結婚しようよ

結婚しようよ

一度は破局した2人の男女が、それぞれに自分を磨き、成長して再びその関係を取り戻すまでを描く。「週刊ビッグコミックスピリッツ」「週刊ビッグコミックスピリッツ増刊号」に掲載された作品。

正式名称
結婚しようよ
ふりがな
けっこんしようよ
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概要・あらすじ

紺野雅寿見城早苗は大学生の時からの付き合いで、雅寿は一刻も早く結婚したかったものの、結婚に価値を見い出せない早苗にすげなく断られていた。大学卒業後、ともに「アゲハテクニカル」に入社した2人は同じブライダル課に配属される。交際も順調に思えたが、結婚したい一辺倒の雅寿に対して、結婚以外の楽しいものを見つけたいという早苗との間には次第に溝が生じていく。

そんなある日、雅寿は「アゲハテクニカル」の主催する結婚式場の出入りの業者である美容院で働いている女性・小坂祥子と知り合う。愛する人と結婚するのが夢だと語る彼女と結婚観が合致し、2人はあっという間に意気投合する。その後、早苗に何度目かのプロポーズを断られたある日、デートをキャンセルして家に帰ろうとしていたところ、雅寿は祥子とばったり遭遇。

そして、食事をごちそうするという祥子の誘いに乗り、雅寿は彼女の部屋に行ってしまう。これが1つのきっかけとなり、雅寿と祥子は、それまで以上に大きくすれ違っていくこととなる。

登場人物・キャラクター

紺野 雅寿 (こんの まさとし)

「アゲハテクニカル」に勤める新人男性社員で、大学の時から見城早苗と付き合っている。彼女と結婚したいと考え、何度もプロポーズしているが保留されている。「アゲハテクニカル」ではブライダル課に配属され、早苗と同じ課でうれしい反面、恋愛禁止令を下されてしまい複雑な立場になる。優柔不断で煮え切らないところがあるが、いざという時には卓越した行動力を発揮する。 大学時代にバンド活動をしていたことがあり、担当はボーカルだった。

見城 早苗 (けんじょう さなえ)

「アゲハテクニカル」に勤める新人女性社員で、大学の時から紺野雅寿と付き合っている。機械いじりが大好きで、さまざまな機械に詳しい。「アゲハテクニカル」でブライダル課に配属された当初は、機械に携われない仕事なら辞職すると憤慨していたが、次第にやりがいを見出し、情熱をもって仕事に取り組むようになる。努力家で、他人のために一生懸命になる情に厚いところがある。 大学時代にバンド活動をしていたことがあり、キーボードを弾くことができる。

小坂 祥子 (こさか しょうこ)

「カズミ美容室」で働く女性。「アゲハテクニカル」のブライダル課と仕事上で関わりを持ち、そこから紺野雅寿と知り合った。美人で料理上手の家庭的なタイプで、結婚して家庭を持つことを夢見ている。結婚観が合う雅寿と意気投合し、次第に彼に想いを寄せるようになっていく。見城早苗とすれ違っていた雅寿の心の隙につけ込み、一夜をともにする。

柿枝 一樹 (かきえだ かずき)

「アゲハテクニカル」の音響課に所属している男性社員で、見城早苗に音響の仕事を教えている。早苗にとっては上司にあたるが、わりと気さくに話せる相手で、対等に議論ができる関係を築いている。バツイチという過去を持ち、男の視点から、早苗の恋愛相談にも乗る。のちに早苗のことを本気で好きになり、紺野雅寿と別れてしまった彼女を元気づけるために心を砕くが、告白して玉砕。 その後は早苗のことを想うがゆえ、彼女と雅寿が結ばれるように奔走する。

久保田 広子 (くぼた ひろこ)

「アゲハテクニカル」のブライダル課で室長を務める女性。眼鏡をかけた堅物然としたキャリアウーマンだが、機械に弱いという弱点があり、機械を扱わなくてはならない時は見城早苗のサポートを受ける。実は「アゲハテクニカル」の社員ではなく、新規事業の立ち上げを手伝っていた立場であり、「アゲハテクニカル」の結婚式場が出来上がったのを機に、会社から去ることになる。

久保田 舞衣 (くぼた まい)

久保田広子の娘で、小学生の女の子。明るくはきはきした性格で、目上に対する言葉遣いもしっかりしている。家のこともきちんと手伝い、共働きの両親の仕事をサポートする。

宗井 辰吉 (むない たつきち)

「アゲハテクニカル」のブライダル課に所属している独身男性。年齢は41歳。長いものには巻かれろ主義で、上司や会社の言うことに逆らわずにきたが、新入社員たちの熱に押されて情熱的な性格に変わり始める。以前から桂木文子に想いを寄せており、不倫相手に捨てられてうらぶれていた文子を慰め、十何年越しで彼女のハートを射止める。

桂木 文子 (かつらぎ あやこ)

「アゲハテクニカル」の人事課に所属する女子社員で、かつては総務課で仕事に燃え、華々しい活躍をしていた。ある時、妻子ある上司と不倫の恋に落ち、以降は第三会議室で密会を重ねていたが、その男性に捨てられてしまう。そのショックからうらぶれた毎日を送っていたが、自分のことをずっと想い続けていた宗井辰吉の気持ちを受け入れ、ブライダル課の演出により結婚することとなる。

宮部 (みやべ)

小坂祥子のルームメイトの女性で、アマチュアのバンド活動をしている。陽気で明るい性格。一度だけテレビ番組に出たことがある「半導体バンド」のことを覚えており、たまたま祥子の家に遊びに来た紺野雅寿と意気投合。祥子の雅寿への気持ちを応援する。のちにライブを見に来ていた見城早苗と意気投合し、彼女の以前のバンド仲間である斉藤清を紹介され、付き合い始める。

斉藤 清 (さいとう きよし)

紺野雅寿、見城早苗とともに大学時代に「半導体バンド」を結成していた男性。髪の毛を肩くらいまで伸ばしている。大学を卒業した後も就職せず、他のバンドに入って音楽活動している。雅寿が最初に小坂祥子の家に泊まった時にアリバイ工作を手伝ったが、結局その嘘は簡単に早苗にばれてしまった。のちに早苗から宮部を紹介され、付き合い始める。 遅刻魔なところがある。

田村 則行 (たむら のりゆき)

「アゲハテクニカル」の結婚式場で挙式する予定だった男性。だが、婚約者の後藤江利子と式の前日に口論してしまい、当日になって雲隠れしてしまう。紺野雅寿に説得され、結婚について熟考したのちに、自分がどれほど江利子を失いたくないか再確認し、戻って来て無事に挙式する。

後藤 江利子 (ごとう えりこ)

「アゲハテクニカル」の結婚式場で挙式する予定だった女性。婚約者の田村則行と式の前日に口論してしまい、式当日に田村がいなくなってしまったことに傷つき、マリッジブルーに陥ってしまう。見城早苗と小坂祥子に説得され、覚悟を決めて田村の帰りを待っていたところ、戻って来た田村と無事に挙式する。

暮林 豪 (くればやし ごう)

結婚式の司会を生業としている男性。同性愛者で、言葉遣いも女性的。「アゲハテクニカル」の結婚式場で田村則行と後藤江利子の結婚式の司会をする予定だったが、同棲していた男性と別れてしまったせいでバッドコンディションになり、仕事を放棄してしまう。

西本 研二 (にしもと けんじ)

小林明日香とともに路上で弁当屋を開いている、真面目で責任感の強い男性。明日香と2人でレストランを開くという夢を持っている。「アゲハテクニカル」の結婚式場で挙式をする予定で、司会を紺野雅寿、演奏を見城早苗に頼んだ。実は親から明日香との結婚を反対されており、結婚式には両家の親族のほとんどがボイコットするというアクシデントが発生。 それでも予定通りに挙式し、参列してくれた人たちに対し、明日香とともに力を合わせて生きていくことを宣言する。

小林 明日香 (こばやし あすか)

西本研二とともに路上で弁当屋を開いている女性。元気ではあるが精神的に落ち着いている、しっかりした働き者。研二と2人でレストランを開くという夢を持っている。「アゲハテクニカル」の結婚式場で挙式をする予定で、司会を紺野雅寿、演奏を見城早苗に頼んだ。実は親から研二との結婚を反対されており、結婚式には両家の親族のほとんどがボイコットするというアクシデントが発生。 それでも予定通りに挙式し、参列してくれた人たちに対し、研二とともに力を合わせて生きていくことを誓う。

羽田 進一 (はねだ しんいち)

「アゲハテクニカル」に勤務する男性で、エレクトロニクス開発統括本部の超エリート。柿枝一樹とは旧知の仲。父親は「アゲハテクニカル」の代表取締役社長である羽田健三郎だが、社内ではそのことを伏せている。二世なのだが気さくな人物で、情に厚いところがある。政略結婚の相手である小宮鏡子のことを想っていたものの、彼女が別の男性と不倫の恋をしているということを知り、鏡子と協力して自らの結婚式をぶち壊すことを計画する。

小宮 鏡子 (こみや きょうこ)

小宮テクノの社長令嬢である女性で、羽田進一とは親が決めた婚約者。実は上司で妻子ある山崎と不倫関係にあるのだが、そのことは誰にも言えず、親から進一との結婚を決められてしまった。その事態を進一に相談した結果、協力して自らの結婚式をぶち壊すことを決意する。だが、山崎の煮え切らない態度に苦しめられている。

山崎 (やまざき)

「小宮テクノ」に勤務する壮年の男性で、妻子ある身でありながら、小宮鏡子と不倫の関係にある。鏡子の気持ちよりも自分の保身を一番に考えており、彼女との関係が周囲にばれてしまうことを何よりも恐れている。鏡子の結婚式に出席しようと会場にやって来て羽田進一と口論になり、殴り合いの喧嘩に発展してしまう。

羽田 健三郎 (はねだ けんざぶろう)

羽田進一の父親で、「アゲハテクニカル」の代表取締役社長を務める男性。「小宮テクノ」を共同事業という名目で吸収したいがために、息子である進一と小宮鏡子の縁組をさせる。社会勉強のためか、進一を「アゲハテクニカル」で働かせながらも、進一が自分の息子であることは一部の役員以外には伏せていた。

集団・組織

ブライダル課 (ぶらいだるか)

「アゲハテクニカル」の第九企画室に新設された課で、結婚式場を作るプロジェクトの総責任を任されている。室長は久保田広子で、紺野雅寿と見城早苗が配属された。結婚式場における機械類にはコンピューター制御による音響や照明などがあり、「アゲハテクニカル」の技術が使われている。久保田により、課内の恋愛禁止令が敷かれた。

半導体バンド (はんどうたいばんど)

紺野雅寿、見城早苗が大学生の時に活動していたバンド。雅寿はボーカル、早苗はキーボード、斉藤清はベースを担当しており、他にもギターの福山次郎、ドラムの津村良という5人のメンバー構成だった。他のアマチュアバンドとともにテレビ番組に出演したこともあるが、その際、早苗のキーボード以外はめちゃくちゃにこき下ろされた。

場所

アゲハテクニカル

紺野雅寿と見城早苗が入社した会社で、ハイテク産業の最王手。羽田健三郎が社長を務めており、社員数も多く、業界では名前が通っている。ロボット、半導体、デジタル楽器、AV機器、情報機器などを作っている。近年ブライダル課が新設され、新入社員の雅寿と早苗もそこに配属された。

第三会議室 (だいさんかいぎしつ)

「アゲハテクニカル」の第三会議室。普段は使用されず、物置のような状態になっている。社員の中で、結婚を間近に控えていた女子社員が第三会議室で死んでしまい、それ以来幽霊が出るという噂が立っていた。実はこれは、かつて桂木文子が不倫の恋のための密会の場として内緒で第三会議室を利用していたことが原因である。

小宮テクノ (こみやてくの)

小宮鏡子の父親が経営する会社。まだ規模は小さいが、パソコンの部門でめきめきと業績を上げている。「アゲハテクニカル」から共同事業を持ち掛けられ、これに伴って鏡子と「アゲハテクニカル」の御曹司である羽田進一を政略結婚させることとなる。

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