茶箱広重

茶箱広重

浮世絵師一立斎広重の跡を継ぐことになった重宣の苦悩と、それを取り巻く人々と世相を浮き彫りにしていく。

正式名称
茶箱広重
ふりがな
ちゃばこひろしげ
作者
ジャンル
時代劇
 
自伝・伝記
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概要・あらすじ

浮世絵師一立斎広重コロリで亡くなったため、1番弟子だった重宣が2代目を継ぐこととなり、まだ13歳の先代の娘、おかやと政略結婚することになる。ほかの弟子たちから妬まれるなか、重宣は次々と作品を描かされる忙殺の日々に苦悩する。跡継ぎとしての重責と周囲との葛藤に、遂に重宣は2代目を返上しおかやとも離縁することを決心するのだった。

登場人物・キャラクター

鎮平 (ちんぺい)

浮世絵師一立斎広重の1番弟子。33歳の時に先代が亡くなり2代目を襲名する。後に「広重」の印形を返上し喜斎立祥(きさいりっしょう)と名乗る。実在の浮世絵師、2代目歌川広重がモデル。

お崑 (おこん)

一立斎広重の妻。気丈で、襲名した重宣と何かとぶつかる。跡継ぎの騒動に翻弄され、苛立ちの日々を送ることになる。

おかや

13歳のまだ幼き時に重宣と政略結婚させられたために重宣への愛情はなく、やがて若い弟子寅吉へ想いをよせていくことになる。実在した、初代広重の養女、お辰がモデル。

重政 (しげまさ)

浮世絵師一立斎広重の弟子。重宣の弟分のような存在だったが、2代目を捨てた重宣に代わって一立斎広重の跡を継ぐことになる。3代目という立場に不満を持ち、生涯を2代目広重として名乗り通した。

歌川 広重 (うたがわ ひろしげ)

東海道五十三次などで知られる浮世絵師。主人公重宣の師匠。

一陽斎 豊国 (いちようさい とよくに)

江戸時代末期の、一立斎広重歌川国芳と並んで当代浮世絵の三羽烏と言われた。

鳴正 (なるしょう)

絵の買付けをする商人。お崑に重宣を跡継ぎにするように助言する。

重歳 (しげとし)

一立斎広重の弟子。2代目を継ぎたい思いがあったが、重宣が跡を継いだことで、何かと不平不満を漏らし、重宣にもきつくあたる。お崑を取り込もうとするがうまくいかない。

一勇斎 国芳 (いちゆうさい くによし)

江戸時代末期に、一立斎広重一陽斎豊国と並んで当代浮世絵の三羽烏と言われた浮世絵師。

兵吉 (へいきち)

近所の町人。外にも内にも味方のいない重宣に、いろいろ気にかけて助言をしてくれる友人。

香林堂主人 (こうりんどうしゅじん)

絵の買付けをする商人。新たな自分らしい作品へと模索する重宣に売れるものを描かせようとする商売人。

縞屋の美吉

重宣の通う女郎屋の遊女。お崑に手切れ金を投げつけられて重宣とは別れることになる。

その他キーワード

コロリ

『茶箱広重』に出てくる一立斎広重がかかった病気コレラのことをこう呼んだ。この時代に治療法はなく、たくさんの人が亡くなった。

茶箱広重 (ちゃばこひろしげ)

『茶箱広重』の用語。寅吉が「2代広重」を名乗り通したことで、人々は重宣のことを茶箱広重と呼んで区別した。外国輸出用に茶を入れる大型木箱に宣伝用に貼った錦絵を重宣が描き、その絵があまりに素晴らしいと評判になったことからの由来である。

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