パティスリーMON

パティスリーMON

恋愛経験のない25歳の女性山崎音女が、趣味のお菓子づくりをきっかけに新米パティシエとなり、フランス洋菓子店パティスリーMONで働きながら従業員の男性たちとロマンスを繰り広げる姿を描くラブストーリー漫画。主人公である音女の恋愛事情がメインに展開されるが、パティシエの奮闘や洋菓子への情熱に焦点が当たる場面が多く、職業ヒューマン・ドラマとしても楽しめる作品となっている。

正式名称
パティスリーMON
ふりがな
ぱてぃすりーもん
作者
ジャンル
恋愛
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概要・あらすじ

運命的な恋愛を信じるまま25歳を迎えた女性、山崎音女は、務めていたスーパーの閉店により無職となり、再就職に悩んでいた。そんな彼女のもとに、趣味で作ったお菓子を紹介していたブログ宛にかつて憧れていた家庭教師の男性、土屋幸平から連絡が届く。再会を果たした幸平はフランス菓子店パティスリーMONでパティシエを努めており、音女は彼の言われるがまま店で働くことに。

オーナー・パティシエの大門勇はかつて働いていた女性たちの印象から音女に厳しくあたるが、彼女の懸命かつ正直な仕事ぶりに感心し、めでたくパティスリーMONの一員として迎え入れられる。同僚の梅田レオン御手洗タロウ・ジロウと共に少しずつ技術を磨いていくなかで、音女は勇や幸平の過去に触れ、彼らとの関係を深めていくが、そこへ幸平の彼女である元従業員の片岡雪や勇の元同僚加瀬総一郎が現れ、音女の恋は波乱へと巻き込まれていく。

登場人物・キャラクター

山崎 音女 (やまざき おとめ)

パティスリーMONの新米パティシエで、黒髪のウェーブヘアと厚い唇が特徴の女性。運命的な恋愛を信じており、25歳ながら男性と交際したことがない。お菓子づくりが趣味で、自分の作ったお菓子を紹介していた。それが、かつての家庭教師をしていた憧れの男性土屋幸平の目にとまり、彼の紹介でパティスリーMONで働くこととなる。 はじめはオーナー・パティシエの大門勇から懐疑的に扱われていたが、地道な努力で徐々に技術を磨き、数々のトラブルを乗り越えてオリジナルの商品を店に並べるレベルに成長する。同時に、幸平との関係も深めていくが、勇を意識し始めている自分の想いに気づき、恋の葛藤に悩んでいく。 ちなみに、“音女”という名前は仲睦まじく暮らす両親の出会いが音楽喫茶だったことに起因している。

大門 勇 (だいもん いさみ)

パティスリーMONでオーナー・パティシエを務める人物で、寝グセ混じりの黒髪が特徴の男性。ぶっきらぼうな性格だがパティシエとしての技術と誠実さは一流で、素材にこだわる菓子作りは部下からも信頼されている。うつ病を患った母を邪険に扱った、昔気質の父親に対する復讐として、「親父が一番嫌いそうな職業」であるパティシエの道を選んだが、後に菓子作りに対する深い情熱を自覚するようになった。 山崎音女に対しては、直前に店を辞めた2人の女に対する不満からパティシエの採用に否定的だったが、彼女の仕事ぶりと熱意を評価するようになり、徐々に異性として意識するようになる。また、片岡雪とは製菓学校時代の同僚で交際経験があるが、性格の不一致から破局している。 ちなみに、ストレス発散に遊園地で絶叫系のアトラクションに乗りたがるが、すぐに体調を悪くしてしまう。

土屋 幸平 (つちや こうへい)

パティスリーMONでスー・シェフを務めるパティシエの男性で、金髪で高身長の好青年。かつて山崎音女の家庭教師をしていたことがあり、彼女からは“先生”と呼ばれている。また、気さくで優しい性格から、同僚にはツッチーと呼ばれて親しまれている。家庭教師時代に音女からもらったお菓子を食べたことで自分の可能性に気づき、製菓学校へ入学、パティシエとしての道を歩み始る。 その後、堅実な技術とカリスマ性から一流ホテルブリリアントホテルで腕を振るうほどの急成長を遂げるが、製菓学校時代の先輩である大門勇の誘いでパティスリーMONに引き抜かれた。片岡雪と交際していたが、店で共に働くうちに音女との関係が深まり、雪との交際を破棄して音女に告白した。 しかし、勇に対する想いに音女が揺れていることを察したことで身を引き、店を離れてブリリアントホテルに再就職することになった。

梅田 レオン (うめだ れおん)

パティスリーMONでパティシエとして働く小柄な青年で、フランス人と日本人のハーフ。金髪碧眼だが、日本育ちのためフランス語は一切喋れず、親の影響で日本語も怪しいことが多い。また、弱気な性格で、かつては容姿を理由に同級生からいじめられていたが、パティスリーMONのスタッフに暖かく支えられ、山崎音女とともに少しずつパティシエとしての成長をみせている。 なお、ドクロが好きらしく、私服のモチーフとしてよく取り入れている。

御手洗タロウ・ジロウ (みたらいたろう・じろう)

パティスリーMONでパティシエとして働く双子の青年で、そばかすに骨ばった輪郭と糸目が特徴。服装以外に容姿で2人を見分けるのは難しく、仕事場では担当する工程によって区別されることが多い。女性と噂話に目がない軟派な性格で、階段で可愛い女子高生に見とれて転げ落ち、入院したこともあった。 また、女性の話で盛り上がりすぎて仕事がおろそかになり、大門勇から注意されることも多いが、パティシエとしては頼りにされている。なお、梅田レオンと3人で合コンに臨んでいるが、勇の話題で盛り上がりすぎて玉砕している。

片岡 雪 (かたおか ゆき)

大門勇の製菓学校時代の同級生で、明るい髪色のボブカットとモデル体型が特徴の女性。友人としてはさばさばして話しやすい性格だが、意中の男性にたいしては嫉妬深い女性的な陰湿さを出してしまうタイプ。かつてはパティスリーMONでパティシエとして働きながら勇と交際していたが、性格の不一致から破局し、そのまま店から離れていた。 その後、心の隙間を埋めるように土屋幸平と交際を始めたが、彼が山崎音女との関係を意識し始めたことをきっかけに別れている。なお、御手洗タロウ・ジロウが事故で入院したときには、一時的に従業員として復帰している。

加瀬 総一郎 (かせ そういちろう)

かつて大門勇が働いていた洋菓子店のオーナー・パティシエを務める男性で、明るい髪色のショートカットと無精ひげが特徴の男性。勇が独立した後に店は潰れ、抱えた借金の返済を理由にパティスリーMONで働くことになった。しかし、勇とは妻の加瀬かな子をめぐるわだかまりが残っており、店を内部から壊滅させようと暗躍しはじめる。

加瀬 かな子 (かせ かなこ)

加瀬総一朗の妻で、ワンレングスカットの黒髪と厚めの唇が特徴の女性。過呼吸になりやすい体質で周囲から敬遠されていたが、総一朗だけは常に優しく介抱してくれたことが結婚の要因となっている。しかし、かつて総一朗がオーナーパティシエを務めていた洋菓子店では経営方針で度々対立し、泣いているところを大門勇に慰めてもらっていた。 しかし、その姿が総一朗に誤解を与え、結果として彼が勇を敵視するきっかけを作っている。

長谷川 (はせがわ)

一流ホテル“ブリリアントホテル”でパティシエをとりまとめるペストリー・シェフを務める男性で、後退気味の髪と眼鏡が特徴。常に落ち着いた物腰で対応する人格者で技術も高く、部下のパティシエからも信頼されている。カリスマが求められる洋菓子界の需要に対応すべく、かつて共に働いていた土屋幸平をブリリアントホテルへ呼び戻した。

安藤 (あんどう)

一流ホテル“ブリリアントホテル”でチョコレート菓子を作るショコラティエを務める女性で、切り揃えた長い黒髪と丸眼鏡が特徴。小柄だが性格は豪快かつ男勝りで、仕事帰りには同僚の男性・新田を引き連れて飲みに行く酒豪でもある。しかし、土屋幸平にアドバイスを求められた際には真摯に接しており、人格者の一面も見せている。

白鳥 (しらとり)

一流ホテル“ブリリアントホテル”でスー・シェフを務めるパティシエの男性。大柄で毛深い体格で、角刈りの髪に繋がり眉毛、青ひげという男らしい顔立ちをしている。そのため、パティシエという職業とルックスとの差にコンプレックスを抱いている。また、自分にはないカリスマを持つ土屋幸平がホテルに戻ったときには嫉妬心でいじけたこともあったが、長谷川に才能を認められすぐに復帰した。

キヨミ

山崎音女の高校時代からの友人で、センター分けしたセミロングの黒髪とスレンダーな体格をもつ女性。音女とヒロコの3人でよく会合を開いており、強めの口調で恋愛観や愚痴をこぼしていることが多い。また、マッサージとリフレクソロジーの店で働いており、音女に施術をしながら彼女の相談に乗る場面もあった。

ヒロコ

山崎音女の高校時代からの友人で、ぽっちゃりした身体とセミロングの明るい髪が特徴の女性。音女とキヨミの3人でよく会合を開いており、柔らかい物腰で相槌をうつ聞き役に徹していることが多い。また、3人のなかでは唯一の既婚者で、赤ん坊を連れて会合に顔を出したり、夫の話題を口にすることもある。

場所

パティスリーMON (ぱてぃすりーもん)

とある街にあるフランス菓子店で、オーナーパティシエは大門勇で、店名の“MON”は彼の名前からとったもの。大門は当初“パティスリー大門”という店名にするつもりだったが、土屋幸平の助言により、フランス語で“私の”という意味になる“MON”に変えられた。パティシエとして山崎音女、土屋幸平、御手洗タロウ・ジロウ、梅田レオン、加瀬総一郎が働いているほか、片岡雪も在籍していた。 フランス菓子のケーキや焼き菓子の店舗製造、販売がメインだが、大口注文や子供用のキャラクターケーキの製作も承っており、庶民的な店構えとなっている。また、店内にはカフェスペースも併設されており、山崎音女が就業する前はキヨミやヒロコとの会合に利用していた。

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