天獄 -HEAVEN'S PRISON-

天獄 -HEAVEN'S PRISON-

吸血衝動をもつ不老不死の美少年、終夜空と、彼に仕えて戦うメイド服の人造人間砂姫、そして、彼女たちに偶然遭遇したことから空をめぐる戦いに巻き込まれた透湖の3人を主軸にして描かれる、吸血鬼を題材にしたダークファンタジーアクション漫画。物語は異能力者や怪物のバトルが中心となるが、数多く登場する美少女や美少年が織りなすエロティックな展開も強く押し出されている。また、物語の後半からはキリスト教にまつわる要素が増えていくが、伏線や設定の多くは解明されないまま未完となっている。

正式名称
天獄 -HEAVEN'S PRISON-
ふりがな
てんごく へぶんず ぷりずん
作者
ジャンル
ファンタジー
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概要・あらすじ

退屈な日常を送っていた女子高生透湖は、ある日交通事故現場で血を採取するメイド服の少女、砂姫と、彼女の主人である謎の美少年、終夜空に遭遇する。そして、突如勃発した人間離れした戦闘に巻き込まれるなかで、彼に血を吸われかけてしまう。間一髪で一命をとりとめ、訳もわからぬまま取り残された透湖は、その事件のあらましを親友である瀬川真理(せがわまり)に打ち明ける。

そして、その少年が真理の妹瀬川羽海のクラスメイトであることを突き止める。同じく空に興味を持つ羽海と意気投合し、持ち前の好奇心から空に接近を試みた透湖たちは、吸血衝動に苛まれながらも“30枚の銀貨”を探し、人間になろうとする不老不死の空と、空の体内に流れる「神の血」を求めて彼を狙う吸血鬼狩りの専門組織“教団”とのあいだに巻き起こる壮絶な戦いを目の当たりにすることとなる。

亜梨子率いる戦闘部隊の“カルテット”や“強欲”の操る生き人形“イシス”など、“教団”の関係者が次々と登場し、激しさを増していく戦いのなか、真理がある吸血鬼の下僕に襲われて凶暴化したことをきっかけに、事態は大きく進展していく。

登場人物・キャラクター

砂姫 (さき)

終夜空に仕える人造人間“ホムンクルス”で、後ろでまとめた黒髪と眼鏡が特徴の少女。胸が小さいことをコンプレックスにしている。影を自在に操ることが可能で、影に仕込んだ武器を取り出したり、相手の影を掴んで拘束したりといった戦術で空を狙う敵対勢力に対処している。 また、戦闘時はメイド服を着用している。一見おしとやかな性格に見えるが、そのほとんどが空に教えられたものであり、実際は空への従属意識以外の感情が欠落している。その結果、瀬川羽海一家の惨殺を見過ごしたことから空から拒絶されてしまい、一時的に心神喪失状態となってしまう。しかし、透湖に保護され、彼女と少しずつ親交を深めることによって人間性が芽生え始め、透湖を友達として認めるまでに成長していく。 なお、コスプレ居酒屋でアルバイトをしており、戦闘で一張羅のメイド服が損傷した際には仕事着の巫女服を着用していた。

透湖 (とうこ)

平凡な日常を送るごく普通の女子高生で、金髪のロングヘアと巨乳が特徴。瀬川羽海の姉でオタク趣味の瀬川真理(せがわまり)と親友関係にあり、よく行動をともにしている。人間に見えない状態で行動していた砂姫を目撃したことをきっかけに終夜空と、彼を付け狙う組織“教団”との戦いに巻き込まれていくが、好奇心旺盛で物怖じしない性格から砂姫たちと親交を深めていく。 真理が吸血鬼の下僕に襲われたことで暴走し、家族を惨殺した事件をきっかけに、砂姫が空から拒絶されたときには、自我を喪失した彼女を長期間自宅で保護し、共に過ごすことで人間性の回復に貢献した。なお、苗字は明かされないことや、異能力を見破る力を発揮することなど、謎が多いが、これらは作品内で語られることはなかった。

終夜 空 (よすがら うつほ)

砂姫を従える謎の美少年で、銀髪と赤い瞳が特徴。“神の血”を体内に宿すことから人並み外れた身体能力と異能力、不老不死の肉体を兼ね備えているが、体内の血を薄めるための吸血衝動に苛まれている。そのため、周囲からは吸血鬼と同一視されている。また、血が濃くなりすぎると力が暴走して理性を保てなくなってしまうが、暴走時には砂姫に自身を殺すように命じている。 人間として天寿を全うして死ぬことを目標にしており、そのために“30枚銀貨”と呼ばれる銀貨を求めて旅をしている。なお、普段は小学生として社会に溶け込んでいるが、吸血鬼の事件に巻き込まれて記憶喪失になった瀬川羽海を保護して暮らしていたときは、一時的に青年の姿をとっている。

瀬川 羽海 (せがわ うみ)

終夜空のクラスメイトで、黒髪のお下げに眼鏡をかけた女子小学生。クールな性格と大仰な口調が特徴で、いつも独りで本を読んで過ごしていたが、空の吸血衝動を知り、彼に指先から血を舐めさせたことをきっかけに彼と親しくなる。また、透湖の親友でオタク趣味の瀬川真理(せがわまり)を姉にもち、空の情報提供をしたことから透湖とも面識をもち、彼女に気に入られるようになった。 物語の中盤では真理が吸血鬼に血を吸われた影響で暴走し、家族を惨殺した光景を目撃し、自身も殺されそうになったところを空に救われている。しかし、そのショックから記憶喪失に陥ってしまい、以後は空の庇護のもとで暮らすようになる。

“色欲” (しきよく)

吸血鬼狩りを生業とする集団で、終夜空を付け狙う“教団”の“大教主(グランドマスター)”を務める人物。金髪で褐色の軟派な性格の色男で、“教団”では常に複数の女性をはべらせている。戦争で故郷と右目を失った孤児で、犯罪に手を染めることも厭わない過酷な生活から自身を救済しなかった神を憎悪しており、神を滅ぼす計画の一翼として空に目をつけた。

“怠惰” (たいだ)

吸血鬼狩りを生業とする集団で、終夜空を付け狙う“教団”に所属する人物。後ろで束ねたボサボサの黒髪と無精髭が特徴の男性。普段はホームレスのような格好をしているが、“教団”に顔を出す際はスーツを着ることも多い。性格は名前に違わず怠惰で無気力だが、人形に愛される特異体質を持っており、生き人形のヒルデガルドやそのコピーを使役して砂姫の前に立ちはだかった。

“強欲” (ごうよく)

吸血鬼狩りを生業とする集団で、終夜空を付け狙う“教団”に所属する人物。金髪のウェーブヘアと抜群のスタイルを持つ妖艶な女性。その正体は吸血鬼伝説のモデルであり、「血の伯爵夫人」と恐れられた16世紀のハンガリー貴族、エリザベート・バートリーであり、他人の血や精気を得ることで若さと寿命を維持し続けている。 目的のものを奪うためなら手段を問わない人物で、生娘の生き血欲しさに“指揮者”から授かった生き人形イシスを使ってクリスを殺害している。なお、他人に何かを分け与えることにも長けており、イシスは生き人形でありながら人間のような喜怒哀楽を有している。ちなみに、“怠惰”とは幼少時から知り合っており、彼の貞操も奪っている。

亜梨子 (ありす)

吸血鬼狩りを生業とする集団で、終夜空を付け狙う“教団”の戦闘部隊“クインテット”のリーダーを務める人物。黒髪のショートヘアで、生真面目な性格の女性。ナイフのように突き刺さる音叉に音の振動を伝える戦法を得意としており、クインテット全員が揃って歌唱することでさらに絶大な力を発揮する。 メンバーでは唯一の日本人だが、“教団”の要請に応じて来日した際には、方向音痴ぶりを披露してメンバーを困惑させた。なお、エルシィとは幼少時からの付き合いがあり、彼女から「お姉さま」と呼び慕われている。また、過去に両親を殺害された経緯から吸血鬼に特別憎悪を抱いており、ディアナがハーフ・ヴァンパイアと発覚したときには怒りを露わにした。

ベアトリス

吸血鬼狩りを生業とする集団で、終夜空を付け狙う“教団”の戦闘部隊“クインテット”に所属するメンバーの1人。紫色の腰まで届くロングヘアで、クインテットでは唯一眼鏡をかけている女性。また、メンバー随一の巨乳の持ち主でもある。落ち着きのある性格で、かつてはクインテットのリーダーも務めていたが、過去の戦闘による負傷から亜梨子にその座を譲っている。 なお、ディアナがハーフ・ヴァンパイアであることには気づいていたが、メンバーには打ち明けていなかった。

ディアナ

吸血鬼狩りを生業とする集団で、終夜空を付け狙う“教団”の戦闘部隊“クインテット”に所属するメンバーの1人。銀髪のウェーブヘアで、寡黙でクールな印象をもつ少女。“教団”のメンバーでありながら、吸血鬼の血を受け継ぐハーフ・ヴァンパイアであり、それを隠して活動していた。 しかし、クリスの絶命時に彼女の血を吸ったことで事実が露呈し、“教団”の地下に幽閉されてしまう。なお、砂姫との戦闘に巻き込まれた犬飼真吾を一時的に保護しており、彼からは特別な想いを抱かれている。

エリザベス

吸血鬼狩りを生業とする集団で、終夜空を付け狙う“教団”の戦闘部隊“クインテット”に所属するメンバーの1人。茶髪のツインテールで、内気で子供っぽい性格の小柄な少女。亜梨子とは幼少時から“教団”の学校で過ごしており、彼女のことを「お姉さま」と呼んで特別に慕っている。

クリステラ

吸血鬼狩りを生業とする集団で、終夜空を付け狙う“教団”の戦闘部隊“クインテット”に所属するメンバーの1人。金髪のショートヘアが特徴のボーイッシュな女性。勝ち気な性格で、クインテット全員で砂姫と相対したときは、音を閉じ込めた小さなボールを駆使して彼女を追い詰めたが、“強欲”の使役する人形イシスの不意打ちで殺されてしまう。 なお、ディアナがハーフ・ヴァンパイアであることを知っており、絶命時には血を吸わせている。

“指揮者” (こんだくた)

教会で神父を務める男性で、長身と金髪のロングヘア、眼鏡が特徴の美しい男性。砂姫と終夜空の協力者で、行くあてのない彼女たちを教会に居候させていた。また、重度のショタコンかつゲイであり、空に事あるごとに手を出そうとすることから、砂姫に快く思われていない。 人形造形を趣味としているが、実は空を狙う“教団”のメンバーであり、“強欲”の使役する人形“イシス”の製作した人物である。また、亜梨子率いる“クインテット”の指揮も任されている。

犬飼 真吾 (いぬかい しんご)

終夜空のクラスメイトで、短髪の活発な男子小学生。女子のスカートめくりを日課としているスケベな性格だが、女性を大事にしない男には敵意を示す誠実な一面もある。実は犬に変身することができる“狗神憑き”の血を引く獣人で、吸血鬼騒ぎを聞きつけて空の前に現れたショタコンの魔物ハンター平坂暦(ひらさかこよみ)と連携して吸血鬼の下僕を退治したこともある。 また、砂姫とディアナが学校で引き起こした戦闘に巻き込まれた際は、ディアナに一時的に保護されており、以後彼女を意識するようになる。

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