絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode ジェノサイダーモード

絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode ジェノサイダーモード

TVゲーム『絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode』のコミカライズ作品。荒廃した近未来の町で行われるコロシアイゲームをゲーム版主人公の相棒・腐川冬子の視点から描いている。「電撃マオウ」2015年3月号から2016年2月号にかけて連載された作品。

正式名称
絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode ジェノサイダーモード
ふりがな
ぜったいぜつぼうしょうじょ だんがんろんぱ あなざーえぴそーど じぇのさいだーもーど
原作者
スパイク・チュンソフト
漫画
ジャンル
アドベンチャー
レーベル
電撃コミックスNEXT(KADOKAWA)
巻数
全2巻完結
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あらすじ

第1巻

「超高校級の絶望」である江ノ島盾子が引き起こした「人類史上最大最悪の絶望的事件」によって荒廃した近未来。世界は「絶望」と「希望」という二つの勢力に分かれ争っていた。事件の首謀者である江ノ島の死亡によって世界は徐々に立ち直りつつあったが、それでも「絶望の残党」と呼ばれる不穏な影が世界にははびこっていた。

腐川冬子は、未来機関に所属する片思いの相手・十神白夜を追いかけ、彼の任務に勝手について行った。だが、突然の爆発に巻き込まれて、腐川は十神の存在を見失ってしまう。その後、腐川たちが任務のために塔和シティーを訪れると、そこにいた子供達はいきなり大人たちを虐殺し始める。十神がその子供たちに囚われている事を知った腐川は、彼を助けるため子供たちとの戦いに身を投じる。クラスメイトの妹・苗木こまると合流した腐川は、子供たちを束ねる希望の戦士との戦いに勝利。子供たちに対抗するレジスタンスと対面する事になるが、そこで未来機関に不信感を持つレジスタンスに敵と疑われ、腐川は囚われの身となってしまう。

第2巻

自分のもう一つの人格であるジェノサイダー翔の力を借りて、腐川冬子は虜囚の身から脱出し、希望の戦士に襲われていた苗木こまるを救出する。そこに希望の戦士の一人・新月渚が現れ、自分たちは虐待を受けた子供であり、大人が怖くて仕方がないという心情を吐露する。そして新月は二人を塔和シティーの外に追放しようとするが、モナカの命を受けた召使いに邪魔をされてしまう。そんな中、腐川と苗木は真実の絆で結ばれ、召使いを打倒。さらに二人は子供たちに襲われていたレジスタンスを助け、彼らの協力を取りつける。みんなの力をまとめて一行は希望の戦士の打倒に燃えるが、最後に残った希望の戦士は、そんな腐川たちを見て笑みを浮かべる。モナカの真の目的は、塔和シティーの大人と子供の双方を憎しみ合わせ、絶望的な戦いを引き起こす事だったのである。

登場人物・キャラクター

腐川 冬子 (ふかわ とうこ)

未来機関の見習い研究生の少女。二重人格者で「ジェノサイダー翔」と呼ばれる凶暴な人格を隠し持っている。10歳で小説家デビューし数々の文学賞を受賞した、文才あふれる「超高校級の文学少女」である。だが、その才能に反比例して、劣等感と被害妄想の激しいネガティブな性格で、ジェノサイダー翔の存在が足を引っ張っている事もあり、人付き合いを苦手としている。 十神白夜に偏執的な愛情を抱いており、未来機関に属しているのも彼がいる事が理由。そのため、「希望」と「絶望」の戦いにはまったく興味を持っていない。だが、十神が囚われた事で、否応なしに塔和シティーを巡る殺し合いゲームに参加する事となった。当初はゲームを勝ち抜くために苗木こまるの事も利用するつもりだったが、彼女に対して次第に本当の友情を感じるようになっていく。 自らにスタンガンを当てる事で、「超高校級の殺人鬼」であるジェノサイダー翔へと人格を変貌させる事が可能で、腐川冬子自身の戦闘力が皆無な事もあって、戦闘時には自ら進んで人格を交代させている。ただし人格ごとの感情は共有できても記憶の共有はできないため、気がついたら見知らぬ場所にいるという事も多い。

ジェノサイダー翔 (じぇのさいだーしょう)

「超高校級の文学少女」である腐川冬子のもう一つの人格。鬱屈した腐川の感情から生み出された凶暴な人格で、肩書きも「超高校級の殺人鬼」と物騒なもの。また口調もハイテンションで攻撃的なものに変わる。腐川がスタンガンを自身に当てる事で、電力に応じた時間だけ活動できる。ハサミを武器にし、巨大なロボットをあっさり倒すなど圧倒的な戦闘力を持つが、スタンガンの電力が不足すると活動時間が少なくなるなど制限も多い。 腐川とは記憶は共有していないが感情は共有しているため、十神白夜に対しては腐川と同様に強い愛情を抱いている。「人類史上最大最悪の絶望的事件」以前からニュースになっていたほど有名な殺人鬼だったが、十神と約束をして以降は人を殺していない。

苗木 こまる (なえぎ こまる)

江ノ島盾子を倒した苗木誠の妹。クラスメイトの家族や関係者を利用しようとした江ノ島によって人類史上最大最悪の絶望的事件から1年半のあいだ、塔和シティーに監禁されていた。救出に訪れた十神白夜によって助けられるも、その直後、希望の戦士の始めた虐殺ゲームに巻き込まれてしまう。明るく屈託のない性格をしているが、極限状態の中では弱く、他人に甘えてしまうどこにでもいる普通の少女。 希望の戦士たちとの戦いでも何度も挫けそうになったものの、腐川冬子に励まされ立ち上がっている。そしてどこにでもいる普通の少女である苗木こまるだからこそ、子供に怯える大人たちを再び立ち上がらせるきっかけとなった。腐川からは「おまる」と呼ばれており、共に困難を乗り越えて行くたびに、確かな絆を育んでいく。

十神 白夜 (とがみ びゃくや)

未来機関に所属する眼鏡をかけた少年。「超高校級の御曹司」の肩書きを持つ。監禁された苗木こまるたちを助けるため塔和シティーを訪れたが、絶望の残党の罠にかかり囚われの身になってしまう。以降、腐川冬子は十神白夜を助けるため希望の戦士たちとの戦いに身を投じて行く事となった。

シロクマ

包帯をした白いモノクマ。腐川冬子と苗木こまるが塔和シティーの地下で出会った。ほかのモノクマと違ってAIが搭載されているため、自律行動し、会話をする事もできる。苗木たちをレジスタンスの基地に導いたり、外と連絡を取るための無線機を渡したりと行動を助けるが、その行動はどこか誘導めいたものが多い。

大門 大 (だいもん まさる)

希望の戦士のリーダーで、「勇者」の肩書きを持つ少年。コントローラーで巨大なロボットをあやつり、大人たちを殺していた。腐川冬子と苗木こまるに襲い掛かるも、二人の連携によってロボットを壊され、その爆発に巻き込まれるように消えて行った。

煙 蛇太郎 (けむり じゃたろう)

希望の戦士のメンバーで、「僧侶」の肩書を持つ少年。顔が醜いという理由で、大人たちから継ぎはぎのヘルメットのようなものをかぶらされているため、その素顔は不明。塔和シティーにある塔和タワーに陣取り、巨大なロボットをあやつって腐川冬子と苗木こまるに襲い掛かるも、ジェノサイダー翔によって一蹴された。

モナカ

希望の戦士のメンバーで、「魔法使い」の肩書を持つ少女。車椅子に乗り、つねに笑顔を浮かべて天真爛漫に振る舞っている。無邪気な態度の裏には狡猾な性格が見え隠れしており、実質的に希望の戦士を取り仕切る黒幕ともいうべきポジションにいる。その正体は江ノ島盾子の遺志を継ぐ、絶望の残党の一人。希望の戦士たちの掲げる「楽園」も、ほかの子供たちをその気にさせる方便であり、モナカはその裏で召使いを通じて「2代目江ノ島盾子」を生み出す計画を進めていた。 ほかの子供たちよりも江ノ島の影響を強く受けており、普段は仲間に対して気安く接しているが、計画のためであれば希望の戦士を利用したり、子供を洗脳したりと仲間意識はかけらも持ち併せていない。 本名は「塔和モナカ」といい、塔和灰慈とは腹違いの兄妹関係。非凡な頭脳の持ち主で、年若いにもかかわらず、塔和グループのロボット開発部門の責任者に就いている。モノクマもモナカが開発したロボットである。なお、車椅子に乗っているのはただ周囲の同情を引くためであり、実際は普通に立って歩ける。

空木 言子 (うつぎ ことこ)

希望の戦士のメンバーで、「戦士」の肩書きを持つ少女。少女趣味な服装を身にまとい、かわいらしいものを好む年相応の少女らしい性格をしている。一方で大人に対しては辛辣で、苗木こまるのような好みの容姿の少女には、性的ないじめをしようとするなど倒錯的な部分を持っている。空木言子本人も大人から性的な虐待を受けていた過去があり、自分の行いもただ「仕返し」をしているだけと考えている。

新月 渚 (しんげつ なぎさ)

希望の戦士のメンバーで、「賢者」の肩書きを持つ少年。幼いわりに理知的な性格をしており、希望の戦士の中では常識的な発言が多い。仲間意識も強く、次々と仲間を倒していく腐川冬子と苗木こまるを「楽園」を作るという目的の邪魔者と見なしていた。そのため、二人を排除する目的で塔和シティーから逃がそうとしたが、その行いを召使いを通じてモナカに見とがめられ、希望の戦士から逃げ出してしまう。

クロクマ

希望の戦士の相談役を務める、ギャングの親分のような格好をした黒いモノクマ。ほかのモノクマと違って普通に会話する事が可能で、希望の戦士のメンバーは、困った時はクロクマに助言をしてもらっている。ただし、口を開けばマシンガントークで騒音をまき散らすため、普段はしゃべらないようにモナカの手でマナーモードに設定されている。

塔和 灰慈 (とうわ はいじ)

塔和シティーを巡るゲームで、レジスタンスのリーダーを務める大人の男性。塔和シティーを作った塔和グループの人間。未来機関に不信感を抱いており、腐川冬子や苗木こまるには警戒心をむき出しにした。レジスタンスの基地が襲撃された際には、腐川たちの関与を疑って拘束したが、それでも自分たちを守って戦う苗木の姿を見て二人を信じるようになる。 実はモナカの異母兄であり、もともと彼女に対しては複雑な感情を抱いていたが、希望の戦士の所業により、現在は彼女に対する憎しみが殺意にまで膨れ上がっている。最終決戦ではその感情を最悪の形でモナカに利用されてしまう。

召使い (めしつかい)

希望の戦士の子供たちにこき使われる白髪の男性。子供たちからは召使いと呼ばれており、本名は不明。表面的には子供たちに従順な振りを見せているが、子供たちが大人たちと戦っている裏で腐川冬子に取引を申し込むなど、独自に暗躍をしていた。その行動には、深い絶望は強い希望から生まれるという独自の哲学が反映されており、苗木こまるを強く絶望させるためという目的のためだけに彼女たちが有利になる情報を与えたりもしている。

江ノ島 盾子 (えのしま じゅんこ)

「人類史上最大最悪の絶望的事件」の首謀者の少女で、「超高校級の絶望」の肩書で呼ばれていた。腐川冬子や十神白夜のほか、苗木こまるの兄である苗木誠のクラスメイトで、ギャル風ファッションに身を包み、髪型をツインテールにしている。すでに苗木誠たちに倒され故人だが、江ノ島盾子が世界に与えた影響は「絶望」という形で変わらず残っている。 希望の戦士の子供たちも江ノ島の思想に強く影響されており、子供たちからは「ジュンコお姉ちゃん」と慕われていた。また希望の戦士とは別に、江ノ島の遺志を受け継ぐ「絶望の残党」と呼ばれる者たちも存在する。

集団・組織

未来機関 (みらいきかん)

「人類史上最大最悪の絶望的事件」のあと、「絶望」たちに対抗するため作り出された組織。世界を再建する事を目的としており、苗木誠、十神白夜、腐川冬子ら希望ヶ峰学園の生徒たちが多数所属している。塔和シティーに希望ヶ峰学園生徒の関係者が囚われている事を匿名のメッセージで知り、十神白夜らを中心としたチームが、救出に向かう事となった。

希望の戦士 (きぼうのせんし)

大門大、煙蛇太郎、モナカ、空木言子、新月渚の五人が結成した、世界を大人の支配から解放し、子供による「楽園」を作る事を目的としたチーム。大人を「魔物」と呼んで、残虐な拷問や殺害を行っており、塔和シティーの大人たちからは恐れられ、憎まれている。ゲーム感覚でそれぞれのメンバーに「勇者」や「僧侶」といった肩書きを付けているが、意味は特にない。 リーダーは大門だが、実質的にメンバーを取り仕切り、段取りを整えているのはモナカ。実は希望の戦士は全員、親からの虐待を受けていたうえに、問題発覚を恐れた大人たちから「問題児」として隔離されていた。そのため世をはかなんで五人で心中しようとしていたところを江ノ島盾子に助けられたという過去を持つ。 その際に江ノ島の思想に強く感化されており、世界を破壊するという間違った「希望」を植えつけられ、手始めに自分たちの親を殺している。

絶望の残党 (ぜつぼうのざんとう)

江ノ島盾子の遺志を継ぐ者たち。苗木こまるをはじめとした学園関係者の家族や希望の戦士たちを利用し、新たな絶望の象徴を生み出す「2代目江ノ島盾子計画」の実現を目論んでいた。実は絶望の残党の正体はモナカ一人の事であり、仲間の子供たちすら利用するための駒として切り捨て、さらなる絶望を生み出そうとした。

場所

塔和シティー (とうわしてぃー)

希望の戦士の虐殺ゲームの舞台となった町。塔和グループによって島に作られた町で、唯一の出入り口である橋は希望の戦士たちによって真っ先に破壊され、ジャミングによって連絡も取れないため、現在は外部からの出入りができない孤島となっている。内部には巨大な工場が存在し、大人たちを襲っているモノクマはこの工場で量産された。

その他キーワード

人類史上最大最悪の絶望的事件 (じんるいしじょうさいだいさいあくのぜつぼうてきじけん)

江ノ島盾子が首謀者となって引き起こした事件。江ノ島の思想に感化・洗脳された多くの人々が破壊活動を行い、世界中で混乱を引き起こした。これによって社会秩序は完全に崩壊し、世界は荒廃の一途をたどる事になった。江ノ島の死亡を機に、混乱は少しずつ沈静化の兆しを見せ始めているが、江ノ島の意志を継いだ希望の戦士によって、新たな混乱が引き起こされる事となった。

モノクマ

白と黒のモノトーンカラーのクマ型ロボット。人間大の大きさで希望の戦士たちの尖兵として大人たちを虐殺した。マスコットキャラクター然とした見た目に反して身軽ですばやく動く事ができ、両手に付けた鉤爪で攻撃をする。基本的に命令に従って動くだけのロボットで会話はできないが、シロクマやクロクマのように会話ができる特別な個体も存在する。 また建物を破壊するほど巨大なタイプも作られている。元は塔和シティーの工場で介護目的で開発されていた無害なロボットだったが、開発責任者だったモナカが本来の仕様を大幅に変え、工場を乗っ取って殺人ロボットとして量産した。

クレジット

原作

スパイク・チュンソフト

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書誌情報

絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode ジェノサイダーモード 全2巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉

第2巻

(2016-01-27発行、 978-4048656412)

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