瑪羅門の家族

瑪羅門の家族

瑪羅門家の三男である瑪羅門龍は、暗殺を生業とする一族の1人であった。仲間を集めながら世界を旅し、因縁のある別の一族と戦い続ける男の生き様を描く格闘アクション漫画。「週刊少年ジャンプ」に1992年に連載された、宮下あきらの第7作目の作品。

正式名称
瑪羅門の家族
ふりがな
ばらもんのかぞく
作者
ジャンル
アクション
 
ダークファンタジー
 
バトル
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概要・あらすじ

瑪羅門龍は、瑪羅門寺に住む変わり者一家である瑪羅門家の三男。しかし、瑪羅門一族は裏の顔を持ち、「聖なる力」でイメージ通りの死を与え、法で裁けぬ悪を闇で裁くことを生業としていた。17歳になった龍も「聖なる力」に目覚め、家族と共に世の中のために戦うようになる。そして龍は、瑪羅門一族と因縁のある魔修羅一族との抗争をきっかけに、世界に散らばっている「瑪羅門七人の戦士」を探す旅に出る。

龍は数々の戦いを経て存在感を増し、瑪羅門一族の運命を握る中心人物となっていく。

登場人物・キャラクター

瑪羅門 龍 (ばらもん りゅう)

瑪羅門家の三男。18歳の高校生で、普段は拳法部の主将を務めている。「瑪羅門の七つの聖なる力」の中で「念」の能力を持つ「瑪羅門七人の戦士」の一人で、日本の使徒でもある。指で「聖なる力」を相手に送り込む「指拳」を得意とし、瑪羅門最大秘法儀の1つ「昇龍荊」を使いこなす。大切な人を何人も殺された魔修羅一族に対しては、一族の中でも人一倍強い憎しみを持つ。

瑪羅門 凱 (ばらもん がい)

瑪羅門家の長男。現在失業中の21歳。高校時代には拳法部に所属し、全日本の団体戦において、準優勝の実績を持つ。本来は優勝する力を持っていながら、闇の世界で生きるために決勝では全て同期の堀田にわざと負けていた。髪の毛を使って「聖なる力」を送り込むことを得意とし、瑪羅門秘法儀「怒髪針」の使い手でもある。

瑪羅門 翔 (ばらもん しょう)

瑪羅門家の次男。19歳の予備校生。普段はおとなしく内気な性格に見られるが、闇の顔は実は兄弟の中でも一番冷徹で、魔修羅一族との抗争の引き金を引いたのも彼である。蜘蛛の糸のような「霊糸」を使って「聖なる力」を送り込むことを得意とし、瑪羅門秘法技「不動冥髖巣」の使い手でもある。

瑪羅門 惷 (ばらもん しゅん)

瑪羅門家の当主。瑪羅門龍の父で54歳。陶芸家だが腕前は三流。瑪羅門一族では伝説的な強さを誇った男と言われており、過去に魔修羅一族との抗争も経験している。「手刀」により相手を切り裂く技を持つ。家族の中では、情報収集を担当しており、実務である暗殺に関しては、基本的に3人の息子たちに任せている。

瑪羅門 寇 (ばらもん こう)

瑪羅門寺住職で、瑪羅門龍の祖父である。瑪羅門家族会議の議長も務める。年齢88歳。人の死に際の残像を「聖なる力」によって念写する、瑪羅門秘奥義「臨眼肖」の使い手で、暗殺対象となる相手はこれによって決定される。

ジェイク・バラモン (じぇいくばらもん)

瑪羅門七人の戦士の1人でアメリカの使徒。普段はサングラスをかけ寡黙であるが、たまに仲間内でトラブルを起こすこともある。日本人嫌いで度々瑪羅門龍と衝突する。「瑪羅門の七つの聖なる力」の中で「砕」の能力を持つ。拳に「聖なる力」を集中し相手に打ち込むことを得意としている。

マハール・バラモン (まはーるばらもん)

瑪羅門七人の戦士の1人でインドの使徒。大食いで好物のカレーを一気に七皿食べたことがある。しかしその食欲が、旅の途中で電車に乗り遅れるなど、トラブルの原因となることも。「瑪羅門の七つの聖なる力」の中で「力」の能力を持ち、持って生まれた怪力を「聖なる力」により増幅して使うことを得意としている。

チチ・バラモン (ちちばらもん)

瑪羅門七人の戦士の1人でアフリカの使徒。温厚な性格で七人の戦士たちのまとめ役。「瑪羅門の七つの聖なる力」の中で「獣」の能力を持つ。「聖なる力」を使い、地球上の全ての生物と意思を通じることが可能で、動物を使った攻撃と防御を得意としている。

瑪羅門 王 (ばらもん わん)

瑪羅門七人の戦士の1人で中国の使徒。気性が激しく短気である。「瑪羅門の七つの聖なる力」の中で「速」の能力を持つ。「聖なる力」を使い目にも止まらぬスピードで移動し、攻撃や防御をすることを得意とする。スピードにかけては誰にも負けないプライドを持っており、さらにスピード上げるためなら何でもする根性の持ち主である。

ナセル・バラモン (なせるばらもん)

瑪羅門七人の戦士の1人でシュメール共和国の使徒。普段は冷徹な男と思われているが、民衆のために大統領の暗殺に命をかける熱い正義感の持ち主でもある。「瑪羅門の七つの聖なる力」の中で「炎」の能力を持ち、「聖なる力」を使って手から炎を放つ攻撃を得意とする。

ジャン・バラモン (じゃんばらもん)

瑪羅門七人の戦士の1人でフランスの使徒。クラシックバレエダンサー。バルザック刑務所内にいる麻薬王のドン・カルロスに対して恋人の復讐をするために、宝石強盗を行いバルザック刑務所に収監される。「瑪羅門の七つの聖なる力」の中で「舞」の能力を持つ。「聖なる力」を使い驚異的なジャンプ力で相手を攻撃することを得意とする。

柳 大周 (やなぎ たいしゅう)

青凜道場の道場主で、瑪羅門龍ら3兄弟の「拳の師、心の師」である。怖いものなしの3兄弟が唯一頭の上がらない人物。全日本統一武道会では、団体戦で決勝に行くほどの実力者でもある。龍の能力を見極めようとした魔修羅の手にかかり、命を落とす。

超常瑪羅門の会会長 (ちょうじょうばらもんのかいかいちょう)

奇跡の力で予備校生の隠れた能力を引き出し、浪人生たちを大学に合格させると言うカルト団体「超常瑪羅門の会」の会長。総理大臣の白髪の数までわかると言う瑪羅門一族の情報網を持ってしても、本名がわからなかった人物。1970年代前半に米国国防省の特殊部門に研究所員として籍を置き、精神的向上の効果を持つ液体「ゲルカロイドP-3」を開発。 「超常瑪羅門の会」では、浪人生の会員達に高額な価格で「奇跡水」として販売をする。

桐島 直樹 (きりしま なおき)

アメリカ国籍の日系二世。カルト団体「超常瑪羅門の会」の会長補佐役。かつて米軍陸軍グリンベレーに所属していたこともある、破壊と暗殺のプロである。鍛えられた身体から繰り出される、特殊な両刃型のサバイバルナイフによる攻撃を得意とする。

陳 霊峰 (ちん れいほう)

表向きは、全日本統一武道会の決勝に進出した武道道場「魔修羅館」の代表的存在だが、裏の顔は魔修羅一族の総本山が、過去に幼少時の瑪羅門龍を暗殺するために放った刺客の元リーダー。龍ら3兄弟の母を死に追いやった張本人でもある。腕は立つが当時の瑪羅門惷にはかなわず、部下を皆殺しにされ自分だけ逃げ帰った経験を持つ。 魔修羅秘法儀「骨恾葬」の使い手である。

童峰 (どうほう)

表向きは武道道場「魔修羅館」館員であるが、裏の顔は陳霊峰の部下で魔修羅一族の総本山が放った刺客の1人である。古代インドの僧侶達が神事の際に使う笛「ナタラージャ」を使って人を自由に操り、記憶も消すことが出来る魔修羅秘法儀「魔笛開明骲」の使い手である。また、インドの奥地に生息する「アガスティヤ」という吸血蛾を操ることも出来る。

鏤峰 (ろうほう)

表向きは武道道場「魔修羅館」館員であるが、裏の顔は陳霊峰の部下で魔修羅一族の総本山が放った刺客の1人である。自分の爪の長さを自由に変えて相手との間合いを狂わせる、魔修羅秘法拳「牙猩咬」の使い手。

鑼愧 (どらき)

表向きはドラキュラ伯爵の子孫であるアンドリュー・ハイドホンⅤ世の執事で「ペリオ」を名乗っているが、その正体は魔修羅四誅王の1人である鑼愧。マントを蝙蝠(こうもり)の羽根のように使って上昇気流に乗り、自在に空を飛んで攻撃をする魔修羅秘法儀「蝙妖舞」の使い手。

ドン・カルロス (どんかるろす)

世界最大の麻薬組織のボス。懲役150年の刑でバルザック刑務所に留置されているが、ほとんど自由に暮らしており、刑務所の中から世界各国の麻薬の取引を行っている。慎重な性格で、常に3人の屈強なボディガードに守られている。ジャン・バラモンの恋人の仇でもある。

クランツ

ドン・カルロスを守る3人のボディガードの1人。最初の殺人が7歳で、飲んだくれの自分の父親であった。その時以来、人を殺すことに一切の感情を持たないマシーンとなり、299人の命を奪ってきた。鞭の達人でもある。

魎皇 (りょうこう)

ドン・カルロスを守る3人のボディガードの1人。中国拳法伝説の殺人拳と言われる「魍魎拳」を極めた世界最強の拳法家である。ガラスのブーメランを使った魍魎拳奥義「椿斬薨」やガラスの針を使った魍魎拳秘奥義「釗操経」の使い手。

デューク

ドン・カルロスを守る3人のボディガードの1人。拳銃の達人である。顔には不気味な傷があり、常に煙草をくわえている。実は裏の顔を持っており、瑪羅門龍たちがバルザック刑務所から脱出する手助けをする。

孔雀院 一馬 (くじゃくいん かずま)

表向きは無名若手政党「孔雀の会」の党首であるが、実は魔修羅一族最強と言われている男。「瑪羅門七人の戦士」の力を1人で兼ね備える、300年に一度出現する瑪羅門最強の戦士である「転輪聖王」に匹敵する能力の持ち主。

集団・組織

瑪羅門一族 (ばらもんいちぞく)

3000年前に古代インドで発祥した、密教僧達による世界平和と正義を願う一族。開祖の1人「ラーダ・バラモン」の子孫たちのことを指す。「聖なる力」という能力を与え、その使徒を世界各地に送り出した。世が乱れる時、歴史の裏舞台では常に魔修羅一族との戦いが行われている。

魔修羅一族 (ましゅらいちぞく)

3000年前に古代インドで発祥した、密教僧達による世界平和と正義を願う一族の中から、自分たちの理想世界を作るために袂を分った一族。開祖の1人「ゴープ・マシュラ」の子孫たちのことを指す。瑪羅門一族のように「聖なる力」を持ち、理想の世界を作るため瑪羅門一族との抗争を繰り広げている。

その他キーワード

聖なる力 (ちゃくら)

3000年の歴史を持つ古代のインド密教の秘法で「チャクラ」と読む。これを使って相手を意のままに操ったり、攻撃を加えたりすることができる。また、己の能力をさらに高めたりすることも可能である。

瑪羅門の七つの聖なる力 (ばらもんのななつのちゃくら)

瑪羅門一族が使う「聖なる力」は七つの能力に分けられている。その能力とは「念・砕・舞・獣・速・力・炎」で、基本的には1人につき1つの能力を持つ。ちなみに日本の瑪羅門家の凱、翔、龍の3兄弟の「聖なる力」はすべて「念」である。

瑪羅門七人の戦士 (ばらもんしちにんのせんし)

世が乱れ魔修羅一族が動き出す時、それを阻止するために瑪羅門一族の総本山が集めた選ばれし使徒のこと。しかし、使徒たちは世界中に散らばっているため、中には自分が選ばれし使徒であるという認識がない者もいる。300年に一度出現する瑪羅門最強の能力を持つ男「転輪聖王」を含めた、瑪羅門の聖なる七つの力それぞれの「聖なる力」で頂点を極めた7人の戦士を指す。

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