、夜鳴村へ向おうと思い立つ。そこは33年前、恐らく最初の王様ゲームが行われた場所。そこには、かつてのゲームの顛末を記したノートがあるらしい。

第3巻

金沢伸明赤松健太雪村美月と共に始まりの地、夜鳴村へと到着。ノートの捜索を開始する。そして伸明は、一人しか助からないはずの王様ゲームで、二人以上が生き残れる可能性があることを発見する。か細いながらも希望の糸口を見つけた伸明だが、三人は切迫した問題を抱えていた。美月に課せられた命令の期限が迫っていたのだ。クラスメイトの二人に死の宣告を行うという命令は、心優しい美月にとっては過酷なものだった。美月の命を守るという命令を自らに課した健太の存在も、彼女の心に重くのしかかる。果たして美月が行き着いた結論とは? そして健太の行動や如何に。伸明たちが奮闘する一方、本多奈津子の暗躍は続いていた。奈津子は偽の情報を使って、クラスメイトたちを翻弄し、次々と死に追いやっていく。そんな中、伸明の元に松本里緒奈から衝撃の情報がもたらされる。実は奈津子は、「別の王様ゲーム」の生き残りだというのだ。

第4巻

生き残った11人全員参加による「指折りゲーム」は、意外な展開を見せる。自らの指と将来の夢までをも犠牲にして、クラスの結束を促した永田輝晃と、利己的な本性を剝き出しにした本多奈津子。そしてそんな奈津子に対して、最後まで友であることを選んだ村角愛美。それぞれの想いが交錯したゲームの結果、11人が揃って生き残ることに成功する。協力して困難を乗り越えたことで、生き残ったメンバーの絆は深まった。しかし、奈津子だけは、自分自身の生き方を改める気は無かった。全員で生き残る方法を探ろうとする金沢伸明の姿勢を甘いと断じ、むしろ死によってこの地獄のゲームから抜けさせてあげるのが優しさだと主張する。それは、かつての王様ゲームの過酷な経験から、辿り着いた狂気の境地なのか。そして、彼女の狂気に戦慄する伸明たちに、新たな王様メールが届けられる。今度の命令は、亀ヶ首遺跡を目指すサバイバルレース。遺跡ではさらに過酷な運命が彼らを待ち受ける。

第5巻

8時間毎、最下位にはデスペナルティが与えられる過酷なサバイバルレース。亀ヶ首遺跡に辿り着くまで4人が犠牲となり、残るメンバーはわずか5人。生き残った安堵感、命を落とした者たちへの哀悼、最後まで妨害に奔走した本多奈津子への怒り、さまざまな想いが交錯する中、金沢伸明たちに最後の王様メールが届けられる。その内容は、余りにも残酷なものだった。「クラス全員、己で己の身体を切り裂き、切り裂いた部位を繋ぎ、人形を作れ。切り裂く箇所は、頭部、胴体、右腕、左腕、右脚、左脚。何人で行っても構わない。形作らなかった場合、全員に罰を与える」。戦時中、公にはできないおぞましい人体実験が行われ、何千人もの死者を出したとされる亀ヶ首遺跡。この呪われた地で、過酷極まる王様ゲームは、ついにクライマックスを迎える。果たして生き残るのは一体誰か? そして漆黒のヴェールに包まれた「王様」の正体と、その目的とは!?

登場人物・キャラクター

金沢 伸明 (かなざわ のぶあき)

7ヶ月前に起った『王様ゲーム』の惨劇の唯一の生存者。県立呉広高等学校の2年1組に転校してきた当初は、かつての事件のトラウマから自分の周囲に壁を作り、クラスメイトに対して努めて冷淡に接していた。だが、本多奈津子や赤松健太を始めとするクラスメイトたちの暖かい対応に、徐々に心をほぐされ、彼本来の明るく正義感の強い性格を取り戻していく。 新たな王様メールを受け取った後は、かつての悲劇を繰り返すまいと決意を固め、クラスメイトたちを救うべく、全力を尽くす。その一方で、過去に救えなかった友人たちへの悔恨の念や、恋人であった本多智恵美への想い故の逡巡や自暴自棄といった、後ろ向きな思考が頭をもたげることも。

本多 奈津子 (ほんだ なつこ)

出席番号24。金沢伸明の隣の席に座るクラスメイト。明るくマイペースな性格で、転校初日から伸明に積極的に話しかける。最初の王様メールで、伸明とのキスを命じられた際は、満更でも無い素振りを見せるなど、伸明に対してかなり好意的な雰囲気を漂わせる。しかし、実はその心の奥底に、どす黒い狂気と狡猾さを秘めている。物語が進むにつれて、その隠されていた本性が次第に明らかになっていく。 時折『王様ゲーム』の内容を熟知しているかのような態度を見せる、謎多き少女。

赤松 健太 (あかまつ けんた)

出席番号1。大柄な体格と溢れんばかりの男気を併せ持つ、頼り甲斐のあるクラスの中心的な存在。裏表の無い、からっとした性格の持ち主で、広島弁を喋る。典型的な脳筋単細胞タイプのようでいて、迫真の演技で本多奈津子を欺き、彼女の主張の矛盾点を鋭く突くなど、冴えた一面を見せることも。孤立無援だった金沢伸明を救い、彼が前を向いて進むきっかけを与える。

杉沢 遼 (すぎさわ りょう)

出席番号16。小柄でフェミニンなファッションを好むせいもあって、中性的な雰囲気を漂わせる男子。外見通り、優しく臆病な性格の持ち主で、それ故にクラスメイトを救おうと必死に足搔く金沢伸明や、彼を助けるために大胆な行動にうって出た永田輝晃に対して、憧れに近い感情を抱く。周囲に自分を男として認めて欲しいという想いが強く、その想い故に大胆な行動を起こす。

永田 輝晃 (ながた てるあき)

出席番号20。右目にある二つの泣きぼくろが印象的な、痩身のイケメンボーイ。手先が器用で、将来カリスマ美容師になる夢を抱き、高校生にとってはかなり高価な散髪バサミを所持、密かに腕を磨いている。当初は本多奈津子の狂気のような言動に翻弄され、彼女の言いなりになるものの、金沢伸明の真摯な姿勢に触れることで考えを改める。 そして、クラスの結束こそが大切だと気付いた永田輝晃は、周囲を驚かす思い切った行動に出ることになる。

松本 里緒菜 (まつもと りおな)

出席番号26。緩くウェーブのかかった長髪に、抜群なプロポーションを備えたギャル系のお嬢様。左目の泣きぼくろがチャームポイント。ゴージャスな外見にふさわしく、上から目線で高飛車な態度を取る。一人称は「里緒菜」。本多奈津子の秘密を突きとめ、金沢伸明に対して情報を提供する。プライドが高く、自分が足手まといになったり、迷惑をかけるのを嫌うが、心の奥底では頼れる相手を求めている。 伸明に憎まれ口を叩きながらも、その内心は見え見え。いわゆる典型的なツンデレで、かなりチョロイタイプ。

村角 愛美 (むらずみ あいみ)

出席番号29。髪はショート目で、学校内ではヘアバンドを着用。オデコを露出したスポーティな髪型の少女。かつては喘息持ちだったが、本多奈津子と出会い、共に陸上部に入ることで克服した。それ以来、奈津子に対しては依存状態に近い感覚で、厚い友情を抱いている。そのせいもあってか、奈津子に煮え切らない態度を取る金沢伸明に対しては、当初からキツめな対応を示す。 だが、その行き過ぎた友誼の心が、奈津子を思わぬ窮地に陥れることになる。

雪村 美月 (ゆきむら みづき)

出席番号31。ツインテールがトレードマークの小柄で優しい性格の少女。ゆるふわ系の雰囲気とは裏腹に、「どんなに憎くても私は人殺しにはならない!」と、自らのケータイをへし折ったり、赤松健太のために自らの命を投げだそうとするなど、芯が強く一途な一面を持つ。また、意外と感情表現が激しく、ときにエキセントリックすぎるきらいも見受けられる。 雪村美月を守ると誓った健太に乙女心をくすぐられ、その想いは次第に深まっていく。、。

本多 智恵美 (ほんだ ちえみ)

金沢伸明の恋人で、伸明に自らの命を奪わせることでゲームを終着に導いた悲劇の少女。故人であるにも関わらず、『王様ゲーム 終極』に於いても様々な局面で伸明の行動に影響を与えている。

場所

県立呉広高等学校

金沢伸明たちが通う、広島県の瀬戸内海沿いにある高校。

夜鳴村 (よなきむら)

広島県の中国山地の奥、鳥取県との県境の辺りにあった村で、現在は廃村となっている。33年前、最初の王様ゲームが行われた場所。村に通じるトンネルは封鎖されており、村は完全に朽ち果てた状態で、獰猛な野犬の群れが住み着いている。村にはかつて行われた王様ゲームの顛末を記したノートがあるとされ、現代まで続く王様ゲームから逃れる手がかりが得られる可能性も!?。

亀ヶ首遺跡 (かめがくびいせき)

第二次大戦中の軍事施設跡地。防空壕や廃墟がいくつも点在しており、かつてそこではおぞましい極秘の人体実験が行われていたという噂もある曰く付きの土地。何千もの人々が死んだ場所であり、崩れかけた廃墟は、彼らの怨霊が巣くっているかのような、おどろおどろしい雰囲気を醸し出している。

その他キーワード

王様ゲーム (おうさまげーむ)

王様から送られてくるメールの命令を達成するゲーム。達成できない場合は罰が与えられる。前作では失明や記憶の抹消、老化などの様々なケースがあったが、本作『王様ゲーム 終極』に於いては罰は全て死となっている。ただし、死亡のパターンは首つり、失血死、窒息、首の切断など、多彩に変化する。

王様 (おうさま)

参加者に命令を下し、従わなかった者に対して罰を与えるゲームの支配者。前作では謎のままだったその正体が、本作でついに明らかになる。

王様メール (おうさまめーる)

「王様」からの命令を参加者に伝えるメール。

罰メール (ばつめーる)

命令に従わなかった者が発生した際、参加者全員に送付されるメール。対象者の氏名と、下される罰の内容が記されている。

未送信メール (みそうしんめーる)

死亡した参加者の端末に残されるメール。内容は文字一つのみ。前回の王様ゲームでは、その文字を繋ぎ合わせて作られた文章が、唯一の生き残りである金沢伸明の端末にメールとして送信されてきた。

クレジット

原作

金沢 伸明

前作

王様ゲーム (おうさまげーむ)

金沢伸明の小説『王様ゲーム』のコミカライズ作品。「王様ゲーム」に巻き込まれた金沢伸明をはじめとする少年少女たちの、命懸けの戦いと惨劇を描いたサバイバルホラー。「E★エブリスタプレミアム」で配信された作... 関連ページ:王様ゲーム

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