球道くん

球道くん

日本全国が注目する超高校級ピッチャーとなる中西球道の成長を描く。幼少期が描かれる「球童の章」、児童期を描く「球児の章」、中学3年から高校3年の春を描く「球春の章」の三つの章で構成されている。野球漫画の第一人者・水島新司の代表作の一つ。続編的な作品として中西球道の高校3年の夏を描くクロスオーバー作品『大甲子園』、『ドカベンプロ野球編』、『ドカベンスーパースターズ編』、『ドカベンドリームトーナメント編』がある。

正式名称
球道くん
ふりがな
きゅうどうくん
作者
ジャンル
野球
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概要・あらすじ

幼少時に実母が失踪、プロ野球選手の実父とも死別した野球の天才・中西球道は、中西夫妻に引き取られその事実を知らず成長する。その後、プロ野球選手となった養父の異動で北海道から九州小倉、千葉浦安へと各地を転々とする生活の中で仲間やライバルに出会い野球の才能を開花させながら成長していく。

登場人物・キャラクター

中西 球道 (なかにし きゅうどう)

玄海小学校野球部、小学福岡県選抜浦安三中学校野球部、青田高校野球部の投手。実父・育ての親ともにプロ野球選手。生後まもなく実母が失踪、プロ野球南海ホークスの選手だった実父山本一利と幼少時に死別し、中西大介・中西愛子夫妻に引き取られその事実を知らず成長する。 幼少期から天性の野球センスの片鱗をみせ、常に野球と真正面から対峙しながら成長し日本全国が注目する超高校級ピッチャーとなる。名前の由来となる「球けがれなく道けわし」と書かれた野球ボールが実の両親の形見。野球名門校・千葉桜ヶ丘高校に合格したが、青田高校野球部監督・大下茂蔵を甲子園に連れて行くため弱小青田に入学する。

中西 大介 (なかにし だいすけ)

中西球道の養父。中西愛子の夫。中西球司郎の父。ノンプロ野球チーム東日パルプ北海道、プロ野球小倉イーグルス、プロ野球日本ハムファイターズの選手。外野手。中西球道と出会い、球道を養子にするという条件付きで看護師の雪村愛子から求婚され結婚する。 数年後東日パルプ北海道が北海道大会で優勝し、全国社会人野球に出場、優勝を決めるサヨナラホームラン等で大活躍。この年のドラフト3位で指名されプロ野球・小倉イーグルスに入団。背番号10。その後、トレードで大沢啓二監督率いる日本ハムファイターズに移籍。背番号0。

中西 愛子 (なかにし あいこ)

中西球道の養母。中西大介の妻。中西球司郎の母。旧姓雪村愛子。北海道白高町の白高町立病院の看護師だった21歳の時に入院していた中西大介と出会う。そこに中西球道の実父である山本一利が担ぎ込まれ幼少の球道と出会う。山本一利が死亡し球道に情が移ったことで球道を養子にすることを条件に中西大介と結婚した。 中西大介との間に球道より3歳年下の長男・球司郎をもうける。北海道北、九州、千葉と生活の場を変えていきながら、特に気性が激しい男ばかりの中西家にあって、巧みに一家をコントロールしていく。球道を実の子として育てており、球道には出生の秘密は伝えていない。 球道が野球で活躍し甲子園で有名になることで実の母が名乗り出て来ないかと恐れている。

中西 球司郎 (なかにし きゅうじろう)

中西球道の義弟。中西大介、中西愛子の実子。球道より3歳年下。球道を実の兄として育てられ、球道の出生の秘密は知らない。プロ野球選手の父、幼き日から野球の才能の片鱗を見せていた兄を持つことで、いじめにあったり、自らの才能にコンプレックスを抱きながら成長する。中学では野球部に入部する。

山本 一利 (やまもと かずとし)

中西球道の実父。プロ野球南海ホークスの選手。正捕手野村克也の後釜と期待され入団するが、入団直後に肩をつぶし、酒や喧嘩で堕落しゆく。球道誕生後も堕落した状態は改善されず、妻山本加奈はノイローゼとなり失踪してしまう。これに一念発起、幼い球道のために過酷な努力を続けバッターとしての復活を目指す。 そんな最中、失踪した妻の加奈がいるとの噂を頼りに幼い球道と共に北海道白高町を訪れるが、これまでの無理が祟り重篤な状態で倒れ、中西大介が入院している白高町立病院へ担ぎ込まれる。翌日、球団スカウトの岩田鉄五郎や野村克也をはじめとする南海ホークスの首脳陣が駆けつけるものの、翌朝、球道を残したまま息を引き取る。 過去南海ホークスは、彼の死後球道の養父となる中西大介をドラフト指名する予定であったが、中西大介の大酒飲みが発覚、南海ホークスは中西大介の指名を回避し彼を指名したという因縁がある。

山本 加奈 (やまもと かな)

中西球道の実母。山本一利の妻。息子を球道と名付ける。球道出産時に難産であったことがきっかけで難聴となり、これが元でノイローゼとなる。出産1年後に失踪。16年後、春のセンバツ出場を決め実父の墓参りのために北海道を訪問した高校二年の中西球道と偶然再会する。その後、春のセンバツ決勝戦終了直後に中西大介中西愛子夫妻と初めて対面した。

大下 茂蔵 (おおした しげぞう)

「球春の章」に登場。千葉県青田高校野球部監督。15年前、青田高校野球部で「鬼の4番」といわれたスラッガーだったが千葉県大会決勝で惜敗する。それ以来、母校の監督になり甲子園出場を目指し続けていた。甲子園出場までは酒を断ち、ジュースでも酔えるようになる程になっていた。 それを知った中西球道はその心意気に惚れ、合格していた野球名門校・千葉桜ヶ丘高校を蹴って青田高校へ入学してくる。そして球道1年の夏に甲子園出場を実現させ、酒風呂に入り美酒に酔った。普段は船宿シゲを経営し、船に乗って釣りの案内役兼操舵手をしている。

大池 英治 (おおいけ えいじ)

「球童の章」、「球春の章」に登場。捕手右投右打。中西球道の北海道時代の幼馴染みで、高校時代の野球部のチームメイト。青田高校野球部選手。話すとき語尾に「じゃん」を付け、幼少時の球道の言葉遣いに影響を与えた。球道の家族が引っ越したため、それ以来別れ別れになっていた。 高校生になり、試合でボールを捕れる捕手がいないため苦戦していた球道の前に顔に包帯をした姿で現れる。実は刑事に追われており顔を人前にさらすことが出来ずにいたのだが千葉県予選で200球の球数を投げグロッキーした球道を元気づけるために包帯を取り正体を明かす。球道の1歳年上だが留年をしており、高校では同級生。

才蔵 旭 (さいぞう あきら)

「球春の章」より登場。中西球道のチームメイト。青田高校野球部選手。右投右打。捕手、右翼手、一塁手、三塁手。とある手違いで青田高校野球部監督・大下茂蔵の自宅に下宿することになる。中西球道の行動に感動し野球部に入部し捕手をすることになる。 野球経験が全くなく、まともに捕球すら出来ない状態であったが、根性と努力で大池英治の出現までの間、捕手を務め上げる。

(わたり)

「球春の章」より登場。千葉桜ヶ丘高校野球部捕手。通称「桜獅子」。中西球道の一学年上。文武両道で野球強豪校の千葉桜ヶ丘高校の新2年生にして4番を打つ主砲。千葉桜ヶ丘高校入部予定の中西球道と対戦し三球三振を喫するが夏の千葉県大会決勝では球道から勝ち越しのソロホームランを放ち、春のセンバツではベスト4、翌年の夏、千葉県大会でも優勝を決める逆転満塁サヨナラホームランを放つ。 その後、学生監督として球道と対戦する。

春山 清司 (はるやま せいじ)

「球春の章」より登場。千葉桜ヶ丘高校野球部二塁手。中西球道のマンションの隣の部屋に住む同級生。中学時代、球道と同じチームでプレーをしておりコンパクトなスイングながらサヨナラホームランを打ったこともあった。名門・千葉桜ヶ丘高校を受験するために、母親に猛勉強を強制され運動をやめていたが、文武両道を目指し、球道とその弟、球司郎と共に朝のランニングをするようになる。 千葉桜ヶ丘高校では、1年生の時から2番セカンドのレギュラーを獲得し千葉県大会決勝で球道と対戦する。

大和田 一男 (おおわだ かずお)

「球児の章」、「球春の章」に登場。中西球道の小学生時代の同級生。玄海小学校野球部、小学福岡県選抜、博多どんたく高校野球部選手。一人空き地で壁投げしている球道の投げる球に惚れ込み、一球だけキャッチングをさせて貰う。それが二人にとって忘れられない一球となり、以降、毎日、一球だけのキャッチングが続いた。 一男は、父親が入院しているため実家の肉屋を手伝っており、野球が出来ないでいた。その後チームメイトになり、バッテリーを組む。球道の小学時代の恋女房(捕手)。高校時代には甲子園大会で2度対戦することになる。

山本 又一郎 (やまもと またいちろう)

「球児の章」、「球春の章」に登場。玄海小学校野球部、小学福岡県選抜、博多どんたく高校野球部選手。中西球道の小学生時代の同級生で悪友の関係。「悪道」と名乗る番長。子分を引き連れ、中西兄弟(球道と弟・球司郎)と敵対する関係で喧嘩が絶えなかった。その後、野球部に入り球道とはチームメイトとなる。 高校時代には甲子園で2度の対戦をする。

剣 史郎 (つるぎ しろう)

「球児の章」、「球春の章」に登場。中西球道の小学生時代のライバルの一人。博多どんたく小学校野球部、小学福岡県選抜、博多どんたく高校野球部投手。小学生時代の球道の前に立ちはだかるライバルとして登場。試合では4番、投手として出場。球道から1試合3本のヒットを打ち、完全試合を達成する。 その後、福岡県大会小学校野球大会決勝で対戦することになるが試合途中球道が試合を抜けることになり、その後の対戦は高校時代の全国大会まで持ち越されることになる。(小学福岡県選抜ではチームメイト。)。

的場 満 (まとば みつる)

「球児の章」、「球春の章」に登場。南火大付属小学校野球部、熊本県小学生選抜博多どんたく高校野球部の選手。投手。九州のエースと評判が高く、小学時代から注目される選手だった。小学時代からフォークを投げることが出来た。小学時代、小学熊本選抜のエースとして中西球道たちの小学福岡県選抜と対戦。 しかし、剣史郎の負傷により急遽リリーフした球道に三振を奪われ、投手としても球道に打たれるなど散々だった。高校時代には甲子園に出場して球道と再会するが、対戦する機会はなかった。

山中 (やまなか)

「球春の章」より登場。千葉桜ヶ丘高校野球部選手。投手。中西球道とは同学年。名門・千葉桜ヶ丘高校で1年生からエースをつとめ、切れのある変化球を武器に甲子園にも出場する。

冨島 松五郎 (とみしま まつごろう)

「球童の章」、「球児の章」に登場。プロ野球小倉イーグルス監督。社会人野球に出場していた中西大介に惚れこみ、独断でドラフト1位指名(3番クジ)。中西大介も彼に恩義を感じ、チームの成績が悪く叩かれていた時も、そのつどかばっていた。選手起用が激しく、ワンポイント、代打の代打など一試合に登録メンバー全員を出場させることもざらにあるほど豪胆な監督である。 生え抜き監督であるが、勝てないチーム事情と高齢であることを理由に休養の形で退陣させられる。

立川 結花 (たてかわ ゆか)

「球児の章」、「球春の章」に登場。南火大付属小学校、玄海小学校博多どんたく高校野球部のマネージャー。南火大付属小学校から玄海小学校に転向してきた。いつもビデオで中西球道の姿を撮影していた。

土居垣 吉武 (どいがき よしたけ)

「球児の章」、「球春の章」に登場。鬼弁小学校野球部、小学福岡県選抜博多どんたく高校野球部の選手。鬼弁小学校では酒森圭一のキャッチャーを務め、熱くなりやすい酒森圭一を支える冷静なリードを見せる。その後は、博多どんたく高校で野手として登場。

酒森 圭一 (さかもり けいいち)

「球児の章」、「球春の章」に登場。鬼弁小学校野球部、小学福岡選抜博多どんたく高校野球部の選手。投手。左投左打。キャッチャー土居垣との抜群の相性で球道を苦しめるが、最後はスローボールを球道にサヨナラヒットにされた。激しやすい性格で、剣史郎のいる博多どんたく小学校との試合では、アウトの判定に怒って審判を突き飛ばしたりもした。 それが原因で非行に走りかけるが、球道や悪道の頑張りにより、再び野球に戻る。小学福岡県選抜では一塁手となった。その後は、博多どんたく高校の中堅手として再登場する。名前は実在の元プロ野球選手酒井圭一に由来。

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