貧乏姉妹物語

貧乏姉妹物語

山田きょうと山田あすは、母を失い、父は行方知れず。まだ中学生と小学生の2人は、電気代も払えないほど貧しい中で、お互いのことを大切に思いながら、明るく頑張って暮らしていく。1話8ページ以下で構成されるオムニバス作品。舞台は「20XX」年で、中学生でも大人と同様に働ける、という設定になっており、山田きょうが様々なバイトをしている様子が見られる。主人公山田きょうと山田あすのモデルは作者の知人の子どもで、舞台になっているアパートは作者の実家がモデル。作品の元企画にあたる4ページ短編『強く貧しく美しく』が1巻の最後に掲載されている。

正式名称
貧乏姉妹物語
ふりがな
びんぼうしまいものがたり
作者
ジャンル
兄弟・姉妹・双子
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概要・あらすじ

15歳の山田きょうと、9歳の山田あすは、母に先立たれ、父は行方不明の姉妹。2人で築40年のボロアパートに住んでおり、電気代も家賃も払えないほど貧しい生活。しかし、お互いをとても大事に思っている2人は、いつも明るく笑顔でいられるよう健気に頑張っている。そんな2人を、大家さんや近隣の住民たちも、励まし続けていた。

ある日、二人は叔母にあたる高島未来と、彼女の養母である高島トキに出会う。二人の厳しい生活を見た彼女たちは、それぞれ自分のもとに引き取ろうとする。

登場人物・キャラクター

山田 きょう (やまだ きょう)

15歳の中学3年生。髪型はショートカット、いつも学校指定のセーラー服を着ている。明るく元気で、運動神経が非常にいい。一方で天然で、余計なことをして失敗することが多々ある。学力は非常に高く、授業中はバイトによる疲労で寝ているものの、テストでは高得点を取っている。料理は一切できない。とても貧しい山田家で、新聞配達をはじめとした様々なバイトをこなして、家計を支えている。 妹の山田あすを溺愛しており、彼女と少しでも離れると寂しがる。また妹のためなら、どんな苦労も惜しまない。仙台の親戚の高島トキに共に住むように言われた時、妹が心配でヒッチハイクで東京に戻った。ギャンブル好きだった父の山田週を「ダメ親父」と呼んでとても嫌っていたが、後にいなくなった理由を知り、心を開いた。

山田 あす (やまだ あす)

9歳の小学3年生。ロングヘアで眉毛が少し太い。商店街の人気者で、色々なお店の大人に声をかけられている。頭がよく、学校ではクラスメイトに慕われている。髪の毛をうまく切る技術を身につけ、姉の髪を整えている。歌は音痴だったが、訓練によりうまくなった。節約術に長けており、電気代、水道代、食費など少しでも安く済むように普段から計算し、家計を管理している。 料理がうまい。しっかりもので、天然の姉の山田きょうを支えている。姉のことが大好きで、少しでも一緒にいたいと思う反面、姉のためなら我慢しなければいけない、と考えてしまう一面もある。蒸発した父親山田週には、姉と違い好意的。

山田 佳子 (やまだ かこ)

山田きょうと山田あすの母。きょうが6歳の時、あすを産んですぐに亡くなった。そのためあすは母の記憶がほぼない。夫は山田週。妹は建築士の高島未来。叔母(妹の義母)は高島トキ。

山田 週 (やまだ しゅう)

山田きょうと山田あすの父親。娘との約束を守ったことがほぼない。酒とタバコが好きなギャンブル狂だったため、姉のきょうには嫌悪されていた。妹のあすはそれほど嫌がっておらず、口癖の「大丈夫」を信頼しているフシもあった。3年前に自宅を売って失踪した。きょうはそれを憎んでおり、「ダメ親父」と呼ぶことがあった。 ギャンブルの借金で逃げたと思われていたが、実際は友人の連帯保証人になったことで抱えた借金であることが判明する。

林 源三 (はやし げんぞう)

78歳の老人。普段からタバコをくわえた、偏屈で頑固な、山田きょうと山田あすの住むアパートの大家。家賃をなかなか支払えない2人からは「恐怖の大魔王」と称されている。かつて妻と娘を事故で失って以来、寂しさを抱え続けている。根は優しく、きょうとあすの理解者で、山田姉妹が困っている時に手回しをして援助する気配りを見せている。

三枝 蘭子 (さえぐさら んこ)

山田きょうと山田あすの部屋の隣に住む小説家。普段からサングラスをかけている、年齢不詳の女性。文学賞である「大木賞」を「森蘭子」のペンネームで取っている。一緒に住んでいた男が旅に出ており、帰ってくるのを待っている。

一ノ倉 正男 (いちのくら まさお)

山田きょうと山田あすの隣の部屋に住む歌手志望の赤貧の男性。飄々とした性格をしており、数多くのファンがいる。音痴だったあすに歌い方を教えた。

越後屋 金子 (えちごや きんこ)

15歳の中学3年生。越後屋銀子の姉。ロングヘアに細い目をしており、学校中の女子から慕われる美少女。腕には常に腕章をつけている。ホテル・デパートを経営する「越後屋コンツェルン」の後継者。いつも丁寧語でしゃべる。完璧主義者で、妹の越後屋銀子に厳しい。実際は妹思いで、彼女への愛情を表現しようとするも、感覚がズレているためトンチンカンな行動に出ることがある。 大金持ちの娘なのに反して極度のケチで、節約術を山田あすに学ぼうとした。しかし節約の方法が間違っており、損をしていることの方が多い。料理が極端に苦手。

越後屋 銀子 (えちごや ぎんこ)

9歳の小学3年生。越後屋金子の妹。山田あすの隣のクラスの学級委員長。姉の越後屋金子を「お姉様」と呼んでとても尊敬し慕っており、姉の完璧主義に合わせようと頑張っている。しかしトンチンカンな倹約や、料理がへたくそなところには困っている。気が強く負けず嫌いで、同級生の村田ユキに煽られて対抗意識を燃やしている。 山田きょうと山田あすの仲の良さに憧れている。

高島 未来 (たかしま みらい)

山田きょうと山田あすの母親である山田佳子の妹。建築士で金持ち。妹の娘である山田姉妹が赤貧であるのを知り、好意から数多くのプレゼントを送り、山田きょうに全寮制の中学に行くことを勧めた。山田姉妹の父山田週が売り払った家を買い戻して住んでいる。姉の山田佳子との過去や、義母である高島トキとの関係に悩んでいた。

高島 トキ (たかしま とき)

高島未来の義母で、山田きょうと山田あすの大叔母。普段から体調が良くない、仙台に住む老人。山田姉妹を溺愛しており、二人の前では元気になる。未来がかつて、姉の山田佳子といるのを阻止しようとした過去があり、そのため未来に嫌われていると思い込んで、苦しんでいた。

村田 ユキ (むらた ゆき)

小学3年生。山田あすの隣のクラスに在籍。あすが買い物に行く商店街にある「肉の村田屋」の娘。サバサバした性格で気が強く、プライドの高い越前屋銀子をよく煽っている。銀子が生真面目な性格で、頑張り屋なのを知り、心を開いた。

菜子 (なこ)

山田きょうが家庭教師をしていた小学5年生の少女。身体が弱く、学校を休みがちだった。きょうがとても好きで、「お姉様になってください」と告白をした。

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