花紡ぐ、庇護ノ神

花紡ぐ、庇護ノ神

この世は3つの世界で成り立っている。人間の住まう「現世(うつしよ)」、物の怪の住まう「幽世(かくりよ)」、現世で生まれた穢(けが)れの掃き溜め「虚世(うつろよ)」である。そして幽世には、虚世への入口を護(まも)る美しい大木「御霊神樹(みたましんじゅ)」があった。ある時、神樹に寄生した穢れを封じ込めた「鬼生種(きせいしゅ)」が現世に撒き散らされてしまう事件が発生。神樹の護り手である庇護ノ神・世羅は、現世に行き、鬼生種を集めることになる。現世を旅する世羅を軸に、さまざまな神、物の怪、人間の姿を描いた和風ファンタジー。「ジーンピクシブ(Web)」にて、2019年9月より配信を開始。

正式名称
花紡ぐ、庇護ノ神
ふりがな
はなつむぐ ひごのかみ
作者
ジャンル
怪談・伝奇
 
和風ファンタジー
レーベル
ジーンピクシブシリーズ(KADOKAWA)
巻数
全3巻完結
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

日ノ本国(ひのもとのくに)の南西、豊富な銀が採掘される鉱山と南蛮貿易で栄えた港町。半年前、港町の中心的な存在であるお屋敷の奥方・蓮見が謎の病で倒れてしまう。その後、事業を引き継いだ婿養子の辰馬は、屋敷の金を使い込んで贅沢三昧。採掘事業にも支障を来たしていた。そんなある日、小さい女の子を連れた、若い漢方医がふらりと屋敷を訪ね、蓮見の病について聞き込みを始める。漢方医の名は世羅。その正体は、3つの世界をつなぐ入口を護(まも)る庇護ノ神であった。この世は、人間の住まう「現世(うつしよ)」、魑魅魍魎や神の住まう「幽世(かくりよ)」、地の底「虚世(うつろよ)」から成り立っている。ある時、虚世への入口を護る、幽世の大木「御霊神樹(みたましんじゅ)」が大病を患い、大量の穢(けが)れを幽世に溢れさせてしまう。神樹の護り手である当時の庇護ノ神は、命を賭して虚世の入り口を封印。そして神樹に寄生した穢れを、神樹の一部「鬼生種」に封じ込め、現世に撒き散らした。現在の庇護ノ神である世羅は、現世に降り、神樹を元に戻すために鬼生種を集めているのだ。鬼生種は、人間の憎しみや悲しみに引き寄せられて寄生し「妖屍者(あやかしもの)」となる。世羅は、立入禁止となっている古井戸に、蓮見の病の原因があることを突き止める。辰馬に騙され、屋敷の古井戸で命を落とした女中の悲しみ・憎しみが、妖屍者と化していたのだ。世羅は、長刀で妖屍者を祓い、鬼生種の回収に成功する。すると不思議なことに、蓮見はみるみる快方に向かった。そして、蓮見の尽力によって落ち込みつつあった銀の採掘量は回復。港町は活気を取り戻したのであった。(1話 花の種)

登場人物・キャラクター

世羅 (せら)

「現世(うつしよ)」「幽世(かくりよ)」「虚世(うつろよ)」という3つの世界をつなぐ入り口を護(まも)る神様、庇護ノ神。現世では漢方医としての顔を持つ。長髪で、女性のように美しい容貌が特徴。長刀を携えており、刀身を花弁に変えて攻撃する「花紡ぎ」という技を持つ。体内に「妖屍者(あやかしもの)」を抱えており、首に描かれた封印で抑え込んでいる。蛟龍の甚雨を眷属として従えているが、なぜか甚雨のほうが立場が上で、「先生」の敬称をつける。甚雨からは「猫(マオ)」の愛称で呼ばれている。現世に撒き散らされた「鬼生種(きせいしゅ)」を集めるため、現世を旅する。

茉莉花 (まつりか)

世羅といつも一緒にいる小さな女の子。ほとんどしゃべらない。大きな目とおかっぱ頭、髪の左右にある赤い花が特徴。金魚の姿になったり、水を操ったりすることができる。また、水を介して特定の場所に瞬間移動することも可能。

鈴蘭 (すずらん)

花山稲荷という寂れた神社の狐。黄金色で少年のような姿をしている。千草という少女との思い出から、神社を離れることができなかった。しかし、千草は「妖屍者(あやかしもの)」になっていたことが判明。千草が世羅に祓われたあと、世羅と一緒に、湯治宿「葛籠屋」へ向かう。

甚雨 (じんう)

1000年以上を生きる蛟龍。2本の角が特徴の美丈夫。手当たり次第に女性を口説く癖がある。世羅の眷属だが態度が大きく、世羅のことを「猫(マオ)」と呼び、子ども扱いしている。世羅が八尾姫を打倒した暁には、世羅の心臓をもらうという契約を交わしている。

八尾姫 (やおひめ)

「妖屍者(あやかしもの)」の長。鬼の面をつけ、巨大なムカデを体にまとわせている長髪の少女。素顔の左半分にあざがある。人間や物の怪を妖屍者に変え、従わせる。体内に妖屍者を抱える世羅を従えようとする。

場所

葛籠屋 (つづらや)

「幽世(かくりよ)」にある、物の怪専門の湯治宿。「御霊神樹(みたましんじゅ)」のそばにある。「現世(うつしよ)」で穢(けが)れを浴び続けると、神気が弱まり、頭痛・吐き気・倦怠感などさまざまな症状が出る。葛籠屋の温泉は、御霊神樹の力によって穢れを洗い流すことができる。初代庇護ノ神の眷属だった狼と、神樹に住み着いていた雀によって建てられた。

その他キーワード

御霊神樹 (みたましんじゅ)

「幽世(かくりよ)」に佇む、美しい大木。「虚世(うつろよ)」への入り口を護(まも)る役目を担い、穢(けが)れを浄化する力を持っている。約1000年前、ある病に侵されて力を失い、大量の穢れを幽世に溢れさせてしまう。時の庇護ノ神は、穢れを「鬼生種(きせいしゅ)」に封印。「現世(うつしよ)」にばら撒く。現在の庇護ノ神である世羅は、神樹を元に戻すため、ばら撒かれた鬼生種を回収している。

鬼生種 (きせいしゅ)

「御霊神樹(みたましんじゅ)」に寄生した穢(けが)れを封じ込めた種。御霊神樹が大病を患った際、神樹と「幽世(かくりよ)」を救うため、時の庇護ノ神により「現世(うつしよ)」にばら撒かれた。人間や物の怪に寄生し、「妖屍者(あやかしもの)」を生む。

妖屍者 (あやかしもの)

「鬼生種(きせいしゅ)」が、人間の憎しみや悲しみ、怒りに引き寄せられて寄生し、異質なものとなった姿。また、八尾姫は人間や物の怪を器に、「妖屍者(あやかしもの)を生み出すことができる。物の怪から生まれた個体のほうが強いという特徴がある。

書誌情報

花紡ぐ、庇護ノ神 全3巻 KADOKAWA〈ジーンピクシブシリーズ〉

第1巻

(2021-12-27発行、 978-4046804013)

第2巻

(2022-01-27発行、 978-4046810199)

第3巻

(2022-12-27発行、 978-4046814265)

SHARE
EC
Amazon
logo