新カラテ地獄変

新カラテ地獄変

元特攻隊員の大東徹源が、終戦後の混乱期を経て、地上最強の空手家として世界を転戦する姿を描いたバイオレンス格闘アクション。主人公の大東徹源は、実在の空手家・大山倍達をモデルにしているため、大山の半生を描いた『空手バカ一代』との共通点が多く見受けられる。また、ヤクザやマフィアなど暗黒社会を舞台にしたバイオレンス描写、女性への拷問シーンが数多く描かれているのも特徴。雑誌連載終了後、続編である『正編カラテ地獄変』が開始されるが、1983年、原作者である梶原一騎が傷害事件により逮捕され連載は中止。単行本化の際は、影丸譲也が話を引き継ぎ、約100ページを追加して物語を完結させた。現在では、『正編カラテ地獄変』も含め、『新カラテ地獄変』と呼ぶのが一般的である。関連作品として、大東徹源の後継者である牙直人の活躍を描いた『ボディーガード牙』(『続・カラテ地獄変』の異称あり)、直人の生い立ちを描く『カラテ地獄変』(『新・ボディガード牙』、『カラテ地獄変・牙』の異称あり)がある。原作・梶原一騎、作画・中城健。

正式名称
新カラテ地獄変
ふりがな
しんからてじごくへん
作画
原作
ジャンル
バトル
 
空手
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概要・あらすじ

終戦直後の日本。元特攻隊員である大東徹源は、自身を「死にぞこない」と呼び、自暴自棄と虚無の真っただ中にいた。やがてヤクザの用心棒になった徹源は、柳ヶ瀬グループの頭領、柳ヶ瀬次朗と出会う。次朗の不思議な魅力に惹かれた徹源は、次朗と義兄弟の契りを結ぶまでになる。次朗徹源の空手の腕を惜しみ、日本一の空手家になるようにと諭す。

次朗の言動に打たれた徹源は、山籠もりを敢行。地上最強の空手家を目指す日々が始まった。

登場人物・キャラクター

大東 徹源 (だいとう てつげん)

元特攻隊員。後に「神の手」「牛殺し」などと称され、地上最強を標榜する徹心会を率いる空手家。終戦直後の日本で自暴自棄に陥り、ヤクザの用心棒になる。柳ヶ瀬次朗との出会いで、日本一の空手家を目指すことを決意。山籠もり修行ののち、戦後初めて行われた全日本空手道選手権大会で優勝する。しかし、伝統的な寸止め空手を「空手ダンス」と批判したため、空手協会から除名され孤立。 謎の金髪美女フォアラに誘われて渡米後は、世界中の格闘家や、暗黒社会を相手取って闘う。実在の空手家・大山倍達をモデルにしている。

柳ヶ瀬 次朗 (やながせ じろう)

関西在住のヤクザ。たった十人足らずで関西の暴力団の上前を撥ねる武闘派・柳ヶ瀬グループ(後の柳ヶ瀬組)の頭領。大胆不敵なケンカの達人ながら包容力にあふれた魅力的な人物。大東徹源と義兄弟の契りを結ぶ。徹源の空手の腕を惜しみ、日本一の空手家を目指すようにとアドバイスする。 実在の人物、柳川次郎がモデル。

狩野川 塔子 (かのがわ とうこ)

有楽町を縄張りとする狩野川組二代目組長。着物姿の美女で拳銃の名手。縄張りを荒らした大東徹源にピストルを向けるが返り討ちに会い、逆さづりにされてお尻を曝すという辱めを受ける。負かされたことにより徹源に惚れて関係を持つ。

日下 波之介 (くさか なみのすけ)

清濤流空手六段。戦後初の全日本空手道選手権大会の出場選手。沖縄空手の本流を引き継ぐ正統派の空手家で大会の優勝候補。決勝で大東徹源と闘う。

フォアラ

金髪でグラマーな美女。イタリア貴族の娘。大東徹源と関係を持ち、アメリカへと連れ出す。戦時中、父がムッソリーニ暗殺の黒幕となったため、ゲシュタポに姉を殺され、自身もなぶり者にされた過去を持つ。ユダヤ系財閥と組んでナチスの残党狩りを企み、徹源に協力を求める。モンテ・クリスト機関の中心人物の一人。

ジャコブ

太平洋沿岸のプロレス、ボクシングの興行を牛耳るプロモーター。ユダヤ系財閥の番頭格でもある。小柄で立派なひげを蓄えた老人。娘をゲシュタポに生体解剖された過去を持ち、ナチスの残党狩りに復讐の炎を燃やす。モンテ・クリスト機関の中心人物の一人。

飛竜 (ふぁんろん)

ラスベガス・マフィアの用心棒。ドジョウ髭の東洋人。マフィアの依頼で大東徹源を襲う。超巨漢のカンフー使いで、分厚いホテルのドアを素手でぶち抜く腕前。

カール・ローラン (かーるろーらん)

元ナチスの大佐。フォアラの姉が惨殺された強制収容所の副所長だった人物。戦後はアマゾンに身を隠し、原住民を私兵化して悠々自適の生活を送る。

イボンヌ・コッポラ (いぼんぬこっぽら)

元ナチスの強制収容所の女看守長。太った醜女でサディスト。フォアラの姉をいたぶり殺した挙句、その皮でランプシェードを作った女性。カール・ローランとともに、アマゾンの奥地で生活する。

白 月王 (ぱい いえわん)

香港カンフー最強の頭領。二枚目の優男。医者の免許を持ち、アメリカ名をバビロンという。アメリカに巨大なカンフー道場の組織を作る野望を抱く。大東徹源と死闘を繰り広げるが、徹源の純粋さに打たれて負けを認める。以後弟子となり、ハワイに大東カラテの支部を作る。

ガストン・ゴルゴ (がすとんごるご)

プロレス団体NWFの用心棒。2mを超える巨漢で長い顎が特徴。他団体のチャンピオンを再起不能になるまで痛めつけるため、チャンプ・キラーの異名を持つ怪物。大東徹源と死闘を繰り広げた後、徹源の強さに惚れこんで弟子となる。

マルセル・カルパンチェ (まるせるかるぱんちぇ)

フランス・サバット保存協会会長。大戦時に、抗ナチス・パルチザン運動の勇士として活躍した国家的英雄でもある。目的のためには手段を選ばない卑怯な人物。大東カラテ普及のためにフランスを訪れた大東徹源を捕らえ、麻薬漬けにする。

集団・組織

柳ヶ瀬グループ (やながせぐるーぷ)

『新カラテ地獄変』に登場する組織。大阪の暴力団グループ。柳ヶ瀬次朗を頭領に10人足らずで、大きな暴力団の上前をはねていた武闘派集団。後に組織は拡大し、柳ヶ瀬組となる。

モンテ・クリスト機関 (もんて・くりすときかん)

『新カラテ地獄変』に登場する組織。ナチスの残党狩りを目的に、ユダヤ系財閥の資本力を背景に結成された組織。ナチスの残党だけではなく、裏切り者のユダヤ人も復讐の対象。中心人物の一人であるフォアラの趣味で、粛清対象となった人物はひどい拷問の末に殺される。

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