どげせん

どげせん

土下座をメインテーマに、土下座という行為により生じる日常からの逸脱が、さまざまな事態を暴力的に収拾させていく様を描く。表情筋の動きによる顔面土下座・土下リミナル(どげりみなる)、銀河系宇宙を内包するエネルギーを生む祈願のための土下座・対土下座(ともどげざ)、豪雪降りしきる中での無言の土下座・雪中土下達磨(せっちゅうどげだるま)など、各種多様な土下座が作中に登場する。企画・全面協力:板垣恵介、作・画:RIN(笠原倫)という形で共同制作されていたが、双方の「土下座観の違い」を原因として、共同制作体制を解消、『どげせん』は連載を終了することになった。その後、RIN(笠原倫)は本作の続編となる『どげせんR』の連載を開始し、板垣恵介は新作土下座漫画である『謝男』(シャーマン)の連載を開始した。

正式名称
どげせん
ふりがな
どげせん
作者
企画
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

暴力団とつながりがあるファッションヘルスから逃亡した女性を助けた中年男は、強面のヤクザを前に、決死の土下座をする。しかし、追い詰められたのは男ではなく、ヤクザの側だった。私立樫宮高校に赴任してきた補助教員・瀬戸発は、一見、頼りない体格、眼鏡に口髭を生やした、どこにでもいる平凡な中年男であるが、さまざまな土下座を繰り出すことにより、周囲を震撼させ、不測のトラブルをも収束させ、また、強敵との戦闘にも勝利していく。

登場人物・キャラクター

瀬戸 発 (せと はじめ)

私立樫宮高校に赴任してきた補助教員。専攻は現国と古典。補助教員ながら2年B組の担任になる。眼鏡に口髭を生やした平凡な中年男だが、さまざまな形態の土下座を繰り出すことで難局を乗り切り、無茶な願いを強引に通し、強敵との戦いにも勝利してきた。校長とのバトルにも勝利し、正教員に昇格する。

田中 白也 (たなか びゃくや)

樫宮高校2年B組に在籍する生徒。不遜極まる性格の問題児。一応、樫宮高校2年をシメていることになっているが、喧嘩が強いわけではなく、ハッタリで世渡りをするタイプ。土下座を常套手段とする瀬戸発に反発する一方で、その土下座力を認め、瀬戸発の真価を見極めようと画策する。

迫田 登志夫 (さこた としお)

文芸組の若中を務める武闘派のヤクザ。風俗店からの女性の逃亡を助けた瀬戸発に激高するが、スクランブル交差点で繰り出された瀬戸の土下座に追い詰められ、見逃すことになる。後に、組長の女房との性行為が発覚して、緊急幹部会で糾弾されるが、幹部会に同席した瀬戸発の機転により窮地を脱する。以来、瀬戸発に頭が上がらなくなる。

千ちゃん食堂の店主 (せんちゃんしょくどうのてんしゅ)

千ちゃん食堂を切り盛りする。非常に頑固な性質で、開店以来30年間、自分の出す料理に客が勝手なアレンジを加えることを許さなかったが、瀬戸発の全裸土下座に圧倒され、メニューにないカレーラーメンを振る舞う。

中西 アツシ (なかにし あつし)

樫宮高校3年に在籍する生徒。筋金入りの快楽主義者で、樫宮高校2年B組の生徒・羽根ミチとの性行為において、中出しを強行するが、瀬戸発の土下座階段落ちに恐怖し、コンドームを装着することを約束させられる。

宿沢 ケジメ (しゅくざわ けじめ)

樫宮高校2年B組に在籍する生徒。ピアス、ネックレス、ブレスレットといった金ピカファッションに身を包んだ不良だが、母親思い。母親の胎内に還る姿勢により行われる、真の祈りの土下座(まことのいのりのぽーず)により、事故に遭った母親の手術成功を祈願する。

大島 弁 (おおしま べん)

樫宮高校の近くに豪邸を構える評論家。言葉こそ命、をポリシーとする雄弁家だが、無言で繰り出された瀬戸発の雪中土下達磨(せっちゅうどげだるま)に感銘を受け、声帯を失うことになる喉の腫瘍除去手術を受ける決意をする。

伊武 正俊 (いぶ まさとし)

樫宮高校3年C組に在籍する生徒。柔道部員で、都大会の個人戦で準優勝するほどの実力者。来る日も来る日も、ともに練習してきた部室横のリンゴの木との別れに際して、土下座による礼で応えた。

竹辺 遇二 (たけべ ぐうじ)

樫宮高校で倫理社会を担当する教師。59歳独身。田中白也の相談を受け、瀬戸発の土下座に勝利するための策を練る。全校生徒の前で、瀬戸発に先制の土下座をしたが、瀬戸の機転により無効化されて敗北した。その後、瀬戸発の土下座を本物だと認めるようになる。

松川 夷蔵 (まつかわ えびぞう)

人間国宝にして、第12代目を襲名した名門歌舞伎役者。バーで一緒に飲んでいた暴走族を灰皿テキーラで挑発して危機に陥るが、たまたまバーに居合わせた瀬戸発の助け舟により、初代夷蔵の十八番である火炎伏座(はなふざ)を披露、詫び入れに成功して無傷で帰宅する。

校長 (こうちょう)

樫宮高校の校長。土下座ですべてを解決する瀬戸発を、教育者にあるまじき姿勢と糾弾、契約満了をもって解雇しようとするが、瀬戸家先祖を礎とした人間ピラミッド土下座に圧倒され、瀬戸発を正教員に昇格させる。

宇田川 おさみ (うだがわ おさみ)

通称ウダガー。暴力事件を起こし、警察署に留置されていたところを、身元引受人としてやってきた瀬戸発により保釈される。腕っ節が自慢だが、瀬戸の土下座による逆暴力に敗北、樫宮高校2年B組に転入してきた後も、瀬戸の褒め殺しにより「人類王者」、ホモサピエンス・キングの略である「ホモキン」なる恥ずかしい称号を無理矢理に授けられるなど、酷い目にあう。

篠宮 正 (しのみや ただし)

樫宮高校の生徒。万引きの常習犯で、抜け目ないやり口で篠宮ルパンと呼ばれているが、瀬戸発による母親の姿を模した世間への土下座で改心、二度と万引きはしないと誓う。

相沢 (あいざわ)

樫宮高校2年B組の女生徒。入学以来一度も登校せず、敷地内に遊園地までもを有する大豪邸での引きこもり生活を満喫していたが、瀬戸発の挑発に乗り、外界への一歩を踏み出すことになる。

田中部長 (たなかぶちょう)

田中白也の父親。今田商事の守護神として崇められるクレーム担当者。超絶的な低姿勢と、常軌を逸した徹底的な謝罪により、クレームで来社した人間を圧倒する。息子である田中白也がその力を認める瀬戸発に興味を抱き、平身低頭の姿勢で三者面談に臨むが、面談の予定を完全に忘れていた瀬戸に激昂、逆に土下座させてしまう。

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