生理ちゃん

生理ちゃん

女性に月に一度やって来る生理にまつわるエピソードを、生理を擬人化したキャラクター、生理ちゃんとの付き合い方として描いた作品。Webマガジン「オモコロ」で2018年から連載。コミックスはKADOKAWAより発売され、「オモコロ」に掲載された「ツキイチ! 生理ちゃん」の9編に加え、描き下ろしの「PMSちゃん」も収録されている。第23回「手塚治虫文化賞」短編賞を受賞。

正式名称
生理ちゃん
ふりがな
せいりちゃん
作者
ジャンル
その他ギャグ・コメディ
 
その他医療・福祉・社会
関連商品
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あらすじ

第1巻

家の呼び鈴が鳴り、主婦のあけみが玄関へ向かうと、やって来たのは1か月ぶりの生理ちゃんの来訪だった。結婚7年目でそろそろ子供がほしいなどの世間話を終えると、生理ちゃんはあけみにパンチやキックをお見舞いして生理痛を与え、さらに腕に取り付けた注射器のアタッチメントであけみの血を抜く。帰宅した夫が、生理でしんどいあけみに心ない一言を放つと、怒った生理ちゃんは夫にもパンチを食らわせ、お仕置きとして血を抜いてしまう。それから数か月後、そろそろ来るはずの生理ちゃんがやって来ない。あけみの念願のおめでただった。さらに年月が流れ、少女に成長したあけみの娘が玄関へ行くと、「はじめまして初潮です」と挨拶する小さな生理ちゃんと対面するのだった。(エピソード「主婦と生理ちゃん」。ほか9エピソード収録)

登場人物・キャラクター

生理ちゃん (せいりちゃん)

生理を擬人化したキャラクター。身長は1メートルほどだが、対応する女性によって変化し、生理が軽い女性の生理ちゃんは体が小さい。全身はピンク色で、ハートマークのような姿をしており、つぶらな瞳と分厚い真っ赤な唇が特徴。鼻の位置に白い十字マークがあり、真っ赤なタイツのようなものを履いている。「どーも生理です」と月に一度、突然女性のもとへやって来ては、パンチやキックで生理痛を与えたり、クロロホルムを嗅がせて眠くさせたりする。「生理ちゃんシリンジ」という注射器型のアタッチメントを腕に取り付け、女性の血を抜く。しかし、担当する女性を思いやる優しい一面もあり、女の子が困った時には時速320キロで駆けつける。生理の辛さを理解できず、思いやりに欠けた男性にはパンチをお見舞いしたり、血を抜いたりして思い知らせている。煙草を吸ったり、パチンコに興じる事もある。

あけみ

結婚7年目を迎える主婦。子供をほしいと思っているが、なかなか恵まれず、最近は少しあきらめかけている。生理は重い方で、生理ちゃんの来訪を受けてぐったりしている。

九条 かおり

主に雑誌で仕事をしているフリーライターの独身女性。担当編集者である既婚の男性と寝た事がある。ほかの男性ライターのような面白い記事が書けずに、最近落ち込んでいる。

性欲くん (せいよくくん)

男性の性欲を擬人化したキャラクター。巨大なコンドームのような姿をしており、ゴム毬のような巨大な鼻とドーナッツのような分厚い唇が特徴。男性の性欲を感知すると、訪ねて来る。「3P」とか「無修正」とかの言葉を耳元で囁いて性欲を刺激する。

山本 りほ

コンビニの店員をしている女性。年齢は32歳。自分の容姿に自信がなく、男性との交際経験もない。すでに結婚はあきらめており、老後のお金を貯めたいからと、親に頼んで実家暮らしをしている。来訪して来た生理ちゃんに、自分はどうせ一生独りだからもう来なくていいと別れを告げるが、その後、イケメンの男性客から交際を申し込まれる。

童貞くん (どうていくん)

童貞を擬人化したキャラクター。童貞の男性の傍らに佇んでいる。帽子をかぶった四角い餅のような形で、つぶらな瞳と大きな鼻、子供っぽい顔つきをしている。

望月 となり

女子高校生。年齢は16歳。スーパーヒロインのレッドキャデラッツに変身し、先輩の向井めぐるが変身するブルーキャデラッツとのコンビで悪と戦う。しかし生理が重く、生理中は顔がひどくむくんでしまう。

向井 めぐる

女子高校生。年齢は17歳。望月となりの先輩。スーパーヒロインのブルーキャデラッツに変身し、となりが変身するレッドキャデラッツとのコンビで悪と戦う。生理は軽い方で、連れている生理ちゃんの体も小さい。

ゆい

江戸時代に暮らす娘。親の借金のカタに遊女として売られ、すでに梅毒を患っている。葛飾北斎の漫画のファンで、北斎の娘で絵師である葛飾応為の絵のモデルもしている。

葛飾 応為

江戸時代に暮らす女性絵師。葛飾北斎の娘。ゆいからは「お栄さん」と呼ばれ、慕われている。北斎の新作を読ませる代わりに、自分が描く美人画のモデルをゆいに頼んでいる。実在の人物、葛飾応為がモデル。

米田 ひかる

高校3年生の女の子。夕張高校の演劇部に所属する。脚本を担当しており、高校生活最後となる全国高校演劇大会に向けて、北村ゆきちとどちらの脚本が採用されるかを争っている。生理ちゃんによって、ゆきちと体が入れ替わってしまう。

北村 ゆきち

高校3年生の男の子。夕張高校の演劇部に所属する。米田ひかると同じく脚本担当で、ひかるのとなりの家に住んでいる。部屋には童貞くんと性欲くんがいる。生理ちゃんによって、ひかると体が入れ替わってしまう。

海野 青子

介護福祉士をしている女性。年齢は28歳。2年前に奥さんを亡くした子持ちの男性にプロポーズされて、迷っている。その男性の一人娘かりんは、11歳の気難しい年頃で、なかなか打ち解けられなかったが、かりんの初潮を助けた事をきっかけになかよくなっていく。

最上 桃子

カフェ店員をしている女性。年齢は19歳。作家を志望している。同じカフェで働くイケメンのいっぺいに恋しているが、自分がブスで太っているため、気持ちを伝える事ができずにいる。

黒川 クロエ

最上桃子と同じカフェで働く女性。年齢は21歳。アメリカ人と日本人のハーフでスタイル抜群の美女。連れている生理ちゃんも、星条旗のパンツを履いたアメリカ仕様。桃子が惚れているいっぺいと交際を始める。

坂井 泰子

昭和36年(1961)当時、発明サービスセンターの社長を務めていた女性。年齢は27歳。のちに日本初の使い捨て生理用ナプキンの開発者となる。

渡部 一

ミツミ電機の社長を務める男性。坂井泰子から、日本初となる使い捨て生理用ナプキンの開発資金の出資を求められ、2億円を用意する。その後も泰子と強力し、アンネナプキンの開発および販売を成功させた。

PMSちゃん

生理が始まる前に起こる、心と体のさまざまな不調を意味する「PMS」を擬人化したキャラクター。丸い体型で、頭からハートの触覚が生えている。つぶらな瞳と分厚い唇、十字の鼻、赤いほっぺが特徴。特になにをするでもなく、生理前の女性の傍らに寄り添う。

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