BUNGO-ブンゴ-

BUNGO-ブンゴ-

野球は未経験ながらピッチングの才能にあふれる少年、石浜文吾の成長と、仲間との友情を描く野球漫画。リトルシニアを舞台としている。「週刊ヤングジャンプ」2015年3号から連載の作品。

正式名称
BUNGO-ブンゴ-
ふりがな
ぶんご
作者
ジャンル
野球
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊38巻
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あらすじ

静央シニア1年次編(第1巻~第8巻)

中学生の石浜文吾は父親からグローブを買い与えられて以来、雨の日も風の日も毎日壁当てをしていた。そんな文吾の前にU-12の代表選手として活躍した野田幸雄が現れ、一打席勝負をする事になる。野球チームに所属していなかった文吾にとっては初めての実践であったが、その投球は幸雄にはまったく通じず、ホームランを打たれてしまう。文吾は、この悔しい経験によって幸雄のような凄いバッターを倒す事に執着し、周囲の反対を押し切って、幸雄の所属する名門シニアチームの静央シニアに入団する。最初は強打者を倒す事だけに固執していた文吾だったが、チームメイトと野球をする内に徐々にその楽しさにも目覚めていく。そんな中、文吾は1年生ながら静央シニアの控えピッチャーに選出される。そして迎えた強豪の上本牧シニアとの試合で、満身創痍のエース、吉見雅樹の代わりに登板した文吾は、ストレートのみで三者連続三振に抑える快投を見せる。

静央シニア3年次編(第9巻~第13巻)

上本牧シニアに劇的な勝利をあげてから2年後、野田幸雄は100を超える高校から声が掛かるほど、シニア界を代表する選手に成長していた。その一方で、石浜文吾はエースナンバーをチームメイトの鮎川瑛太に奪われていた。文吾は2年前の上本牧シニア戦のあとに行われた宮松シニア戦で大量失点をして以来、伸び悩んでいた。しかし、文吾はそれでも決して腐らずに愚直に努力を重ね、これまでストレート一辺倒だったピッチングから、ストレートを活かすために変化球を覚えて、さらなる飛躍を求めていた。そんな文吾に周囲の期待は高く、いつしかこの努力が実を結ぶ事を信じていた。そして、迎えた静央シニア名物の紅白戦の日。文吾は監督の野田の意向で、レギュラーチームではなく補欠チームに選出され、レギュラー陣を相手に登板する事となった。

登場人物・キャラクター

石浜 文吾 (いしはま ぶんご)

中学1年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。左投げ左打ちで、守備位置はピッチャー。基本的に運動神経がよく、足も速い。凝り性で、何事もそれを追及せずにはいられない性格をしている。小学生の時は金魚の世話が大好きで、取り憑かれるようにやっていた。野球を始めたきっかけは、父親の石浜雅則にグローブを買ってもらった事で、それからは毎日自宅で壁当てをしていた。 ただ、黙々と壁当てをしているだけではなく、どういう体の使い方をすれば速い球を投げられるのか、と試行錯誤していた。そのため、中学校入学時点では野球は未経験だったが、投げる事に関しては既に野球経験者を驚かせるほどになっていた。最初は雅則から買い与えられたグローブが右利き用だった影響で右で投げていたが、静央シニアに入ってからは利き手である左投げになった。 右でもそれなりに球速は出るが、左の方が指のはじきや繊細な感覚が優れており、ボールにスピンが利き、ノビもある。ピッチャースタイルはそのストレートのノビを何よりの武器としている。1年次は上本牧シニア戦で途中登板して快刀乱麻のピッチングを披露して、2年次からの活躍も期待されていたが、エースナンバーは鮎川瑛太に奪われている。 それでも十分にいいピッチャーである事には変わりなかったが、瑛太の陰に隠れがちな立場が続いていた。本人はそれでも腐らずに愚直に努力を重ね、3年次には初めて変化球の習得に着手してカーブを会得した。また、野球を始めたばかりは不安視されていた守備やフィールディングの悪さも改善されている。

石浜 かおり (いしはま かおり)

石浜文吾の二つ上の姉。しっかり者で、母親のいない石浜家の母親代わりも務めている。容姿は見る人のほとんどが「美人」と評するほどに整っており、静央シニアの面々をはじめとして、野田幸雄からも好意を抱かれている。

石浜 雅則 (いしはま まさのり)

石浜文吾の父親。会社員の男性。娘の石浜かおりに言われるがままに、文吾にグローブを買って来た。しかし、石浜雅則自身も野球未経験だったため、文吾が左投げなのにもかかわらず、右投げ用のグローブを買って来た。性格は穏やかで優しく、文吾のやる事に対しても寛容な態度を取る。

野田 幸雄 (のだ ゆきお)

中学1年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。右投げ右打ちで、守備位置はショート、打順は3番または4番。U-12代表にも選ばれた実力者でもある。極限まで集中力が高まると無口になり、何も聞こえなくなる。意識が高く、つねに野心を持つ研究家。将来は確実に日本一を狙える高校に進学し、そこで誰よりもうまくなりたいと考えている。 文吾の事は早い段階で「特別」と認めており、日本一の投手を目指せる資格があると考えている。3年次にはシニア通算打率6割、通算本塁打45本の記録を残し、100を超える高校のスカウトから声が掛かるほどの選手となった。それでも、進路先を決めないのは自分が認めたピッチャーである文吾といっしょの高校に行くために、答えを先延ばしにしている。 好きな女性のタイプは年上で、同い年には興味がない。石浜かおりに好意を寄せている。

神谷 真琴 (かみや まこと)

中学1年生の女子。静央シニアのメンバーの一人。右投げ右打ちで、守備位置はセカンド、打順は2番。体格にも恵まれておらず、身体能力も高くないが、誰よりも練習を重ねて静央シニアのレギュラーの座を摑んだ努力家。パワーはないものの堅守で、どんなボールにもバットに当てるミート力には定評がある。石浜文吾が静央シニアに入ったばかりの頃は教育係に任命されており、文吾に野球の基礎を教えたり練習に付き合っていた。 野球を始めたきっかけは兄の神谷守の影響だったが、のちに守の死を受けて、守の代わりに静央シニアのレギュラーになるために猛練習してきた。将来の夢は女子プロ野球選手になる事。3年次にはさらにグラブさばきに磨きがかかり、静央シニア不動のセカンドとして活躍している。 また、文吾を異性として意識して見るようになっている。

神谷 守 (かみや まもる)

神谷真琴の兄。静央リトルのエースで四番で、シニアに上がってもすぐに活躍できると期待されていた。真琴が野球するきっかけを作った人物で、地道に練習する大切さを教えた。将来は甲子園で活躍する事が夢だったが、中学生になる前に不慮の事故で亡くなってしまう。

袴田 浩 (はかまだ ひろし)

中学1年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。右投げ左打ちで、守備位置はキャッチャー。静央シニアに入った当初はショートだった。身体ができあがっていないうちからレギュラーを目指すよりも、1、2年後に結果を出すためにゆっくりと練習をしていればいいという考えを持っていた。しかし、同学年で結果を出している石浜文吾や野田幸雄らの活躍を見て考えを改め、いち早くレギュラーの座を摑むために行動を起こす。 考える野球を得意としており、すべての事に根拠を求める理論派。そのため、インサイドワークに長けている。3年次にはシェアなバッティングと巧みなリードで、チームにはなくてはならない選手に成長し、攻守の要となった。意識も高く、つねに完璧を目指している。

鮎川 瑛太 (あゆかわ えいた)

中学1年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。左投げ左打ちで、守備位置はピッチャー。1年生の時点では目立たない選手だったが、それでも既にレギュラークラスの実力を持っていた。また、1年生の時に見た石浜文吾の投球に感化され奮起し、肉体を鍛え上げてきた。その努力もあり、3年生の引退後はエースナンバーを獲得した。3年次には62校からのスカウトが来るほどのピッチャーに成長している。 もともとナチュラルにスライド回転する球を投げる癖があり、それを利用して自在な方向へ小さく動くムービングファストボールをあやつる。コントロールもよく、テンポがいいため、野手陣からは守りやすいピッチャーという評価を得ている。普段から鍛錬を怠らず、トレーニングは理論に基づいた効率的なものを好んでいる。 チームメイトの神谷真琴に好意を抱いており、真琴のためなら命を投げ打っても構わないとまで思っている。

間瀬 和夫 (ませ かずお)

中学1年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。右投げ左打ちで、守備位置はセンター。2年次に急に伸びてきた選手で、3年次には静央シニア不動のセンターに成長した。意外性のある打撃と高い身体能力を活かした守備が持ち味で、格好いいプレーをする事を信条としている。練習中にも、手鏡で自分の顔をチェックするほどのナルシスト。

柿谷 結弦 (かきたに ゆづる)

中学3年生の男子。静央シニアのキャプテンを務めている。守備位置は外野。関西弁でしゃべる。野球の実力は高いが、性格に難があり、周囲を見下したり煽ったりする言動をする。とある事情から謹慎処分を受けており、試合には出場ができない。

吉見 雅樹 (よしみ まさき)

中学3年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。右投げ右打ちで、守備位置はピッチャー。静央シニアが誇る不動のエース。観察眼が鋭く、打席での振る舞いや打席に入る前のスイングで、打者の狙いを予測する事ができるため「監視者」の異名を持つ。小学3年生の頃から野球を始めているが、自分が特別である事にすぐ気がつき、静央シニアに入ってからも練習を重ねていた。 当時はオーバースローの速球で押すピッチングスタイルで、自信過剰なところがあった。しかし中学2年生の関東大会で、上本牧シニア相手に滅多打ちに遭って自信を喪失。結果的にその試合に敗北した事で、先輩達の進学先にも影響を与えてしまった責任を、自分一人で抱え込んでイップスまで発症した。しかし、先輩の豊田の励ましにより、変化球もあやつる本格派のピッチャーとして生まれ変わった。 持ち球はスライダーやスプリットなど多彩。キャプテンシーもあり、容姿端麗で頭脳明晰。唯一の弱点は、爆笑した際の笑い方がちょっとだけ気持ち悪い事。中学を卒業後は翔西大付属翔西高校野球部へ進学して、2年次には神奈川県でも三指に入るエースとして活躍した。

鮎川 智 (あゆかわ さとし)

中学3年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。右投げ右打ちで、守備位置はキャッチャー、打順は4番。中学生の時点でかなり身体ができあがっており、高校生顔負けの打球を飛ばす事ができる静央シニア屈指のパワーヒッター。男気あふれる考えの持ち主で、モットーはつねに真っ向勝負。そのため、ツーストライクまでは甘いボールでも変化球なら見逃すというスタイルを貫いている。 ストレートに対するヒットゾーンの広さは静央シニアNo.1。少々、高めに外されたストレートでも鮎川智にとってはホームランボールとなる。しかし、決して変化球が苦手なわけではなく、追い込まれれば変化球にも対応できる。守備面でも強肩かつ堅守で、キャッチャーとしても申し分ない才能を持つ。 カブトムシが大好きで、相手の実力を認めるとカブトムシの事を教える、という変なところがある。進路先は、育ての親である祖母がボケ初めている事もあり、自宅から通える野球の強豪校「興静学園」に進学している。

水嶋 廣人 (みずしま ひろと)

中学3年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。右投げ左打ちで、守備位置はサード、打順は1番。もともと下半身の筋肉が不足していたが、腕のケガを契機に走り込みを続け、下半身を強靭に鍛え上げた。その結果、どんな球にも対応できるヒットゾーンの広さを身につけるヒットメーカーに成長している。六人兄妹の長男で、貧しい家庭で育った。 自分の取り柄は野球だけだと考えており、静央シニアで活躍して高校の「特待生」を勝ち取る事を目指している。野球関連の事に対しては独自の指標で計る「野球偏差値」というもので人や環境を見ており、石浜文吾の事は当初「野球偏差値」が低いため、その存在を認めていなかった。就職するまでずっと野球を続けたいと考えているが、その動機はあくまで就職を有利にするためであり、プロの世界を目指している訳ではない。 安定した仕事に就き、下の兄妹達が好きな学校に進学できるようにしてあげたいと思っている。中学を卒業後は横浜第一高校野球部に進学しており、サードのレギュラーを目指して野球に打ち込む日々を送っている。

木村 (きむら)

中学2年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。左投げで、守備位置はピッチャー。石浜文吾が1年生の時には4番手のピッチャーとして期待されていたが、ケガのため文吾にその役割を託している。チームでは数少ないサウスポーという事で重宝されている。

佐藤 (さとう)

男子で、静央シニアのメンバーの一人。右投げで、守備位置はピッチャー。アンダースローで投げる軟投派。吉見雅樹がエースのため、控えピッチャーだが、普通のチームならエース格と評されている。

鈴木 (すずき)

男子で、静央シニアのメンバーの一人。右投げで、守備位置はピッチャー。ストレートの球威が自慢の速球派。吉見雅樹がエースのため、控えピッチャーだが、普通のチームならエース格と評されている。

小谷野 兼 (こやの けん)

中学1年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。右投げ左打ちで、守備位置はサード。リトルでは全国出場も経験のあるピッチャーで、尾野博明とバッテリーを組んでいた。ピッチャーもできるうえに打撃と守備もうまいという野球センスの塊。直観力に優れ、物事を理屈ではなく感覚で捉えるタイプで、擬音を用いた表現をする事が多い。 先輩の中では特に石浜文吾の事を気に入っている。

尾野 博明 (おの ひろあき)

中学1年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。右投げ右打ちで、守備位置はレフト。リトルでは全国大会にも出場した経験のあるキャッチャーで、小谷野兼とバッテリーを組んでいた。物事を深く考えすぎる傾向があるが、論理派で、観察眼も鋭い。そのため、間瀬和夫相手に完璧な世話係として振る舞い、鮎川瑛太の気分を乗せる発言をして上機嫌にさせる事がうまいため、先輩からの評価は高い。 先輩の中では特に瑛太の事を気に入っている。

米村 高穂 (よねむら たかほ)

中学1年生の男子。静央シニアのメンバーの一人。右投げ左打ちで、守備位置はキャッチャー。小学生時代は軟式野球をやっており、県選抜とベストナインにも選出されていた実力者。意志表示をする事が苦手な性格だが、米村高穂自身はその欠点を認知している。それでも、1年生の内から正キャッチャーを目指すなど野心家であり、内に秘めた闘志は人一倍強い。 最初は石浜文吾の剛速球を捕球できなかったが、練習を重ねた結果、捕球できるようになった。

豊田 (とよだ)

静央シニアの元メンバーの男子。右投げで、守備位置はピッチャー。吉見雅樹が中学1年生時に中学3年生で、当時の静央シニアの絶対的エースとして君臨していた。気迫を前面に押し出すストレート主体のピッチングスタイルで、チームを全国ベスト4まで導いている。雅樹が2年生の時にイップスになった際には、わざわざ家まで来て励ますなど後輩思いな一面もある。

野田 (のだ)

静央シニアの監督を務める男性。野田幸雄の父親。頭皮は禿げ上がっており、後頭部にしか髪が生えていない。そのため選手達からは「ハゲ」と呼ばれる事もある。普段は静央シニアの監督業しかやっておらず、働く事をほとんど放棄しているが、実は園芸農場を営んでいる。少ない稼ぎはすべて、野球関連のものに費やしており、ビニールハウスを改造して室内練習場を作るほど。 野球に対する情熱は人一倍あるが、その野球好きが高じて奥さんには逃げられている。幸雄がプロ野球選手になり、その契約金を本気でアテにしている。選手の僅かな動きから適正ポジションを察する事ができるなど、野球の指導者としての実力は本物。基本的に野田自身が面白いと認めれば、とりあえずやってみるという遊び心を最優先させる精神の持ち主。

立花 由喜 (たちばな よしき)

中学3年生の男子。上本牧シニアのメンバーの一人。右投げ右打ちで、守備位置はサード、打順は4番。野球をしている時は、相手を殺してしまいそうな形相になるため「人殺し」の異名がある。基本的に無口で口数が少ない。吉見雅樹とは昔からのライバル関係で、その勝負に執着している。それでも、2年次の関東大会では一人でチームの全打点を挙げるなど、雅樹をめった打ちにしている。 スイングスピードが非常に速く、ボールにバットが当たる音を聞いただけで、名門、東光学園野球部のスカウトが「特待生」を即決したほどに、強烈な破裂音のような轟音を立てる。卒業後は東光学園野球部でレギュラーの座を摑み、2年次には7番打者として活躍している。

川上 (かわかみ)

中学3年生の男子。上本牧シニアのメンバーの一人。左投げで、守備位置はピッチャー。山梨の強豪高校へ進学が決まっている実力者だが、下川毅にエースの座を奪われている。しかし、伸びのあるストレートにキレのある変化球が持ち味の、完成度の高いピッチャーで、上本牧シニアの投手力を底上げしている選手。

下川 毅 (しもかわ つよし)

中学2年生の男子。上本牧シニアのメンバーの一人。右投げ右打ちで、守備位置はピッチャーと外野。2年生ながら上本牧シニアのエースを務めており、既に翔西大付属翔西高校野球部からスカウトされ、進学がほぼ内定している。中学2年生にして183センチの恵まれた体格を誇る。手足も長く、その身体を使いこなす天性のセンスや、飽くなき向上心など、優れた野球選手に相応しい要素をすべて持っている。 投げれば癖のある回転のストレートと、落差の大きなカーブをあやつる。しかし元来まじめすぎる性格が災いし、ピッチングを考えすぎるところがあり、立ち上がりが悪い。

諸星 要 (もろぼし かなめ)

中学1年生の男子。上本牧シニアのメンバーの一人。右投げ左打ちで、守備位置はショート、打順は1番。元U-12代表で、その時は5番打者として活躍していた。ミート力が抜群で出塁率も高く、国際大会では「リトルイチロー」と呼ばれて賞賛されていた。特にショートの守備は圧巻で、キャッチングとスローイングのレベルが非常に高い。そのため、U-12代表でも同じポジションの野田幸雄を何度もセカンドに追いやっている。 何故か立花由喜がしゃべらなくてもその気持ちを理解し、言葉を代弁する通訳のような事をしている。由喜の事はバッターとして尊敬しており、もともと東京にあるシニアで野球をする予定だったが、由喜といっしょに野球をするために上本牧シニアに所属したという経緯がある。 3年次には砂川慎太郎共にツートップとされ、東光学園野球部への進学が決まっている。

砂川 慎太郎 (すなかわ しんたろう)

中学1年生の男子。上本牧シニアのメンバーの一人。右投げ左打ちで、守備位置はセカンド、打順は2番。野性的で派手な守備を持ち味としており、その守備範囲の広さには定評がある。特にその俊足で塁に出るとその本領が発揮され、上本牧シニアのメンバーで唯一、塁に出たら自分の判断で盗塁を許されている「青信号(グリーンライト)」を与えられている。 神谷真琴の事が好きで、毎日電話をかけたり家の近くまで行くなど、ストーカーのような事をしている。3年次には砂川慎太郎と共にツートップとされ、高崎大付属野球部への進学が決まっている。

宇田川 剛 (うだがわ つよし)

上本牧シニアの監督を務める男性。とにかく目立つ事が大好きで、「目立って勝つ」という上本牧シニアの野球スタイルを築いた人物。ライバルチームは自由奔放な戦略とプレーを信条とする野田率いる静央シニアで、かなり意識している。

河村 幸一 (かわむら こういち)

中学3年生の男子。富士ヶ丘シニアのメンバー。右投げ左打ち。もともとは中学軟式野球界の天才と評されており、部活もバスケ部と兼部していた。どちらの部活も全国区の成績を収めており、高校からはバスケットに専念するという噂もあった。しかし、野球はたいして努力もしていないにもかかわらず、つねにトップの成績を収めているという理由から、野球を続ける意思を固めている。 既に進路先は東光学園野球部へ決めており、硬式球へ順応するために3年生の途中からシニアに所属している。石浜文吾の投球に何かを感じ、気になる存在となっている。

西浦 珠希 (にしうら たまき)

中学3年生の女子。元兵庫北シニアのエースで主砲を務めている。守備位置はピッチャー。自分がシニアでNo.1の選手である事を自負する自信家。中学3年生の時に静岡へ転校して来て、打倒静央シニアを掲げ、富士ヶ丘シニアに入団している。

碓井 和隆 (うすい かずたか)

中学3年生の男子。富士ヶ丘シニアのメンバー。守備位置はピッチャー。長年富士ヶ丘シニアを支えてきた孤高のエース。河村幸一と西浦珠希が所属するまではワンマンチームだったため、チームとしては目立った実績はない。しかし、その実力は本物で、18年連続甲子園出場中の名門、明山高校野球部への進学が決まっている。

家長 太陽 (いえなが たいよう)

中学1年生の男子。流山シニアのメンバー。守備位置はピッチャーで、U-12のエース。キザな詩的な表現をするのが特徴。3年次にはシニア界を代表する絶対的なピッチャーとして君臨する。

藤堂 和夫 (とうどう かずお)

中学3年生の男子。流山シニアのメンバー。守備位置はキャッチャー。家長太陽の1年次に共にバッテリーを組んでいた正捕手。太陽とはいっしょに野球観戦するなど、普段から仲がいい。

杉浦 真生 (すぎうら まお)

中学1年生の男子。宮松シニアのメンバー。右投げ左打ちで、守備位置はショート。1年次の日本選手権準決勝では、石浜文吾のストレートを難なくスタンドへ運んだ強打者。バッティングの信条は、来た球をただ強くぶっ叩くだけ。3年次にも文吾達の前に立ちはだかる。

杉浦 礼生 (すぎうら れお)

中学1年生の男子。宮松シニアのメンバー。守備位置はサード。1年次の日本選手権準決勝では、石浜文吾のストレートを難なくスタンドへ運んだ強打者。3年次にも文吾達の前に立ちはだかる。

荒深 大輔 (あらぶか だいすけ)

横浜第一高校野球部のスカウトを務める男性。関西弁でしゃべる。スカウト方針としてはシンプルに選手の身体の大きさを重視しており、フィジカルを何よりの才能だと考えている。静央シニアの練習や試合にも頻繁に顔を出しており、静央シニアの監督である野田と食事をするなど、普段から懇意にしている。

梅ヶ谷 茂 (うめがたに しげる)

東光学園野球部の監督を務める男性。高校野球に少しでも興味がある人であれば誰でも知っているという、高校野球界の超大物。気になる選手がいると、自らスカウトへ赴いて口説き落としている。その人心掌握術はすさまじく、野球関係者には「人たらし」と評されている。

近藤 静 (こんどう しずか)

東光学園野球部の部長を務める男性。野球経験者で、元ピッチャー。現役時代は風間にも教えた事がある。現在は部長を務める傍ら、スカウトにも携わっている。特に伸びしろのある選手を見極める眼力と、その選手の心を動かす人心掌握術に長けている。一見、粗暴な印象を受けるが実際はその逆で、ありとあらゆるデータが頭の中に入っており、それをコミュニケーションに利用する頭のよさを持っている。

風間 (かざま)

スポーツ用具店「KAZAMA SPORTS」の店長を務める男性。野球経験者で、当時は自他共に認める才能のある選手だったが、野球を続けていくうちに上には上がいる事を痛感して挫折した過去がある。そのため「中途半端な才能ほど残酷なものはない」という持論を持つようになっている。

落合 由伸 (おちあい よしのぶ)

牧田シニアの監督を務める男性。チームのお金をパチンコで使い込んでしまったり、複数の選手の母親と関係を持つなど、監督としてあるまじき行為をしている。その結果、選手はまったく落合由伸の言う事を聞かず、父兄達からの信頼も皆無で、ないがしろにされている。選手からも「オチアイ」と呼び捨てで呼ばれており、なめられている。 しかし、選手の潜在能力の高さを見抜く眼力は優れている。

木下 (きのした)

宮松シニアの監督を務める男性。打撃の方が楽しいからという理由で、バッティング特化のチームに仕上げている。シニア界では名将として知られており、その人柄も高く評価されて、毎年大勢の入団希望者を集めている。

集団・組織

静央シニア (せいおうしにあ)

静岡県にある石浜文吾が所属するシニアチーム。静岡県の各地からエースや四番が集まってくる強豪チームとして知られている。チーム内はレギュラーが属するAチームと、それ以外のBチームの二つに分かれており、それぞれグラウンドも異なる。そのグラウンドは監督の野田が十数年かけて作ったコネで確保している。

牧田シニア (まきたしにあ)

山梨県にあるシニアチーム。監督は落合由伸が務めている。チームの資金を使い込んだり、選手の母親に手を出すなど監督としての信頼はまったくない。指導はするものの、選手からなめられているので、チームとしてのまとまりはなく、選手も練習をまじめにやっていない。ただし、体格だけはたくましい選手が多い。

上本牧シニア (かみほんもくしにあ)

神奈川県にあるシニアチーム。監督の宇田川剛の方針で、「目立って勝つ」をモットーにしている。試合前のシートノック時に守備のうまい選手が一人でノックを受け、その技術の高さを見せつけて相手チームにプレッシャーを与える「単独ノック」という独自のシートノックがある。

宮松シニア (みやまつしにあ)

東北地区にある、シニア界でも有名な超攻撃型のシニアチーム。監督の木下の方針で、打撃練習にほかのチームの数倍の時間を費やしている。その練習方法は筋力トレーニング、素振り1000回、真ん中付近に来た球をひたすら強く叩く練習を繰り返すというシンプルなもの。また毎日栄養士に写メを送る食育など、選手の食生活にも気を使っている。 全国ベスト4に必ず入るほどの強豪チームで、毎年入団希望者は増え続けている。

流山シニア (ながれやましにあ)

千葉県にあるシニアチーム。U-18のピッチャーであるエースの家長太陽を擁する強豪チーム。太陽が3年次にはその世代最強といわれており、日本選手権二連覇という偉業を成し遂げており、絶対王者として君臨している。

東光学園野球部 (とうこうがくえんやきゅうぶ)

名実共に日本一とされている大阪の名門校。ここ10年で春夏合わせて7回の全国制覇を果たしている。とにかく選手層が厚く、攻撃面や守備面すべてにおいてトップレベルにある。日本一に君臨し続けている背景には、有望な選手を見つけたら必ず口説き落とす近藤静のスカウティング能力が、大きくかかわっているといわれている。

翔西大付属翔西高校野球部 (しょうざいだいふぞくしょうざいこうこうやきゅうぶ)

神奈川県の名門校。春3回、夏2回の甲子園優勝の実績を誇る。歴史、伝統、設備、人気すべてを兼ね備えており、高校球児達のあこがれで高校野球界の最高峰に君臨している。毎年、部員の定員が20名という決まりがあり、精鋭選手だけで構成されている。潤沢な資金を惜しげもなく使った施設はプロ顔負けの豪華さを誇る。専門家の協力を得て作製された練習メニューも最先端で、確かな効果があると評価されている。

書誌情報

BUNGO―ブンゴ― 38巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第1巻

(2015-07-17発行、 978-4088901893)

第31巻

(2022-06-17発行、 978-4088922959)

第32巻

(2022-08-19発行、 978-4088924571)

第33巻

(2022-11-17発行、 978-4088924922)

第34巻

(2023-03-17発行、 978-4088926261)

第35巻

(2023-06-19発行、 978-4088926872)

第36巻

(2023-08-18発行、 978-4088927886)

第37巻

(2023-12-19発行、 978-4088930428)

第38巻

(2024-03-18発行、 978-4088931678)

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