ヘルプマン!

ヘルプマン!

高校3年生の恩田百太郎は、友人である神崎仁が老人介護の道に進んだことをきっかけに、高齢社会の厳しい現実を目の当たりにする。そして、自らもまた老人介護の仕事を始める。老人介護の世界をリアルに描いた社会派漫画。第40回日本漫画家協会賞大賞受賞。

正式名称
ヘルプマン!
ふりがな
へるぷまん
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

高校3年生である恩田百太郎は、出席日数が足らない上に、赤点だらけの成績で留年していた。ある時、同じく留年していた友人の神崎仁から、高校を中退して老人介護の仕事に就くという話をされる。帰宅の際に出会った徘徊老人を通じて、介護の現場の厳しさを痛感し、神崎仁同様に、高校を中退して老人介護業界に就職する決意をする。

登場人物・キャラクター

恩田 百太郎 (おんだ ももたろう)

高校に通う短髪の少年。無鉄砲だが、明るく行動力がある。両親と祖母、弟と暮らしている。神崎仁の影響や徘徊老人である長沼重造と出会ったことから、介護の仕事をすることを決心し、介護の世界にのめり込んでいく。

神崎 仁 (かんざき じん)

恩田百太郎の友人。頭は良いが試験を受けないために成績は悪い。老人介護は伸びしろのある産業だと考え、高校を中退して介護士として就職する。介護に対する思いは恩田百太郎にも引けを取らない。

恩田 サダ (おんだ さだ)

恩田百太郎の祖母。恩田百太郎や息子である恩田邦夫に口うるさくしているが、自分が老人介護を受け、恩田美都子に苦労をかけたくないと考えているなど、家族に対する思いやりが非常に強い。

恩田 邦夫 (おんだくにお)

恩田百太郎の父親でカメラが趣味。母親である恩田サダからは、恩田百太郎がぐうたらなのは父親に似たためと言われている。神崎仁の父親とは旧知の間柄。

恩田 美都子 (おんだみつこ)

恩田百太郎の母親。恩田サダの介護は自分がすると言い出すなど、非常に優しく家族思い。ほぼひとりで弁当屋を切り盛りしている。

恩田 律 (おんだ りつ)

恩田百太郎の弟。色黒で筋骨隆々とした体格をしている。後に自衛官になる。

宝来 みのり (ほうらい みのり)

恩田百太郎や神崎仁のクラスメイト。黒髪のロングヘアーが特徴で、留年して疎外されている恩田百太郎や神崎仁に対しても分け隔てなく接する優しさを持つ。高校卒業後は介護福祉士となり、グループホーム・よっこら荘で恩田百太郎の同僚となる。

桃代 (ももよ)

ウェーブのセミロングヘアーに口元のほくろが特徴の女性。恩田百太郎と神崎仁が最初に勤めることになった高齢者介護施設あいらんどの先輩。知識も経験もなく飛び込んできた恩田百太郎に、介護について色々と教えることになる。

長沼 重造 (ながぬま しげぞう)

街中を徘徊しているところを恩田百太郎が見つけ、高齢者介護施設あいらんどまで連れていった痴呆高齢者。

沢田 千鶴子 (さわだ ちづこ)

高齢者介護施設あいらんどの入居者で、眼鏡に派手な口紅が特徴の高齢女性。あいらんどで恩田百太郎が介護を担当した初めての人物。

山咲 正孝 (やまざき まさたか)

山咲幸助の息子。55歳。父親を介護する母親を助けるため、仕事を早期退職して実家暮らしをする。川口一彦とは昔からの友人。

山咲 幸助 (やまざき こうすけ)

山咲正孝の父親。脳溢血で倒れて右半身麻痺となり、介護が必要となるが、もともとは会社の重役であったことなどから非常にプライドが高く、介護されることを屈辱に感じてしまう。

山咲 珠緒 (やまざき たまお)

山咲正孝の母親。脳溢血で倒れた夫を介護していたが、その最中に自分も倒れてしまう。

川口 一彦 (かわぐち かずひこ)

山咲正孝の昔からの友人で、山咲正孝と山咲家のことを心配している。リカーショップ「カワグチ」を経営しており、地域の民生委員も務めている。

鶴田 マサル (つるた まさる)

グループホーム・よっこら荘に入居している高齢者。グループホーム内での性行為により、他の施設に入ることになるが、その矢先にベランダから転落し、病院で死去する。若い頃から女性好きで、仲間内では有名だった。

坂本 律子 (さかもと りつこ)

恩田百太郎や宝来みのりが勤めるグループホーム・よっこら荘のホーム長で、ベテランの看護士。高齢者介護に正解はないとしていたが、鶴田マサルの死や、恩田百太郎の掲げる理想を目の当たりにして、高齢者には最期まで自分らしく生きて欲しいと思うようになる。

川島 (かわしま)

ケアマネージャーになった神崎仁が勤める愛ワークの先輩女性。仕事をこなせる女性。低賃金であることに加え、神崎仁の推し進める改革を気に病んでいたが、マンモスケアが不正をしていると知り、神崎仁の改革を後押しするようになる。

稲垣 (いながき)

ケアマネージャーになった神崎仁が勤める愛ワークの先輩。ケアマネージャーをはじめとする高齢者介護の在り方に疑問を持っていたこともあり、マンモスケアの不正を知ると、神崎仁が掲げた改革を真っ先に後押しした人物。

沢口 (さわぐち)

ケアマネージャーになった神崎仁が勤める愛ワークの所長。年配の女性で、もともとは愛ワークを包括する会社の人間だった。会社の理念と神崎仁の提唱する理想の板ばさみになるが、最終的には神崎仁を後押しし、在宅介護支援事務所ケアマネを立ち上げる。

寺田 (てらだ)

マンモスケアの部長。神崎仁らが立ち上げた在宅介護支援事務所ケアマネを快く思っていない反面、マンモスケアの在り方にも疑問を持っている。もともとは沢口の恋人であり、介護の在り方を真剣に考えている。

新居 正美 (あらい まさみ)

愛ワークなどを包括するマンモスケアの最高顧問。脳内出血をして半身麻痺と言語障害になり、自身が経営している介護施設に入居する。しかし、その現場では自分の理念が行き届いていないことに絶望し、最終的には寝たきりになってしまう。

花岡 衛二 (はなおか えいじ)

支庁舎に勤める役人であり、マンモスケアからケアマネが違法なケアプランを行なっていると苦情を受け調査するが、その現場を見て思い悩む。後にマンモスケアからの苦情取り下げを受け、ケアマネの行動を不問とした。

小宮 誠一 (こみやせいいち)

中堅企業の中間管理職。弟夫妻が面倒を見切れなくなった認知症の母親を在宅介護することになる。嫁と娘がいる。

古田ジェーン (ふるたじぇーん)

小宮家に派遣されたフィリピン女性の介護士。明るく気さくな性格をしており、自国の家族に接するように介護する。スクールに通いながら介護士をしている。日本人の娘がいる。

北 丈夫 (きた たけお)

福祉の専門学校に通う学生。ロングヘアーにヘアバンドが特徴。どちらかと言えば不真面目だったが、恩田百太郎と神埼仁に介護の現場を見せられたことと、同じ団地に住む老人の孤独死に立ち会ったことで真剣に介護の在り方を考えるようになる。

集団・組織

愛ワーク (あいわーく)

『ヘルプマン!』に登場する団体。神崎仁がケアマネージャーとなって初めて勤めた会社。表向きは認可を受けた介護のための独立組織だが、実際はマンモスケアのグループ企業であり、その実務は実質的にマンモスケアの営業となっていた。

マンモスケア

『ヘルプマン!』に登場する団体。愛ワークなどを包括するグループのトップ企業。最高顧問は新居正美で、介護では県下最大のグループ企業となっている。

ケアマネ

『ヘルプマン!』に登場する団体。神崎仁が勤めていた愛ワークが独立して立ち上げられた在宅介護支援事務所。事務所は神崎仁の父親が経営している喫茶店の1Fにある。

場所

あいらんど

『ヘルプマン!』に登場する高齢者介護施設。恩田百太郎と神崎仁が最初に勤めた高齢者介護施設。

よっこら荘 (よっこらしょう)

『ヘルプマン!』に登場する高齢者介護施設。宝来みのりが勤めており、後に恩田百太郎もここに勤めている。

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