票田のトラクター

票田のトラクター

金集めの才覚に長けた新米の政治家秘書を主人公に、選挙活動や派閥争いなどの政治の裏側をコミカルに描いた作品。原作者のケニー鍋島は、別名で長らく政治ジャーナリストとして活動しており、その取材から得た情報をフィクションの形でまとめたのが本作だとされている。作中の人物名、政党名、企業名などはいずれも架空だが、実在するものをモデルとしていることがわかりやすい形で描かれている。コミカルでありながらリアルな政治漫画として好評を得、完結後には続編として『新 票田のトラクター』『票田のトラクター 五輪見参』の2作が発表されている。

正式名称
票田のトラクター
ふりがな
ひょうでんのとらくたー
原作者
ケニー鍋島
作画
ジャンル
政治家・政界
関連商品
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概要・あらすじ

父親のすすめで、新進の政治家・稲山一郎の秘書となった筒井五輪は、若いながらも人情の機微を突く交渉力と度胸で、めきめきと頭角を現していく。稲山にとって最初の関門である衆議院選挙では、同選挙区の大物政治家である対立候補の有力支持者たちをさまざまな手管で稲山派へと寝返らせ、第一秘書に出世。政権を握る民自党の幹事長・中村茂とその右腕である秘書・早瀬剛らの薫陶を受けながら、政界の裏舞台で活躍を続けていく。

登場人物・キャラクター

筒井 五輪 (つつい ごりん)

品格や洗練からは縁遠いが、度胸と機転と悪知恵には頭抜けたものがある若者。大学卒業後、定職に就かずぶらぶらしていたが、父親のすすめで政治家・稲山一郎の秘書となる。正攻法の説得から、買収や脅迫まがいの手段まで平然とこなす一方、主である稲山には強い忠誠を示し、そのためなら泥を被ることも厭わない。 中京市出身で、口癖は「こりゃ、やめられねーずらよぉ」。

稲山 一郎 (いなやま いちろう)

民自党幹事長・中村茂の秘書から政治家へと転身、中京県選挙区から立候補し衆議院議員となる。当選後は、一年生議員ながら、中村茂の側近として国政の表と裏に関わっていく。

森口 靖子 (もりぐち やすこ)

稲山一郎の秘書のひとりで、五輪と同年代の美女。五輪にとっては同僚であり先輩でもあるが、裏の仕事に関わっている描写は無い。五輪は彼女に一目ぼれしており、それなりにアプローチするが、本作中では両者の仲にほとんど進展は無い。ただし、続編の『新 票田のトラクター』では五輪の妻となっている。

安川 (やすかわ)

稲山一郎の筆頭秘書を務めていたが、実は稲山の対立候補である権木半助と繋がっており、衆議院選挙直前に権木派に寝返った。

権木 半助 (ごんぎ はんすけ)

民自党飛田派の重鎮で、稲山が立候補した中京県選挙区選出のベテラン議員。同選挙区で票を争ったことから稲山を敵視しており、選挙後もさまざまな妨害工作を仕掛けてくる。

中村 茂 (なかむら しげる)

民自党幹事長を務める超大物政治家。党内最大派閥の長であり、次期総理の座を狙って他の派閥のトップたちとしのぎを削っている。国会運営に精通した策士であり、普段の物腰は柔らかいが、ここ一番では怪物的な迫力を見せる。

早瀬 剛 (はやせ つよし)

中村茂の右腕と言われるベテラン秘書。五輪に政治家秘書の何たるかを教え、数々の裏仕事の進め方を伝授した。

伝間 孝太郎 (でんま こうたろう)

民自党中村派所属の若手政治家。自信に満ちた恰幅の良い男性で、稲山のライバルとなる。

集団・組織

民自党 (みんじとう)

『票田のトラクター』に登場する架空の政党。作中の政権与党であり、稲山、中村、権木、伝間など登場する多くの政治家が所属していている。自由民主党をモデルとしている。

場所

中京県 (ちゅうきょうけん)

『票田のトラクター』に登場する架空の県。五輪及び稲山の出身地であり、稲山の選挙区でもある。愛知県がモデルであり、その中心は中京市となっている(五輪が話す方言も「中京弁」と呼ばれる)。

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