みのり伝説

みのり伝説

主人公杉苗みのりがフリーライターとして恋に仕事に奮闘する物語。藤田千恵子のエッセイ集『愛の下克上』が土台になっている。

正式名称
みのり伝説
ふりがな
みのりでんせつ
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概要・あらすじ

零細出版社でライターとして働く杉苗みのりは、28歳の誕生日に会社を辞めフリーライターとして独立する。最初は住むところも失い、貧乏だったがたくさんの人に出会い、働き成長していく。

登場人物・キャラクター

杉苗 みのり (すぎなえ みのり)

ショートカットの女性。明るく前向きな性格だが、ドジで優柔不断なところもある。零細企業に勤めていたが28歳の誕生日を機にフリーライターとして独立を決意する。ライターとして仕事に奮闘する反面、実家の杉苗みのりの母から結婚を急かされたり望月卓也と恋愛関係になったり仕事と私生活の板挟みになることばかりだった。 織田功にだんだん惹かれてしまい不倫関係にまで陥る。

山内 隆子 (やまうち たかこ)

杉苗みのりの通うバーミストラルのママで良き相談相手。杉苗みのりより2歳年下。杉苗みのりがミストラルを取り上げた記事を書いたことで親交を深めた。スタイルが良い美人。しっかりしておりサバサバとした性格。バツイチで娘の山内清子と二人で暮らしている。実はバーテンダーコンテストで入賞するほどの腕前の持ち主。

織田 美枝子 (おだ みえこ)

織田出版の職員であり織田功の妻。杉苗みのりがかつて執筆していたコラムのファンで織田功に杉苗みのりに原稿依頼するよう進言した。夫思いで細かい気遣いをする。杉苗みのりが織田功と不倫関係にあったことにも感づいていた。

藤堂 (とうどう)

杉苗みのりの元恋人。杉苗みのりが22歳の頃から5年ほど付き合ったが28歳になる3ヶ月前に別れた。美大を出て絵を描いていたが、自分に甘く愚痴ばかりで絵を描かなくなっていた。付き合い始めは細かったが今では太ってしまった。

山内 清子 (やまうち きよこ)

山内隆子の娘。幼稚園の年長。元気な女の子だが、年の割には大人びており母親の山内隆子の仕事にもある程度理解がある。杉苗みのりにも懐いており杉苗みのりの家に泊りに行ったり、時には保護者代わりになってもらっている。父親の前では山内隆子には見せない甘えた姿も見せる。

沢口 (さわぐち)

東都スポーツの新人編集者の女性。今年入社したばかりで仕事ができない。杉苗みのりとカヌーの取材に行くも遅刻をしたりおしゃべりをしたりで杉苗みのりに呆れられる。

織田 功 (おだ いさお)

織田出版の社長。中年の男性。杉苗みのりの文章力を信頼しており、度々杉苗みのりの手助けをする。思考改革という本を発行し続けている。売れる本を作っているわけではないが、本を作る情熱を強く持っており良い本を作る。そのため業界内での人望は厚い。最初は杉苗みのりの文章に惹かれていたが徐々に本人にも惹かれていき不倫関係に陥る。

杉苗みのりの母 (すぎなえみのりのはは)

杉苗みのりの母親。体格の良い女性で快活だが常に娘たちの杉苗みのりと杉苗あずさを気にかけている。杉苗みのりの仕事にあまり理解はなく、常に結婚して幸せになって欲しいと願っている。

楠木 絵美 (くすのき えみ)

ベテラン女優。派手ではないが確かな存在感がある。独身。杉苗みのりのインタビューの姿勢に感銘を受け、その後も杉苗みのりをインタビュアーに指名した。

望月 卓也 (もちづき たくや)

学芸社勤務で雑誌『インサイド』の編集者。杉苗みのりと同い年。明るいが優柔不断な面もある。病弱な母親がいる。偶然杉苗みのりの母に出くわしてしまったことをきっかけに杉苗みのりと結婚直前まで行くが杉苗みのりが織田功に惹かれていることが原因で破談になる。その後野口まさ子と交際する。

渡辺 臣伎 (わたなべ みき)

メガネをかけたロングヘアをしている。フリーライターの女性。杉苗みのりより5歳年下だがライターとしては先輩。明るい性格で年下ながら杉苗みのりの良き友人となる。実家は家庭が崩壊している。支配的な母親に手を焼いており流されがち。恋人の努と結婚直前で破談になる。第十二回朝毎新聞ドキュメンタリー大賞を受賞した。

三浦 (みうら)

美味ジャーナルの編集者。杉苗みのりに仕事を依頼しておきながら、原稿料の振込を忘れており杉苗みのりに抗議された。報酬支払いを日常的に忘れているようだ。

後藤【社長】 (ごとう)

シャトル・プロダクションの社長。原稿料の支払いを約束通り行わなかったりライターを見下している。業界内でもあまり評判は良くない。とても高圧的だが実際は会社経営がうまくいっておらず追い詰められていた。

宮里 容子 (みやさと ようこ)

小説家の女性。79歳で亡くなった。著書の『早春の記』は当時高校二年生だった杉苗みのりに多大な影響を与えた。

田代 (たしろ)

田代納豆の主人。とても頑固だが快活なおじいさん。過去取材をされた際に嫌な思いをしたことから、息子の正二が杉苗みのりのインタビューを受け入れたにも関わらず最初は懐疑的だった。しかし杉苗みのりの情熱に心打たれ、その後は良き相談相手となる。

吉田 末次 (よしだ すえつぐ)

旅行雑誌『るんるん』の企画で杉苗みのりと一緒に仕事をすることになったカメラマン。昔は第十回日本写真家賞で佳作に選ばれたりもしたが現在は仕事があまりなく貧乏。愚痴が多く杉苗みのりをイラつかせる。

杉苗 あずさ (すぎなえ あずさ)

杉苗みのりの3歳年下の妹。銀行員。明るい性格で姉の杉苗みのりとも仲が良い。なかなか結婚しないので姉の杉苗みのり同様杉苗みのりの母に心配されている。

杉苗みのりの父 (すぎなえみのりのちち)

杉苗みのりの父親。物静かで穏やかな性格。杉苗みのりの母と違って娘たちの杉苗みのりと杉苗あずさが結婚しないことにも一応の理解は示している。いつもは大人しいがとても娘たちのことを大事に思っている。

杉苗みのりの叔父 (すぎなえみのりのおじ)

杉苗みのりの叔父。会うたび年齢を聞いてくるので杉苗みのりには疎まれていた。口は悪いが本当は杉苗みのりのことを大事に思っており結婚が決まりかけた時も心から祝福していた。

さよちゃん

杉苗みのりの地元の友人。妊娠中で明るい性格だが無神経なところがある。地元で行われた小さな同窓会に杉苗みのりを誘う。

矢島 光子 (やじま みつこ)

織田出版で杉苗みのりと一緒に事務員としてアルバイトをすることになった女性。将来はライターとして高給を得るのが夢。織田功と杉苗みのりが男女の関係なのではないかと勘ぐっていた。

稲葉 治 (いなば おさむ)

作家の中年男性。望月卓也の紹介で杉苗みのりのインタビューを受けるが杉苗みのりを襲おうとした。

青木 文男 (あおきふみお)

イラストレーター。雑誌の企画で杉苗みのりのインタビューを受ける。快活で陽気な性格だが両親を早くに失っており喧嘩に巻き込まれた兄を助けられなかったことを長年悔やんでいた。

冴島 京子 (さえじま きょうこ)

ベテランのライター。端正な明るい文章を書く。長らくその腕を認められていたが杉苗みのりに会った時には疲れきっており、かつての文章力を失っていたようだった。しかし自分の自信過剰さに気づき再び書くことに情熱を燃やす。

(つとむ)

渡辺臣伎の婚約者。大企業に勤め、高学歴、高身長の男性。渡辺臣伎の仕事に理解を示しているようではあったが実際は仕方なく仕事を許しているだけだった。その違和感を拭いきれず渡辺臣伎に婚約を破棄された。

(のぼる)

山内隆子の元夫であり山内清子の父親。離婚後は再婚し子供もいるようだが山内清子のことは可愛がっている。

カレーハウスインディアの主人

妻と二人でカレーハウスインディアを経営する男性。杉苗みのりがインタビューに訪れたことで知り合う。店はあまり繁盛していないが、二年間インドで修行してきた亡き兄に認められようと奮闘していたためカレーの味はかなり良い。

沢口 みつえ (さわぐち みつえ)

ベテランライターの女性。杉苗みのりが身体で仕事をとっているという噂を流しているのではないかと疑われていたが、実際は噂話をする人々をたしなめていた。サバサバした男らしい性格。

森山 陽子 (もりやま ようこ)

ライターの女性。杉苗みのりと同い年で杉苗みのりをライバル視している。仕事はできるが実は杉苗みのりが身体で仕事をとっているという噂を流した張本人だった。

友子 (ともこ)

杉苗みのりの高校時代の地元の友人。久々に上京した際に杉苗みのりに会いに来た。こどもを育てることに愚痴をこぼしながらも杉苗みのりに子育ての素晴らしさを説きうんざりさせた。

木内 芳子 (きうち よしこ)

杉苗あずさの親友で結婚前の最後の独身旅行として杉苗あずさと一緒に杉苗みのりの家に泊まりに来た。元彼に会ってしまったことで婚約者の宮原と結婚していいのか心が揺れてしまった。しかしそれは一時の気の迷いで東京旅行を切り上げて宮原の元へ帰っていった。

後藤 (ごとう)

杉苗みのりが出入りする入社1年目で出版社に勤務する女性。ミスをしてしまって泣いているところを杉苗みのりに助けられるが、編集長に甘えて事を有耶無耶にした。

ゆらり

江口徹、緑川、篠田の三人からなるバンド。駆け出しの頃その才能を見出され杉苗みのりにインタビューされる。その後ブレイクし一躍有名人となった。

河田 (かわた)

雑誌『ライム』の編集者。杉苗みのりにゆらりの記事を書くよう依頼した。編集長が変わったことで杉苗みのりが書いたゆらりの記事を載せることが出来なくなってしまったことを心苦しく思っていた。最終的に編集長と共に杉苗みのりの元に謝罪にきた。

大沢 (おおさわ)

雑誌編集者。杉苗みのりにご祝儀袋のインタビューを書くよう依頼した。やる気があまりなく良い内容のものというより、締切に間に合えばどんな内容の記事でも良いとしている。杉苗みのりが良い記事を書こうと締切ギリギリまで粘ったことに対して腹を立てていた。

滝本 次郎 (たきもと じろう)

有名なタレントで様々な番組で司会をしている。ウィットに富んだ人柄で杉苗みのりの不躾とも言える取材態度に根負けし笑顔で対応してくれた。

房野 美雪 (ふさの みゆき)

山内清子のクラスメイトの母親。山内隆子の代理で杉苗みのりが参観日に出た際に知り合った。元は新進のデザイナーだったが子育てが落ち着くまでは休職している。

今野 (こんの)

望月卓也の会社の後輩。家庭を大事にしており、子育てで家の中が騒がしく落ち着かないにも関わらず結婚は良いものだと望月卓也に勧めてくる。

片桐 (かたぎり)

片桐書房の社長だと思われる男性。織田功の友人であり仕事上のライバル。かつては明晰な人物だったが会社の経営が傾き、借金に追われたことで荒んでいた。織田功は連帯保証人になっていたためこれが原因で織田出版を一度たたむことになる。

吉行 誠一 (よしゆき せいいち)

売れない小説家の中年男性。杉苗みのりの文章や思考改革の素晴らしさを認め応援していた。思考改革が廃刊の危機に追いやられた時、かつて織田功に面倒を見てもらったベストセラー作家たちに声をかけ基金を募った。

後藤 春夫 (ごとう はるお)

新聞社勤務で子どももいる既婚者。渡辺臣伎の不倫相手。不倫が妻にバレた時に渡辺臣伎の元に一緒になろうと押しかけた。

望月卓也の母 (もちづきたくやのはは)

望月卓也の母親。望月卓也が中学二年生の時に夫を失い、依頼女手一つで望月卓也を育て上げた。杉苗みのりが望月卓也と結婚するのだと思い杉苗みのりと仲良くしようとする。元々身体が弱く入院した。

秋元 奈美 (あきもと なみ)

歌手。元デュエットグループシーズのメンバー。現在はソロで活躍しているが元シーズのメンバーであり自殺をした咲坂ゲンとの間にわだかまりがあり杉苗みのりのインタビューをきっかけに咲坂ゲンに関して折り合いをつけられるようになった。

滝沢 幸一 (たきざわ こういち)

ミストラルの常連男性。銀行員で柔道四段。体育会系の純情な性格で筋肉が自慢でよく力こぶを見せてくる。山内隆子に本気で惚れてしまい大阪支社転勤に合わせて告白した。

中曽根 洋子 (なかそね ようこ)

杉苗みのりが執筆するインサイドにハガキを送ってきた24歳の女性。結婚を機に幼い頃に亡くなった父親が自分のために買った古酒を探してほしいと依頼してきた。

大城 (おおしろ)

中曽根洋子の婚約者の照屋の親友。気の良い性格だが、つまらない冗談で中曽根洋子と照屋を仲違いさせた張本人でもある。

照屋 (てるや)

中曽根洋子の婚約者。大城の冗談を間に受けて中曽根洋子が元彼と関係を続けているのではないかという疑いをやめることができなかった。それがきっかけで一度は中曽根洋子と別れるものの古酒を見つけてからヨリを戻そうと駆け回っていた。

知念 (ちねん)

那覇に住む泡盛を仕込んでいる老人。中曽根洋子の父親とは飲み友達で中曽根洋子が生まれたことを記念して仕込んだ古酒の管理も任されていた。

後藤 友子 (ごとう ともこ)

杉苗みのりと同い年のライター。30歳を目前に結婚をすることを決める。しかし直前で他に好きな人ができてしまい披露宴の直前に逃げ出そうとして怪我をするほど抵抗した。結局結婚式は執り行われ、落ち着いてからは新郎と仲良く暮らしている。

野口 まさ子

雑誌「イオニア」の新人編集者。杉苗みのりより6歳年下。やる気はあるのだがミスばかりで間抜けだがどこか憎めない性格をしている。元彼の坂崎に振り回さもしたが望月卓也と結婚することを決めた。

武田 美香 (たけだ みか)

バイクレーサーの女性。『イオニア』の企画で杉苗みのりにインタビューされるはずだったが練習中の事故で入院してしまう。しかし怪我を押してインタビューに答えてくれた。

江口 徹 (えぐち とおる)

バンドゆらりのボーカル男性。杉苗みのりのことを信頼しており異性として惹かれてもいた。暖かい家庭に憧れがある。人気タレントの高木麗奈と交際していて、ゴシップ誌に常に見張られていた。

高木 麗奈 (たかぎ れいな)

人気タレントの女性。明るく素直な性格。江口徹と交際していたが江口徹のプロポーズをつい茶化してしまったため一度は破局するもその後婚約する。

前沢

日向社の編集者。以前は信念を持って良い誌面作りをしていたが担当雑誌が『タイムズ日向』から『ズーム』というゴシップ誌に代わってからというもの江口徹を追い回していた。

和田 直樹 (わだ なおき)

杉苗あずさの婚約者の青年。杉苗あずさが勤める銀行に勤めるエリート銀行員だったが植木職人に転職したことで和田直樹の父から結婚を反対された。

元木 吾郎 (もとき ごろう)

『イオニア』でも仕事する一流のライター。仕事はできるががさつで乱暴な性格。しかし悪い人間ではなく杉苗みのりにもアドバイスをくれる。過去に織田出版からインタビュー本を出版したこともあった。

荘田 栄子 (しょうだ えいこ)

作曲家の女性。以前元木吾郎がインタビューした時は打ち解けてくれたが杉苗みのりの独りよがりなインタビューにはあまり乗り気ではなかった。

須田 美奈子 (すだ みなこ)

杉苗みのりの地元の同級生。高校時代から付き合っていたヒロくんと結婚し二児の母になっている。ヒロくんが肝臓の病気で倒れたので看病をしつつも離婚のための準備をしている。

和田直樹の父 (わだなおきのちち)

和田直樹の父親。役場を定年まで勤めあげタクシー運転手をしている。学歴がなかったため昇進できなかったと思っており良い大学をせっかく出た息子の和田直樹にはエリート銀行員として働き続けてほしかった。権力に弱い。

米田 隆 (よねだ たかし)

杉苗みのりの地元の市議会議員。大きな造園会社の社長でもある。選挙の際色々汚いことをしたことを知っている杉苗みのりの父の働きかけによって和田直樹の父に和田直樹の結婚を認めるよう仲人を請け負った。

デスク

雑誌『イオニア』の編集デスクの男性。野口まさ子の上司で仕事にはかなり厳しい。しかしお酒を飲むと途端に陽気になる。

坂崎 (さかざき)

FBCテレビで働いていたAD。野口まさ子の大学時代の元彼。ミスや嘘が多くだらしがないため仕事もクビになった。その後は野口まさ子に依存しており望月卓也に嘘をふきこみ喧嘩を仕掛けたりもした。

飯沼 豪 (いいぬま ごう)

有名なイラストレーター。『思考改革』の表紙イラストを長年担当していた縁で杉苗みのりのエッセイ集『みのり伝説』の表紙のイラストも請け負った。有名イラストレーターなので描き直しなどほとんどなかったが織田功によって描き直しを命じられた。

集団・組織

織田出版 (おだしゅっぱん)

『みのり伝説』に登場する小さな出版社。織田功と織田美枝子の夫婦二人だけで経営する。あまり売れる本は作ってないが、今やベストセラー作家になった作家たちが若い頃仕事を一緒にしていたため多くの人に愛されている。一度は廃業したが織田功によって再び立ち上がった。

その他キーワード

思考改革 (しこうかいかく)

織田出版が定期的に発行している雑誌。売れているわけではないが、内容は素晴らしいと業界内では評判が良くファンも少なからずいる。織田功が片桐の連帯保証人になったことで廃刊した。

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