イシュタルの娘~小野於通伝~

イシュタルの娘~小野於通伝~

戦国時代の日本。人には見えないものが見える天眼という能力を持つ武家の娘・小野於通が、公家の高い教養を身につけ、時代を代表する才女へと成長し、乱世を生き抜く大河史劇。

正式名称
イシュタルの娘~小野於通伝~
ふりがな
いしゅたるのむすめ おのおつうでん
作者
ジャンル
時代劇
 
戦国
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概要・あらすじ

16世紀、戦国時代の日本。人には見えないものが見える天眼という能力を持つ武家の娘・小野於通は、織田信長の背後に黒い龍を見、近衛信基とは運命の出会いをする。その後、於通は、公家・九条稙通の保護の下で高い教養を身につけ、時代を代表する才女へと成長し、豊臣秀吉、徳川家康といった戦国大名とも関わり、乱世を生き抜いていく。

登場人物・キャラクター

小野 於通 (おの おつう)

美濃の国の地侍・小野正秀の娘。岐阜城下で物心ついた小野於通は、幼いころから人には見えないものが見える天眼という能力を持つ美少女。城主である織田信長に目をかけられ、近衛信基(のちの信輔、信尹)と運命の出会いをする。本能寺の変で、父と兄を失い、父の言にしたがって公家・九条稙通を頼って京に上り、世を自由に渡るための武器として高い教養を身につけていく。 やがて、豊臣秀吉や於ね、淀君をはじめとする豊臣家、さらに徳川家康から信任されるほどの存在へと成長していく。歴史上の実在の人物、小野於通がモデル。

小野 弥二郎 (おの やじろう)

美濃の国の地侍・小野正秀の次男で、於通の兄。父と長兄・小弥太とともに明智光秀の配下として本能寺の変、山崎の戦いへ参戦。その後、生死不明となる。

近衛 信基 (このえ のぶもと)

岐阜城下で織田信長に見出された於通と、運命の出会いをする。二人は心を通わせ、信輔は公家、書家として大成するが、政敵・豊臣秀吉との争いに疲れて傾き物となり、於通の心を悩ませてしまう。のちに渡瀬羽林という青侍にもなり、於通を驚かせることとなる。 歴史上の実在の人物、近衛信基がモデル。

織田 信長 (おだ のぶなが)

全国統一を狙う戦国時代を代表する大名の一人。その背後に、於通は天眼により巨大な黒い竜を見る。信長は於通の才を見出し、信基と於通の運命的な出会いのきっかけを作るが、明智光秀に謀反を起こされて命を落とす。於通の父・小野正秀、兄(小弥太、弥二郎)は明智光秀配下であった。 歴史上の実在の人物、織田信長がモデル。

羽柴 秀吉 (はしば ひでよし)

織田信長の家臣であり、本能寺の変で信長が斃れた後に天下統一を果たす。於通は天眼で秀吉の背後に強い大きな光を見ている。於通は九条稙通と信輔との語らいの中、信長の後継者を「ひょうたん」と予言した。のちに、近衛信輔の政敵となり、秀吉は石田三成らを使って信輔を苦しめることになる。 歴史上の実在の人物、豊臣秀吉がモデル。

於ね (おね)

羽柴秀吉の正室。周囲からの信頼が厚い。岐阜城下で少女時代の於通と出会っており、於通は明るくて力強い女性であると感じた。のちに於通と再会した於ねは於通の才に感心し、自身の祐筆(代筆)等を任せるため、於通を大坂城に招く。 歴史上の実在の人物、高台院がモデル。

徳川 家康 (とくがわ いえやす)

全国統一を狙う戦国時代、江戸時代を代表する大名。成長した於通は、天眼で家康の背後にこの世を変えるほどの大きな強い輝きを見る。家康は、すでに都で名を成していた於通に、江戸城に住まう侍女たちが都人の笑いものとならないよう教育することを依頼する。 歴史上の実在の人物、徳川家康がモデル。

九条 稙通 (くじょう たねみち)

かつては関白を務めたが、於通と出会ったときには隠居の身となっていた。於通と信輔の二人の身と行く末を案じている。於通は大御所のうしろに狐の姿を見るが、大御所はそれを飯綱権現が自らにつけた守りと説明し、さらに於通に小野家の血筋と、於通の天眼の意味を説明する。 天涯孤独となった於通を保護し、高い教養を身につけさせ、飯綱の太夫やぬばたまとも出会わせるなどして、於通に自立して生きる力を与えた。飯綱の里での祈祷の際、於通を「明星の娘」と呼んだ。歴史上の実在の人物、九条稙通がモデル。

丹羽の太夫 (にわのたゆう)

飯綱天領の長で、九条稙通と親しい。於通は太夫の背後に大きな狐(飯綱権現)を見る。さまざまな祈祷やあやかしの術、飯綱法を駆使する。飯綱の里は忍びの里でもあり、のちに九条稙通に相談されて於通のもとに「ぬばたま」をつかわせるなど、於通の困難を救う。

ぬばたま

飯綱の太夫が九条稙通に相談され、於通の安全を守るためにつかわした飯綱の里の忍び。さまざまな忍術を用いて於通を助ける。於通と九条稙通など親しいものとの連絡係でもある。正体は不明。

真田 源次郎 (さなだ げんじろう)

信州上田の領主・真田昌幸の次男で信幸の弟。母・山の手殿が公家の出のためか、やさしく荒武者には見えない。兄弟仲がよく、兄とともに飯綱の里を訪れた際に小野於通と出会う。於通は「流星のごとく鮮やか」と評した。のちに真田家と於通は永遠のつながりを持つことになる。 歴史上の実在の人物、真田信繁がモデル。

真田 源三郎 (さなだ げんざぶろう)

信州上田の領主・真田昌幸の長男で幸村の兄。母・山の手殿が公家の出のためか、やさしく荒武者には見えない。兄弟仲がよく、弟とともに飯綱の里を訪れた際に小野於通と出会う。於通は「月のごとく穏やか」と評した。のちに真田家と於通は永遠のつながりを持つことになる。 歴史上の実在の人物、真田信之がモデル。

細川 珠 (ほそかわ たま)

明智光秀の娘で、細川忠興の正室。禁教であるキリスト教の信徒。ある友に尽くすため、京極マリア(豊臣秀吉の側室、京極龍子の母)に仲介を依頼して、小野於通と面会しようとする。歴史上の実在の人物、細川珠がモデル。

浅井 茶々 (あざい ちゃちゃ)

浅井長政と織田信長の娘・お市の方との間に生まれた浅井三姉妹の長女。小野於通に書道を習い、於通を「お師匠殿」と呼んだ。国の女王になりたいと願った。於通は淀殿を「美しく勝ち気でときに愛らしい」と評した。歴史上の実在の人物、浅井茶々がモデル。

浅井 江与 (あざい えよ)

浅井長政と織田信長の娘・お市の方との間に生まれた浅井三姉妹の三女(末娘)。小野於通に書道を習い、於通を「お師匠殿」と呼んだ。於通は天眼で江与に強い運を感じ、背後に海を見ている。徳川家康が、すでに都で名を成していた於通に、江戸城に住まう侍女たちが都人の笑いものとならないよう教育することを依頼することに、江与は大きく関わっている。 歴史上の実在の人物、浅井江与がモデル。

斎藤ふく (さいとう ふく)

明智光秀の家臣・斎藤利三の娘で、のち稲葉正成の後妻となる。父の刑場で小野於通と面識を持ち、再会の際に於通の講義を受けたいと懇願した。武家の女子という自覚が強く、四書五経などの儒学も学ぼうとする意欲的な姿勢がのちに於通を動かすことになる。 歴史上の実在の人物、春日局がモデル。

その他キーワード

天眼 (てんがん)

『イシュタルの娘~小野於通伝~』に登場する小野於通が使用する特殊能力。相手の本質や、行く末などをイメージとして見通したり、予知する能力で、小野家の血筋にはときおり天眼を備えた者が現れるという。於通は織田信長に巨大な黒い竜を見たり、羽柴秀吉や徳川家康の背後に強い光を見るなどする。 九条稙通や飯綱の太夫は於通の持つ天眼の本質を悟っている様子である。

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