ドラゴンヘッド

ドラゴンヘッド

富士山噴火による大地震が原因と思われる災害に遭遇した主人公青木輝らは、荒廃した絶望的な状況下で、家族に再会するという事を信念の元、ボロボロになりながらも生き延びようとする様を描くサバイバルストーリー漫画。同時に極限状態での人間の恐怖の深淵にが主題となっており、災害時の恐怖やパニックに陥った人間心理が巧みに表現されている。ノブオの異常行動によるメイクはホラー漫画にも負けずとも劣らない描写である。1995年に連載開始となった作品だが、富士山噴火や地震、津波などの描写が東日本大震災を彷彿とさせるほどリアルで、読む者を圧倒させる。

正式名称
ドラゴンヘッド
ふりがな
どらごんへっど
作者
ジャンル
サバイバル
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概要・あらすじ

修学旅行の帰り、突如発生した大地震によって青木輝たちの乗った新幹線はトンネル内で脱線事故を起こす。出入り口はなく、外界と完全にシャットアウトされた状況のなか、同級生瀬戸憧子高橋ノブオらと生き延びるための方法を模索していくが、状況はどんどん酷くなっていく。なんとかして外界に脱出する事ができた青木輝瀬戸憧子の二人だったが、更なる過酷な世界が二人を待ち構えていた。

登場人物・キャラクター

青木 輝 (あおき てる)

修学旅行帰りに突然起こった新幹線の大事故での生き残りの一人。ごく普通の中学生。両親、姉の四人家族。家庭内では少し反抗期らしく家族一緒の外食を拒むなどするが、事故の際は家族の事を一番に思い出し身を案ずる。学校でも不良というわけではなく友達もそれなりにおり平凡に過ごしていた。大破した新幹線内では最初はパニックに陥り泣き叫ぶなどするが、他の生き残りである髙橋ノブオや瀬戸憧子を見つけ、手当てをしたりアルコールランプを自作、ラジオの改造などをしたりし、リーダーシップを発揮する。 普段は温厚な性格ではあるが、相手につられて逆上しやすい性質。その後ノブオを見殺しにした、という自責の念からトラウマを持つようになる。

瀬戸 憧子 (せと あこ)

『ドラゴンヘッド』の登場人物で、青木輝と同級生。新幹線事故の生き残りで、行動を共にする。黒髪のロングヘア。事故の一年半前に両親を交通事故で亡くしており、親戚と共に暮らしている。その事が原因で強いストレスを受けると、突如として眠気に襲われる。過酷な状況の中でも取り乱す事もあるが、青木輝を救うために山を越えて病院へ行こうとするなど、勇敢で責任感ある性格。

高橋 ノブオ (たかはしのぶお)

『ドラゴンヘッド作品』の登場人物で、青木輝と同級生。新幹線事故の生き残りで、行動を共にするが、徐々に精神を病み言動がおかしくなる。元いじめられっこだったらしく目を合わせて話そうとしない。常に何かに怯え、パニックに陥いって泣き叫んだり冷静を完全に失う。青木輝と喧嘩別れをした後、一人で行動するようになり、その言動は異常さを増していく。

美川 (よしかわ)

青木輝と瀬戸憧子が新幹線脱出後に行き着いた浄水場で出会った4人組少年少女グループの一人。16歳の少女。4人の中では一番まともに見える性格。面倒見が良く二人に食料や靴、洋服を与える。グループのメンバーが奇怪な儀式を行なっている中で、その状況を青木輝や瀬戸憧子に説明していた。

仁村 (にむら)

陸上自衛隊中部方面隊所属の隊員。刹那的で世の中を斜めに見ており身勝手な性格。壊滅的な状況下において音楽や読書に逃げ、現実を見ようとせず仲間からも信用されていない。やさぐれた態度で問題行動も多いが、瀬戸憧子を必死で助けようとするなど、根からの悪人ではない。

岩田 (いわた)

陸上自衛隊中部方面隊所属の隊員。ぼうず頭でメガネをかけている。ヘリを操縦・整備することが出来、仁村に命令されて部隊から離脱したが、仁村の身勝手な態度や行動に失望し、反発するようになる。共に隊から離脱した自衛隊仲間の中では唯一良識ある行動をする。青木輝を助けるために薬を取ってくる事を仁村に命ずる。

山崎 (やまざき)

陸上自衛隊中部方面隊所属の隊員。ガソリンスタンドを探しに行く際、瀬戸憧子に遭遇。強姦しようとするも返り討ちに合い、小指を負傷。逆上し仁村と共に瀬戸憧子を追いつめる。小ずるく気が小さい性格。

大池 (おおいけ)

陸上自衛隊中部方面隊所属の隊員。仁村に従い行動する。青木輝が助けを求めた際に仁村に追い返すように命じられ仕方なく従う。また、青木輝に怪我をさせていた際、その身を案ずるなどしており、根は優しい性格のようである。

おばさん

瀬戸憧子が出会った中年女性。ふくよかな体系で年齢は瀬戸憧子の母親と同年代。地震以前は小学校の国語の教師だった。大地震直後の津波から辛うじて生き残り、家に帰ろうとする途中、暴徒と化した市民を目の当たりにする。医療の心得もあり青木輝の治療のために必要な薬を指示する。冷静沈着で頼りがいがあり面倒見のいい性格。

菊池 (きくち)

瀬戸憧子と仁村がヘリの燃料と薬を手に入れるために山に入った際に出会った謎の人物。頭に手術後があり、傷跡を指差しながら「りゅうず」という言葉を発する。死んだ魚のような目をしている。一緒にいた友人と思われる男性によると、元は強迫神経症かと思われるほどの臆病もので不安性であったようだが、手術後はまるで痛みや恐怖を感じなくなったかのようになったという。

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