夕凪の街 桜の国

夕凪の街 桜の国

広島で被曝した女性平野皆実の戦後の日常と、現在を生きる姪の石川七波の日常を通して、原爆によって引き起こされる悲劇と人々の苦悩が「夕凪の街」、「桜の国・第一部」桜の国・第二部の三部構成によって描かれている。第9回手塚治虫文化賞新生賞受賞。第8回文化庁メディア芸術祭大賞受賞。

正式名称
夕凪の街 桜の国
ふりがな
ゆうなぎのまち さくらのくに
作者
ジャンル
第二次世界大戦
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概要・あらすじ

広島への原爆投下から10年後。被爆しながらも助かった平野皆実は明るく懸命に生きていた。だが、その胸の内では今もなおあの日見殺しにするしかなかった人々への罪悪感に苦しめられていた。そんなある日、同僚の打越に辛い思いを受け止められ、ようやく自分を肯定できるようになる。が、その矢先原爆症を発症し、命を落とす。

(第一部『夕凪の街』)

登場人物・キャラクター

平野 皆実 (ひらの みなみ)

広島で被曝。貧しくとも母を支え明るく気丈に暮らしているが、常に生き延びた後ろめたさに苦しんでいる。ほのかな思いをよせる打越に理解されたことで罪悪感から解放されるも、原爆症を発症し亡くなる。享年23歳。

石川 七波 (いしかわ ななみ)

平野皆実の姪で、石川旭の娘。男勝りで小学生時代は少年野球チームに所属。28歳になった現在、広島を旅する父を尾行したことで自分のルーツを慈しむことができるようになる。

石川 旭 (いしかわ あさひ)

平野皆実の弟で、疎開していたため被曝せず、疎開先の石川家の養子となる。被曝二世の太田京花と結婚。桜並木のある東京の中野に転居し石川七波と石川凪生のふたりの子を授かるが、妻に先立たれる。

石川 凪生 (いしかわ なぎお)

石川七波の弟。幼少期は喘息で入院することもあったが、成長とともに丈夫になり、医学部へ進学。恋人である利根東子の両親から、被曝二世の子であることを理由に交際を反対されている。

打越 (うちこし)

平野皆実の職場の同僚で、彼女に想いをよせている。被曝者として、また生き残った者としての平野皆実の苦悩を理解し受け止める。

平野 フジミ (ひらの ふじみ)

平野皆実と石川旭の母で、石川七波の祖母でもある。広島で被曝。原爆により夫と末娘を失い、長女と次女も次々と見送った辛い経験から、長男の石川旭と被爆二世の太田京花との結婚に難色を示す。

太田 京花 (おおた きょうか)

石川七波の母。母親が妊娠中に被曝し、被曝二世として生まれる。明るく優しい性格で、石川旭と結婚し、東京へ転居。石川七波と石川凪生のふたりの子を授かり幸せに暮らすが、幼い子らを残し亡くなる。

利根 東子 (とね とうこ)

石川七波の幼馴染。お嬢様育ちで女の子らしい性格だった。成人してからは看護師となる。石川凪生と付き合っているが、交際を親に反対され、反発。広島へ向かう石川七波に急きょ同行することに。

平野 霞 (ひらの かすみ)

平野皆実と石川旭の姉で平野フジミの長女。広島で被曝した2ケ月後に原爆症を発症し、亡くなる。享年15歳。

場所

広島 (ひろしま)

1945年8月6日、アメリカ軍によって原子爆弾を投下される。「夕凪の街」の主人公平野皆美が暮らしていた。

東京中野区新井薬師 (とうきょうなかのくあらいやくし)

石川七海が幼少期を過ごした、桜並木のある町。

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